エンジニアのSAO Progressive ~NPCが売ってないなら作ればいい~   作:Edward

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87 救援者

第八層迷宮区――最深部。

 

巨大な扉の前に到着したクラインは、そこで足を止めた。

 

クライン「……なんだ、こりゃ?」

 

てっきり、ボス攻略を目前にした緊張感あふれる光景が待っていると思っていた。

 

実際、巨大な扉は見るからに禍々しい。

 

黒ずんだ石造りの表面には、何本もの爪痕のような亀裂が走っている。

 

この向こうに何がいるのかは分からない。

 

一度開けば、逃げられる保証もない。

 

――だというのに。

 

「武器の耐久値、確認しますよー!」

 

「防具の修繕こっちです!」

 

「ポーション補充まだの人ー!」

 

威勢のいい声が飛び交っている。

 

簡易テーブルが並べられ、その上には武器、防具、工具、ポーション。

 

少し離れた場所には椅子やベンチまで設置され、攻略組のプレイヤーたちが思い思いに身体を休めていた。

 

張り詰めた扉の前で、まるで遠足の出発前のような光景が広がっている。

 

そして――。

 

クライン「……いい匂いするんだけど?」

 

ぐつぐつぐつ……。

 

巨大な寸胴鍋から、白濁した湯気が立ち上っていた。

 

こっこ「はいはいー! 今回は豚骨ラーメンも持ってきたよー! 数量限定だから早い者勝ちだよー!」

 

クライン「ラーメン!?」

 

ここは迷宮区最深部。

 

目の前はフロアボスの部屋である。

 

しかし、どう見てもラーメン屋が営業している。

 

キバオウ「おうっ! おかわりや!!」

 

こっこ「キバオウさん二杯目でしょ!?」

 

キバオウ「ボス戦前は腹が減るんや!」

 

こっこ「はいはい、チャーシュー追加ね」

 

キバオウ「分かっとるやないか!」

 

ディアベル「こっこさん、僕はニンニク抜きでお願いしますね」

 

こっこ「はいよー!」

 

クライン「…………」

 

目を丸くしたクラインが、隣にいるキリトを見る。

 

クライン「なあ、キリト」

 

キリト「なんだ?」

 

クライン「あの人……料理人?」

 

キリト「攻略組メンバーです 」

 

クライン「意味わかんねーぜ 」

 

キリト「俺も最初はそうだった」

 

アスナ「そのうち慣れるわよ」

 

クライン「これに慣れんの!?」

 

さらにクラインは周囲を見渡す。

 

見覚えのある看板があった。

 

《ENGINEER》

 

クライン「あっ! この店、知ってるぜ!」

 

下層でも何度か利用したことがある。

 

武器や防具の修理、道具の販売、食料品。

 

攻略が進んだことで下層にも支店が増え、今では多くのプレイヤーが知っている店だった。

 

クライン「エンジニアの店は使ってたけどよ……」

 

巨大なボス部屋の扉を見る。

 

もう一度、店を見る。

 

クライン「ボス部屋の前で開店するのか! すげーな!」

 

こっこ「最前線だからこそ必要なんですよ」

 

クライン「なるほどな!」

 

こっこ「武器の耐久値を最大まで戻して、防具も修理。料理バフを入れて、ポーション補充。ついでに腹ごしらえして休憩」

 

クライン「おお!」

 

こっこ「万全の状態でボス部屋に送り込む!」

 

クライン「すげえ! 理にかなってるじゃねえか!」

 

キリト「ちなみに本人も入るぞ」

 

クライン「…………は?」

 

こっこ「僕も攻略参加するよ✨️」

 

クライン「店主が!?」

 

リズ「店主じゃないわよ」

 

シリカ「一応、エンジニア代表です 」

 

クライン「ますます意味わかんねー!」

 

ピナ「きゅるるー♪」

 

そんな騒ぎの中でも、準備は着々と進んでいく。

 

リズが最後の武器を受け取る。

 

リズ「修繕完了! これで全部!」

 

