Blue Archive Fam-made Gamebook ゲーム開発部と未完成のゲーム 作:瑠璃色ゲンソウ
【現在の企画】
発明家とロボットが、得意な作業を順番に受け持つ遊び。
取材から三日。その間に残りの二つの取材先も回った。発明家とロボットの仮絵が、開発画面を走っている。先に着いた方は、相手が追いつくまで棒立ちのままだ。
モモイ「舞台は、閉まっちゃった時計塔にしようよ。二人でてっぺんの鐘を鳴らすの!」
モモイの案に、ミドリは歯車だらけの背景を描き足した。
ミドリ「鐘を鳴らしたら、出口も開くんだね」
ユズ「うん。試遊版は、入口から鐘まで三部屋で……」
ユズが部屋の枠を三つ描くと、モモイが四つ目を描こうとした。ミドリがペンをつかむ。
ミドリ「三つって言ったよね?」
一人で試す時は、相棒をその場に立たせておける。ユズが確認用に入れておいた仕組みだ。
アリスが最初の部屋で動きを止めた。
アリス「このボタンは、押してよいボタンでしょうか?」
作った側には当たり前のことが、画面だけでは伝わらない。試遊会まであと四日。今日、じっくり検証できるのは一つの課題だ。
机の上では、実物の時計だけが順調に進んでいた。モモイはそれを見て、画面の時計塔にも同じ文字盤を付けようとする。
ミドリ「小さくしたら針が見えないよ。最初は輪郭だけでもいいと思う」
モモイ「でも、時計塔って分かんなかったら困るじゃん!」
アリス「鐘の音を鳴らしたらどうでしょう! 遠くからでも分かります!」
ユズ「最初に鳴っちゃうと、ゴールしたと思うかも……」
アリス「あっ。最後のお楽しみでした……!」
四人は画面を見直した。作りたいことを一つ決めると、それを伝えるために別のものが必要になる。入り口の絵、操作する場所の印、進んだことが分かる音。どれも一つずつ作らなければならなかった。
ユズは紙を三枚並べた。最初の部屋では、二人の操作を覚える。次の部屋では、それを別の場所で使う。最後の部屋では、覚えたことを組み合わせて鐘まで進む。
モモイ「最後だけ、すっごく難しくする?」
ミドリ「試遊会だよ。途中で時間切れになったら、鐘を聞いてもらえない」
アリス「でも、難しいクエストをクリアできたら嬉しいです!」
ミドリ「それは私もそうだけど……」
ミドリは消しかけた足場の線を、もう一度描き直した。ただ簡単にすればいいわけでもない。自分で分かった時の嬉しさは残しておきたかった。
ユズ「一回、説明しないで遊んでみる? 作った人以外が」
モモイ「私たち、全員作ってるよ?」
ユズ「担当じゃないところなら……まだ知らないことも、あるかなって」
アリスはうなずいた。発明家の絵は知っているが、足元の小さなボタンが何をするかまでは聞いていない。モモイも、ミドリがどこにヒントを描いたかは知らなかった。代わりに、仕掛けの答えを知っているのはモモイだけだ。
ミドリ「じゃあ、自分が作ったところでも、すぐ答えを言わないこと。お姉ちゃんもね」
モモイ「分かってるって! ……三回くらいまでは待つ!」
アリス「アリスは一発クリアを目指します!」
意気込んだアリスが、まだ何も入っていない壁を調べ始めた。ユズは少し笑い、今日使える時間を予定表で囲んだ。
仕掛けの動きを確かめるか、画面から遊び方が伝わるようにするか。あるいは作る量そのものを見直して、試す時間を先に空けるか。どれも必要だが、今日は一つを重点的に進める。
アリス「アリス、先に歩いていますね!」
三人はそれぞれの紙を持ち、机の中央へ寄せた。
▶ モモイの仕掛け案を、ユズと動かしてみる [NODE 069]
▶ ミドリとアリスが、画面のヒントを調整する [NODE 088]