真央先輩はおとこ♂の娘    作:ろあタルト大福

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第10話 R-15有り 「おねだり&ずぶ濡れ」

 俺は今、達成感に満ちている。

普段の勉強が実を結び、テストで高得点を取ったのだ。

順位もクラス、学年ともに一桁台だ。

 

 これは先輩も驚くに違いない。

その日、俺は帰る前に先輩と校門で待ち合わせをした。

 

『やあ』

「あっ、先輩」

『君が僕を呼ぶなんて珍しいね』

「そうなんですよ〜聞いてくださいよ〜」

 

 そして俺はテストのことを先輩に話した。

俺がどう勉強してきたかや、先輩のおかげで、

勉強へのモチベーションが出てきたということを。

 

『ふふっ、僕のおかげで順位が上がったなんて嬉しいね。でも、今の結果は君が頑張った努力のおかげだよ』

「へへへっ」

 

 先輩に褒められて、変な声が出てしまう。

 

『よく頑張ったね、枕木君。おめでとう』

「……ありがとうございます先輩!」

『ふふっ、じゃあ僕はお先に失礼するよ』

「えっ」

『え?』

 

 もう終わりなのだろうか、正直もっと褒めてほしい。

『君は天才だね』とか『やっぱり枕木君はカッコいいよ』とか。

もっと言うと、ご褒美が欲しい。

 

「い、いやもっとなんか…その」

 

 俺がそう言うと、先輩は首を傾げたあと、

俺の顔をじっと見つめてきた。

まずい、下心がバレてしまう。

 

『ふうん……ご褒美が欲しいんだね』

 

 バレた。

こうなったからには仕方ない、

俺は本心を隠さずさらけ出した。

 

「だっ、だって、いつも先輩は俺に優しいし、テストで頑張ったらいいことしてもらえるかなって」

「実際、順位すごいですよ。見てください、一桁ですよ!一桁!」

「頑張ったんですからね、最初のころ思い出してくださいよ!」

「ノートすら取ってなくて、かなり危なかったのに今は一桁ですよ!」

「だからもっと褒めてくださいよ〜ッ」

 

 俺は言い切った。

少し……いやだいぶ恥ずかしい。

しかも校門前で喋ったせいで、周りがヒソヒソ話しながらこちらを見ている。

あまりの恥ずかしさに、俺は猛ダッシュで帰宅した。

 

 帰宅したあと、俺は部屋の布団の中で丸まっていた。

自分の発言と、周りの視線を思い出すたびに、

布団が丸まっていく。

 

 すると突然、チャイムが鳴った。

俺は行きたくなかったが、配達員さんだったら申し訳ないと思い、

一応、玄関へ向かった。

 

 俺がドアを開けると、そこにいたのは先輩だった。

 

「ひいいっ、ごっ、ごめんなさい」

 

 あんなことを言ったあと、逃亡してしまったのだ、

先輩でも怒ってしまうだろう。

 

『忘れ物をしているよ、枕木君。ほら、これ』

「へっ?」

 

 思っていた返答と違ったので、困惑した。

先輩が手に持っているものを見ると、

それは俺の鞄だった。

急いであの場から離れたので、忘れてきてしまったのだろう。

 

『ふふっ、慌てすぎだね枕木君』

「……すいません、先輩」

 

 受け取ったあとお礼を言い、俺がそっとドアを閉じようとすると、

先輩がドアノブを引っ張ってきた。

 

「あの……なんですか先輩」

『入ってもいいかな?』

「えっ」

『ほら、ご褒美の話をね』

 

 それを聞いた俺は「まだ俺に優しくしてくれるんだ」と思いながら、

先輩を家に入れ、俺の部屋へ向かった。

 

「その……人が来ると思ってなかったので、あんまり綺麗じゃないですけど……」

『いいよ、無理言って来たのは僕だからね』

 

 俺と先輩はベッドに座って、話し始めた。

 

「あ、あの……さっきはすいません」

『ん?僕は別に気にしてないけれど』

 

 また先輩に気を遣われてしまった。

 

『君はすぐ落ち込むね』

「す、すいませ」

 

 俺がそう言いかけると、先輩は俺の体を倒して、

自分の太ももに俺の頭を乗せた。

いつもの膝枕だ。

 

 ただいつもと違うのは、俺の頭の向きが、

先輩の体を向いているということだ。

頭もホールドされて、向きを変えることができない。

 

