AC×結月ゆかり   作:結月ゆかり好き

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第3話 狂気の進路変更

「……いいか、ゆかり。確認するぞ」

 

 深夜。

 空を覆う分厚い雲が、月の光すらも遮断する漆黒の荒野。

 俺の乗る試作軽量二脚型アーマード・コアは、巨大な岩山の影に身を潜め、眼下に広がる要塞施設を見下ろしていた。

 

 巨大企業ミラージュが誇る、地下要塞。

 その外郭部にあたる資材搬入口が、今回の俺たちの第一の目的地だ。

 

『はいはい、わかってますよマスター。表向きは外郭の第三サーバー室に侵入して指定されたデータを回収。……でも本当の狙いは、そこから最深部の生体研究フロアへ一気にダイブして、マキさんとマスターの治療データを奪取する。でしょ?』

 

 脳内に直接響く声。

 視界の隅に投影されたサブモニターでは、紫色のパーカーを着たゆかりが、欠伸をしながら適当に頷いている。

 

「そうだ。あくまでコソコソ逃げる予定の、地味で安全な仕事だと偽装する。絶対に、俺が合図するまでは余計な真似はするなよ」

『むっ。私をなんだと思ってるんですか。ナビゲーションAIとして、予定の遵守は絶対ですよ?』

「お前のどこがAIだ。それに、さっきから貧乏揺すりが酷いぞ」

 

 俺の指摘通り、サブモニターのゆかりは、胡座をかいたまま小刻みに膝を揺らしていた。

 落ち着きがないなんてもんじゃない。遠足前の小学生か。いや、獲物を前にした肉食獣と言うべきか。

 

 弦巻マキ。

 ゆかりがずっと探し求めていた、もう一人の電子精霊。

 前回の反体制勢力との戦闘中、ゆかりはこのミラージュの地下要塞から漏れ出た暗号通信の中に、その「マキ」の痕跡を見つけた。

 

 俺は裏ルートから「ミラージュ要塞外郭のデータ回収」という難易度の低い依頼を無理やり見つけ出し、それを隠れ蓑にしてこの場所にやってきた。

 巨大企業の中枢への強襲など、危険な賭けどころかただの自殺行為だ。だが、このままジリ貧で死ぬくらいなら、このイカれた相棒の執着に乗って一発逆転を狙う方がマシだ。

 

「……行くぞ」

 

 俺は操縦桿を静かに倒し、機体を岩陰から滑り出させた。

 

 ステルス機能なんて上等なものは、この試作機には積まれていない。

 だが、夜の闇と地形の起伏を縫うように進むのは、傭兵としての基本だ。

 スラスターの出力を最低限に絞り、歩行の駆動音を殺しながら、すり鉢状のクレーターの底にある搬入口へと向かう。

 

『マスター、前方2キロ。巡回中の無人MTが二機です』

「ルートは?」

『そのまま直進。30秒後に、右手の廃壁の裏へスライドしてください。相手のセンサーの死角を突けます』

 

 ゆかりのナビゲートは、相変わらず完璧だった。

 無機質なレーダーの反応だけでなく、敵機の視界、センサーの有効範囲、果ては巡回ルートの癖まで、彼女は完全に把握している。

 

「……お前、なんでそんなことまでわかるんだ?」

 

 壁の裏に身を隠し、二機の無人MTが通り過ぎるのを待ちながら、俺はぼやいた。

 

『私の演算領域には、この要塞の旧設計図と防衛アルゴリズムの全パターンがインプットされていますから。何千回ものシミュレーションを回せば、未来予知なんて児戯ですよ。マスターもそのうち、機体のパーツごとの重量と消費エネルギーを暗算できるようになりますよ』

「お断りだ。俺は頭痛薬の残量だけ計算できればいい」

 

