貴方は昔、とある王朝の騎士の1人だった。
主人は威厳がありながらも君主足りえる器量と強さを持ち、貴方含めて同僚達は皆、王朝の騎士である事に誇りを持っていた。
王朝の開闢は近く、全ての民が平等に生きる事が出来る楽園の扉は開かれようとしていた。
しかし、とあるデミゴットによって主は狂い。
その狂行を止めようとした同僚達は主の手によって死に絶えてしまった。
貴方も親友であった騎士と共にあと一歩という所まで原因であるデミゴットを追い詰めたが主を盾にされ、敗北した。
敗北してしまった貴方は魅了される事よりマシだと既に魅了されてしまった親友を尻目に自死を選ぶ。
目が覚めると貴方はとある礼拝堂にいた。
水溜りに映る貴方の眼には光は無く、褪せている。
しかし、貴方にはそこまで大きい事では無い。
生き返った以上、忠義を果たさなければならない。
貴方の目的は王になる事では無い。
主を辱めたデミゴットを最も惨めに死なせる事だ。
自身が褪せ人となった事が分かった貴方は自身の身に纏う服、そして武器を目にする。
豪華な装飾を施されつつも動きやすく調節された『純血騎士服』と反対に一切の装飾を省き無骨な黒曜の様な深い黒を纏った軽大剣『黒曜のフルストム』が目に入る。
あの戦いで負った傷も損傷も特に無い。
貴方はその様子に満足するとこの建造物から出る為に進んだ。
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分厚い鉄の扉を開くと眼に入ったのは輝かしい黄金樹だ。
敵対する勢力でありながらも黄金樹の輝きはやはり美しいとしか言いようが無い。
貴方はほうと息を吐いた。
「そこの貴方」
何処か昏い湿度を孕んだ声の方向に顔を向けると白い装束に身を包んだ男がいた。
白い服に目立つ様に血がこびりついている。近づくと嗅ぎ慣れた鉄臭い香りがした。
「貴方は褪せ人ですね?」
貴方は頷いた。
この褪せた目を貴方は隠していない。
黄金樹に相反する勢力に身を置きながらもこの身に再び祝福が授けられた所に思う事が無い訳では無かったが特に隠す様な事でも無かったからだ。
「えぇ、そうでしょうとも、そしてエルデンリングを求めてこの地にやって来た、そうでしょう?」
貴方は頭を横に振る。
自分がこの地にいるのは辱められた主の屈辱を晴らす為だ。
貴方はその事を彼に言う。
「…あぁ、そうですか?すいません、貴方の様に祝福を授けられながらもその導きを裏切る様な者が居るとは思いませんでしたので。」
彼は苛立ちを隠しもせずに皮肉を言いつつ貴方に謝罪した。
失礼な物言いに貴方は苛立ち、彼に侮蔑の眼差しを送る。
「ハァ…そうですか、貴方の主はさぞ幸せ者でしょうねぇ、貴方の様な家来を持てて。」
彼は皮肉を言いながらも遠くにある城を指す。
貴方はそれがかつて嵐王が支配していたストームヴィル城だと気づく。
「貴方の復讐には一片の興味もありませんが、もし導きが見えているのならばあの城に行きなさい。断崖の城、ストームヴィルにあそこは老醜のデミゴッド、『接木のゴドリック』の居城ですから。」
貴方は意味が分からないと言う顔をする。貴方の目的に彼は関係ないのだから。
それを伝えると
「…導きは貴方の復讐までの道を教えてくれるでしょう。力を付けるのです。必ず復讐出来る様に」
貴方はハッとさせられた。
かのデミゴットには一度負けたのだ。親友という心強い味方までいたというのに。
ならば、他のデミゴットの大ルーンを得て力を付ける…悪く無い。
貴方は彼に感謝を伝えた。
「いえいえ、お気になさらず。貴方の復讐が叶う事を願ってますよ」
貴方はストームヴィルに進む為、道に沿って歩き出した。
貴方の長い旅が始まったのだ。
(続きは)無いです。