シリカ「料理バフ、全員確認できました!」

 

こっこ「消耗品補充も終了!」

 

アルゴ「ボス情報は相変わらず追加なしだナ」

 

エギル「結局、ぶっつけ本番か」

 

キバオウ「上等や!」

 

そして――。

 

それまでラーメンをすすっていたディアベルが、静かに箸を置いた。

 

器の底に箸が触れる音が、妙に大きく響く。

 

立ち上がる。

 

その瞬間。

 

空気が変わった。

 

さっきまで笑い声の飛び交っていた臨時店が、一気に静まり返る。

 

誰もが扉を見た。

 

巨大な石の向こうから、何かがこちらを待ち構えている。

 

クライン「……!」

 

ディアベルは全員を見渡した。

 

ここまで来た攻略組。

 

幾度も死線を越えてきた者たち。

 

そして今回、初めてこの場所に立つ者たち。

 

その中にはクラインもいる。

 

ディアベル「みんな、準備はいいか?」

 

返事の代わりに、金属音が連続して響いた。

 

武器が抜かれる。

 

盾が構えられる。

 

革靴が床を踏みしめ、隊列が整えられていく。

 

キリトも剣を抜いた。

 

アスナがレイピアを構える。

 

エギルが斧を肩に担ぐ。

 

キバオウが前へ出る。

 

クラインも遅れて刀を抜いた。

 

刀身が淡い光を帯び、手の中で確かな重みを返してくる。

 

クライン「……なるほどな」

 

さっきまでとはまるで違う。

 

ふざけているわけじゃない。

 

笑える時には笑い、食える時には食う。

 

休める時には休む。

 

そして――戦う時には、全員が戦士になる。

 

クライン「これが攻略組かよ……!」

 

キリト「クライン」

 

クライン「あ?」

 

キリト「俺から離れすぎるなよ」

 

クライン「誰に言ってやがる!」

 

ニヤリと笑って、刀を肩に担ぐ。

 

クライン「こちとら、この世界に来る前からお前と一緒に戦ってんだぜ!」

 

キリト「……そうだったな」

 

二人が並ぶ。

 

その少し後ろでは――。

 

こっこ「よし! 寸胴片付けて!」

 

エンジニア「了解!」

 

クライン「撤収はええな!?」

 

こっこ「ボス戦だからね!」

 

クライン「さっきまでラーメン屋だっただろ!」

 

リズ「クラインさん」

 

クライン「おう?」

 

リズ「考えたら負けよ」

 

シリカ「私たちはもう諦めました」

 

クライン「攻略組、思ってたのと違うぜ……」

 

ディアベルが剣を掲げる。

 

その切っ先が、巨大な扉を指し示した。

 

そして巨大な扉へ向き直った。

 

ディアベル「今回、ボスについて分かっていることはほとんどない」

 

笑い声が消える。

 

誰もが息を殺し、扉の向こうへ意識を集中させる。

 

ディアベル「だから最初から攻め急がない。まずは攻撃パターンの把握を最優先。未知の攻撃が来たら、僕の指示がなくても回避を優先してくれ」

 

全員が頷く。

 

ディアベル「生き残ることが最優先だ」

 

その言葉を聞いて、クラインの表情も引き締まった。

 

喉が鳴る。

 

手のひらに汗が滲む。

 

それでも、足は退かなかった。

 

ディアベル「――行こう」

 

巨大な扉に手がかけられる。

 

ゴゴゴゴゴゴ……。

 

石の擦れる重い音が、迷宮全体を揺らす。

 

扉の隙間から、冷たい空気が刃のように吹き込んできた。

 

ラーメンの湯気も、笑い声の余韻も、すべて押し流されていく。

 

冷たい空気が迷宮区へ流れ出す。

 

暗闇。

 

その奥で――。

 

ひとつ。

 

ふたつ。

 

赤い光が灯った。

 

いや。

 

違う。

 

目だ。

 

無数のエルフたちが、暗闇の中からこちらを見ている。

 

