未来の妖怪画家・梶原空と蛇王カイラ   作:久保サカナ

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貧乏な鳥飼さんってそういえば妖怪ウォッチにもいたな…というわけで唐突なクロスオーバーです。






貧乏性の鳥飼さんと団々坂の叔父さん

 

 

そして、つつがなく平日の授業をこなしていざ、休日!

 

今日は麻生さんと鳥飼さんに誘われて一緒にさくら中央シティの画材屋さんに行くのだ。

 

私もいざ美術部に入った以上、新しい筆が欲しいし何よりも絵の具が切れそうだからこれを機に色々見てみたい。

 

 

「私も着いて行くぞ。ここ数日、空と過ごしてみたがいくら桜町が治安が良いとはいえ1人にしておくには余りにも不安だからな」

 

「カイラさんの言う通りだよ、姉ちゃん。妖怪は見える奴には優先的に寄って来るからね?」

 

「空さんってウォッチにメダル入れるのも失敗しそうなくらい不器用でウィスからね」

 

「そもそもコイントスとか召喚モーションの時点で失敗しそうニャン」

 

全くもって失礼な………

 

 

失礼過ぎる家族達に憤慨しながら団々坂のこひなた駅前に向かう私であったが、麻生さんと鳥飼さんはもう先に着いていて私に向けて手を振って来た。

 

 

「お〜い空!!遅刻ばい!!急ぎんしゃい!!!」

 

「まぁまぁ、麻生さん。まだ電車が来るまで時間はあるわ」

 

 

ここ数日、過ごしてみてわかったが麻生さんはせっかちで猪突猛進なところがある………妖怪の仕業では無いみたい。

 

鳥飼さんは………節約家?学食では素うどん(1番安い)しか注文していない………これも妖怪の仕業では無いみたい。

 

そして、私達はICカードをタッチして改札をくぐり(バス通学だから皆持ってる)さくら中央シティ方面行きの電車に乗ったのである。

 

………私がチャージを忘れていたせいで改札から出られず慌ててチャージするという一幕があったが…

 

 

気を取り直して、いざ!さくら中央シティ!!

 

鳥飼さんは節約家だがオシャレは好きな様で今日もキャスケット帽でファッションスタイルを決めていた、それにウィンドウショッピングは私達も一緒させて貰ったが楽しい!

 

 

「値札さえ見なければ楽しいのよ…………それに!贅沢すると!誰かに怒られる!気が!するのよっ!!」

 

「葉月…それは強迫観念ばい…」

 

買い物はお財布と要相談?

 

 

それから、ちょうど出店が出ていた今川焼きを皆で食べた。

 

 

「これって今川焼きって書いとーとけど、普通は大判焼きやけんね!」

 

「えっ?回転焼きでしょ?」

 

ベイクドモチョチョとも呼ぶらしい

 

「妖魔界でも大判焼き派か今川焼き派かで合戦が起きてたな… 妖怪は人間より幾分か丈夫だから適当に飲み食いすれば、回復する。だから血の気が多いのだ。こしあんつぶあん、きのこたけのこ、洋式和式………本家と元祖はしょっちゅうくだらない事で合戦してるぞ」

 

 

青信号を見た麻生さんが急に駆け出して行ってしまったり。

 

 

「葉月!空!急ぎい!!………グッドタイミングやったね、あたしはチャンスは逃さん主義とよ」

 

「でも画材屋さんはこの道の向こうよね?それはチャンスと呼べるの?」

 

「(ガガーン!!)これってなんのチャンスっちゃろ…?」

 

「知らないわ」

 

間違う時も全力の麻生さんは清々しい

 

「空…それは褒めとーと…?」

 

 

そして、画材屋さんでは。

 

 

「うーん、切れとったのは白とビリジアン…葉月は菜の花畑を描くと?なら黄色がいるけんね」

 

「黄色…奴は高価いのよ………!青色の菜の花畑って変かしら!?」

 

それはもう菜の花じゃなくても良いと思う、私はカイラさんを描きたいから白と青系をいくつか。

 

「空…ありがとう…」

 

 

そして、昼食のうどん屋さんでは。

 

 

「あー!七味の蓋とれてドバっと出た!!…ええい、もう全部入れちゃう!!!」

 

「カリっとしたアレ(麻の実)が出ない…どんどん辛くなっちゃう…」

 

あのー、2人とも?