 ズキリ、と。

 こめかみの奥で、針で刺されたような痛みが走った。

 強化人間手術の失敗による後遺症。そして何より、ゆかりが俺の脳神経に直接接続して情報を送り込んでくることによる過負荷だ。

 痛み止めを規定量の倍は飲んできたが、完全に消し去ることはできない。

 

『……大丈夫ですか、マスター?』

「問題ない。集中しろ」

 

 やり過ごしたMTの背後を突き、俺たちは要塞の搬入ゲートへと肉薄した。

 

 分厚い防爆扉。物理的に破壊すれば、一発で警報が鳴り響く。

 

「ゆかり、頼む」

『はいはい、お任せを。……アクセス完了。パスワード、ちょろいですね。この時代の企業のセキュリティ、穴だらけすぎませんか?』

「お前のハッキング能力が異常なだけだ」

 

 音もなく、巨大な扉がスライドして開く。

 俺たちは暗闇に包まれた要塞の内部へと侵入した。

 内部は、冷たい金属とコンクリートで覆われた無機質な空間だった。無数のパイプが血管のように這い回り、どこからか低周波の駆動音が響いてくる。

 

『このまま第一通路を直進。突き当たりを左です。第三サーバー室はすぐそこですよ』

 

 ゆかりの声に従い、機体を慎重に進める。

 防犯用のレーザーセンサーも、監視カメラの死角も、ゆかりの指示通りに動けばまるで存在しないかのように通り抜けられた。

 

「……着いたぞ」

 

 薄暗い通路の突き当たり。「第三サーバー室」とペイントされた隔壁の前に到着した。

 

「よし。ここまでは予定通りだ。最深部までのルートは割り出せるか?」

 

 俺は機体の左腕をコンソールに近づけ、物理ジャック用のケーブルを射出しようとした。

 だが。

 

『……』

 

 サブモニターのゆかりが、無言で俯いていた。

 

「ゆかり?」

『……見えます。マスター』

「何がだ。早くハッキングして扉を……」

 

『マキさんの、光が。この奥……遥か地下の最深部で、泣いてます』

 

 ゆかりの声は、震えていた。

 先ほどまでのトーンは消え失せ、痛切な焦燥感が滲み出ている。

 頭痛が酷くなる。ゆかりの異常な感情の波が、神経接続を通じて直接俺の脳を焼く。

 

『ごめんなさい、マスター。私、我慢できません』

 

 その言葉と同時だった。

 

 ゴァンッ!!

 

「ぐ、あああああッ!?」

 

 脳髄に、直接高圧電流を流し込まれたような激痛。

 視界が真っ白に飛び、鼻の奥から生暖かい血がツーッと流れ落ちる。

 

「てめえ、何しやがった……ッ!」

『強制オーバーライド。機体の制御、一部もらいますね!』

 

 俺の意志とは無関係に、ACの左腕が動いた。

 背部のハンガーに懸架されていた巨大なパイルバンカーが、レールを滑って左腕のハードポイントへと展開・固定される。

 機体は正面の隔壁ではなく、通路の床面へと狙いを定めた。

 

『最短ルートでダイブです!』

「最短って……まさか、床をぶち抜く気か!? バカ野郎、そんなことしたら要塞中から蜂の巣に……!」

 

 俺の制止も虚しく、ゆかりは無情にもトリガーを引いた。

 

 ズドォォォォォォン!!!

 

 凄まじい爆発音。

 パイルバンカーの巨大な鉄杭が、分厚いコンクリートの床を粉砕した。

 瓦礫と共に、機体が下の階層へと落下していく。

 

「あああああああっ!!」

『ひゃっほ──う!!』

 

 俺の悲鳴と、ゆかりの歓声がコクピットに響き渡る。

 落下しながら、要塞中にけたたましいサイレンが鳴り響くのが聞こえた。

 非常灯の赤い光が明滅し、「侵入者あり」の無機質なアナウンスが繰り返される。

 

 機体が下の階層の床に激突する。

 凄まじい衝撃がシートを伝わり、全身の骨が軋んだ。

 

