エンジニアのSAO Progressive ~NPCが売ってないなら作ればいい~   作:Edward

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40 出航計画は守りましょう

第四層――炎を吐く熊

 

第四層《ロービア》。

 

水路を行き交うゴンドラを眺めながら、こっこが中型船の建造計画を膨らませていた頃。

 

キリトとアスナは、森の奥にいた。

 

「来るぞ、アスナ!」

 

「分かってる!」

 

木々の間から、巨大な熊が姿を現した。

 

分厚い毛皮に覆われた巨体。鋭い爪。獲物を見据える獰猛な眼光。

 

だが、この熊の最も厄介な特徴は、その巨体でも爪でもなかった。

 

「グオオオオオッ!!」

 

大きく開かれた口の奥が、赤く輝く。

 

キリトが叫んだ。

 

「ブレスだ! 左右に避けろ!」

 

次の瞬間、熊の口から炎が噴き出した。

 

ゴオオオオオッ!!

 

一直線に放たれた火炎が、二人の間を焼き払う。

 

「熊が火を吐くって、どういうことよ!」

 

「俺に聞くなよ!」

 

キリトは左へ、アスナは右へ飛び退いた。

 

炎が通り過ぎると同時に、二人はそれぞれ剣を構え直す。

 

第四層に生息する火炎系の熊型モンスター。

 

見た目は大型の獣だが、口から放つ炎のブレスは、まともに受ければ大きなダメージを免れない。

 

しかも、相手は一匹ではなかった。

 

「……三匹追加」

 

キリトが茂みの向こうを見据える。

 

「まだいるの!?」

 

アスナの声に応えるように、新たな熊がのそのそと姿を現した。

 

一頭が前脚を振り上げる。

 

「アスナ、右!」

 

「はい!」

 

キリトが懐へ潜り込み、片手剣を振るった。

 

鋭い斬撃が熊の前脚を捉え、巨体がわずかに体勢を崩す。

 

「スイッチ!」

 

「了解!」

 

アスナが一気に間合いを詰めた。

 

細剣が閃く。

 

連続した刺突が熊の胴体へ突き刺さり、HPバーを削り取っていく。

 

最後の一撃が決まると、熊は咆哮を上げながらポリゴン片となって爆散した。

 

しかし、その向こうでは別の熊が口を開いていた。

 

「アスナ、後ろ!」

 

「――っ!」

 

赤い光。

 

炎が放たれる。

 

アスナは身を翻してブレスの軌道から離脱した。

 

キリトがその隙に前へ出る。

 

「こいつら、単体ならそこまで厄介じゃないけど……」

 

「集団でブレスを吐かれると面倒ね」

 

「だったら、吐かせる前に倒す!」

 

キリトが地面を蹴った。

 

熊の爪をかいくぐり、側面へ回り込む。

 

剣が閃き、敵の体勢を崩す。

 

そこへアスナが踏み込んだ。

 

「スイッチ!」

 

「はい!」

 

二人の連携が噛み合い始める。

 

キリトが攻撃を受け流し、アスナが急所を突く。

 

アスナが敵の注意を引きつけ、キリトが背後へ回る。

 

一頭、また一頭。

 

熊たちは炎を吐く暇もなく、次々と青い光へ変わっていった。

 

最後の一頭が、アスナの細剣に貫かれる。

 

パァン!

