エンジニアのSAO Progressive ~NPCが売ってないなら作ればいい~   作:Edward

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夕刻――。

 

高山地帯から命からがら撤退したこっこ達は、ようやく主街区《ヒマラズ》へと戻ってきた。

 

街の入口では、キリトとアスナが待っていた。

もちろんキリトくんは棺桶の中である。

馬車をこの層に持ってきたかったが、斜面の多い層で危険があったのでやめたそうだ。キリトくんとディアベルさんががっかりしていた。

 

「ただいま……」

 

こっこが力なく手を上げる。

 

リズもシリカも疲労困憊。

ピナに至ってはシリカの肩の上で、ぐったりしていた。

とりあえずアスナは手配していた仮宿に案内する。

 

アスナはその様子を見て眉をひそめる。

 

「……もしかして?」

 

「いやあ……ちょっと山の方へ行ったら、高山地点ってアイコンが出て……」

 

こっこ達は、《Stone Anima》との戦闘、そして戦闘中に突然襲ってきた謎のステータス低下について説明した。

 

話を聞き終えたアスナは、大きくため息をつく。

 

「もう……NPCに話を聞いてから行ってよ。高山病の話は出ていたわよ」

 

「すみません……」

 

しゅん、とこっこが小さくなる。

 

「でもね」

 

アスナは腕を組んだ。

 

「高山病になる、という情報だけなの。対策までは誰も教えてくれなかったわ。何かヒントがあればいいんだけど……」

 

「アスナ」

 

それまで黙って考えていたキリトが口を開いた。

 

「高山病って、気圧の問題? それとも酸素不足?」

 

「両方だけど……リアルで強いて言うなら酸素不足ね。標高が上がって気圧が低くなると、吸い込める酸素の量も減るから」

 

「酸素か……」

 

こっこが腕を組む。

 

「酸素ボンベでも、どっかで売ってるのかな?」

 

「そんなのあるわけないでしょ 」

 

即座にリズのツッコミが飛んだ。

 

「ここは《ソードアート・オンライン》なのよ! 酸素ボンベなんて物がとっから出てくるのよ!」

 

「じゃあ……」

 

シリカが真剣な顔で考える。

 

「樹木を植えて回ったら、酸素増えるかな?」

 

「シリカ」

 

リズが悲しそうな目で彼女を見る。

 

「こっこと一緒にいて、頭悪くなっちゃったんじゃない?」

 

シリカ「ええっ!?」

 

リズ「こんな高山地帯に植物植えても簡単には育たないわよ! それに育つまで何年待つつもりなの!」

 

アスナ「酸素がないけど、二酸化炭素もないから育たないわ。」

 

「ぴえん 」

 

こっこは泣いた、風評被害である、と・・・ 。

 

リズ「あんたの影響よ 」

 

その横で、キリトだけが何かを考えていた。

 

「……酸素……酸素……」

 

そして、ぽつりと言う。

 

「なあアスナ。確か酸素って……《オキシドール》だっけ?」

 

「それは《過酸化水素》よ」

 

アスナが即答する。

 

「消毒液とかに使うやつ。酸素はオキシゲン《Oxygen》よ」

 

「それだ!」

 

キリトが顔を上げた。

 

「確か……どっかでその名前、出てなかったか?」

 

「…………」

 

アスナの動きが止まった。

 

同時に。

 

こっこも固まった。

 

二人の記憶が、ほぼ同時に一つの場所へ辿り着く。

 

「「あった!!」」

 

アスナとこっこが顔を見合わせた。

 

「私は……」

 

アスナが記憶をたどる。

 

「第8層のエルフの街で見たわ。《Oxygen Leaf》っていうアイテム」

 

「それ!」

 

「用途が全然わからなかったの。説明を見ても曖昧だったし、攻略に必要そうにも見えなかったから、そのままスルーしたんだけど……」

 

アスナの目が鋭くなる。

 

「もしかしたら、あれがこの層のキーアイテムなんじゃない?」

 

キリトがうなずく。

 

「可能性は高いな」

 

そしてアスナが、ふと気づく。

 

「……そういえば、こっこさんも『あった』って言ったわよね?」

 

「うん」

 

「どこで見たの?」

 

「森のエルフの雑貨屋さん」

 

「じゃあ、こっこさんも覚えてたんだ」

 

「いや」

 

こっこは胸を張った。

 

「僕、よくわかんないけど何かに使えると思って買っておいた!」

 

「…………」

 

全員が固まった。

 

「は……?」

 

こっこは得意げにストレージを操作する。

 

ポン。

 

《Oxygen Leaf》

 

ポン。

 

《Oxygen Leaf》

 

ポン、ポン、ポン、ポン――。

 

次々と緑色の葉が実体化していく。

 

「…………」

 

キリトの頬が引きつった。

 

「こんなに……?」

 

