吾輩は本である。 ~狐耳少女と行く、コミュニケーション縛りの冒険譚~ 作:鏡路の一般兵(喰い断Ⅸ)
しかし、本当にただの登場人物紹介にしてしまうと読者の皆様も面白くないと思いますので、既に本編で開示された物語の根幹に関わる重要な情報に加え、一部小ネタや未公開情報が含まれます。
自分は後書きや登場人物紹介を先に見て読むのを決める派であるという方は注意してください。
また、この紹介はあくまで現時点でのものであり、後に設定が変更されることもあります。
◎登場人物&用語紹介
〇クロちゃん(吾輩)
・年齢 不明
・性別 不明
・容姿 金属のような光沢の表紙を持つ本、真っ黒いお人形さんのようなヒトガタ
現代日本から「本」に転生した元人間。
周囲からは彼の操る黒いお人形こと「源影」の方が本体だと思われているが、その正体は「本」を核とした『神話の怪物』こと
人間としての意識が混ざった影響か、本来の無限獣であれば無意識に行う全ての活動を
それ故に無限獣最大の強みである学習能力はほとんど機能しておらず、単純な戦闘能力という面では本来の無限獣と比較して著しく弱体化している上、転生者特有の自動翻訳が悪さをしているらしく、人間的な文字を読む、書くといった技能にも不安を抱えている。
しかし、それでも災害と称される魔物と真っ向勝負が成立するほどの凄まじいポテンシャルを誇り、手動操作であるが故に会得した原理不明の消滅魔法(仮)の存在を考えると本来の無限獣から著しく弱体化していてなおその危険度は神話級。
更に言えば、本来の無限獣は端末を生み出し、最低限の学習を進めるまではほぼ無防備という弱点がある事を考えた場合。
本体である核が意思を持ち、護衛となる端末を任意で生成でき、自力移動も可能という点を考慮すると人類にとってはこちらの方が難しい対応を迫られる可能性すらも存在している。
これらの事情は本人(?)も自覚しているため、「吾輩」は第一部の最後に自らの事を「クロちゃん」と名付けられた「本」であると定義。
自分を受け入れてくれたブレトンやノーザンヒルの人々の日常を壊さないように心がけ、人類に敵対するような行動を避けている。
実は第一部の中でやたらと理屈っぽい思考で何事にも理由を付けたがる節があるのは元からこの傾向があったため。
人間であった事実を忘れないように、人間であれば論理的に考えるはず、人間であるならば……という思考へと無意識に囚われた結果であり、実は焦った時などにちょくちょく出ている愉快な一面のほうが「吾輩」の素の性格に近かったりする。
なお、本作の主人公であると同時に語り部を担当する「吾輩」であるが、コイツは現代日本からの転生者であるが故にこの世界の歴史や文化を始めとした諸々に対する知識は皆無であったり、上記の事情からたまに真顔でとんでもなく見当違いな事を言っている。
特に戦闘に関する理解度は低く、「吾輩」視点ではタマモが絶望的な窮地に追い込まれていたとしても、タマモの視点に移ると「くっそー。良い一撃を貰ってしまった……。中々やるじゃん……」ぐらいのテンションである事がしばしば。
というか、第一部では最終局面以外ほぼ常にそんな感じ。
会話によるコミュニケーションができればまた話も変わるのだが、身振り手振り以外の意思表示ができない以上、「吾輩」が人間であった本としての行動を取り続ける限り、この誤認が是正されることはないだろう……。
◎ブレトン
勇者の末裔が住む地、人類の最前線とも呼ばれる辺境の村。
ノーザンヒルという一目見るだけで辺境と分かる名前を付けられた小さな城塞都市から更に200kmほど北にあるという凄まじい立地をしている。
〇タマモ
・年齢 15
・性別 女
・容姿 狐の耳と尻尾を持つ黒髪黒目の少女
祖母に雷炎の勇者とも呼ばれるパールを持ち、生まれながらにして人を超えた力を持つ亜人へと至っている少女。