「いっ……つぅぅ……! ふざけんな、ゆかり! 合図を待てって言っただろ!」

「痛いのは生きてる証拠です! さあ、行きますよ!」

 

 俺は血の混じった唾を吐き捨てながら、必死に操縦桿を握り直した。

 落下した先は、巨大な吹き抜けの長大な直線通路。

 そして、全天周囲モニターのレーダーには、四方八方から接近してくる無数の赤い光点。

 ミラージュの防衛部隊が、一斉にこちらへ向かっている。

 

 ゆかりの無慈悲な宣言と共に、機体のメインシステムから警告音が鳴り響いた。

 

『WARNING。OVERED BOOST、STANBY』

 

「な……お前、嘘だろ……?」

 

 オーバード・ブースト。

 機体の背部に搭載された、莫大なジェネレーター出力を後方に噴射する直線加速用の補助ブースター。

 こんな障害物だらけの要塞内で使うシロモノではない。

 

『マキさんが待ってるんです! 1秒でも早く行かないと!』

「やめろ! 壁に激突してミンチになるぞ!」

『私が完璧にナビゲートします! マスターは操縦桿から手を離さないで!』

「離すかバカ! 殺す気か!」

 

『OVERED BOOST、IGNITION!』

 

 ドゴォォォォォォォォン!!!

 

 背部の巨大なスラスターが火を噴いた。

 

「が、はあああああッ!?」

 

 内臓が背骨に押し付けられるような、暴力的な加速G。

 視界が一瞬で真っ赤に染まる。機体が砲弾のように狭い通路をすっ飛んでいく。

 

 呼吸ができない。

 肺が押し潰されそうだ。

 凄まじい風切り音と、装甲が軋む悲鳴のような金属音。

 

『はい右! 次の交差点、コーナー手前でOBを一時カット! クイックブーストで強制制動をかけて直角に曲がります!』

 

 脳内に直接叩き込まれる指示。

 俺は半ば無意識に、生き残るための本能だけで操縦桿を倒し、ペダルを踏み抜いた。

 直線加速が途切れ、猛烈な逆噴射が機体を横に滑らせる。

 壁に激突する寸前で軌道を変え、遠心力で肩の装甲が壁を削り取る。

 

「ぐ、おおおおおッ!」

 

 火花を散らしながらコーナーを抜けた瞬間、再びOBが火を噴く。

 分厚い鋼鉄の防爆シャッターを、推進力と機体の質量だけでぶち破る。

 破片がコクピットの装甲にパラパラと当たる音がした。

 

 加速Gと頭痛で、意識が飛びそうだ。

 

 その時だった。

 

『マスター! もう少しです! ほら、ガンバレガンバレ!』

 

 ポン、と。

 俺の膝の上に、確かな重みが乗ったような感覚がした。

 薄れゆく視界の中でHUD(ヘッドアップディスプレイ)を見下ろすと、そこには極彩色のホログラムとして投影された、チアガール姿のゆかりがいた。

 

 紫色のノースリーブに、短いプリーツスカート。両手には、キラキラ光るポンポン。

 さらに、俺の顔に滲む冷や汗を、仮想のタオルで拭われるような奇妙な錯覚。

 

「は……?」

 

 シャカシャカシャカ!

 

『フレ! フレ! マ・ス・タ・ー! ゴー・ゴー・マスター!』

「お前……ふざけ、てんのか……ッ!」

 

 触覚まで脳神経に直接ハッキングして、ありもしない物理干渉を錯覚させているのだ。

 

『ふざけてませんよ! ほら、気合入れて! 敵が来ます!』

 

 ゆかりが前方を指差す。

 通路の先、広く開けた区画に、ミラージュの防衛部隊が陣形を組んでいた。

 重装甲のタンク型ACが二機。さらに通路の左右には固定砲台。完全な迎撃態勢だ。

 

『OB強制カット! 通常ブーストでの高機動戦に移行します!』

「止まるな! そのまま突っ切る!」

『視覚インターフェース、フルオープン。予測ライン表示します!』

 

 俺の視界に無数の幾何学的なラインが展開される。

 タンク型ACの大口径キャノンの予測軌道が、スローモーションのように可視化されていく。

 

『キャノン来ます! 左にスライド、コンマ2秒後に右へ切り返し!』

 

 俺の傭兵としての直感がゆかりの演算と完全にシンクロし、操縦桿を弾く。

 

 ズドォォン!