その視線だけで、背筋が凍りつく。

 

《Soul-Sold Elf》

 

弓を構える者。

 

細身のサーベルを抜く者。

 

足音ひとつ立てず、こちらを包囲するように散開する者たち。

 

そして、その遥か奥。

 

取り巻きたちの中央に、一人のエルフが立っていた。

 

他のエルフとは明らかに違う。

 

長大な薙刀。

 

傷ついた鎧。

 

幾度も戦場をくぐり抜けたような傷跡が、全身に刻まれている。

 

そして身体の周囲には、風がゆっくりと渦巻いている。

 

風が床の砂埃を巻き上げ、薙刀の刃が低く唸った。

 

その存在だけで、部屋全体が支配されていた。

 

その頭上に巨大なHPバーが出現した。

 

《The Forsaken Elf》

 

――見捨てられしエルフ。

 

クライン「……おいおい」

 

さっきまでの陽気な表情が消える。

 

刀を握る指に力がこもった。

 

クライン「初参加で、とんでもねえの引いたんじゃねえか?」

 

キリト「安心しろ」

 

クライン「お?」

 

キリト「だいたいいつもこんな感じだ」

 

クライン「安心できる要素どこだよ!?」

 

その瞬間、ボスの周囲で風が爆ぜた。

 

無数のエルフが一斉に武器を構える。

 

攻略組の盾が前へ揃い、後衛が距離を取る。

 

誰かが息を呑み、誰かが短く号令を飛ばす。

 

恐怖を押し殺しながら、全員が戦闘態勢へ移行していく。

 

ディアベルが剣を振り上げる。

 

ディアベル「全隊――戦闘開始!!」

 

「「「おおおおおおっ!!」」」

 

雄叫びが迷宮区を震わせる。

 

第八層。

 

フロアボス攻略戦。

 

――開始。

 

 

 

第八層、迷宮区最奥。

 

巨大な扉の前に、攻略組が集結していた。

 

最後の装備確認を終え、ディアベルが全員を見渡す。

 

その少し後ろで、こっこは人数を数えながら首を傾げていた。

 

「……あれ?」

 

もう一度見る。

 

やはり、いない。

 

こっこ「サタン、今回も来れなかったのかい?」

 

キリト「修行、まだ終わってないんじゃないか?」

 

こっこ「もう八層だよ? あいつ今頃、何してるんだろ」

 

――その頃。

 

「ぬおおおおおお!!」

 

第八層迷宮区、中層。

 

サタンは――死闘を繰り広げていた。

 

「敵強い!! 修行してる間にレベル差がぁぁぁ!! 」

 

目の前には、黒みを帯びた赤色のカーソル。

 

明らかな格上。

 

だが。

 

踏み込んできた魔物の爪を、サタンは紙一重でかわす。

 

以前なら大きく跳んで避けていた攻撃。

 

今は違う。

 

半歩。

 

わずか半歩だけ身体をずらし、攻撃を流す。

 

そのまま手首を取り――。

 

「ふんっ!」

 

相手の勢いを利用して地面へ叩きつける。

 

老師から叩き込まれた《合気》。

 

身体の動きは、以前とは比較にならないほど洗練されていた。

 

サタン「見える……! 動きは見えるんだ!」

 

拳を叩き込む。

 

ズガンッ!!

 

魔物のHPが――。

 

ほんの少し減った。

 

サタン「……硬っ!!」

 

修行によって技術は飛躍的に向上した。

 

しかし。

 

サタン「パラメータが足りねええええ!! 」

 

倒せる。

 

倒せるのだ。

 

だが――時間がかかる。

 

ようやく一体を撃破する。

 

サタン「よし!」

 

その瞬間。

 

――ボンッ。

 

奥に新たなモンスターがポップした。

 

サタン「…………」

 

さらに。

 

――ボンッ。

 

サタン「…………」

 

もう一体。

 

――ボンッ。

 

サタン「増えるなぁぁぁぁぁ!!」

 

