Blue Archive Fam-made Gamebook ゲーム開発部と未完成のゲーム 作:瑠璃色ゲンソウ
モモイ「移動床と磁石ギミックはどうかな? あと、時間停止とか!」
ユズ「最後のは……いまの仕組みだと、難しいかな」
ユズの返事に、モモイはすぐ紙を裏返した。
モモイ「じゃあ移動床と磁石を合体!」
ミドリ「移動床はどう動かすの?」
モモイ「片方がレバーを引いてる間だけ、部屋の床が上下左右に動くの! 角度が変わるのも面白そう!」
机の上には、切り出された紙の床と、ロボットの代わりの消しゴムがある。アリスが紙の端を持ち上げて角度を変えると、重力に従って消しゴムは紙から滑り落ちた。
アリス「ロボットが磁石で床にくっついていれば安全です!」
ミドリ「その磁石、発明家の工具もくっつかない?」
ユズ「それなら、磁石にくっつかない素材って設定にするのはどうかな?」
なるほど、そのアイデアなら工具が引き寄せられることもないだろう。
モモイには、先にアイデア全部を動かして確かめたい気持ちもある。ユズは移動床だけなら、今日中に完成まで持っていけると言った。
アイデアを出すだけなら簡単だった。ところが画面で同じことをしようとすると、乗っている二人をどう動かすか決めなければならない。床の角度は変わるのか、角度が変わるならどうやって落ちないようにするのか。
モモイ「一緒に動いた方がおもしろいよ!」
アリス「ぐるっとひっくり返るなら、天井も歩きたいです!」
ユズは小さくうなずきながら、画面の四角を半回転させた。レバーを引いている発明家はその場に残り、床に乗ったロボットだけが逆さになる。
モモイ「あっ、ロボットが天井にいる!」
ユズ「天井に行けるのは、レバーを引いていない方だけだから」
アリス「では、交代でレバーを引けば、順番に天井を歩けますね! 二人で行けたら楽しそうです!」
その案にモモイは勢いよくうなずいた。ミドリも、逆さに歩く二人の絵は描いてみたかった。工具鞄の中身が落ちたらかわいい。しかし、それまで動かすとなれば絵が何枚も増える。
ミドリ「……工具は鞄にしまっておこう。落ちるところまで作る時間、ないし」
モモイ「ミドリも、ちょっと作りたくなったでしょ?」
ミドリ「ちょっとだけね!」
ユズは試作できるものを数えた。床が回るだけなら、二人がどこに立っていても動けるかを今日中に試せる。磁石も入れるなら、くっつく物とくっつかない物を先に決める必要がある。
モモイ「触ってみたら、思いつくこともあるじゃん。最初から絞っちゃうの、もったいないよ」
ユズ「うん……だから、どっちがいいか迷ってる」
ミドリ「半分ずつ試したら、どっちも半分になるよ」
モモイ「半分でも、見たことないものが見られるかもよ」
ユズは机の紙を一度そろえ直した。どちらを選んでも、今日という一日は減る。
アリスはロボット役の消しゴムを、移動床の端へ置いた。次に真ん中へ置き、発明家役の紙と並べて置く。机の上では落ちるだけだが、ゲームではそのたびに違う不具合が出そうだった。
アリス「同じ仕掛けでも、試すことがいっぱいですね」
ユズ「そうなんだ。わたし、ついできる動きだけで試しちゃうから……」
モモイ「それなら私たちの出番じゃん! 変な動きなら任せて!」
ミドリ「そこ、自慢するところ?」
そう言いつつ、ミドリは自分の紙も床のぎりぎりへ置いた。今日の試作で何を動かすか、四人の目がユズの画面へ集まった。
▶ 移動床に絞り、乗ったまま動くルールを確かめる [NODE 056]
▶ 移動床と磁石を組み合わせ、試作の幅を広げる [NODE 080]