「むぐっ」

『君は喋るとすぐ落ち込んでしまうからね』

 

 そしてしばらくの間、先輩は俺の頭を離さなかった。

別に俺も、この体勢を変える理由がなかったので動かなかった。

──やはり先輩の膝枕は落ち着く。

 

 先輩の太ももの感触と温度を感じながら、

先輩の匂いも感じられて、幸せだ。

 

 さっきまでの辛い記憶が薄れていくようだ。

このまま寝てしまいたい──。

そう思うと、先輩が俺を起こした。

 

『寝たらダメだよ、枕木君』

「そ、そんなあ」

『元気は出たかな?』

「まあ、少しは……」

『なら、よかったよ』

 

 先輩は少し笑ってそう言った。

相変わらず、先輩の笑顔は素晴らしい。

 

『じゃあ、元気も出たところでご褒美の話をしようか』

「えっ」

 

 さっきまでの膝枕がご褒美だと思っていた俺は驚いてしまった。

 

『ん〜?何を驚いているのかな』

「いや、さっきまでのがご褒美だと思ってて……」

『まあ、あれもご褒美といえばご褒美なんだけれど』

 

 すると、先輩がこちらの手を握って、

天使のような微笑みでこう言った。

 

『せっかく君が頑張ったんだから、僕もそれに応えないとね』

 

 それを聞いた俺は、嬉しさで泣きそうになってしまった。

子供のわがままのような、

校庭での俺の発言に応えてくれるなんて。

 

『じゃあ、なにがいい?』

「へっ?」

『ふふっ、なにをしてほしいか、君が決めていいんだよ』

「えっ、あっ」

 

 俺は戸惑った。

急になにがいいかと言われても思いつかない。

いや、思いつくには思いつくが、

先輩にもドン引きされてしまいそうなものばかりだ。

 

 他にはなにがいいだろうかと、考えていると、

俺は先輩にしてほしいことを思いついた。

 

『その表情……決まったみたいだね』

「先輩」

『うん』

「その、先輩の膝枕で寝たいです……」

 

 先輩は少しキョトンとしていた。

想像していたのは、もっと過激なものだったのだろうか。

 

「あ、あのダメだったら別に」

『……ふふっ、いいよ。ほら、おいで』

 

 先輩が自分の太ももを優しく叩いて、

俺を呼んでいる。

 

 頭を乗せると、とても落ち着く。

この世のどんな枕でも、先輩には勝てないだろう。

 

『どうかな、枕木君』

「気持ち……いいです」

『ふふっ、じゃあおやすみ』

「……あっ、先輩」

 

 俺は突然、あることを思い出した。

先輩は、家でご飯を作るため、

17時には帰らなければならないのだ。

現在、時計は16時45分を示している。

 

「家、帰らなくても大丈夫ですか」

『大丈夫だよ、君が寝たら帰るさ』

 

 俺はそんなにすぐ寝ると思われているのだろうか。

 

『ほら、ご褒美なんだから寝ないと。僕のためにもね』

「……そうですね、おやすみなさい先輩」

『おやすみ、枕木君』

 

 ──気づいた時には眠ってしまっていた。

起きると、先輩はもう帰っていた。

何時だろうと思い、スマホを見ると、

時刻は19時だった。

 

(やっば、寝過ぎちゃった。先輩の膝枕が気持ち良すぎたせいで……ん?)

 

 スマホの画面をよく見ると、

先輩からのメールの通知があった。

なんだろうと思い、確認すると、

そこにはこう書いてあった。

 

【先輩】 『君が寝たから、僕は帰ったよ』

 

【先輩】 『君がすぐ寝て驚いたよ、とても気持ちよさそうだったね』

 

 そんなにすぐ寝てしまったのかと、思っていると、

まだメールの続きがあることに気づいた。

画面を下に動かすと、

 

【先輩】 『ほら、これ』

 

 という文面と共に俺の寝顔の写真が送られてきていた。

その顔はとても気持ちよさそうだ。

 

 ──校門でのやり取りは恥ずかしかったが、

結果的に先輩の膝枕を二回も楽しめたのは、

よかったのかもしれない。

だが、次の日──。

 

「あなた、ちょっといいかしら」

「ん?なんだよ竜崎」

「昨日、校門で他の生徒に叫ぶ生徒がいたそうですわね」

「い、いやそれは……」

「話を聞かせてもらえるかしら?」

 

