エンジニアのSAO Progressive ~NPCが売ってないなら作ればいい~ 作:Edward
宴のようだった休憩所が、静かに片付けられていく。
魚介料理も、牛肉も、豚肉も。
並べられていた武器や防具も次々とストレージへ収納され、つい先ほどまで食事と笑い声で満ちていた迷宮区最奥は、急速に攻略組の顔へと戻っていった。
巨大な扉の前。
集まったプレイヤーたちは、それぞれ最後の装備確認を行っている。
今回が初めてのフロアボス攻略となるディアベルは、その光景をじっと見つめていた。
第一層では、自分はあの扉の向こうへ行けなかった。
だからこそ――。
「……ようやく、ここまで来たんだな」
その呟きに、隣のサーシャから託された護符へ、そっと手を触れる。
一方。
「ポーションよし。結晶よし。工具よし。予備工具よし。予備の予備工具――」
「多いわよ」
リズが即座に突っ込んだ。
「命に関わるからね」
「工具が?」
「工具が」
「そこ即答するんですね……」
シリカが苦笑する。
その肩ではピナが、
「きゅるる♪」
と元気よく鳴いた。
キリトが剣を抜く。
アスナも新しい細剣を構えた。
エギルは巨大な斧を肩へ担ぐ。
キバオウとシヴァタも、それぞれ自分たちの部隊へ最後の指示を飛ばしていた。
そして――。
「開けるぞ!」
巨大な扉が、ゆっくりと開いていく。
ゴゴゴゴゴゴゴ……。
暗闇。
誰もいない。
いや。
――何もない。
広大な石造りの空間だけが、攻略組を迎えた。
「……ボスは?」
誰かが呟いた。
その瞬間。
床に刻まれていた青白いラインが、一斉に輝いた。
――ズズズズズズズズ……!
「全員、止まれ!!」
アルゴの叫び。
だが遅い。
一本のラインをプレイヤーが踏んだ瞬間――。
ドゴォォォォン!!
床を突き破り、巨大な石の腕が飛び出した。
「うわあああっ!?」
さらに天井。
壁。
床。
ありとあらゆる場所から、巨大な手足が姿を現す。
そして部屋の奥。
壁そのものだと思われていた巨大な石像の顔に、二つの赤い光が灯った。
視界上部に巨大なHPバーが出現する。
《Fuscus the Vacant Colossus》
フスクス・ザ・ヴェイカントコロッサス。
「部屋そのものがボスだ!」
キリトが叫ぶ。
「散開!! 床のラインを踏むな!!」
攻略組が一斉に動いた。
しかし――。
「ラインが動いてるわ!」
アスナが気づく。
床を走る青白い光は固定されていない。
蛇のように形を変え、プレイヤーたちの足元へ迫ってくる。
踏めば攻撃。
避ければ陣形が崩れる。
そして避けた先へ、別のラインが迫る。
「いやらしいな、これ!」
こっこは曲刀《ノーグサーベル》を右手に構え、左手でウインドウを操作する。
ブラインドタッチ。
視線をボスから逸らすことなく、ポーション、投擲具、工具を高速で切り替える。
「右! 三本来る!」
《The Explorer》の警告ポップアップ。
こっこが叫んだ直後――。
ドゴォォン!!
床から巨大な拳。
「うおおっ!」
エギルが斧で受け流す。
「スイッチ!」
キリトが飛び込む。
斬撃。
さらにアスナの細剣が一点へ突き刺さる。
石の腕が砕けた。
――しかし。
ガラガラガラ……。
砕けた腕が床へ吸い込まれ、別の場所から再び形成される。
「再生する!?」
ディアベルが息を呑んだ。
「本体を削らないと駄目だ!」
キリトが叫ぶ。
攻略は続いた。
だが、時間が経つほど戦況は悪化していく。
床を走るラインが増える。
攻撃箇所も増える。
最初は余裕を持って避けていた攻略組が、徐々に壁際へ追い詰められていく。
ドゴン!!