 

巨体が砕け散り、森に静寂が戻った。

 

「…………」

 

「…………」

 

キリトは剣を下ろした。

 

アスナも細剣を鞘へ戻す。

 

「終わった……」

 

「ええ。これで、この辺りの熊は掃討できたわね」

 

キリトは周囲を確認し、メニューを開いた。

 

「ところで、こっこ達は何してるんだろうな」

 

「そういえば、今日はまだ会ってないわね」

 

フレンドリストを確認する。

 

こっこの位置は、ロービアの水路周辺からほとんど動いていなかった。

 

「……まだ街にいるみたいだ」

 

「また何か作ってるのかしら」

 

キリトはしばらく無言になった。

 

「……嫌な予感がする」

 

その予感は、正しかった。

 

 

同じ頃。

 

ロービアの船着き場では、エンジニア達が大量の木材を運び込んでいた。

 

「船首はこっち! 資材もっと持ってきてー!」

 

「「「おおーっ!!」」」

 

こっこは図面を片手に、忙しなく指示を飛ばしている。

 

水路の端には、すでに船体の骨組みが組み上がり始めていた。

 

リズが、その光景を見て頭を抱える。

 

「なんで一層攻略するたびに、事業規模が大きくなるのよ!!」

 

「だって、ここは水路がいっぱいあるんだよ。物流を整えれば、エンジニア達の移動も資材運搬も楽になるじゃない✨️」

 

「言ってることは分かるけど、あんた攻略組でしょ!」

 

「もちろん!」

 

こっこは胸を張った。

 

「だから、攻略を支えるために船を造るんだ!」

 

「またそうやって正論でごまかす!」

 

その時、シリカが木材を抱えたまま駆け寄ってきた。

 

「こっこさん! キリトさん達、もう熊を倒したそうですよ!」

 

「おお、さすが攻略組✨️」

 

「私達も攻略組です!!」

 

「そうだった!」

 

「忘れないでください!! 」

 

リズは深いため息をついた。

 

「ほら、さっさと船を完成させて、フィールドボスを倒しに行くわよ。ランスロットさんにも会わないといけないんだから!」

 

「はいはい、急ぎますよー」

 

「返事が軽い!」

 

こっこは笑いながら、再び船体へ向き直った。

 

一方では、火を吐く熊を正攻法で掃討するトッププレイヤー達。

 

もう一方では、第四層の水路に物流革命を起こそうとするエンジニア集団。

 

同じアインクラッドを攻略しているはずなのに。

 

彼らの進む道は、少しずつ違う方向へ広がっていた。

 

それでも、目指す場所は同じだった。

 

――第百層。

 

この世界から、全員で帰るために。

 

 

 

第四層――《こっこ号》、出航!

 

第四層《ロービア》。

 

青い水路を、ゆっくりと一隻の船が進んでいた。

 

ゴンドラではない。

 

小舟でもない。

 

エンジニア集団が資材と人員を輸送するために建造した、中型輸送船。

 

その名も――

 

《こっこ号》。

 

「出航ぉぉぉぉ――っ!!✨️」

 

船首に仁王立ちしたこっこが、右腕を突き上げる。

 

「おおおおおおっ!!」

 

乗り組んだエンジニアたちも拳を上げた。

 

帆が風を受ける。

 

船体が水を切る。

 

NPCのゴンドラが行き交う水路を抜け、《こっこ号》は悠々と第四層の水上フィールドへと進んでいった。

 

リズは船縁から水面を見下ろしていた。

 

「へえ……。ちゃんと走るじゃない。」

 

「失礼な。」

 

操舵輪を握るこっこが胸を張る。

 

「設計、資材調達、加工、組み立て、全部エンジニアだぞ。舐めてもらっちゃ困る✨️」

 

「途中で三回浸水しましたけどね。」

 

シリカがぼそっと言った。

 

「試験です。」

 

「舵が取れたわよね。」

 

「試験です。」

 

「帆柱も一回折れましたよね。」

 

「だから試験です!」

 

「便利な言葉ね 」

 

ピナが船縁から顔を出す。

 

「きゅるるる♪」

 

どうやらピナは船旅が気に入ったらしい。

 

こっこも満足げに頷いた。

 

「よし。」

 

「……なによ。」

 

「もう少し遠くまで行こう。」

 

リズの眉が動いた。

 

「どこまで?」

 

こっこはマップを開く。

 

指差した先には――

 

巨大な湖があった。

 

「カルデラ湖。」

 

「帰るわよ。」

 