 俺はそのあと、竜崎にこっぴどく叱られた。

相手は先輩だから大丈夫、と言い訳したが、

学校で叫ぶこと自体が迷惑だと言われてしまった。

人前で叫ぶのはやめよう──。

 

 

 

 R-15 「ずぶ濡れ」

 

 

 今日の授業が終わり、家に帰ろうとすると、

突然、雨が降ってきた。

これはまずい。

 

 俺は今日、傘を持ってきていないのだ。

しかも勢いもかなり強い。

少し、雨が止まないかと待ってみたが、

まったく降りやむ気配はない。

 

 俺が下駄箱のあたりで右往左往していると、

先輩が外からやってきた。

 

『やあ』

「あっ、先輩」

 

 先輩が傘を持っている。

 

『君が傘がなくて、困っていそうだったからね』

「な、なんでそれを」

『だって全然、外に来なかったからね』

 

 そのあと俺は傘がなくて困っている、と話すと、

先輩が俺の家まで一緒に帰ってくれることになった。

 

『じゃあ、これを持ってくれるかな』

 

 そう言うと、先輩は俺に持っていた傘を渡した。

 

「これは?」

『僕も一つしか傘を持っていないんだ』

 

 そして少し、間を置いたあと、

先輩は少し笑って、こう言った。

 

『だから……相合傘だね、枕木君』

 

 俺がその一言を聞いて固まっていると、

 

『ふふっ、そろそろ行こうか』

 

 と言われてしまった。

そして俺が傘を差して、

二人で俺の家へ向かい始めた。

 

「あ、あの濡れてたりしませんか」

『大丈夫だよ、君がしっかり傘を持っていてくれているからね』

 

 緊張してしまう。

相合傘などしたことはないし、

もし先輩が濡れてしまったらどうしようと思うと、

手が震えてしまう。

 

 するとそれを先輩に見られたのか、

こう言われた。

 

『大丈夫だよ、落ち着いて』

 

 俺はその一言で震えが止まった。

やはり先輩は優しい。

 

「す、すいません」

『気にしないで、僕の方こそ君に傘を持たせてしまって申し訳ないよ』

 

 すると、先輩が俺の方を見上げた。

 

『僕が君より身長が高かったら、僕が持ててたのにね』

「い、いや先輩は今のままでいいですよ」

『……ふふっ、そっか』

 

 すると先輩は、そっと近づいてきた。

嬉しかったのだろうか。

だが先輩にくっつかれると、

ドキドキしてしまうからやめてほしい。

 

 そうこうしていると、俺の家に着いた。

 

『着いたね、枕木君』

「よかった〜、先輩、今日はありがとうございました」

『ふふっ、じゃあまたね』

 

 そして先輩は自分の家へ向かおうとしたが、

その瞬間、車がやってきて、

水飛沫で先輩はずぶ濡れになってしまった。

 

 俺は急いで先輩のもとへ向かった。

 

「だ……大丈夫ですか先輩」

『ふふっ、びしょびしょになってしまったよ』

 

 怪我とかはなさそうで安心したが、

俺はあることに気づいてしまった。

 

 先輩の濡れた制服が透けてしまっている。

幸い、ブレザーで胸は隠れているが、

これはまずい。

俺はそれ以上、透けた部分を見ないようにし、

急いで先輩を担ぎ、家の中へ入れた。

 

『どうかしたのかな?』

「あっ、いやその状態の先輩を外に出しておけないというか…」

 

 先輩は不思議そうにこちらを見つめたあと、

下を向いて、自分の制服を確認した。

 

『透けちゃってたんだ』

「み、見てませんよ」

 

 口を滑らせてしまった。

先輩はまだなにも言っていないというのに。

 

『ふふっ、君は分かりやすいね』

「い、いや違くて」

『でも助かるよ、さすがに透けたまま帰るのは恥ずかしいからね』

 

 そして俺は急いで、タオルと替えの着替えを持ってきた。

着替えは先輩のサイズがなかったので、

俺のものを持ってきた。

 

「あ、あのすいません、先輩サイズの服はなくて……」

『いや、助かるよ』

「ならよかったです」

 

 そして着替えを渡すと、先輩はこちらをじっと見つめてきた。

 

「どうかしましたか」

『今着てる服、脱がせてほしいな』

 

 俺は戸惑った。

先輩の服を脱がす……?