「ぐっ!」
シヴァタが吹き飛ばされる。
「回復!」
キバオウが叫ぶ。
別方向では巨大な掌が降りてくる。
「ディアベル!」
「分かっている!」
ディアベルが盾を構える。
ズガァァァン!!
HPが一気に削られた。
「くっ……これが……フロアボス……!」
初めて味わう圧力。
第一層で死んだはずだった自分が、今ここにいる。
だが。
怖い。
正直に言えば――怖い。
その肩を誰かが叩いた。
「初めてなら、怖くて普通だよ」
こっこだった。
「僕なんて五回目でも怖い」
「……は?」
「むしろ毎回怖くなってる」
「そこは励ましてくれないか!?」
「でも」
こっこが笑う。
「怖いから、みんなで攻略するんでしょ?」
ディアベルは一瞬、目を丸くした。
そして笑った。
「……そうだな!」
だが――。
その直後だった。
《WARNING》
こっこの視界に警告が走る。
「まずい!!」
床。
三方向からラインが交差する。
その中心には――シリカ。
「シリカちゃん!」
こっこが飛び込む。
「えっ!?」
シリカを突き飛ばす。
直後。
ドゴォォォォン!!
巨大な腕。
こっこは辛うじて回避した。
しかし着地した先にもライン。
「うそ!?」
さらに天井から巨大な足。
「こっこ!!」
リズが叫ぶ。
こっこは左手を高速で動かした。
盾。
違う。
ポーション。
違う!
「くそっ!」
焦った。
ブラインドタッチを使い始めてから、初めてだった。
いつも決められた位置。
指先だけで分かるアイテム配置。
だが戦場で位置を変更したアイテムが一つあった。
指が滑る。
――ガシャン。
何かが実体化し、床へ落ちた。
「……え?」
こっこが固まった。
リズも固まった。
シリカも固まった。
床に転がっているもの。
地下墓地。
王家の墓。
あの場所で手に入れた――。
《王家の鍵》
「なんで、それ出したのよおおおお!!」
「間違えたああああ!!」
その瞬間。
――キィィィィィン……。
世界が止まったような音がした。
「……なに?」
アスナが振り返る。
床に落ちた《王家の鍵》から、金色の光が溢れ出す。
ボス部屋を走っていた青白いラインが――。
一斉に止まった。
「…………」
全員が沈黙した。
フスクスの赤い瞳が、初めてこっこではなく――床に落ちた鍵を見る。
そして。
ボス部屋の壁に、これまで存在しなかった巨大な紋章が浮かび上がった。
王冠。
剣。
そして盾。
こっこは呆然とそれを見る。
「……王家の……紋章?」
《QUEST EVENT》
ウインドウが開く。
《失われし王国の守護者》
《王家の鍵の所有者を確認しました》
「え」
ズズズズズズズ……。
今度の振動は、フスクスのものではなかった。
ボス部屋の左右。
巨大な石壁が開いていく。
その奥から――。
ザッ。
ザッ。
ザッ。
規則正しい足音。
現れたのは、半透明の兵士たちだった。
古びた鎧。
王国の紋章。
槍兵。
盾兵。
弓兵。
かつて滅びた王国の兵士たち。
その中央を、一人の騎士が歩いてくる。
《Royal Guard Commander》
王国近衛隊長。
『王家の鍵を持つ者よ』
低い声がボス部屋へ響いた。
『我らは王家との盟約に従い――最後の戦いへ馳せ参じる』
こっこ。
「…………」
リズ。
「…………」
シリカ。
「…………」
キリト。
「…………」
アスナ。
「…………」
そしてキバオウが叫んだ。
「なんでお前はボス戦の最中にクエスト発生させとんねん!!」
「僕だって知らないよ!!」
だが。
王国軍はフスクスへ突撃しなかった。
彼らが攻撃したのは――床から現れる巨大な手足。
ガァン!
