Blue Archive Fam-made Gamebook ゲーム開発部と未完成のゲーム   作:瑠璃色ゲンソウ

54 / 118
054

【現在の企画】

発明家とロボットが、得意な作業を順番に受け持つ遊び。

 

取材から三日。その間に残りの二つの取材先も回った。発明家とロボットの仮絵が、開発画面を走っている。先に着いた方は、相手が追いつくまで棒立ちのままだ。

モモイ「舞台は、閉まっちゃった時計塔にしようよ。二人でてっぺんの鐘を鳴らすの!」

モモイの案に、ミドリは歯車だらけの背景を描き足した。

ミドリ「鐘を鳴らしたら、出口も開くんだね」

ユズ「うん。試遊版は、入口から鐘まで三部屋で……」

ユズが部屋の枠を三つ描くと、モモイが四つ目を描こうとした。ミドリがペンをつかむ。

ミドリ「三つって言ったよね?」

一人で試す時は、相棒をその場に立たせておける。ユズが確認用に入れておいた仕組みだ。

アリスが最初の部屋で動きを止めた。

アリス「このボタンは、押してよいボタンでしょうか?」

作った側には当たり前のことが、画面だけでは伝わらない。試遊会まであと四日。今日、じっくり検証できるのは一つの課題だ。

 

机の上では、実物の時計だけが順調に進んでいた。モモイはそれを見て、画面の時計塔にも同じ文字盤を付けようとする。

ミドリ「小さくしたら針が見えないよ。最初は輪郭だけでもいいと思う」

モモイ「でも、時計塔って分かんなかったら困るじゃん!」

アリス「鐘の音を鳴らしたらどうでしょう! 遠くからでも分かります!」

ユズ「最初に鳴っちゃうと、ゴールしたと思うかも……」

アリス「あっ。最後のお楽しみでした……!」

四人は画面を見直した。作りたいことを一つ決めると、それを伝えるために別のものが必要になる。入り口の絵、操作する場所の印、進んだことが分かる音。どれも一つずつ作らなければならなかった。

ユズは紙を三枚並べた。最初の部屋では、二人の操作を覚える。次の部屋では、それを別の場所で使う。最後の部屋では、覚えたことを組み合わせて鐘まで進む。

モモイ「最後だけ、すっごく難しくする?」

ミドリ「試遊会だよ。途中で時間切れになったら、鐘を聞いてもらえない」

アリス「でも、難しいクエストをクリアできたら嬉しいです!」

ミドリ「それは私もそうだけど……」

ミドリは消しかけた足場の線を、もう一度描き直した。ただ簡単にすればいいわけでもない。自分で分かった時の嬉しさは残しておきたかった。

ユズ「一回、説明しないで遊んでみる? 作った人以外が」

モモイ「私たち、全員作ってるよ?」

ユズ「担当じゃないところなら……まだ知らないことも、あるかなって」

アリスはうなずいた。発明家の絵は知っているが、足元の小さなボタンが何をするかまでは聞いていない。モモイも、ミドリがどこにヒントを描いたかは知らなかった。代わりに、仕掛けの答えを知っているのはモモイだけだ。

ミドリ「じゃあ、自分が作ったところでも、すぐ答えを言わないこと。お姉ちゃんもね」

モモイ「分かってるって! ……三回くらいまでは待つ!」

アリス「アリスは一発クリアを目指します!」

意気込んだアリスが、まだ何も入っていない壁を調べ始めた。ユズは少し笑い、今日使える時間を予定表で囲んだ。

仕掛けの動きを確かめるか、画面から遊び方が伝わるようにするか。あるいは作る量そのものを見直して、試す時間を先に空けるか。どれも必要だが、今日は一つを重点的に進める。

アリス「アリス、先に歩いていますね!」

三人はそれぞれの紙を持ち、机の中央へ寄せた。

 


 

▶ モモイの仕掛け案を、ユズと動かしてみる [NODE 069]

 

▶ ミドリとアリスが、画面のヒントを調整する [NODE 088]

 

▶ ユズの制作予定表を、四人で見直す [NODE 083]

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。