 

「辛っ!!!」

 

言わんこっちゃない………

 

 

そして、公園のベンチにて。

 

 

「実はね、梶原さんに相談があるの…」

 

私で良ければ

 

 

鳥飼さんの話では、鳥飼さんには叔父さんが居て団々坂に住んでいるのだが、昔はすごく裕福だったのに急に何か悪いものに取り憑かれたかの様に家が没落してしまったというのだ。

 

昔は社交的だった叔父さんはすっかり独りぼっちになってしまい、鳥飼さんは心配でたまに様子を見に行っているという。

 

 

「梶原さんがこないだ妖怪のせいで人がおかしくなっているって言ってたじゃない。叔父さんももしかしたら良くないものに取り憑かれたんじゃないかってアレ以来気になっていたの、ごめんなさい変な事を聞いちゃって」

 

「うーん、空って見える人かもしれんけどもし妖怪が居たとして解決は出来るんたい?」

 

カイラさん、どうしよう

 

「人に取り憑いて貧乏にさせる妖怪は存在するからな、行ってみない事には私も分からない」

 

 

そして、私達は再び電車に乗って団々坂にある鳥飼さんの叔父さんの家に向かうのであった。

 

鳥飼さんのお宅は………外から見ても樹々も雑草も伸び放題荒れ放題、屋敷も立派だけどボロボロになっていてとても人が住んでいる様には思えない。

 

鳥飼さんは手慣れた様子で表門を開けて一応チャイムを鳴らし、「叔父さん!葉月です!!」と呼びかけて屋敷の中に入って行ったので私達も続く。

 

玄関ではボサボサ頭にヨレヨレの服のおじさんが鳥飼さんと話していた、この人が叔父さんで間違いない様だ。

 

 

「叔父さん、春休み以来ですね。今日は友達も連れて来たんです」

 

「おお…いつもありがとうな葉月ちゃん。ペットボトルで悪いがお茶を出すから是非上がって行ってくれ」

 

「お邪魔しまーす」

 

お邪魔します…

 

 

家の中も荒れ放題であったが、目を引くのはあちこちに空の鳥籠が置いてあるのだ………カイラさんは「空、妖気を感じるぞ。この男が妖怪と何かしら関わっているのは確かだ」と言って来る。

 

ペットボトルの妖緑茶を頂きながら、鳥飼さんは叔父さんの「昔、飼ってた鳥の話」を聞き出してくれた。

 

 

叔父さんは鳥が大好きで、今ではほとんど手放してしまったが昔裕福だった頃は沢山の鳥を飼っていたという………鳥飼さんが鳥飼う………

 

しかし、ある時を境に次々と仕事に失敗したり色々な不幸が重なった末に絶望し、今はこんな暮らしになってしまったという。

 

その「ある時」がとある「珍しい鳥」に出会った時だったとのこと、その鳥だけは今でも何とか飼い続けているというのだ。

 

 

「その鳥だけは奥の部屋の1番大きい鳥籠にいる、良かったら見て行くか?」

 

「空!行くぞ、おそらくその鳥が元凶だ!!」

 

見せてください

 

 

そして、奥の部屋の大きな鳥籠。

 

 

「って、何もいないじゃなかとですか」

 

「なんかこの部屋肌寒いわね…」

 

 

麻生さんと鳥飼さんは怪訝そうな顔で鳥籠を覗き込んでいるので私は妖怪レンズを起動して鳥籠の中にサーチライトを当てる、するとそこに居たのは闇を彷彿とさせる黒い羽毛の不吉な鳥なのであった。