師のもとで武を極めつつある男。

 

しかし彼は今――。

 

《レベル上げをサボったツケ》

 

という、あまりにもMMORPGらしい壁に阻まれていた。

 

サタン「待ってろよ、みんなぁぁぁ!!」

 

その声が攻略組へ届くことはなかった。

 

◇

 

――第八層、ボス部屋。

 

巨大な扉が開く。

 

その奥。

 

薄暗い広間に立っていたのは、一体の巨大な異形。

 

そして――。

 

その周囲に並ぶ、エルフたち。

 

かつて誇り高き種族であった面影を残しながら、その瞳には濁った光が宿っている。

 

森でもない。

 

闇でもない。

 

己の魂を売り渡し、力だけを求めた者たち。

 

堕ちたエルフ。

 

ディアベルが剣を抜いた。

 

「全員、戦闘開始!」

 

弦が鳴る。

 

ヒュンッ!!

 

「盾!」

 

前衛が一斉に構えた。

 

ガガガガッ!!

 

矢が盾へ突き刺さる。

 

だが、その一本を見たディアベルの表情が変わった。

 

矢尻から、紫色のエフェクトが滴っている。

 

ディアベル「毒矢だ! 継続ダメージ注意! 被弾した者は後ろへ!」

 

さらに剣士型のエルフが前へ飛び出す。

 

弓。

 

剣。

 

再び弓。

 

完全な波状攻撃。

 

キバオウ「しゃらくさいわぁ!!」

 

《Jagged Breaker》――通称トンガリソードが振り抜かれる。

 

ガギィン!!

 

エルフの細剣が砕け散った。

 

キバオウ「力は強うない! 押せ押せや!!」

 

前衛が押し返す。

 

その横を――黒い影が抜けた。

 

キリト。

 

その手に握られた鎖剣。

 

《Crimson Darkness》。

 

刀身を覆う深紅の光が、妖しく揺れる。

 

「はっ!!」

 

一閃。

 

エルフの剣を弾き――。

 

返す一刀。

 

右肩から斬り落とす。

 

「ぎゃあああああ!!」

 

ポリゴン片が散る。

 

キリトは一瞬だけ、自分の剣を見る。

 

(……やっぱり、とんでもないな)

 

高いSTR。

 

そこへ、この武器の性能が重なる。

 

(魔剣だ……)

 

敵を斬った自分自身が、わずかに恐怖を覚えるほどだった。

 

やがて最後の取り巻きが崩れる。

 

ディアベル「よし! 本体へ集中!」

 

攻略組が前へ出た。

 

――その時。

 

ボスが大きく息を吸い込んだ。

 

キリト「……?」

 

ディアベル「待て!」

 

胸部が異様に膨らむ。

 

口元に紫色の光。

 

ディアベル「全員、散開!!」

 

次の瞬間。

 

――ブオオオオオオオッ!!

 

紫色の霧が広間を覆った。

 

「ぐっ!」

 

「身体が……!」

 

何人ものプレイヤーの頭上に状態異常アイコンが出現する。

 

《Paralysis》。

 

麻痺。

 

しかも――範囲が広すぎる。

 

ディアベル「まずい……! こんな広範囲の麻痺ブレス……!」

 

足が止まる。

 

盾役が動けない。

 

そこへ。

 

――ボンッ。

 

――ボンッ。

 

新たな取り巻きが次々とポップする。

 

ディアベル「再召喚まであるのか!?」

 

弓兵が弦を引く。

 

動けない前衛へ、毒矢が向けられた。

 

完全に陣形を崩された。

 

キリトが一歩前へ出る。

 

「下がれ!」

 

《Crimson Darkness》を構える。

 

キリト「俺が出る!」

 

麻痺の影響を受けながらも、AGIとステータスで強引に身体を動かす。

 

しかし。

 

一人で前に出れば――集中攻撃を受ける。

 

ディアベル「キリト、無茶だ!」

 

キリト「このままじゃ前衛が崩れる!」

 

弓が引き絞られる。

 

ボスも再び息を吸い込む。

 

その時だった。

 

攻略組の――さらに後ろ。

 

開いたままの扉から。

 

「――伏せろ!!」

 

聞き慣れない声が響いた。

 

キリト「!?」

 

一本の矢が飛ぶ。

 

ヒュンッ!!

