エンジニアのSAO Progressive ~NPCが売ってないなら作ればいい~   作:Edward

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105 外出するときはセキュリティの確認を

紅玉宮

 

「…………」

 

紅玉宮。

 

巨大なモニターを前に、茅場晶彦は無言で立っていた。

 

その手には、一杯のコーヒー。

 

しかし、もう口をつける気にはなれなかった。

 

モニターには、先ほどまで第九層で起きていた出来事の記録が映し出されている。

 

《秘鍵の儀式が完了しました》

 

《世界樹との接続を確認》

 

《マナ流入を開始します》

 

《対象――アインクラッド全域》

 

そして――

 

《魔法システムの解放条件が成立しました》

 

「…………」

 

茅場の眉間に、深い皺が刻まれる。

 

このイベントの原型となったのは、アインクラッドに残された《大地切断》の伝説だった。

 

かつて世界には魔法が存在していた。

 

だが、大地が切り離されたことで世界樹との接続が失われ、マナの供給が途絶えた。

 

それ以降、魔法そのものは失われた――。

 

そういう設定である。

 

設定を構築していた当時、統括システム《カーディナル》はひとつの矛盾を指摘した。

 

――魔法が過去に実在したのであれば、その復活可能性を世界設定に組み込むべきである。

 

茅場は拒否した。

 

即答だった。

 

「必要ない」

 

ソードアート・オンライン。

 

その名の通り、この世界で戦うための基本は《剣》だ。

 

剣。

 

槍。

 

斧。

 

体術。

 

プレイヤー自身が間合いを測り、身体を動かし、武器を振るう。

 

剣技と判断。

 

それこそが、この世界の根幹である。

 

そこへ魔法を持ち込むつもりなど、茅場には最初からなかった。

 

遠距離から呪文を唱えれば炎が飛ぶ。

 

回復呪文ひとつで傷が癒える。

 

そんなものを、この世界の攻略手段として組み込みたくはなかった。

 

だが――問題があった。

 

アインクラッドには、すでに《魔法の名残》が存在していた。

 

魔力を宿した古代の道具。

 

エルフたちに伝わる《おまじない》。

 

特殊な効果を持つ遺物。

 

世界設定を遡れば、それらはすべて「かつて魔法が存在した」という歴史へ行き着く。

 

ならば。

 

――なぜ、魔法を復活させる方法だけが存在しないのか。

 

カーディナルは、その矛盾を許さなかった。

 

結果として――茅場は折れた。

 

ただし。

 

素直に復活させる気など、毛頭なかった。

 

六層から始まる、森エルフと闇エルフの対立。

 

双方の歴史。

 

失われた古文書。

 

散逸した秘鍵。

 

途中で破損した一本。

 

ドワーフという第三種族。

 

その所在を示す、ほとんど手掛かりのない伝承。

 

さらに、森と闇の双方に存在する魔法独占派。

 

すべての秘鍵を集めるだけでは足りない。

 

修復しなければならない。

 

儀式の場所を突き止めなければならない。

 

そして――六本の秘鍵を、正しい順序で使用しなければならない。

 

一つでも判断を誤れば失敗。

 

正規の攻略ルートから外れれば、必要な情報そのものが揃わない。

 

そもそもこれはメインクエストではない。

 

攻略しなくても、次の層へ進める。

 

途中で放棄されることを前提にしたような、悪意すら感じる設計。

 

茅場自身――

 

事実上、攻略不能。

 

そう考えていた。

 

それなのに。

 

突破した。

 

よりにもよって――。

 

「あの男が……」

 

モニターに映る男を見て、茅場のこめかみが僅かに動く。

 

こっこ。

 

正規ルートを歩かない。

 

イベント製作者が用意した答えを探すより先に、別の解決方法を作り始める。

 

船が必要なら造る。

 

遠距離攻撃が足りなければクロスボウを量産する。

 

巨大兵器が必要なら投石機まで持ち込む。

 