 

 

2人とも、このレンズを通して中を見てみて

 

「こうかいな…うわっ!鳥がおる!!」

 

「まさかアレが妖怪…!?」

 

「アレは死神鳥。近くにいるだけで、次々と不幸が襲い掛かって絶望の淵に落ちてしまうという、近寄りたくない妖怪の中でもトップクラスに危険な妖怪なのだ!!」

 

「うわっ!あなた誰ですか!?」

 

 

妖怪レンズを通して見ることでカイラさんと死神鳥の存在が見える様になった麻生さんと鳥飼さん、叔父さんは俗に言う「見える人」だった様だ………驚愕する2人を他所に死神鳥は「私ってそういう存在だったんですか…?」と本人?本妖怪?も驚いていた。

 

 

「つまり、この男が没落したのは死神鳥のせいだったというわけだ。で?どうする?」

 

「出て行きます………鳥飼さんにはとても大事にしていただきました…私のせいで鳥飼さんが不幸になるのは嫌です………」

 

「いや!話を勝手に進めないでくれ!!」

 

 

そこで声を上げたのは叔父さん、彼は「確かにワシは没落して絶望した……しかし、お前はずっと側に居てくれただろう!葉月ちゃんももうお小遣いすらあげられないのにワシをこうして心配して良く遊びに来てくれておる。絶望したからこそ、苦しい時に話を聞いてくれる友達と姪っ子が出来たんじゃよ!!」と出て行こうとする死神鳥を引き留めたのである。

 

 

「鳥飼さん…私と一緒で良いんですか…?」

 

「ああ、お前はワシの自慢の友達じゃ!」

 

 

…………なんか話が丸く収まりそうで良かった、そう思っていると死神鳥は「そこのお嬢さん、私の妖怪メダルをどうぞ」と私にメダルを渡して来た。

 

 

死神鳥と友達になった!!

 

 

「あなたのおかげでこうして鳥飼さんと改めて友達になれました…たまには遊びに来てくださいね」

 

「葉月ちゃんもお友達もまた来てくれて良いからな。今度はお茶菓子も用意しておこう」

 

 

そして、帰り道。

 

 

「いや〜!まさか妖怪が本当にいるとは思わなかったい!」

 

「本当よね、頼んでおいて何だけどてっきり梶原さんが不思議ちゃんなだけかと思ってたわ」

 

まぁ、普通にしてたら妖怪は見えない、見えないものを信じるのは難しい

 

「それにしても空!さっきは随分とハンサムさんがずっと側におったとね〜隅に置けんばい」

 

カイラさんのこと?

 

「ええ、随分と仲が良さそうだったし。もしかしてそういう関係だったり…?」

 

?????

 

 

唐突によく分からない事を聞かれてしまった………そういう関係で隅に置けないとはどういう意味だろうか…?

 

私が思わず「疑問のホーズ」をしていると2人は追求をやめて、「じゃあまた明日学校で!!」と言って別れたのであった。

 

帰って青に「そういう関係で隅に置けない」とはどういう意味?と尋ねてみたが「姉ちゃんが知らなくて良いものだよ」と返された。

 

(ウィスパーとジバニャンの目はなんか生温かった)

 

 





★後日、死神鳥と鳥飼さんの絵を描きに行きました。

★妖怪ウォッチ好きな人はネット上で日野を叩いたり、「2が至高で他はゴミ」とか言うのやめましょうね!!!

★世界はともだち全部守るぜ!って爺ちゃんと約束したでしょ。


・麻生夏海

猪突猛進でわりと考え無しで動くタイプだが美術部の中じゃ常識人より

クロという犬を飼っている


・鳥飼葉月

倹約家を通り越してかなりの貧乏性

多分、現在のインフレ社会にタイムスリップしたらショック死する


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