「即答!?」

 

「試験航海なんでしょ!?」

 

「だから試験のために長距離航行性能を――」

 

「絶対遊びたいだけでしょ!!」

 

だが。

 

三十分後。

 

「うおおおおお!! 広いぃぃぃ!!✨️」

 

《こっこ号》はカルデラ湖にいた。

 

「なんでこうなるのよ!! 」

 

「こっこさんが船長だからです 」

 

湖というより、もはや内海だった。

 

遠くに見える岸。

 

周囲には大小の島々。

 

水面には第四層特有の水棲モンスターが時折姿を見せる。

 

エンジニアたちも大興奮だった。

 

「船長! 水深かなりあります!」

 

「大型Mob確認!」

 

「左舷に魚影!」

 

「よーし! 航行データ取っといて!」

 

完全に調査船である。

 

その時だった。

 

――ゴゴゴゴゴゴ……。

 

船底を。

 

何かが擦った。

 

「…………。」

 

こっこの笑顔が消える。

 

リズも船縁から水面を見る。

 

「……今の、なに?」

 

「岩礁……ではないですね。」

 

シリカが青ざめた。

 

水面下に――

 

巨大な影がある。

 

《こっこ号》より大きい。

 

遥かに大きい。

 

「総員、何かに掴まれ!!」

 

こっこが叫んだ。

 

直後。

 

――ドッッッッッッッン!!

 

船体が跳ね上がった。

 

「きゃあああああっ!!」

 

「うわあああ!!」

 

「ピナぁぁ!!」

 

水柱が上がる。

 

そして巨大な水棲Mobが湖面を割って姿を現した。

 

鯨にも似た巨体。

 

頭部から伸びる角。

 

身体を覆う青黒い鱗。

 

その頭上に――

 

複数段のHPバー。

 

そして表示された名称。

 

《FIELD BOSS》

 

「…………。」

 

「…………。」

 

「…………。」

 

三人が黙る。

 

こっこが呟いた。

 

「……フィールドボスだ。」

 

リズが振り返った。

 

「帰るわよ。」

 

「いや。」

 

「帰るわよ 」

 

「リズ。」

 

こっこは真剣な顔で操舵輪を握った。

 

「もう向こうが、こっちをロックオンしてる。」

 

「え。」

 

巨大な水棲ボスが身体を沈めた。

 

明らかに――突進態勢。

 

「全速前進!!」

 

「全速前進!!」

 

エンジニアが帆を操作する。

 

《こっこ号》が急加速。

 

直後、さっきまで船がいた場所を巨大な角が突き抜けた。

 

「うそでしょ!?」

 

「右舷旋回!!」

 

「右舷旋回!!」

 

「船体損傷確認!」

 

「軽微!」

 

「よし、戦える!」

 

「戦わないの!! 」

 

リズがこっこの襟を掴む。

 

「逃げるの!!」

 

「無理だよ!」

 

こっこがボスを指差した。

 

「この船より速い!」

 

「じゃあどうするのよ!?」

 

「…………。」

 

こっこが少しだけ視線を逸らした。

 

「実は。」

 

「なに。」

 

「こういうこともあろうかと。」

 

「その言葉、すっごく嫌な予感するんだけど。」

 

こっこは甲板の一角へ歩く。

 

そこには布が被せられた、大きな何かがあった。

 

「こっこさん?」

 

バサッ!

 

布を取る。

 

現れたのは――

 

大型の《弩弓》。

 

「…………。」

 

リズが固まる。

 

シリカも固まる。

 

エンジニア数名が気まずそうに目を逸らす。

 

「なにこれ。」

 

「船載弩弓。」

 

「なんで輸送船にあるの?」

 

「護身用。」

 

「どこが護身用よ!! 」

 

「まだあるぞ。」

 

「まだ!?」

 

別の布を取る。

 

今度は木材と金属部品を組み合わせた投射装置。

 

「簡易カタパルト✨️」

 

「…………。」

 

さらにこっこが船首のレバーを引く。

 

ガコン!

