Blue Archive Fam-made Gamebook ゲーム開発部と未完成のゲーム 作:瑠璃色ゲンソウ
ユズがコントローラーを取ると、モモイは椅子の後ろを空けた。
モモイ「お願い、ユズ。その間に、こっちも終わらせる!」
ユズ「うん。さっきのところから、確かめてみるね」
ミドリが画像を開き、モモイも紹介文へ向き直る。アリスは机の脇に集めた機材を見下ろした。
アリス「アリスは、持っていくものをそろえます!」
ユズは三人の声にうなずき、確認用の位置を呼び出した。まず、ここを安心して通れるようにする。ロボットが立つ床を拡大すると、背後でも作業を始める音がした。
ユズの修正が終わると、モモイは椅子の後ろから画面をのぞいた。さっき落ちた場所を何度通っても、今度は床の上に立っている。
モモイ「すごい、もう直った! ユズ、ありがとう!」
ユズ「うん。たぶん、ここは大丈夫」
アリス「よかったです! また二人で進めます!」
ミドリも画像の書き出しを終えていた。モモイの文章は短くまとまり、アリスは接続する機材を揃えている。それぞれの仕事を見る限り、間に合いそうだった。
ところが全部を並べると、ロボットが立つ足場の位置だけが違っていた。ユズは不具合を防ぐため、床を少し延ばしていた。その場所へ、ミドリは古い画面に合わせた説明の矢印を入れていた。
ミドリ「あ……これ、矢印が何もないところを指してる」
ユズ「ごめん。場所を変えたの、言ってなかった……」
モモイ「私の説明もだ。端まで行く、って書いてる」
誰もさぼってはいなかった。むしろ三人とも、ユズが直している間に仕事を終わらせようと頑張っていた。だから、違いが見つかった時にはもう次の作業へ進む時間になっていた。
アリス「ここだけでも、一緒に確かめませんか?」
ミドリ「うん。少なくとも、いま見つけたところは」
ユズが画面を動かし、ミドリが矢印を直す。モモイは文章を読み上げ、実際の動きと合っているかを見る。必要なことは分かったが、三部屋全部を同じ丁寧さで確かめる余裕はなかった。
モモイ「当日は、分からなかったら私が説明するね!」
ユズ「わたしも、すぐ確認できるようにしておくね」
ミドリ「でも、説明する内容は揃えておこう。違うことを言ったら困るし」
アリスは直した場所を一つずつメモした。難しい言葉では書かず、自分が迷った時に何を教えてもらえば分かるかを考える。
四人の作業は確かに前へ進んだ。ゴールまで動く版も保存できた。ただ、最後に全体を同じ目で見直す仕事は、十分にはできなかった。
ユズは修正したファイルを閉じる前に、変更した場所へ印を付けた。次に同じことをする時は、三人へ最初に見せようと思った。
アリスは説明を頼まれた時のために、修正した足場をもう一度見た。
アリス「ここは、止まっても大丈夫になったんですね」
ユズ「うん。そこは、そう伝えていいよ」
一つずつなら確認できる。ミドリは確かめた項目と残った項目を分け、モモイへも同じ紙を渡した。持っていく版が混ざらないよう、最後の保存だけは四人で見届けた。