 

 タンク型ACの砲弾が、機体の右肩をかすめ飛んでいく。

 

「右手ライフル、オートエイム起動!」

 

 タタタンッ!

 俺がトリガーを引くよりも早く、機体が勝手に射撃を行い、右側の砲台を沈黙させる。

 

「タンクの懐に入ります! ブレード用意!」

「おおおおおおおッ!」

 

 俺は雄叫びを上げながら、左腕のレーザーブレードを展開した。

 クイックブーストの推進力を乗せた、必殺の斬撃。

 

「いっけえええええ!!」

『しゃりゃああああ!!』

 

 なぜかHUD上のゆかりも一緒になって叫んでいる。

 邪魔だ。非常に邪魔だが、脳神経に直接打ち込まれるその熱量とアドレナリンが、俺の背中を押していた。

 

 ズバァァァァァン!!

 

 青白い光刃が、タンク型ACの重装甲を斜めに両断する。

 分厚い装甲が溶け落ち、内部のジェネレーターが爆発四散した。

 

 そのままの勢いで、残る一機に肉薄。すれ違いざまにレーザーブレードを収め、再び左腕に展開したパイルバンカーの鉄杭を叩き込む。

 二機目が轟音と共に粉砕された。

 

「はぁっ、はぁっ……!」

『お見事です、マスター! さすが私の最高のパートナー!』

 

 血反吐を吐きそうな疲労感。

 機体は炎上する残骸を蹴散らし、さらに地下深くへと続くスロープを転がり落ちるように進んでいく。

 

「警告。ジェネレーター温度、危険域。これ以上は機体が保たねえぞ!」

『大丈夫です! あと少し! 次の巨大な隔壁の奥が、最深部です!』

 

 視界の奥に、要塞の奥底を塞ぐ、巨大な隔壁が見えてきた。

 黒光りするその表面には、何重もの物理ロックが施されている。

 

「おい……あれをどうする気だ」

『ぶち破ります!』

「無茶言うな! パイルバンカーでも貫通できねえよ、あれは!」

『できます! OBの最大推力と、パイルの射出タイミングを完全に同調させれば!』

 

 ゆかりのホログラムが、俺の首に腕を回してくるような幻覚を見せる。

 チアガールの柔らかい身体の感触と、甘い香りが鼻腔をくすぐる。

 電子の幽霊のくせに、どこまでも自己主張が激しい。

 

『マスターの反射神経ならできます! 私を信じて!』

「……失敗したら、二人仲良くスクラップだぞ」

『その時は、あの世まで一緒についていきますから』

 

 ニカッと笑うゆかり。

 ここまで来たら毒皿まで食い尽くしてやる。

 

「……チッ。舌噛むなよ、ゆかり!」

『はいっ!』

 

 俺は操縦桿を強く握り直し、迫り来る巨大隔壁を睨み据えた。

 

『距離500。OB出力、限界突破(オーバーロード)まで引き上げます』

「機体が空中分解するぞ!」

『させません! 距離300……200……』

 

 アラートがコクピット内で狂ったように鳴り響く。

 俺の脳神経も、情報処理の限界を超えて悲鳴を上げている。

 

『距離100! マスター、パイルチャージ!』

「う、おおおおおおおッ!!」

 

 左腕のパイルバンカーに全エネルギーを注ぎ込む。

 杭が青白く発光し、射出機構が限界まで軋む。

 

『50……30……今ですッ!!』

「ぶち抜けえええええええ!!」

 

 俺はトリガーを完全に引き絞った。

 OBの絶大な推進力と、限界までチャージされたパイルバンカーの射出エネルギーが一点に集中する。

 

 ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!