 

船首部分から、補強された長大な突起がせり出した。

 

「そして衝角✨️」

 

「…………。」

 

リズの肩が震え始めた。

 

シリカの目には涙が浮かんでいる。

 

「こっこさん……。」

 

「はい。」

 

「いつ付けたんですか?」

 

「二人が寝てから。」

 

「確信犯じゃないですかぁぁぁ!! 」

 

リズが叫んだ。

 

「これはボス戦ではない  クジラ狩りか 」

 

だがボスは待ってくれない。

 

再び潜航。

 

「来るぞ!!」

 

こっこが叫ぶ。

 

空気が変わった。

 

エンジニアたちも一斉に配置につく。

 

「弩弓班、装填!」

 

「了解!」

 

数人がかりで巨大な弦を引く。

 

「カタパルト班! 投射物は!?」

 

「岩石弾、装填済み!」

 

「リズ!」

 

「なによ!」

 

「船体補修お願い!」

 

「あとで覚えてなさいよ!! 」

 

リズが大槌を取り出す。

 

「シリカ!」

 

「はい!」

 

「ピナで敵の浮上位置を探せる!?」

 

シリカは涙目のまま頷いた。

 

「やりますよ! やればいいんでしょう!!  ピナ!」

 

「きゅるる!」

 

フェザーリドラが飛び立つ。

 

上空から湖面を観察。

 

やがて――

 

「右舷前方! 来ます!!」

 

「取り舵!!」

 

船体が傾く。

 

巨大な角が水面を割った。

 

「撃てぇぇぇ!!」

 

――バシュン!!

 

船載弩弓から巨大な矢が放たれる。

 

命中。

 

ボスのHPが僅かに削れる。

 

「通るぞ!」

 

エンジニアたちから歓声が上がった。

 

「次弾装填!」

 

「カタパルト、射角調整!」

 

「撃て!」

 

岩石が弧を描く。

 

――ドゴォン!!

 

ボスの背中に直撃。

 

「効いてる!」

 

こっこの目が輝く。

 

リズが怒鳴る。

 

「楽しそうな顔するなぁぁぁ!! 」

 

戦いは長引いた。

 

ボスの体当たりで船腹が損傷。

 

リズと鍛冶スキル持ちのエンジニアが必死に応急修理。

 

シリカとピナはボスの潜航位置を探知。

 

ピナの《ウォーターブレス》がボスの顔面を叩き、突進軌道をわずかに逸らす。

 

弩弓班は撃つ。

 

装填班は引く。

 

カタパルト班は岩を運ぶ。

 

誰か一人欠けても成立しない。

 

これは攻略組の戦い方ではない。

 

剣士も。

 

細剣使いも。

 

斧使いもいない。

 

――エンジニアたちの戦争だった。

 

やがて。

 

ボスのHPが最後の一本に入る。

 

その瞬間、ボスが大きく潜った。

 

「シリカ!」

 

「見えません!」

 

「ピナ!」

 

「きゅるるるっ!!」

 

ピナが旋回する。

 

そして叫ぶ。

 

「きゅうっ!!」

 

シリカが顔を上げた。

 

「正面!!」

 

こっこが操舵輪を見る。

 

逃げる――

 

いや。

 

間に合わない。

 

なら。

 

「…………。」

 

こっこが笑った。

 

リズが嫌な予感を覚える。

 

「まさか。」

 

「総員!」

 

こっこが叫ぶ。

 

「衝撃に備えろ!!」

 

「こっこぉぉぉぉ!?」

 

「最大船速!!」

 

帆が風を孕む。

 

《こっこ号》が加速する。

 

正面。

 

水面を割って巨大なフィールドボスが現れた。

 

角を突き出すボス。

 

衝角を突き出す《こっこ号》。

 

「真正面から行く気ですかぁぁぁ!? 」

 

「これを何のために付けたと思ってる!!」

 

「やっぱり使う気だったんじゃない!! 」

 

「うおおおおおおおお!!」

 

激突。

 

――ズドォォォォォォォォン!!

