実はカイラをお供妖怪にするか、それともシャドサの酒呑君みたいに人間に化けさせるか悩みました。
私にとっての妖怪との運命の出会い。
あれから、一晩が経ち(カイラさんはヒキコウモリと共に青の部屋の押し入れ暮らしになった、私の部屋でも良かったけれど青が「嫁入り前の女の子が男と同部屋なんて駄目に決まってるだろ、姉ちゃんは危機感が無さすぎ!」と言って別部屋になった)、私達は朝の支度を終えていざ学校に向かうのであった。
「じゃあ、姉ちゃん。妖怪絡みで何かあったら直ぐにカイラさんかヒキコウモリの財力を頼ること、妖怪ウォッチの使い方は覚えたよね?」
メダルを入れてダイヤルを回す
「昨夜は時間が無かったけれど、後で家に帰ったら俺の友達のメダルを渡すからな。妖怪は得意不得意がはっきりしてるからその場その場で対応出来る妖怪を召喚して妖怪不祥事案件を解決するのがウォッチャーの仕事だからね?」
私に対して先輩ぶるとか………青のくせに生意気だ
「いや、実際俺の方がウォッチャーとして先輩だから。カイラさん、こんな姉ちゃんだけどよろしくお願いします」
「確かに承った。空、この世の不思議な事は全て妖怪が起こしていると言っただろう。妖怪がトラブルを起こす事もしょっちゅうある以上、ウォッチャーは妖怪不祥事案件におのずと立ち向かう事になる。少しは危機感を持て」
そうは言われても………
「まぁまぁ青くん。いきなり高校で妖怪不祥事案件はそうそう起きないでウィッスよぉ〜」
「ウィスパーがそういう事言うと必ずフラグが立つんだよ…」
いきなり朝から理不尽なお説教を受ける私、ウォッチャーとは選ばれし勇者だった…?
私は妖怪の絵を描きたいだけなのに…
中学校に向かう青と別れてバスに乗って高校に向かう、カイラさんは私の後ろにふよふよと浮きながらついて来てくれている。
(あれ、これって無賃乗車…?でも、浮いてるからセーフ…?)
バスから下車して悩みつつ歩いていると、「おーい!!」と後ろから声がした………最近、聞き覚えのあるような…?
そのまま歩いていると「ちょっとちょっとぉ!梶原さん!!待ちんしゃい!!!」と肩を叩かれたので思わず「ビクゥッ!!」っとなってしまう。
「おはよう梶原さん!歩くの早かとね!!」
おはよう、麻生さん。えーと、横の人は………
「鳥飼葉月よ、今日から一緒に美術部をやる仲だからこれからよろしくね?」
私に話し掛けて来たのは小豆色の髪をツインテールに結ったはつらつとした女の子、麻生夏海さんだ、昨日一緒に美術部に入って以来だ。
横に立っている金髪で前髪を上げた女の子は同じく美術部に入った鳥飼葉月さん、ちゃんと覚えてる!
「なるほど、クラスは違うのか?」
2人とも、クラスは別
「梶原さん…?誰と話しとーと?」
「それよりも急がないと予鈴が鳴っちゃうわ」
そして、私達は早足で高校に向かったのでHRには間に合ったのだった。
授業中、ちゃんと話を聞いてノートを取る私、カイラさんは相変わらず私の横でふよふよと浮いている。
「妖魔界の学校で習ったところも結構あるな………ふむ、懐かしくそれでいて興味深い」
妖魔界?
「妖怪が住む世界の事だ、人間が住むこの世界こと人間界とは対を成している。そのうち時間が出来たらお前も連れて行こう、住みやすく美しいところだぞ?」
楽しみ!
「では、梶原さんにここからここを音読してもらいましょう」
〜〜〜〜〜!?
「落ち着け、空」
・
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昼休み、学食は何を食べよう…
「私はカレーだな」
カイラさんも食べるの?
「人間も妖怪も半妖も生きている以上、腹は減るのは同じだぞ?ちゃんと食券の金は自分で払うからな」
カレー好きなの?
「ああ!大好物だ!!」
(カイラさんは白い着物だから不安だったが、ちゃんと前髪をピンであげて上を脱いでから食べていた。それはそう(納得))
・
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体育の授業………運動は苦手………ぜい、ぜい…
「普段あれだけ重い荷物を背負って歩けるのにな、ならば少しズルになるかもしれないが」
…!急に体が軽くなった!!
「身体能力を強化する妖術だ、ウォッチャーになった以上、妖怪の手を借りてこういう事も出来るという事を脳裏の片隅に入れておけ」
ウォッチャー………奥深い!でも、ちょっとズルい…?
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そして、放課後。
美術室に向かう私たち、しかし美術室の前に麻生さんと鳥飼さんが困った様に立っている。
2人ともどうしたの?
「ああ、梶原さん。なんか変な事になっとるばい」
「先輩達だと思うんだけど…」
困った様に美術室のドアに視線を向ける2人、そこに立っていたのは…
「「カバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディ」」
先輩だろうか?肩の上くらいの茶髪の女子高生と黒髪ロングの女子高生がひたすらに部室の入り口でカバディ?をやっていたのだ、これじゃ入れない…
でも、素人目にも分かる一糸乱れぬ見事なコンビネーションだ…これはきっとカバディ界に名を馳せる名カバディ選手なのだろう、私はカバディの事は何も知らないが。
「いや!明らかな異常だろうが!!空、あの2人を妖怪レンズで見るのだ!!!」
カイラさんに言われた通り、レンズを覗くとそこにはハリセンボンに手足が生えた様な妖怪が居た、それがおそらく先輩達2人に取り憑いているみたいなのだ。
「アレは妖怪トオセンボン!道行く人をとおせんぼすることに情熱を注ぐ変な妖怪だ、妖怪不祥事案件で言うところの『あの子に今日こそ告白するって決めたのに なぜか 一歩が踏み出せない!』はアイツの仕業だ!!」
本当に変な妖怪もいるものだ…
「ああ!?そこの嬢ちゃん、俺が見える様だな!!俺のマイブームはカバディだ、それカバディカバディ!!!」
「どうする空、力尽くでどかすか?」
いや、ちょっと待って
私はスケッチブックを取り出すとトオセンボンの姿を絵に描く、5分ほどで完成したのでトオセンボンに私の絵を見せたのだ。
「嬢ちゃん!俺を描いてくれたのか、上手じゃねぇかありがとな!礼にダチになってくれよ!!」
トオセンボンと友達になった!!
「はっ風ちゃん!私達は!?」
「涼ちゃん見て!新入部員よ!!」
満足したトオセンボンが取り憑きをやめて先輩達も正気に戻った様だ、良かった…
「カバディに夢中になるあまりに後輩に迷惑をかけるとはこれは何たることか!?」
「これは実に修行不足!師匠にバレたら破門モノ!!」
「「というわけで今度はソサイチをやります、そ〜れソサイチソサイチソサイチソサイチソサイチ」」
先輩達はトオセンボンは関係無く変な人だったようだ、ソサイチも一糸乱れぬ見事な連携である。
カイラさんも麻生さんも鳥飼さんも唖然としていた、この世で1番恐ろしいものは妖怪ではなくやはり人間なのかもしれない………
★後編に続く…!!
・田辺涼
風と組んで「涼風コンビ」として活動している
妖怪とか関係無しに変な人
・氷室風
涼と組んで「涼風コンビ」として活動している
妖怪とか関係無しに変な人
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