鍵が必要なら盗む。

 

偽物まで作る。

 

敵対するはずのNPCとは交渉する。

 

そして最後には――

 

森エルフも。

 

闇エルフも。

 

ドワーフも。

 

全部巻き込んでしまった。

 

茅場が想定した《秘鍵争奪戦》そのものを、根底から壊したのである。

 

「…………気に入らない」

 

背後にいた神代凛子が、呆れたように息を吐いた。

 

「まだ言ってるの?」

 

「このイベントが成立する確率を、私は以前こう表現した」

 

茅場は淡々と言った。

 

「宝くじとTOTOを同時に一等当選させ、喜び勇んで銀行へ向かったところで、航空機から落下した部品が頭部に直撃する程度の確率だ」

 

「嫌な例えね……」

 

そのときだった。

 

モニターの向こうで、こっこが仲間たちに話していた。

 

『こんなイベント、普通クリアできないよ!』

 

茅場の眉が動く。

 

『宝くじとTOTOが同じ日に一等当たって、喜んで家を飛び出したら――』

 

「……?」

 

『隕石が頭に当たって死ぬくらいの確率だよ!』

 

沈黙。

 

紅玉宮に、なんとも言えない静寂が落ちた。

 

凛子がゆっくりと茅場を見る。

 

茅場はモニターを見る。

 

凛子を見る。

 

もう一度、モニターを見る。

 

「…………」

 

凛子の口元が、にやりと上がった。

 

「あんた達、似てるわよ」

 

「似てない」

 

即答だった。

 

「いや、似てるって」

 

「似てない」

 

「例えの発想までほぼ一緒じゃない」

 

「違う。私は航空機部品だ。あいつは隕石だ」

 

「そこ?」

 

茅場の眉間に、さらに皺が寄った。

 

そして――。

 

ぷつん。

 

何かが切れた。

 

「……決めた」

 

「なにを?」

 

茅場はモニターから離れ、管理コンソールへ向かった。

 

その動きに迷いはない。

 

「彼を観察する」

 

凛子は目を瞬いた。

 

「今もしてるじゃない」

 

「違う」

 

茅場の指がコンソールを走る。

 

新規プレイヤーデータ。

 

いや――正確には、新規ではない。

 

アルファテスト時代から使用していた、自分専用のキャラクターデータ。

 

長身。

 

整えられた容貌。

 

鍛え上げられた体格。

 

茅場自身がテストプレイで何度も使用し、最も手に馴染んでいたアバター。

 

それを現在のSAO環境へ適合させる。

 

装備。

 

武器。

 

アイテム。

 

必要最低限のコル。

 

攻略組へ自然に合流できるだけのレベルとスキル構成。

 

当然ながら、ゲームバランスを破壊するような装備は与えない。

 

目的は攻略ではない。

 

観察だ。

 

モニター越しでは分からないものを見る。

 

あの男が何を考えているのか。

 

なぜ、用意された道から外れるのか。

 

なぜ、外れた先で結果だけは出すのか。

 

そして――。

 

なぜ自分が、これほどまでにあの男を気に入らないのか。

 

「本気?」

 

凛子が聞いた。

 

「本気だ」

 

最後に、音声設定を変更する。

 

声紋を加工。

 

茅場晶彦という存在を完全に消す。

 

プレイヤーネーム入力欄が表示された。

 

茅場は、しばらくそれを見つめ――。

 

静かにキーを叩いた。

 

HEATHCLIFF

 

登録完了。

 

凛子がその名前を見る。

 

「ヒースクリフ……?」

 

「ああ」

 

茅場は装備データを確認した。

 

片手剣。

 

そして――盾。

 

後にアインクラッド最強の防御力を誇ることになる男の、最初の装備だった。

 

「ちょっと待って。まさか直接行くの?」

 

「その方が正確に観察できる」

 

「こっこさんを?」

 

