Blue Archive Fam-made Gamebook ゲーム開発部と未完成のゲーム 作:瑠璃色ゲンソウ
予定表の最後の欄だけ、日付が入っていなかった。
ミドリ「これ、いつやるの?」
ミドリが指したのは、初見の人による試遊だった。
ユズ「機能が全部できてから……」
ミドリ「その頃には発表会だよね」
ユズはうつむいた。すでに動く部分も多い。全部を捨てる必要はない。でも全部を完成させようとすると、確かめる時間がない。
モモイが予定表を引き寄せた。
モモイ「一部屋を豪華にするか、三部屋で同じ遊びを広げるか、かな」
アリスは三つの部屋の絵を並べ直した。
アリス「一つ目で覚えた技を、三つ目で使うと、レベルアップした気がします!」
一方、短い試遊で印象を残すには、豪華な一部屋も魅力的だった。
ユズの予定表には、済んだ仕事にも小さな丸が付いていた。モモイはそれを指で数えて、思っていたより進んでいると言った。
ユズ「でも……合わせるのは、まだだから」
ミドリ「私の絵も、ゲームに入れてないのがあるね」
アリス「それなら、先に入れてみたらどうでしょう?」
ユズは少し迷ってから一枚を読み込んだ。大きな背景が表示され、キャラクターがその後ろへ隠れた。
モモイ「あれっ、二人がいない!」
アリス「アリス、いまも動かしています! 見えないだけです!」
ユズが表示順を直すと、発明家が端から戻ってきた。四人は笑ったが、笑った後で予定表を見直した。完成した素材を入れるだけでも、何もせずに済むわけではなかった。
モモイ「一部屋だけなら、いまのを全部使える?」
ユズ「使えると思う。その一部屋を、他にも使えるようにする時間はほしいけど」
ミドリ「最初から共通で使うものを決めた方がいいのかな」
机の上には、少しずつ違う形の扉が三つ並んだ。見た目が違えば楽しい。しかし、開く向きも操作も全部変えるなら、その分作って確かめることが増える。
アリスは扉の絵を一枚ずつ並べ直した。
アリス「この扉を開けられたら、次の扉も開けられそうです! 似ているので!」
モモイ「それを最後でひっくり返すのも面白いよね」
ミドリ「最後まで作る時間があればね」
モモイは返事を飲み込み、予定表の空欄へ目を落とした。華やかな一部屋を先に見せられれば、自分たちもやる気が出る。三部屋を同じ仕組みで組めれば、最後まで通して確かめる時間ができる。
どちらにも欲しいものがあった。ユズは、全部が終わってから試すと書いていた欄を消した。それだけでは、いつまでも日付が入らない。
ユズ「先に時間を決めると、そのために減らすものも……あるね」
アリス「うう……遊びたい仕掛けも、いっぱいあるのですが」
ミドリ「私も描きたいもの、まだあるよ。でも、発表の日に見てもらえる形にはしたい」
モモイは三枚の部屋を見比べた。削る案を選ぶにしても、諦めた顔では決めたくなかった。残すものをどう面白くするかまで、四人で考える必要がある。
▶ 三部屋の基本動作をそろえ、試遊の時間を先に確保する [NODE 093]
▶ 豪華な一部屋を先に仕上げ、残りへ広げる [NODE 050]