ゴブリンも一党も瓦礫の下に消えた静寂の中でズズズッと何かが動く音が響く。
「プハッ!!ハァ〜ハァ〜」
「けほっこほっ!!」
瓦礫と思われていた物の正体はリザードマンが掲げた鏡であり瓦礫は鏡の向こうへ消えていった。
「巨大な瓦礫もたちまち吸い込むとは、しかし如何せん重いのが堪えた」
「盾にしようにもその重さとデカさではな、もしかすっとこの鏡は古代の旅行装置か何かだったのかもな」
「興味が無い」
ドワーフの言葉にゴブリンスレイヤーは淡々とそう返す。
「でも本当に街の下じゃなくて良かったですよ」
「街の下なら下でまた別の手を考えていた」
「別の手?」
「お前のモンスターが…………何といったか、最初にこの一党で行った遺跡にいた奴に居た…………」
「オーガ?」
「ああ、そいつに使った雷の術を使って頭目を潰してもらうつもりだった、そうなれば後は烏合の衆だ、どうとでもなる」
「そうだったのか」
「ああ、おい」
調教師にそう言うとゴブリンスレイヤーは今度はハイエルフに声を掛ける。
「何よ」
「火も水も毒も無しだぞ」
「オルクボルグ」
「何よ」
何処かドヤ顔全とした物言いにイラッとしたハイエルフはゴブリンスレイヤーを崖から蹴落とした。
それからゴブリンスレイヤーが剣の乙女に事態終息の報告に向かい一党は辺境の街に帰って行った。
辺境の街に戻って来た調教師は報酬を受け取るとゴブリンスレイヤーに武器屋を紹介してもらいそこの店主と話していた。
「っていうのが欲しいんだが出来るか?」
「一応置いておるが、ありゃあそこまで人気はねぇぞ?」
「え?そうなの?」
「ああ、遠距離武器の代名詞と言やぁ弓か魔法ってのが定石だし素材が傷みやすくて弓程長持ちせんうえに変えるのが面倒、更に射程も威力も弓の方が上と来とる、それなら素直に弓を練習した方が良いってのが一般論だわな、後は精々そこいらの村の子供が遊びに使う位だ」
「それでも構わない、俺に売ってくれ、今俺が求めているのは最低限の援護だからな」
「……………………しゃあない、最高級の素材使うとこの位掛かるぞ」
「そこまでしてもらわなくて良い、さっきも言ったが最低限の援護が出来れば良いからな」
「ならこの程度だな」
店主が持ってきた物を一通り触り調教師は頷くと店主に代金を払いその場を後にする。
「親方、あの人最近ゴブリンスレイヤーさんについて行ってる一ですよね?何であんな物を」
「アイツも同様に自分がしてる事を弁えているって事だろう」
店主は頭を掻きながらそう言うと再び鎚を手に金床に向き直った。
明日と明後日はお休み