若干面倒くさがり屋で、親しくなった相手には悪戯を仕掛けてしまうといった年相応の面もあるが、単純な身体能力、魔力の保有量では他の追随を許さない上に芸術方面でも強く、未だ成人すらしていないというのに政治的な配慮も忘れないというマルチな才能を発揮する超人。
人間のまま亜人より強いと言わしめたパールが亜人になったようなもの評価される程の凄まじい実力者だが、余りにも自身のスペックが高すぎるせいで魔力の放出に関しては明確な苦手分野。
本来は斬撃を飛ばす技である神立を使えばそのスペックの高さに故にほぼエネルギー砲のような何かになってしまい、周辺被害を考えると対空以外ではまともに使う事ができず、素の剣技を主体とした戦い方を取らざるを得なくなっている。
それでいて災害級のような難敵が相手では通常の神立では火力が足りず、魔力を溜めた上での神立、また神断を使う必要があるというのに難敵相手では魔力を高める隙を突かれたり、神断の予備動作が大きすぎるせいであっさりと避けられたり、そもそも止めを刺すまでに武器が持たなかったりというようにスペックの高さの割に決定力に欠ける場面が多発。
それが原因で一時的な劣勢に追い込まれることも多くあり、「吾輩」がタマモの戦闘状況を誤認する要因ともなっている。
ちなみに好物は鮭。
山奥にあるブレトンでは海の物があまり手に入らないという事もあり、たまにパール向けの贈呈品として鮭が送られてくると率先して普段以上に鍛錬に励み、魔物を狩り、村の仕事を手伝って少しでも多くよそって貰えるように頑張っているらしい。
・偽剣叢雲
初代ノーザンヒル男爵が振るった剣。
ノーザンヒル男爵家からアルケミーを救助した報酬としてタマモに下賜された。
偽剣という名前であるが故にどうしても印象が悪くなるが、あくまで一般通過名剣が神剣「天叢雲」の偽物として扱われているが故にこのような名称となっているだけで、その性能は神剣級。
頑健さという意味では他の追随を許さない凄まじいポテンシャルを持っている。
〇パール
・年齢 54
・性別 女
・容姿 現在は総白髪になってしまっているが、若い頃はタマモそっくりだった。
ブレトンに住むタマモの祖母。
王都の学園に招聘される現役冒険者がブロンズ級、子爵婦人付きの騎士団がアイアン級に相当する世界でオリハルコン級を与えられた勇者。
若い頃は宝石箱という冒険者パーティで割とヤンチャをしていた。
〇モミジ
・年齢 9
・性別 女
・容姿 ちっちゃい女の子
ブレトンに住むちびっこ。
ちびっ子組の中では年長者であり、しっかりと善悪の判断もつくお年頃。
読書が好きだが山奥であるブレトンには娯楽を目的とした本は少なく、ラインナップが兵書や軍学書といった物騒な本に偏っているのが悩み。
もっと別の本は無いのかなと思いながらも日々物騒な本を読み漁っているため、村の大人たちはモミジの誕生日が近づくとまた新しく物騒な本を仕入れて来るらしい。
◎ノーザンヒル
山奥に建てられた人口1000~2000人程度の小さな星型の城塞都市。
単純に街の周囲を壁で囲むだけではなく、水堀や空堀も駆使して縄張りが引かれた五稜郭的な和洋折衷スタイル。
都市の規模は小さいながらもスタンピードが発生した際には城塞を駆使して耐え忍び、援軍が来るまで魔物の群れを押し留める役割を担う事もあってとても堅固。
〇ルシアン
・年齢 17
・性別 男
・容姿 とにかくチャラい金髪の軟派男
ノーザンヒル男爵家の三男でとにかくチャラい見た目をしているが、実際には思慮深く、王都の学園で学んだこともある超インテリ。
単純な戦闘能力ではタマモやパールと比べると二段や三段どころではない程に見劣りしてしまうが、まだ20歳にもなっていない事を考えると十分過ぎるほどの強者。
ノーザンヒル男爵家に伝わる極限魔法「流星極射」を奥の手として持ち、魔力の大量放出も得意だが、あまりにも威力が高すぎるせいでスタンピードが発生しても対地では使えないという大問題を抱えている。
趣味は日記をつけること、かなりの筆まめで毎晩日々の出来事を書き記している。