「いっぱい買ったら安くしてくれるって、エルフの旦那に乗せられて……」

 

こっこは照れ臭そうに頭を掻く。

 

「なんか名前も変わってたし、どっかで使えるかなーって」

 

「…………」

 

リズの肩が震え始めた。

 

「は・・・?」

 

こっこはニヤリと笑う。

 

「葉だけに?」

 

「キーアイテム持ってて全滅しかける攻略組がいるかあああああ!! 」

 

「ぎゃーす 」

 

リズの拳骨が炸裂した。

 

「まあまあ!」

 

シリカが慌てて止めに入る。

 

「本当にこれが高山病対策か、まだわかりませんから!」

 

「そうね」

 

アスナも冷静さを取り戻す。

 

「まず効果を確認しましょう」

 

「じゃあ……」

 

シリカは一枚の《Oxygen Leaf》を手に取った。

 

肩の上では、先ほどの高山地帯で消耗したピナがまだ元気なく座っている。

 

「ピナ、これ食べてみる?」

 

「きゅる……」

 

ピナは差し出された葉を小さくかじった。

 

もぐもぐ。

 

「…………」

 

全員が見守る。

 

次の瞬間。

 

「きゅるるるるーっ♪」

 

ピナが勢いよく飛び上がった。

 

「ピナ!?」

 

先ほどまでぐったりしていたのが嘘のように、シリカの周囲を元気いっぱいに飛び回る。

 

そしてシリカの視界には――。

 

《高山デバフ耐性》

 

新しいバフアイコンが表示されていた。

 

「……当たりですね 」

 

シリカが笑顔のまま言った。

 

「やっぱり!」

 

アスナも目を輝かせる。

 

「これよ! これが第9層の高山地帯を進むためのアイテムだったんだ!」

 

「よっしゃあ!」

 

こっこは両手を上げた。

 

「ほら! 僕のおかげじゃん!」

 

リズがじろりと睨む。

 

「用途も知らずに買っただけでしょ」

 

「でも買った!」

 

「大量にね」

 

「いっぱい買ったから、みんなの分あるよ✨」

 

「無駄遣いした結果でしょ 」

 

「結果オーライだよ!」

 

こっこは胸を張る。

 

「そこはさあ――」

 

満面の笑み。

 

「『こっこさん凄い✨️』でしょ!」

 

リズ、シリカ、アスナ、キリト。

 

「…………」

 

「なんで黙るの 」

 

ピナだけが、

 

「きゅるー♪」

 

と元気よく鳴いた。

 

「ピナぁぁぁ! 君だけだよ、僕を認めてくれるのは 」

 

「ピナは葉っぱがおいしかっただけじゃない?」

 

「リズひどい 」

 

――その頃。

 

ヒマラズから遠く離れた高山地帯。

 

吹雪の中を、一人の男が歩いていた。

 

「ぬおおおおおおっ!!」

 

サタンである。

 

HPゲージの横には、

 

《高山病》

 

《凍傷》

 

二つのデバフアイコンが燦然と輝いている。

 

「この程度……!」

 

サタンは震える拳を握り締める。

 

「老師との修行に比べればぁぁぁ!!」

 

闘気を燃やし、一歩。

 

「こっこ達は……!」

 

また一歩。

 

「この先に……いるはずだぁぁぁ!!」

 

吹雪が容赦なく叩きつける。

 

HPがじわじわ減っていく。

 

それでも漢は歩く。

 

修行を終えた己の力を仲間達に見せるため。

 

今度こそ攻略に間に合うため。

 

そして――。

 

「…………」

 

サタンは立ち止まった。

 

周囲には誰もいない。

 

白銀の山々だけが広がっている。

 

「…………」

 

ぽつり。

 

「誰か……」

 

闘気も何もない、素の声が漏れた。

 

「助けて 」

 

サタンはまだ知らない。

 

自分が命懸けで突破しようとしている高山地帯を――。

 

仲間達が今頃、葉っぱをモシャモシャ食べながら攻略する準備をしていることを。

 

 

酸素の葉――。

 

第5層で何となく買って、そのままストレージの肥やしになっていたアイテムが、まさか第9層の攻略アイテムだったとは。

 

こっこは手持ちの《酸素の葉》を仲間たちに配り終えると、その足でアルゴのところへ向かった。

 

「――というわけで、この葉っぱを口に含んでいる間は、高山地点のデバフをかなり抑えられるみたい」

 

アルゴは受け取った《酸素の葉》を指先でくるくると回しながら、感心したように口笛を吹いた。

 

「そんな攻略法があったとはナ。こっこ、助かったヨ」

 

「いえいえ✨️」

 

こっこはちょっと得意げに胸を張る。

 

これで攻略組にも情報が回る。

 

知らずに山へ入り、先ほどの自分たちのように高山デバフで動けなくなるプレイヤーも減るだろう。

 

