俺は金が好きだ。なぜかと言えば金はすべての代わりになるからだ。物も買える。命も買える、人も買える、心も買える、幸せも買える、夢も買える。とても大切なもので、そしてそのうえでかけがえのないものでないから好きだ。
逆にいうと俺はなかけがえのないものが嫌いだ。『あれ』がなきゃ生きていけないとか、『あれ』だけが生きる理由だとか、『それ』こそは自分の生まれてきた目的だとか。そういう希少価値に腹が立って仕方がない。
何が言いたいのかって?俺の住む場所が無くなったって話だ。
「どうするかねぇ、」
ボロボロの制服、滞納しまくった借金の催促状、はぁ、神というのは不公平だ。当たり前すらとうとうなくなった。……まあ、金を払ってまで公平にしてもらうほど信心深くもないが。
燃え盛る家を見ながら、俺はため息をついた。
一銭の価値にもならないが、仕方あるまい、この家に火をつけた奴に報復に行くとしよう。
「人の不幸は、人の絶望する感情は、上手いのか?上手いからそうするんだろうな、わかるぞ、俺も金のために、人を騙すし、嘘もつく。でもな、かわりになるとしても、かわりが手にはいるまで時間がかかるものもあるんだ。だからさぁ、落とし前はつけてもらわないとな」
因果とは奇妙なものだ。あの日から、俺に魔女という魔物が寄生してから、こういうことがよく起こる。こういった存在に攻撃される。
「俺の家を燃やすぶんにはいいが、その前に俺の家を買ってからにしてもらわないとな。小学生、いや、そういや一年前に小学生は終わったんだったな、まぁ、中学生でも生きる場所は必要だからだ」
柏手一つで歯車一つ、もう一度叩けば歯車二つ、もう二度叩けば八に増える。
「劇場開演、演目は百年戦争・
なぜか槍先と斧がついた、5連ライフルが出てくるからそれを使ってガトリングのようにして、魔女に乱射する。
近づいてきたら斧で叩き斬り、槍で薙ぎ払う。
「ふむ、今回もあっけなく終わったな。金にならんが、金を奪うやつを生かしておく必要はないからな。ところで、君は誰だ?」
「………そんなの、私が聞きたいよ、何者なんだ?見た目は女だが、その声、男だろ」
「そうだな男だ。だからなんだと言うんだ」
「何者かって聞いてるんだけど」
「知りたいか?教えてやろう、金を払え」
「いくらだい?」
聞き分けがいいな、こういう奴は好きだ。
「ふむ、そうだな、1000、いや、1500だ」
「結構取るんだな」
「必要だからな、俺の名前は、
「………続きは?」
「これ以上は別途料金だ」
「私は佐倉杏子、」
「2円だな」
「は?」
「名前を名乗る程度では2円だ。魔法少女であることも、見れば分かるから金にはならん。それじゃぁな、」
「ここは私の縄張りだ!二度と来るな!」
「………分かった二度とこない」
まったく横暴な女だな、商売道具はちゃんと回収できたしいいとしようか。今日はどこで寝ようか、天井と壁があればいいからな、廃ビルでも探すか、