 

凄まじい衝撃。

 

甲板上の全員が吹き飛ばされる。

 

船首の衝角が――

 

ボスの腹部に深々と突き刺さった。

 

HPバーが、一気に削れる。

 

残り僅か。

 

「弩弓!!」

 

「装填済み!!」

 

「撃てぇぇぇぇ!!」

 

――バシュン!!

 

巨大な矢がボスを貫いた。

 

一瞬の静寂。

 

そして。

 

巨大な身体が青いポリゴン片となって――

 

爆散した。

 

《CONGRATULATIONS》

 

甲板に表示される勝利表示。

 

「…………。」

 

誰も声を出さない。

 

やがて。

 

「勝った……?」

 

「勝ったぞ。」

 

「勝ったぁぁぁぁぁ!!」

 

エンジニアたちが歓声を上げた。

 

「うおおおお!!」

 

「こっこ号最強!!」

 

「船長ぉぉぉ!!」

 

こっこも拳を突き上げる。

 

「よっしゃああああ!!✨️」

 

「こっこ。」

 

「はい。」

 

リズだった。

 

笑っている。

 

とてもいい笑顔だった。

 

「帰ったら、お話ししようね♥」

 

「…………。」

 

こっこの拳がゆっくり下がる。

 

シリカも青ざめている。

 

「こっこさん……。」

 

「はい。」

 

「これ……攻略組に報告しないとダメですよね。」

 

「…………。」

 

「フィールドボスですから。」

 

「…………。」

 

「あとシンカーさんにも……。」

 

「…………。」

 

「ユリエールさんにも……。」

 

「…………。」

 

エンジニアの一人が恐る恐る口を開く。

 

「船長。」

 

「なんだ。」

 

「弩弓とカタパルトと衝角って……組織の予算で作ったんですよね?」

 

「…………。」

 

「…………。」

 

「…………。」

 

湖の真ん中。

 

勝利の余韻は――

 

完全に消えた。

 

こっこは遠い目で水平線を見る。

 

「……遭難したことにしない?」

 

「ダメです 」

 

「ボスに襲われて仕方なく――」

 

「武装を事前に積んでる時点で通用しませんよ 」

 

「試験航海中の偶発的戦闘ということで……。」

 

「カルデラ湖まで来た理由は?」

 

「…………潮に流された。」

 

「湖よ 」

 

逃げ道がなかった。

 

こっこ号は勝った。

 

フィールドボスにも勝った。

 

エンジニアたちは、自分たちの技術だけで巨大な水棲ボスを撃破するという大戦果を挙げた。

 

しかし――

 

三人の頭に浮かんでいたのは、ただ一つ。

 

帰港後。

 

シンカー。

 

ユリエール。

 

キリト。

 

アスナ。

 

攻略組。

 

そして――

 

「勝手にフィールドボスを倒したのは誰だ」

 

という、各関係部署から飛んでくるであろう問い合わせ。

 

リズが頭を抱えた。

 

「……私、知らなかったって言うからね。」

 

「私もです 」

 

「待って! 二人とも乗ってたじゃん!」

 

「武装は知らなかった 」

 

「私も知りませんでした 」

 

「裏切り者ぉぉぉ!! 」

 

夕日に照らされながら。

 

満身創痍の《こっこ号》は、ゆっくりと帰路についた。

 

船首には――

 

フィールドボスを仕留めた衝角。

 

甲板には弩弓。

 

後部にはカタパルト。

 

どう見ても。

 

物流船の姿ではなかった。

 

そして船長こっこは、この航海で最大の敵がフィールドボスではなかったことを――

 

まだ知らない。

 

帰港地点ではすでに。

 

シンカーとユリエールが待っていた。

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