〇ルシウス
・年齢 42
・性別 男
・容姿 滅茶苦茶遊び慣れてそうなダンディなイケおじ
ノーザンヒル男爵家の現当主。
ルシアンと同様にノーザンヒル男爵家に伝わる極限魔法「流星極射」の使い手であるが、ルシアンほど魔力の大量放出が得意ではない事もあってスタンピードなどの非常時であればギリギリ対地でも使う事ができる。
実は、若い頃に恋愛で結構なやらかしをした事がある。
このせいで将来的にルシアンが家を出る事を前提として動いているのが少し不安要素になっているらしく、家臣団からちょくちょく詰められている。
〇ダイヤ
・年齢 18(外見年齢)
・性別 女
・容姿 兎の耳を持つ若い女性
少し間延びした話し方が特徴的なノーザンヒルの冒険者ギルドでギルド長を務める兎耳の亜人。
若い頃はパールたちと一緒に宝石箱で活躍していた過去があり、現在でもその実力は衰えていない。
有事に際してノーザンヒルの城壁の上から雨霰の如く魔力砲撃を放つ姿は戦場の女神と称される事もあるが、ギルド長という責任ある立場に出世したので後衛に徹しているだけであり、実は宝石箱時代の本分は剣士でバチバチの近接スタイル。
ルシアンに冒険者としての基本を叩き込んだのはこの人だったりする。
〇ラルド
・年齢 61
・性別 男
・容姿 筋骨隆々としたマッチョのゴツいお爺ちゃん
ノーザンヒルでジュエルボックスという商店を営む筋骨隆々のゴツいお爺ちゃん。
商人というよりは戦士といった出で立ちをしている。
若い頃はパールたちと一緒に宝石箱として活躍をしていたが、この筋肉はあくまでも商人として活動するためのもの。
冒険者としての評価はその逞しい肉体に反してお世辞にも高くなく、パールを始めとした当時の仲間たちからは魅せ筋ならぬ商人特有の店筋と言われているらしい。
〇アルケミー
・年齢 58
・性別 男
・容姿 初老で旅慣れていそうなお爺ちゃん
王都の学園にも招聘された事のあるブロンズ級の老冒険者。
古代文明の研究を行う文系タイプだと思わせ、スタンピードが潰走を始めた時は追撃に出てしまったりと割と脳筋な面もある。
ちなみに割と脳筋気質なのはどこぞの宝石箱の連中のせいであり、彼らと同時代を生きた人間は大なり小なり影響を受けているらしい……。
〇キミア
・年齢 29
・性別 女
・容姿 レザーメイルを来た旅慣れた女性
アルケミーの護衛を担当するアイアン級の冒険者。
戦闘スタイルは魔法を軸とした後衛型。
◎コーリャマ
ノーザンヒルを含む近隣一体を統括するコーリャマ子爵家が収める土地。
数十年前のスタンピードでは時の領主一族を含む上層部が全滅するほどの深刻なダメージを受けている。
なお、それにも関わらず第一部では王都からの援軍を相手にスタンピードへの対応とは別に動員をかけ、援軍を相手に睨み合いをしていた。
〇サファイア(本名:サフィーラ)
・年齢 18(外見年齢)
・性別 女
・容姿 狸の耳と尻尾を持つ若い女性
似非侍言葉が特徴的な狸耳の亜人。
若い頃はパールたちと一緒に宝石箱で活躍していて、パーティの仲間であったルビーことルビウスと結婚してコーリャマの子爵婦人にまで成りあがった地味に凄い人。
実は生き別れの姉がいるらしい。
〇ルビー(本名:ルビウス)
・年齢 63
・性別 男
・容姿 枯れ木のようなお爺ちゃん
本編では名前だけの登場。
タマモたちがスタンピードの対応を行う中、救援として派遣された王国軍と睨み合っていた宝石箱の一員にして現コーリャマ子爵家の当主。
その名前からも察せられる通り、実はノーザンヒル家の縁者で
コーリャマ一族及び家臣団がスタンピードで深刻なダメージを受けた際、空白地帯となった領地を誰が統治するかが問題となった時にノーザンヒル男爵家と血縁関係があったことで緊急登板。
宝石箱で培った人脈を駆使してサファイアと共に混乱を治め切った凄い人。
◎アストラリア王国