「……攻略組をだ」

 

「こっこさんを?」

 

「攻略組をだ」

 

「はいはい」

 

「…………」

 

転送準備が完了する。

 

茅場は最後に、モニターを振り返った。

 

画面の向こうでは、魔法復活を成し遂げた張本人が、何やら騒いでいる。

 

そしてその周囲では、リズベットやシリカたちが呆れた顔をしていた。

 

茅場は小さく目を細めた。

 

「……確かめてやる」

 

何を。

 

それを、茅場自身にもまだ説明できなかった。

 

ただ一つ確かなことがある。

 

この日。

 

アインクラッドを上空から眺め続けていたゲームマスターは――

 

初めて、自ら盤上へと降りた。

 

転送光が、その身体を包む。

 

そして。

 

後に《聖騎士》と呼ばれる男――

 

ヒースクリフが、戦地に降り立った。

 

 

《ほっこり休憩村》――食事処《こっこ亭》

 

ゲームプレイヤー側へと降り立った、茅場晶彦。

 

いや――今、この世界において彼が名乗るべき名は《ヒースクリフ》。

 

血盟騎士団を率いる聖騎士にして、いずれ攻略組の前に立ちはだかる、この世界最大の秘密を抱えた男である。

 

そんな彼がプレイヤーとして最初に向かった場所。

 

それは、攻略が始まったばかりの第十層――

 

ではなかった。

 

第八層。

 

プレイヤーたちの間で妙な評判を集めつつある場所、《ほっこり休憩村》。

 

目的は、もちろん敵情視察である。

 

その中心部にある、一軒の食事処。

 

《こっこ亭》。

 

「ここか……」

 

ヒースクリフは暖簾を見上げる。

 

最近、プレイヤーたちの口コミで急速に知名度を上げている店だ。

 

料理スキルを駆使して現実世界の料理を可能な限り再現し、中でも《豚骨ラーメン》なる料理の評判がすこぶる高い。

 

プレイヤーたちの生活環境、経済活動、攻略から離れた際の行動――。

 

それらを自分の目で確認する。

 

これもまた、ゲームマスターとして必要な視察である。

 

そう自分に言い聞かせ、ヒースクリフは暖簾をくぐった。

 

「いらっしゃいませー!」

 

「いらっしゃいませ♥」

 

「いらっしゃいませー♥」

 

「…………!!」

 

ヒースクリフの足が止まった。

 

厨房の奥。

 

見覚えがありすぎる男がいる。

 

こっこ。

 

ヒースクリフ――茅場晶彦にとって、できればゲーム開始直後には遭遇したくなかった人物。

 

いや。

 

率直に言えば――

 

ボスキャラである。

 

(なぜいる……!?)

 

思わず目を見開きそうになるのを、鉄壁の表情で押し殺す。

 

(普通、第十層が解放されたなら、そちらへ行くのではないのか!?)

 

攻略組より先に妙なイベントを掘り当て。

 

想定していなかった方法でシステムを利用し。

 

ついには、あれほど突破困難に調整した魔法復活イベントまで攻略してしまった男。

 

その張本人が――

 

なぜか第八層でラーメン屋をやっている。

 

ヒースクリフのプレイヤー生活。

 

記念すべき最初のエンカウントは、いきなり最悪の相手であった。

 

おそらく今頃。

 

紅玉宮では――。

 

(……凛子。笑っているな?)