盾兵が拳を受け止める。
槍兵が関節へ槍を突き立てる。
弓兵の矢が、天井から現れた腕を牽制する。
あくまで攻略組を援護するだけ。
ボス本体へダメージを与えてはいない。
「援軍……なのか?」
ディアベルが呟く。
「違う」
キリトが目を細めた。
何かがおかしい。
王国兵の攻撃。
効率が悪い。
敵の腕そのものではなく――。
「……同じ場所を狙ってる?」
アスナも気づいた。
王国軍は、巨大な手足が出現するたびに特定の部位へ攻撃している。
右手首。
左肘。
右膝。
左足首。
そして――。
攻撃された箇所だけ、一瞬。
青く光る。
「アルゴ!」
キリトが叫ぶ。
「見えてるヨ!」
アルゴの目が輝く。
「弱点が移動してる!」
正式サービスで変更されたフスクス。
固定された弱点ではない。
攻撃のたびに――弱点部位が移動している。
そして王国軍は。
その場所を教えている。
「なるほど……!」
ディアベルが剣を構える。
「王国軍はボスを倒しに来たんじゃない!」
シヴァタが続く。
「攻略方法を教えに来たのか!」
キバオウが叫ぶ。
「全員聞けぇ!! 兵士が攻撃した場所を狙え!!」
攻略組の動きが変わった。
王国兵の槍。
ガン!
青い光。
「右肘!」
アスナが飛ぶ。
閃光。
細剣が弱点へ突き刺さる。
バキィィン!!
フスクスのHPが大きく削れた。
「入った!」
次。
王国兵の矢。
左膝。
「エギル!」
「任せろ!」
巨大な斧。
ズガァァァン!!
再びHPが削れる。
そして。
「キリト!」
「ああ!」
青く光った手首へ、黒い剣士が突っ込む。
斬撃。
爆発。
ボスの巨腕が崩壊した。
「いける!」
歓声が上がる。
崩れかけていた攻略組の士気が、一気に戻った。
ディアベルが剣を掲げる。
第一層では果たせなかった役目。
今度こそ。
攻略組の先頭に立って。
「全隊――再編成!!」
声が響く。
「王国軍の攻撃を見ろ! 弱点を確認した部隊からスイッチ! 一撃を欲張るな! 確実に削るぞ!!」
「おおおおおおお!!」
その号令を聞きながら。
こっこは床の《王家の鍵》を拾い上げた。
リズが横目で見る。
「……あんた」
「はい」
「今回だけは操作ミス、褒めてあげる」
「ありがとう✨️」
「でも後でアイテム配置整理するわよ」
「はい……」
シリカが笑う。
「結果オーライですね」
「きゅるる♪」
こっこは鍵をストレージへ戻す。
今度は。
慎重に。
ものすごく慎重に。
その様子を見ていたキリトが、戦いながら呟いた。
「……あの人、本当に何するか分からないな」
アスナも苦笑する。
「敵より予測不能よね」
そして――。
フスクスが咆哮した。
部屋全体が震える。
HPバーは、まだ半分以上残っている。
王国軍が盾を構える。
攻略組が武器を構える。
こっこも《ノーグサーベル》を握り直した。
ここからが――本当の攻略戦だった。
攻略法は見えた。
王国軍が示す弱点。
そこへ攻撃を集中させれば、《フスクス・ザ・ヴェイカントコロッサス》のHPは確実に削れる。
だが――。
「来るぞ!!」
キリトが叫んだ。
ズズズズズズズズズ――!!
ボス部屋全体が激しく振動する。
HPが一定量を下回ったことで、攻撃パターンが変化した。
床を走る青白いライン。
一本。
二本。
三本。
「増えた!?」
アスナが息を呑む。
次の瞬間。
ドゴォォォォォン!!
