今回は青がウォッチャーになるまで、あとこれからの目標について触れます。
とりあえず、落ち着いた私達は青の部屋を出て(青が自室に入られるのを嫌がったからだ、この思春期さんめ)、リビングで白いおばけと赤い猫とお布団柄のコウモリと出会った経緯を聞いてみるのであった。
「俺のことは良いけどさぁ…姉ちゃんもちゃんと話せよ?」
もちろん、さぁ話してみるがいい
「何でそんなに上から目線…俺がウィスパーとジバニャンと出会ったのは去年の夏休みだったよ」
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去年の夏休み。
クワガタを飼っている青、彼はそんな時「自分のクワガタで虫相撲」がやってみたくなり、昆虫採集をしにさっきの私と同じくおおもり山に登ったという。
そんな青は神社の神主さんに「御神木のところにカブトムシやクワガタが沢山おるぞ」と言われて、御神木の根元にあるガシャガシャのところまで行ったと言うのだ。
「そこで急に『い〜れろいれろ〜!!』ってガシャガシャから声が聞こえて来たからガシャガシャに一円玉を入れて回したんだよ」
一円玉とは…我が弟ながら貧乏性なことだ、ギザ十を入れたお姉ちゃんを見習いなさい
「全くでウィッス!我がご主人様ながら安牌を選び過ぎててちょっと面白味が無いでウィスよねぇ〜」
「いや!あんなに怪しいガシャガシャに100円玉やギザ十を入れる方がおかしいでしょ!あとウィスパーはうるさい!」
話を戻すと………そのガシャガシャから出て来たのが白いおばけことウィスパーだったようだ、彼は「妖怪執事」を名乗り青のことを「ご主人様」と呼んで妖怪ウォッチを渡したと言う。
それから、青は妖怪ウォッチを持つ者………ウォッチャーとして妖怪と少し不思議で今までよりもちょっと楽しい暮らしを始めたという………なるほど。
お姉ちゃんに内緒にしてた訳は?
「いや、妖怪って普通の人間には見えないし…妖怪が見えるなんて吹聴したら頭のおかしな奴に見られるだろ、父さんも姉ちゃんも今まで気づいてなかったし」
「まぁ、厨二病まっしぐらでウィスねぇ…青くんはお父様とお姉様がぶっちゃけ致命的にぼんやりしてて抜けている分本当にしっかり者で執事としても鼻が高いでウィッスよぉ〜!!」
「ぶっちゃけ、バレない様に一緒に暮らしてた身から見たらよくこの年齢まで無事に生きて来れたか不思議だったニャン」
「生命の神秘ですね…」
なんて、失礼なおばけと猫とコウモリなのだろうか(憤慨)
じゃあ、赤い猫とコウモリは?
「ジバニャンは魚屋の交差点で轢かれて地縛霊になってた猫で………うわ!姉ちゃんなんて顔してるんだよ!?」
私は猫が大好きだから猫を筆頭に動物が酷い目に遭う展開は耐えられないのだ、ジバニャン………可哀想に………
「やっぱり空お姉ちゃんは優しいニャンね!でも、野良猫に消費期限の切れたものや猫が食べられないものをあげるのは止めた方が良いニャン。ミケもグレもハーさんも実際の所、ありがた迷惑で困っているニャンよ?」
えっそうだったの!?
「とりあえず、猫が好きならもっと猫に関する基本知識を学ぶべきニャン」
とにかく、青とジバニャンは紆余曲折あって友達になったというのだ。
ちなみにコウモリ………ヒキコウモリは「取り憑いたものを引き篭もりにしてしまう妖怪」で、ジバニャンに取り憑いてジバニャンを引き篭もりにしてしまったのが出会いだったという。
(妖怪はこうして人や妖怪や物に取り憑く能力があって、この世の不思議なことは全て妖怪の仕業だ…とウィスパーが説明してくれた)
「まぁ、行くところが無いなら俺の部屋の押入れを貸すよ、って提案したら妖怪メダルをくれたんだ。ジバニャンとも上手くやれてるしヒキコウモリはいっぱいゲーム持ってて一緒にTVゲームやったり友達妖怪を集めてTRPGやボードゲーム大会したりしてる」
弟がお世話になっております
「いえいえ…こちらこそ弟さんのおかげで快適に引き篭もらせていただきありがとうございます」
ぺこりと頭を下げ合う私とヒキコウモリ、そこで青は「姉ちゃんこそ後ろのイケメンとの出会いを話せよ」と言うので、私も今日あったカイラさんとの出会いを話したのである。
「ちょっと失礼…姉ちゃん、いきなりSランク妖怪と出会えるとか運が良いね」
Sランク妖怪?