 

間違いなく、モニター越しに笑われている。

 

そんなことを考えていると、こっこがコップを置いた。

 

「はい、お冷です。……お客さん? 注文は?」

 

「……あ、ああ」

 

ヒースクリフは軽く咳払いする。

 

危ない。

 

普段の威厳を取り戻さねば。

 

「では――噂の豚骨ラーメンをいただこう」

 

「あー……」

 

こっこが申し訳なさそうに頭を掻いた。

 

「済まないねえ、お客さん……。スープ、終わってまして…… 」

 

「なんと!」

 

ヒースクリフの声が素で裏返った。

 

わざわざ八層まで来たのだぞ。

 

その反応がおかしかったのか、リズが口元を押さえている。

 

だが、こっこは何かを思い出したように手を叩いた。

 

「あ! そうだ!」

 

「?」

 

「私の賄い用に一杯だけ残してるんですよ。そっちでよければ出せますけど?」

 

「いや、それは……」

 

ヒースクリフはさすがに戸惑った。

 

「ご主人の賄いまでいただくわけにはいかない」

 

「いやいや!」

 

こっこは笑って手を振る。

 

「売れる分は腹を減らしてでもお客さんに売る! それが流儀ですから!」

 

「…………」

 

「ちょっと温め直すんで、待っててくださいね」

 

そう言って、こっこは厨房へ引っ込んでいった。

 

ヒースクリフは、その背中をしばし見つめる。

 

そこへリズが申し訳なさそうにやってきた。

 

「すみません  賄いまでお出しするなんて、逆に失礼ですよね?」

 

「……いや」

 

ヒースクリフは静かに首を振る。

 

そして、小さく笑った。

 

「いい商魂だ。気に入ったよ」

 

「ありがとうございます♥」

 

リズも嬉しそうに笑う。

 

ヒースクリフは腕を組んだ。

 

(敵ながら天晴れだな……)

 

少なくとも、商売人としての姿勢には文句のつけようがない。

 

しばらくして。

 

「お待たせしました!」

 

シリカが丼を運んできた。

 

ことっ――。

 

「豚骨ラーメンです!」

 

「…………!」

 

ヒースクリフの視線が、丼へ吸い寄せられる。

 

白濁した中に、わずかな黄金色を帯びたスープ。

 

立ち昇る湯気と共に漂ってくる、濃厚な香り。

 

チャーシュー、ネギ、煮卵。

 

そしてスープの下に沈む細麺。

 

「この色……そして、この匂い……」

 

ヒースクリフが思わず呟く。

 

「再現は完璧だ……!」

 

「ごゆっくりどうぞ♥」

 

「きゅる♪」

 

シリカの肩に乗ったピナまで、ぺこりと頭を下げる。

 

ヒースクリフはレンゲを手に取り、まずスープを一口。

 

「…………!」

 

豚骨を限界まで煮込んだ濃厚な旨味。

 

だが、ただ脂っこいだけではない。

 

わずかに感じる野菜の甘味が全体をまとめ、塩味と旨味の輪郭を整えている。

 

続いて麺。

 

細麺を箸で持ち上げ、一気に啜る。

 

「……!」

 

スープが麺に絡む。

 

絶妙な硬さ。

 

一口。

 

もう一口。

 

止まらない。

 

ヒースクリフはいつしか敵情視察という目的を完全に忘れ、無言でラーメンを食べ進めていた。

 

そして――

 

最後の一滴までスープを飲み干す。

 

「…………ふぅ」

 

ナプキンで口元を拭い、小さく唸った。

 

「見事だ……」

 

その時。

 

厨房の奥から、三人の会話が聞こえてきた。

 

「いやー、たまにはこうやって飲食業するのもいいね♪」

 

「何言ってるのよ 」

 

リズの声だ。

 

「第十層に行こうって言ったじゃない! なんで八層でラーメン屋やってるのよ!」

 

「まあまあ、リズさん」

 

シリカが苦笑する。

 

「ずっとシリアスなことばかりでしたし、たまにはゆっくりするのもいいじゃないですか」

 

「それはそうだけど……!」

 

ヒースクリフは黙って聞いていた。

 

(……なるほど)

 

攻略だけが、この世界での生き方ではない。

 

料理を作り。

 

店を開き。

 

客と話し。

 

仲間と笑う。

 

自分が作った世界で――

 

彼らは自分が想定していなかった生活を作り始めている。

 