床から巨大な腕が三本、ほぼ同時に突き出した。
「うわああっ!」
「散れ!」
攻略組が左右へ飛ぶ。
だが、さらに天井から巨大な脚。
壁から拳。
王国軍の盾兵が受け止めるが――。
ガシャァァァン!!
「王国兵が!」
半透明の盾兵が砕け、光の粒となって消える。
援軍は無敵ではない。
「まずいな……」
こっこが呟く。
このままでは王国軍が先に全滅する。
攻略法が分かったとしても、弱点を示してくれる彼らがいなくなれば、再び手探りになる。
「前衛! 王国兵を守れ!」
ディアベルが叫ぶ。
「無茶言うな!」
エギルが斧で巨大な拳を受け流す。
「こんなデカい腕、どうやって止めるんだ!」
その言葉を聞いた――一人の男。
「…………」
ピクリ。
眉が動いた。
少し離れた場所。
武闘着。
手甲。
そして腰には、第三層で手に入れた奇妙な装備《Grasp of Nerius》。
長い修行を終え、第五層攻略戦へ帰ってきた男。
ミスター・サタン。
彼は目の前を通過していく巨大な腕を見つめていた。
「…………腕」
サタンが呟く。
こっこが振り返る。
「サタン?」
「腕だな」
「うん」
「掴めるな」
「…………」
こっこは巨大な石の腕を見る。
自分の胴体より太い。
いや。
人間数人分はある。
「いやいやいやいや」
嫌な予感しかしない。
「サタン。それはボスの攻撃判定だから――」
その瞬間。
ドゴォォォォン!!
巨大な腕が床から飛び出した。
王国兵へ向かう。
「サタン!!」
「ふんっ!!」
避けなかった。
真正面。
サタンは巨大な腕へ――。
抱きついた。
「…………」
こっこ。
「…………」
リズ。
「…………」
シリカ。
「…………」
キリト。
「…………」
アスナ。
全員が硬直する。
「何やっとんねん、あいつぅぅぅ!!」
キバオウの絶叫。
だが。
サタンの両腕が石の腕を抱え込む。
《体術》
そして――。
長い修行で身につけた技能。
相手の力を真正面から止めない。
受ける。
流す。
利用する。
第二層。
老師の庵。
何度も丸太に吹き飛ばされた修行。
牛型モンスターの突進。
巴投げ。
関節技。
寝技。
そして第五層で叩き込まれた――投げ技。
すべてが繋がった。
老師の声が脳裏に蘇る。
『相手が大きければ大きいほど、自分の力で持ち上げようとするな』
『相手の力を使え』
サタンの口元が上がる。
「なるほどな……ジジイ」
巨大な腕が横薙ぎに動く。
普通なら吹き飛ばされる。
だがサタンは逆らわない。
腕の動きに合わせて走る。
一歩。
二歩。
三歩!
そして――。
「ぬおおおおおおおおお!!」
腰を落とした。
巨大な腕の運動方向を。
変える。
「まさか!?」
キリトが気づいた。
「投げる気か!?」
「そんなの投げられるわけないでしょ!!」
アスナが叫ぶ。
その通り。
重量だけなら不可能。
だが――。
これは現実ではない。
ソードアート・オンライン。
そしてサタンが扱っているのは、システムに認められた《体術》スキル。
さらに。
巨大な腕自身が持つ運動エネルギー。
それを殺さず。
軌道だけを変える。
「でぇぇぇぇりゃあああああ!!」
――巴投げ。
ズガァァァァァァン!!
巨大な腕の軌道が変わった。
「うそぉ!?」
シリカの声が裏返る。
腕が――。
別の腕へ激突した。
ドゴォォォォォォォン!!