「妖怪はEからSまでランク付けされていて基本的に上のランクの妖怪ほど能力が高いエリート妖怪なんでウィス」
カイラさんはエリートだったのか……というか妖怪社会も格付けされるとは………格差社会とは何とも世知辛いものだ
「私はむしろ簒奪者であり暗君なのだがな…(ボソッ)」
なんか言った?
「いいや、何でも無いぞ。空と出会えたのも何かの縁、私も妖怪ウォッチを渡したんだ」
自己紹介が良い感じに済んだところで、私はウィスパーとジバニャンとヒキコウモリに「あなた達の絵を描かせて欲しい」とお願いした。
唐突かもしれないけれど、どうしても妖怪の姿をスケッチブックに描きたいのだ。
「空さんのスケッチは上手ですからねぇ、執事らしくカッコよく描いてくださいよ?」
「実はウィスパーの奴とこっそりスケッチブック覗き見してたニャン…ごめんニャン」
「一枚おいくらですか?(懐から分厚い財布を取り出す)」
とりあえず、お金とかは良いから描かせてもらった。
十数分後。
「うわぁ〜!!上手でウィッスよぉ〜これは未来の葛飾北斎でウィス!!!」
「すごく上手で見ていて心がポカポカして来るニャン!!!」
「素晴らしい絵です…これはお礼をせねば無礼というもの………」
そう言いながら妖怪メダルを渡して来るヒキコウモリ、ジバニャンとウィスパーも一緒になってくれた。
ウィスパーと友達になった!!
ジバニャンと友達になった!!
ヒキコウモリと友達になった!!
「空さんってばそんなに妖怪を上手く描けるなら将来は妖怪画家になったら如何ですか?」
妖怪画家?
「ええ!妖怪は昔から絵の題材によくされて来ました… 歌川国芳の『相馬の古内裏』、鳥山石燕の『画図百鬼夜行』、河鍋暁斎の『九尾の狐図屛風』、葛飾北斎の『百物語』、有名どころはそのあたりでしょうか。ただし!皆、古典妖怪ばかりでイマドキ妖怪を描く画家というのは居ないのです!!」
「そもそも妖怪って普通の人間には見えないしね」
「だから、妖怪が見える空が妖怪を題材にして絵を描いてくれれば皆喜ぶだろうし、何よりも友達が増えるだろうな」
「オレっちもっと空の絵が見たいし空にオレっちを描いて欲しいニャン!!」
「スポンサーには私がなりましょう…何か必要なものがあったらお申し付けください…」
なんだか流れる様に話がまとまって行く………お父さんもだが私もハイペースなものは苦手なのだ。
でも、妖怪の絵を描くというのは良い様に思えるし、私ももっともっと色んな妖怪達の絵を描いてみたい。
私の中で夢のようなものが出来た…これから毎日が楽しみになる、そんな予感がするのであった。
★イメージ的には青が何でもアリのアニメ版主人公、空がもっと何でもアリのぷにぷに版主人公。
★おや、カイラの様子が…?
・ウィスパー
古典妖怪オタクなので有名作品ならPad無しでOK
三成様が悪役令嬢に異世界召喚されてる作品を見てスペースジバニャンになった
・ジバニャン
実はスケッチブック猫組とはマブダチ
生前からチョコボーを食べていたが多分この世界の猫はチョコ平気なんだろう
・ヒキコウモリ
実は妖怪長者番付のトップに名を連ねるセレブ
空の絵のスポンサーになって将来、妖魔界でも人間界でも大成させる
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