ところが――。

 

アルゴがふと思い出したように耳を動かした。

 

「そういや、それより商人から伝言が来てるんだけドナ」

 

「商人さんから?」

 

「ああ。――サタンが第9層で行方不明らしい」

 

「…………え?」

 

こっこの顔から笑みが消えた。

 

「来ているの!?」

 

アスナも驚いて振り返る。

 

「サタンさん、第8層には間に合わなかったんじゃ……」

 

「みたいだナ。第9層まで追いかけてきて、途中で商人と合流したらしい」

 

アルゴはそこで、なんとも言えない顔をした。

 

「ただナ……」

 

「ただ?」

 

「話もろくに聞かずに、『こっこ達はどこだ!』って、そのまま山に入っていったらしいゾ」

 

「…………」

 

こっこ。

 

アスナ。

 

キリト。

 

三人の視線がゆっくり山へ向く。

 

「酸素の葉も持たずに……」

 

こっこの頬を汗が伝った。

 

「やばいね」

 

「やばいわね」

 

アスナも即答した。

 

キリトが遠い目をする。

 

「……あの人、俺達に追いつくことしか考えてなかったんじゃないか?」

 

「たぶん……」

 

こっこはすぐさまメニューを開いた。

 

《追跡》スキルを起動。

 

視界に淡い補助表示が重なり、地面に残された足跡や移動痕跡を探していく。

 

「サタンなら足跡も派手そうなんだけど……」

 

「足跡に派手とかあるのかヨ」

 

アルゴのツッコミを無視して、こっこは周辺を調べる。

 

しかし――。

 

「……駄目だ」

 

痕跡がない。

 

第9層へ到着してから、すでにかなりの時間が経っている。

 

他のプレイヤーやモンスターの往来。

 

風。

 

地形。

 

様々な要因によって、サタンの足跡は追跡可能時間を越えて消失していた。

 

「もう時間が経ちすぎてる。追跡できないや」

 

「参ったナ……」

 

アルゴが腕を組む。

 

こっこは山を見上げた。

 

白い峰。

 

岩肌。

 

その向こうには、先ほど自分たちを苦しめた高山地帯が広がっている。

 

そこへ――。

 

酸素の葉も持たず。

 

高山病の情報も聞かず。

 

サタンは一人で入っていった。

 

「……道中、探してみるよ」

 

アルゴが少しだけ真面目な顔になる。

 

「済まないナ。アーちゃんも頼んだヨ」

 

「うん、わかった」

 

アスナが頷いた。

 

とはいえ、こちらにも目的がある。

 

壊れた最後の秘鍵。

 

そして、魔法復活へとつながる手掛かり。

 

いつまでも全員で同じ場所を探し回るわけにはいかない。

 

ここで一行は再び二手に分かれることになった。

 

キリトとアスナは――闇エルフの首都へ。

 

こっこ、リズ、シリカは――森エルフの野営地へ。

 

「じゃあ、何かあったらメッセージで」

 

キリトが言う。

 

「了解。サタンを見つけたら連絡するよ」

 

「こっこさんも無茶しないでよ」

 

アスナが念を押す。

 

「大丈夫、大丈夫✨️ 今度はちゃんと酸素の葉もあるから」

 

「さっき遭難しかけた人が言っても説得力ないわよ 」

 

リズの一言に、

 

「ぎゃーす 」

 

こっこの情けない声が響いた。

 

そして二組は、それぞれの目的地へ向かって歩き始めた。

 

――ただし。

 

彼らはまだ知らなかった。

 

探している男が、どこにいるのか。

 

第9層、高山地帯。

 

人気のない岩山のさらに奥――。

 

「こっこぉぉぉぉ!!」

 

山々に、男の声が反響する。

 

「リズぅぅぅ!! シリカぁぁぁ!!」

 

返事はない。

 

「キリトぉぉぉ!! アスナぁぁぁ!!」

 

やはり返事はない。

 

サタンは肩で息をしながら、岩壁に手をついた。

 

視界の端には、見慣れない高山地点のアイコン。

 

その横では、謎のデバフ表示が点滅している。

 

「なんだ……これ……」

 

ぜぇ、ぜぇ、と息を切らしながら、サタンは首を傾げた。

 

「修行で……体力は……上がったはずなんだが……」

 

当然である。

 

これは体力の問題ではない。

 

「待ってろ……みんな……!」

 

それでもサタンは立ち上がる。

 

「今度こそ……追いついてやる……!」

 

そして――。

 

完全に道を間違えた方向へ、再び歩き始めた。

 

サタン捜索――開始。

 

こっこ達とはまったく違う方角。

 

第9層南部、山岳地帯。

 

ビュオオオオオオ――!!