二本の巨大な石腕が絡まり、床へ叩きつけられる。
ボス部屋が揺れた。
「…………」
全員。
呆然。
サタンだけが腕を組んで立っている。
「ふっ」
こっこが震える指でサタンを指した。
「修行の成果が……おかしい方向に完成してる……」
リズが首を振る。
「今さらでしょ」
シリカも頷く。
「サタンさんですから」
「きゅるる♪」
だが。
その瞬間だった。
王国軍の槍兵が走る。
絡まって動けなくなった巨大な腕。
その一か所へ――槍を突き立てた。
キィィィン!
青い光。
弱点。
「サタン!」
キリトが叫ぶ。
「そこだ!!」
サタンが見る。
腕の関節。
青い光。
「おう!」
駆け出した。
だが。
剣を持っていない。
斧もない。
槍もない。
あるのは――己の身体だけ。
サタンは巨大な腕へ飛び乗った。
駆け上がる。
「何する気!?」
アスナが叫ぶ。
サタンは青く光る関節へ到達すると――。
腕を回した。
抱える。
「…………」
こっこの顔が引きつる。
知っている。
第五層。
老師のところへ修行に行ったサタンが、最後に習得しようとしていた技。
巴投げから。
相手を中空へ送り。
そこから自分も跳ぶ。
そして――。
「いや待って」
こっこが呟く。
「相手、腕だよ?」
サタンが跳んだ。
「ぬおおおおおお!!」
巨大な腕を抱えたまま。
体勢を反転。
頭から――。
「パイル――」
リズが叫ぶ。
「名前言わなくていいからぁぁぁ!!」
「ドライバァァァァァァ!!」
ズッガァァァァァァン!!!
石の腕が。
床へ突き刺さった。
一瞬の静寂。
そして。
――バキィン!!
弱点部位が砕け散る。
《CRITICAL》
フスクスのHPバーが――。
ゴッソリ減った。
「…………」
攻略組。
王国軍。
キリト。
アスナ。
ディアベル。
キバオウ。
全員が同じ顔をしていた。
サタンはゆっくり立ち上がる。
「…………」
自分の両手を見る。
「できた」
こっこが頭を抱えた。
「できちゃったよ……」
エギルが遠い目をする。
「俺たちは今まで、何のために武器を強化してきたんだろうな……」
キリトも自分の剣を見る。
「考えちゃ駄目だ、エギル」
アスナが即答する。
「絶対に考えちゃ駄目」
そのとき。
ボス部屋の片隅。
サタンの視界に、小さなメッセージウインドウが開いた。
――老師からだった。
《どうじゃ? 投げ技は役に立ったじゃろ?》
「…………」
サタンの額に青筋が浮かぶ。
続いてもう一通。
《次の修行を思いついたぞ 》
「…………」
さらに。
《戻ってこい》
サタン。
「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
フスクスの咆哮より大きな絶叫が、第五層ボス部屋に響き渡った。
こっこがサタンの肩を叩く。
「大丈夫」
「何がだ!!」
「エルフイベントより先に終わるかもしれない」
「比較対象がおかしいだろうが!!」
その横でキリトとアスナが顔を見合わせる。
そして二人同時に。
「……終わらないな」
「……終わらないわね」
だが――。
その騒ぎの中。
ディアベルだけは気づいていた。
王国軍が示した弱点。
サタンが破壊した関節。
そして今の一撃で、フスクスの動きが明らかに鈍っている。
攻略法は、もう見えた。
ディアベルは剣を掲げる。
「みんな!!」
攻略組が振り返る。
「サタンが作ってくれた隙を無駄にするな!」
キバオウも剣を構えた。
「一気に畳み掛けるで!!」
シヴァタが続く。
「全隊、攻撃準備!」
キリト。
アスナ。
エギル。
リズ。
シリカ。
ピナ。
こっこ。
そして――サタン。
攻略組が再び、一つになる。
フスクスのHPは残り三割。
王国軍の兵士たちが武器を掲げた。
王家の鍵が金色に輝く。
第五層攻略戦。
いよいよ――。
決着の時が近づいていた。