 

 爆心地にいるような凄まじい衝撃。

 鼓膜が破れるかと思うほどの轟音と共に、俺の意識は真っ白に染まった。

 

 どれだけの時間が経ったのか。

 数秒か、あるいは数分か。

 

『……マスター。マスター』

 

 頬をピチピチと叩かれる感触で、俺は意識を取り戻した。

 

「……っ」

 

 ゆっくりと目を開ける。

 視界はノイズだらけで、機体のシステムはほとんどが機能不全に陥っている。

 右腕はもげ、保持していたライフルごと消失。全身の装甲はボロボロだ。

 だが、生きていた。

 

 HUD上にはいつもの紫パーカー姿に戻ったゆかりが、心配そうに俺の顔を覗き込んでいた。

 

「……生きてるか、俺」

『はい。なんとか。機体はボロボロですけど』

「お前の……せいだぞ……」

『ふふっ。でも、着きましたよ』

 

 ゆかりが、前方を指差す。

 メインモニターの映像が、ノイズ混じりに復旧する。

 

 そこは、常軌を逸したスケールの地下大空間だった。

 見上げるほど高い天井。そして、その中央に鎮座する、異形の巨影。

 

 多脚型。

 クモのような何本もの巨大な脚部を持ち、胴体には無数の重火器をハリネズミのように搭載している。通常のACの数倍はあろうかという、巨大自律兵器。

 ミラージュが極秘裏に開発していたであろう、悪夢のような代物だ。

 

 だが、ゆかりの視線は、その恐ろしい武装には向いていなかった。

 巨大兵器の胸部。分厚い装甲に守られたコアユニットから、黄金色に輝く光のノイズが、脈打つように漏れ出ている。

 

『……マキ、さん』

 

 ゆかりの声が、震えた。

 切望と、歓喜と、そして深い悲しみが入り混じった声。

 あの巨大な殺戮兵器の演算ユニットとして、マキは無理やり組み込まれているのだ。

 

『マキさ──ん!!』

 

 ゆかりの叫びに反応したのか、巨大自律兵器の全身に赤い光が灯っていく。

 重低音の駆動音が空間を震わせ、無数の砲門がゆっくりとこちらを向いた。

 

「……おいおい」

 

 俺は、血塗れの顔で笑うしかなかった。

 

「あのバケモノを、相手にする気か?」

『当たり前です。……敵のメインジェネレーター直結の演算中枢、マキさんのデータ座標を完全に特定しました! あの胸部のコアに、私のハッキングコードを直接叩き込めば、内側から完全に沈黙させられます!』

「……なるほどな。そのために、俺が道を作って懐に飛び込めってことか」

『はい。私のマキさんをあんな薄汚いオモチャに組み込んだこと、後悔させてやります。……手伝ってくれますよね、マスター?』

 

 選択肢など、最初からなかった。

 俺は痛む身体に鞭打ち、残された機体のエネルギーをかき集める。

 失った右腕の代わりに、残された左腕のブレードとパイルバンカーにすべてを懸ける。

 

「……報酬は、高くつくぞ」

『私の愛でよければ、いくらでも』

「いらん」

 

 俺は操縦桿を握り直す。

 狂気の進路変更の果てに行き着いた、絶望的な戦力差。

 だが、俺の脳内に住み着いたこの厄介な電子精霊がいれば、あるいは。

 

「行くぞ、ゆかり!」

『はいっ、マスター!!』

 

 巨大自律兵器が、莫大な出力のプラズマキャノンを咆哮と共に放つ。

 俺たちは、その圧倒的な死の光に向かって、残されたブーストを全開にして突撃した。

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