 

サタン「さむっ!! さむっ!! なんだこの層は!! 」

 

猛吹雪の中、一人の男が雪をかき分けていた。

 

こっこ達を探して9層へやって来たサタンだったが、商人の話もろくに聞かず、

 

「こっこ達ならもう先へ進んでいるはずだ!」

 

と、そのまま山へ突入。

 

そして見事に――。

 

遭難していた。

 

サタン「こっこー!! どこだー!! 」

 

返事はない。

 

あるのは吹き荒れる風の音だけ。

 

さらに視界の隅では《High Altitude》のアイコンが点滅している。

 

サタン「なんだこれ!? 身体まで重くなってきやがった!」

 

それでも前へ進もうとして――。

 

サタンの脳裏に、老師の声が蘇った。

 

――力に抗うな。

 

サタン「…………」

 

ビュオオオオオ!!

 

正面から猛烈な風が叩きつけてくる。

 

サタンは足を止めた。

 

「そうか……」

 

無理に進もうとするから体力を失う。

 

風に逆らってはいけない。

 

サタン「吹雪いている時には、動き回るな!」

 

――身を任せよ。

 

サタンは周囲を見渡した。

 

雪。

 

岩。

 

雪。

 

サタン「…………」

 

そして猛烈な勢いで雪を掘り始めた。

 

ザクザクザクザク!!

 

数十分後。

 

山肌に小さな雪洞が完成していた。

 

サタン「よし! かまくらだ!」

 

中へ潜り込む。

 

風が消えた。

 

サタン「おお……」

 

雪洞の中で身体を休ませると、《High Altitude》の蓄積がゆっくりと減少していく。

 

サタン「体力の回復を待つ……。これも『身を任せよ』ってことか」

 

少し得意げな顔になる。

 

その時だった。

 

――グルルルル……。

 

サタン「…………」

 

入口の向こうに、二つの赤い光。

 

雪山のモンスターがサタンの匂いを嗅ぎつけていた。

 

サタン「今、休んでるんだけどなぁ……」

 

モンスターが飛びかかる。

 

老師の声が再び蘇る。

 

――最小の力で、最高の効率を得よ!

 

サタン「…………来い」

 

動かない。

 

ギリギリまで引きつける。

 

敵が爪を振り上げ――。

 

その瞬間。

 

サタンの全身から、一瞬だけ闘気が爆発した。

 

「ふんっ!!」

 

ドゴォン!!

 

カウンター。

 

拳がモンスターの急所へ突き刺さる。

 

HPゲージが一気に吹き飛んだ。

 

ポリゴン片が吹雪の中へ散っていく。

 

《LEVEL UP》

 

サタン「おおっ!!」

 

老師との修行で身につけた技術。

 

闘気を常時纏う必要などなかった。

 

必要な瞬間だけ。

 

必要な場所へ。

 

最小限の力を爆発させる。

 

サタン「老師……俺、少し分かった気がするぜ」

 

ビュオオオオオ!!

 

サタン「さむっ!!」

 

ダダダダダッ!

 

急いでかまくらへ戻った。

 

「無理無理無理! 寒い!!」

 

再び身体を丸める。

 

しばらくすると――。

 

――グルルル。

 

サタン「またかよ!」

 

外へ出る。

 

倒す。

 

《LEVEL UP》

 

戻る。

 

サタン「さむさむさむ!」

 

休む。

 

――グルルル。

 

サタン「また来た!」

 

倒す。

 

戻る。

 

休む。

 

敵が来る。

 

倒す。

 

戻る。

 

気がつけば――。

 

《LEVEL UP》

 

サタン「…………」

 

遭難しているだけなのに、どんどんレベルが上がっていた。

 

そして、先ほど倒したモンスターが残したドロップアイテムを見る。

 

《Mountain Beast Meat》

 

サタン「…………肉?」

 

腹が減っていた。

 

かまくらの中で小さな火を熾す。

 

串に肉を刺し、じっくり焼く。

 

ジュウウウウ……。

 

香ばしい匂いが雪洞いっぱいに広がった。

 

サタン「…………うまそうだな」

 

ガブッ。

 

「うめぇ!!」

 

老師の教えを実践し。

 

闘気の使い方を覚え。

 

レベルまで上がり。

 

暖を取り。

 

現地調達した肉を食べる。

 

傍から見れば、完璧な雪山サバイバルである。

 

しかし。

 

サタンは肉をモグモグと噛みながら、入口の外を見る。

 

相変わらず猛烈な吹雪。

 

誰もいない。

 

サタン「…………」

 

肉をもう一口。

 

モグモグ。

 

「…………」

 

そして、小さく呟いた。

 

サタン「誰か助けて 」

 

返事はない。

 

ビュオオオオオオ――!!

 

サタン「こっこー!! 」

 

――なお。

 

その頃のこっこ達は、サタンがいる南とはまったく別方向へ向かっていた。

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