そんなことをしたら、先輩のいろんな場所が見えてしまう。

 

『嫌かな?』

「嫌ではないですけど……」

『そっか』

 

 そう言うと、先輩は俺の両腕を持って、

自分のブレザーのボタンに当てた。

 

『ほら、外してみて』

 

 俺はなにをやっているのだろうか。

本当はこんなことせず、早く着替えてもらい、

着ていた服を乾かすのが大事なはずなのに。

 

 だが、俺の体はボタンを外すことを選んだ。

これを外せば、さっき見ないようにした胸が見えてしまう。

しかし、もう俺の体は本能だけで動いていた。

 

 先輩の、胸が見たいという本能で。

そして外すと、今まで隠れていたものが露わになった。

 

「これは、ブラジャー……?」

『ふふっ、そうだよ、擦れるからつけているんだ』

 

 思わず、俺はそれをじっと見つめた。

先輩がつけているのは、ハーフトップ型のものだった。

 

『ふふっ、見過ぎだよ』

「す、すいません。でも先輩が脱がしてって……」

『そうだね、これを見た時の反応が見たかったんだ』

 

 どうやら俺は先輩の罠にハマってしまったようだ。

 

「あ、あとは自分で脱いで着替えてくださいね!」

 

 そう言って俺は、玄関から離れ、リビングへ入った。

さっきのことを思い出すだけで、頭がおかしくなりそうだ。

いつもだったら、まず冗談なのかを聞いていたはずなのに……。

俺は見たいという気持ちに支配されてしまっていた。

 

 そんなことを考えていると、ドアが開き、

先輩が入ってきた。

俺の服を着た先輩は、服がブカブカで可愛い。

 

『着替えたよ、元の服はどこにおけばいいかな?』

「あっ、その、脱衣所に置いてくれれば、俺が浴室乾燥機で乾かすので……」

『分かったよ』

 

 そして先輩が脱衣所に服を置き、

俺が服をかけ、乾かし始めた。

先輩の濡れた制服を見ていると、変な気持ちになってしまう。

 

 リビングへ戻ると、先輩が俺を待っていた。

 

『……さっきはごめんね、枕木君。少しからかいすぎてしまったね』

「い、いや大丈夫ですよ」

 

 気まずい空気が流れている。

ただでさえ外も雨で暗くてじめっとしているのに、

家の中まで、暗いのはごめんだ。

 

 そうだ、こうしよう。

俺は上を脱ぎ、上半身裸になった。

 

「先輩、俺のも見ていいですよ!これでおあいこですね!」

『……』

 

 さらに空気が変になってしまった──。

 

 

 今、リビングには気まずい空気が流れている──。

俺が行動を間違えてしまったからだ。

 

「す、すいません」

 

 恥ずかしくなり、服を着ようとすると、

先輩が笑った。

先輩の顔を見ると、笑いすぎたのか涙が出ている。

少し経って、落ち着いたあと、先輩が口を開いた。

 

『……はあ、君は面白いね』

「な、なら、よかったです」

 

 空気が和んでよかった。

俺は安心し、服を着ようとした。

すると先輩が、俺の腕を掴んだ。

 

「な、なんですか」

『ねえ、触ってみてもいいかな』

「えっ」

 

 予想外の答えに戸惑ってしまう。

俺の鍛えてもいない体を触りたいだなんて、

相変わらず、先輩の考えることはよく分からない。

 

「まあ、少しなら……」

『ありがとう。じゃあ、触るね』

 

 先輩は、優しく撫でるように触ってきた。

少しくすぐったい。

一通り触ったあと、今度は人差し指で押してくる。

変な感じだ。

先輩がずっと触ってくるので、思わず声が出た。

 

「あ、あのもういいですか」

『おっと、集中しすぎてしまったね』

「そんなに俺の身体が好きなんですか、先輩〜?」

『……そうかもね』

 

 その声は照れ隠しのような声色だった。

いろいろ話したあと、俺はようやく、服を着ることができた。

 

「はあ、ようやく着れましたよ」

『ふふっ、ごめんね』

 

 そのあと、俺は浴室へ行き、制服が乾いているか確認した。

だが、乾くまでにはもう少し時間がかかりそうだ。

 