ヒースクリフはテーブルにコルを置き、席を立った。

 

「ごちそうさまでした」

 

厨房から、こっこが顔を出す。

 

「はい! ありがとうござ――あ、お客さん」

 

置かれたコルを見て、こっこが慌てた。

 

「今日はお代、結構ですよ」

 

「?」

 

「賄いの一杯でしたから」

 

こっこは笑う。

 

「その代わり、また来てくださいね」

 

ヒースクリフは一瞬、言葉を失った。

 

そして――首を振る。

 

「それはいかん」

 

コルを指で押し戻す。

 

「この一杯には、きちんと代金を支払わせていただきたい」

 

「いやいや 」

 

「受け取ってくれ」

 

「うーん……」

 

こっこは困ったように腕を組み――。

 

「じゃあ、今回は半額で!」

 

「……ふっ」

 

ヒースクリフが笑う。

 

「申し訳ない。では、そうさせてもらおう」

 

「ありがとうございます!」

 

「次も通わせていただくよ」

 

「ありがとう御座いましたー!」

 

「ありがとうございました♥」

 

「ありがとうございましたー♥」

 

「きゅるー♪」

 

暖簾をくぐる。

 

夜風が頬を撫でた。

 

ヒースクリフは、ほっこり休憩村の夜空を見上げる。

 

自分が作った空。

 

自分が作った世界。

 

だが今、その中では――自分の想像を越えた営みが生まれている。

 

ヒースクリフは、ほんのわずかに笑みを浮かべた。

 

(……プレイヤーになるのも、いいかもしれんな)

 

攻略をする。

 

誰かと戦う。

 

街を歩く。

 

そして時々、あの店でラーメンを食べる。

 

そんな生活も――。

 

悪くない。

 

その瞬間だった。

 

ピコン♪

 

「?」

 

ヒースクリフの目の前に、見慣れないシステムウインドウが出現した。

 

そこには――。

 

---

 

《SYSTEM ANNOUNCEMENT》

 

GM権限の移行処理が完了しました。

 

管理者:茅場晶彦

 

    ↓

 

管理者:神代凛子

 

以上の変更に伴い、茅場晶彦のアカウント権限を《管理者プレイヤー》へ変更しました。

 

---

 

「…………」

 

ヒースクリフの笑顔が固まった。

 

夜風が吹く。

 

ざわざわと木々が揺れる。

 

遠くからNPCの奏でる音楽が聞こえる。

 

平和な夜だった。

 

「…………凛子?」

 

もう一度ウインドウを見る。

 

間違いではない。

 

GM権限。

 

消滅。

 

「…………」

 

そして。

 

《ほっこり休憩村》の平和な夜空に――。

 

「ぶっ!!」

 

聖騎士の絶叫が響き渡った。

 

「りんこぉぉぉぉぉぉぉぉ――――っ!!」

 

店内。

 

リズが顔を上げる。

 

「……何?」

 

シリカも外を見る。

 

「今、すごい声がしませんでした?」

 

「きゅる?」

 

こっこだけが、厨房で寸胴鍋を洗いながら首を傾げた。

 

「さあ? 酔っ払いじゃない?」

 

その頃、紅玉宮。

 

モニターには――。

 

夜空に向かって絶叫するヒースクリフの姿。

 

神代凛子は。

 

腹を抱えて笑っていた。

 

「っ……あはははははは!! 晶彦……っ! あなた、プレイヤーになるのもいいんでしょう!? よかったじゃない!」

 

ヒースクリフの前に、さらに小さなシステムメッセージが表示された。

 

《GM権限ではありませんので、当該設定を変更することはできません》

 

「…………」

 

ヒースクリフは震える拳を握り締めた。

 

そして天を仰いだ。

 

「凛子ぉぉぉぉぉぉぉぉ――――っ!!」

 

こうして。

 

茅場晶彦の、楽しい楽しいプレイヤー生活は――

 

強制的に始まった。

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