 

取り巻きの弓兵が狙っていた弦を――。

 

正確に射抜いた。

 

バチンッ!!

 

弓が弾かれる。

 

そして。

 

もう一人。

 

攻略組の頭上を飛び越える影。

 

着地と同時に剣を抜く。

 

「右より三! 次は剣士が来る!」

 

ギズメルだった。

 

キリト「ギズメル!?」

 

さらに後方から駆け込んできた男が叫ぶ。

 

「盾を中央へ! 奴らは三射ごとに剣士が突撃する! 次が来るぞ!」

 

ランスロット。

 

こっこ「ランスロットさん!?」

 

リズ「なんでここに!?」

 

ランスロットは答えない。

 

胸元を掴んだ。

 

そこには――。

 

母から受け継いだ、小さなペンダント。

 

淡い光が灯る。

 

その光が広がり――攻略組を包んだ。

 

「……あれ?」

 

一人のプレイヤーが手を見る。

 

麻痺していた指が――動く。

 

ディアベル「これは……」

 

ランスロット「母の形見です」

 

ペンダントを握る。

 

ランスロット「古い《おまじない》が施されていると聞いていました。私自身、その意味を知ったのは最近ですが――」

 

光が強くなる。

 

完全に麻痺が消えたわけではない。

 

だが。

 

動ける。

 

ディアベルがすぐに効果を理解した。

 

「状態異常が……弱まっている?」

 

ランスロット「はい。無効にはできません」

 

剣を抜く。

 

「ですが、その苦しみを――半分にすることはできます!」

 

こっこの目が変わった。

 

「……おまじない」

 

第六層で手に入れた古文書。

 

失われた魔法。

 

古代エルフ。

 

秘鍵。

 

そして――。

 

ランスロットの母が遺したペンダント。

 

(これ……ただのお守りじゃない)

 

しかし考える暇はない。

 

ギズメルが叫ぶ。

 

「来るぞ!」

 

取り巻きが一斉に動いた。

 

だが彼女は――すでにその動きを見切っていた。

 

「弓兵は二射目の後、必ず左へ移動する!」

 

キリト「!」

 

「剣士は上段から二連撃――三撃目はない!」

 

ディアベル「全員聞いたな!」

 

指揮官の目に光が戻る。

 

「陣形再構築!」

 

麻痺が弱まったタンクたちが立ち上がる。

 

キバオウ「おっしゃああ!!」

 

盾が並ぶ。

 

「前衛、押し返せ!」

 

ギズメルが敵の動きを読む。

 

ランスロットの光が状態異常を抑える。

 

ディアベルが全体を指揮する。

 

そして――。

 

キリトが笑った。

 

「これならいける!」

 

《Crimson Darkness》が深紅の光を放つ。

 

こっこも《ローグサーベル》を抜いた。

 

「いやあ……」

 

その隣へリズとシリカが並ぶ。

 

ピナが羽ばたく。

 

こっこ「まさか、エルフと一緒にエルフを倒すことになるとはね」

 

ギズメル「奴らを我らと一緒にするな」

 

ランスロットも静かに剣を構える。

 

「誇りを捨て、力に魂を売った者たちです」

 

ギズメル「だからこそ――」

 

二人が同時に前へ出る。

 

「我らが止める!」

 

ディアベルが剣を掲げた。

 

「攻略組!」

 

全員の視線が集まる。

 

「援軍と連携する!」

 

そして――。

 

「スイッチ!!」

 

森エルフ。

 

闇エルフ。

 

そしてプレイヤー。

 

本来なら交わるはずのなかった三つの勢力が――。

 

第八層のボス部屋で、初めて肩を並べた。

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