「先輩、もうちょっとかかりそうです」

『そっか……ねえ枕木君』

「ん、なんですか先輩」

『君は、僕の身体触ってみたい?』

 

 今日、何度も衝撃を受けていた俺は、

さすがに、今回は驚かなかった。

どうせこれは冗談だろう。

 

「冗談ですよね?」

『違うよ』

「えっ」

『僕は君に触ったんだから、君も僕に触っていいんだよ』

 

 俺は驚いた……が、今日はそれ以上に、

触りたいという気持ちが強かった。

いつもなら断っているはずなのに、なぜだろう。

きっと雨のせいだと、俺は責任転嫁した。

 

「触り……たいです」

『いいよ』

 

 そう言うと先輩は、着ていた上の服をまくり上げようとした。

それを見た俺は冷静になってしまい、

まくり上げようとしている手を掴み、止めた。

 

『どうしたのかな?』

「そ、その直で見るのは恥ずかしいというか……」

『じゃあ、服の中に手を入れるのはどうかな。これなら見えないよ』

 

 俺はその提案に乗ることにした。

冷静になりはしたが、やはり触りたいのだ。

そして服の中へ手を伸ばした。

 

 すると、柔らかいものに当たった。

おそらく先輩のお腹あたりだろう。

先輩のものは、柔らかくて俺の手に吸いついてくる。

それと雨で濡れたからだろうか、少し、しっとりとしている。

 

 先輩を見ると、上目遣いでこちらを見ている。

誘っているのだろうか。

 

 俺がさらに上へ手を動かすと、

なにやら、濡れたものに当たった。

 

 少し戸惑っていると、先輩が口を開いた。

 

『それはブラだよ、さすがに下着はつけておきたかったからね』

 

 先輩の下着に触れ、心臓の鼓動が高まっていくのを感じる。

このままでは、俺はおかしくなってしまう。

そろそろ服から手を抜かないと。

そう思っていると、先輩が挑発するように話しかけてきた。

 

『もう終わるのかな?』

「い、いやだって」

 

 俺が続きを喋ろうとすると、

先輩は俺の口に指を当て、耳元で囁いてきた。

 

『僕の下着の中、君なら触ってもいいよ』

 

 その言葉で、俺のタガが外れた。

ドクン、ドクンという心臓の鼓動が自分にも聞こえてくる。

俺はゆっくりと、指を下着の中に入れ、

中のものを触った。

 

 柔らかくて、ずっと触っていたくなる。

先輩の体温も、感触も、全て感じる。

手のひらから頭に伝わってきて、それ以外のことを考えられなくなりそうだ。

 

 その後も、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと触り続けた。

それ以外のことを全て忘れ、触ることだけに集中した。

 

『ふふっ、触りすぎだよ』

 

 俺はその一言で冷静さを取り戻した。

俺は……なにをやっていたんだろう。

 

「あ、あっ、すいません」

『いいよ、あっ、そろそろ乾いたかな』

 

 時計を見ると、浴室へ行って乾いているか確認したときから、

1時間も経っていた。

 

 俺はそんな長時間、触っていたと思うと、

恥ずかしくて、頭から煙が出そうだ。

 

 そして俺は、乾いた制服を先輩に渡し、

先輩は制服に着替えた。

外を見ると、雨も止んでいる。

 

『今日はありがとうね、枕木君』

「あっ、いえ……」

 

 先輩が帰る時も、俺はさっきのことを思い出していた。

まだ手には感触が残っている。

そんなことを思っていると、先輩が俺の腕を持って、

自分の胸に当てた。

 

「えっ、あっ」

『ふふっ、枕木君、またね』

 

 そして、先輩は家へ帰っていった。

俺はその日、ずっと先輩のことを考えてしまい、

眠れなかった。

 

そして次の日──。

 

『やあ、おはよう』

 

 校門で俺を待っていた先輩は、

昨日のことなんて、なかったかのように、

いつも通りだった。

 

「お、おはようございます先輩。その……昨日は」

 

 そう言いかけると、先輩が昨日のように俺の口に指を当て、

俺の言葉を遮った。

 

『ここで話したら、他の人に聞こえてしまうよ』

「えっ」

『あれは……僕たち二人だけの秘密だからね』

 

 先輩の表情は、天使と悪魔が混じったような、

優しく、そして誘惑的な……笑顔だった。

 

 そのとき、分かった。

俺はもう先輩から離れられないと──。

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