コーリャマ子爵家やノーザンヒル男爵家を含む周辺一帯を治める王国であり、一応はこの物語の舞台となる国。
スタンピードの発生という報告を聞いてコーリャマに援軍を出したが、コーリャマ子爵家はそれに対抗する形で軍を動員、にらみ合いを起こしている事もあって「吾輩」から大丈夫かこの国と不安がられているが、実際あまり大丈夫ではない。
上記の様な事態が起こる事からも分かる通り中央集権など当然のように行き届いていないので援軍を相手に睨み合いを仕出かしたコーリャマ子爵家を討伐する力を王家は持っておらず、王家に代わって動いてくれるような頼れる有力貴族がいるわけでもない。
更には周囲を「魔国」「神国」「皇国」という三つの敵国に囲まれており、必死に関係の改善を図っている状態である。
◎魔国
ルシアンから元凶の心当たりとして上げられたうちの一国。
王国から見て西にあるアストラリア王国と敵対する国家。
長くアストラリア王国と争っているが、国境近くを治める辺境伯家を突破できずに小競り合いを繰り返しているらしい。
ちなみにアストラリア王国の周辺三か国の中では唯一しっくりくるものが思いつかず、未だに正式な国名が決まっていないという悲しい問題を抱えていたりする。
〇道鬼
・年齢 不明
・性別 男
・容姿 魔人と表現するのに相応しい容貌
第一部においてノーザンヒル近辺の山の勢力バランスが崩れ、スタンピードが発生するように暗躍していた黒幕。
無限獣の力を用いてアストラリア王国の後背に位置するノーザンヒルやコーリャマを動揺させることで王国との戦争を有利に進めようとしていた。
◎神国
ルシアンから元凶の心当たりとして上げられたうちの一国。
……だが、実は王国と神国の間は山脈で隔てられており、魔国と違って別に直接的に争っているわけではない。
ただ、アストラリア王国の内情が芳しくないのをよい事に、山を挟んで国境を接する領地を持つ貴族に対して定期的に使者を派遣。
そちらに欲しい商品があるから交易品に加えてくれないかな?
こちらで魔物の発生の兆候をつかんだからそちらも気を付けてね。
アストラリア王国に何かがあったらウチを頼ると良いよ。
等と礼を尽くして関係の改善に励み、王国の頭越しに仲良くしているだけである。
ちなみに立地は王国から見て北側であり、コーリャマ子爵家やノーザンヒル男爵家は神国と隣接していて仲が良く、今回のスタンピードに関しても「援軍いる? 必要なら総動員をかけて山を越えて助けに行くよ?」と連絡を送ってきていたらしい。
◎皇国
ルシアンから元凶の心当たりとして上げられたうちの一国。
実は表向きには王国の周辺三国の間では一番の友好国なのだが……。
ウチが滅びたら魔国と神国のどちらかが皇国と隣接するぞ。
ウチを滅ぼす? そしたら魔国と神国の両方と敵対するぞ?
ウチを緩衝地帯として残した方が良いんじゃないか?
ただ少し、上記の様なノリで王国が皇国からの援助を引き出しているというあまりにもあんまりな大問題が存在している。
上記のような事情もあってこの二国は当然皇国有利の力関係ではあるが、このような関係性は皇国と王国の両方にとって不健全。
両国にとって不満が溜まる形となっており、特に国境を接する貴族の関係は劣悪。
皇国側は自分たちの力だけでは国を守れない王国側貴族を見下し、王国側貴族は何故王家の方策によって自分たちが見下されなければならないのかと不満を溜めている。
ちなみに立地は王国から見て南側。
王国の東側は海に面しているため、皇国視点で北の神国、西の魔国と敵対するなら東と組んで対抗という選択肢が最初から存在していないのもこういった力関係が維持されている理由となっているが、結果的に皇国との国境から遠く離れたノーザンヒル男爵家のルシアンから見ても潜在的敵国という扱いになっているのが全てである。
◎強力な魔物たち
〇神話級の魔物
・ヘル/フェンリル/ヨルムンガンド
ルシアンが例に出した神話に登場する魔物。
文字通り「神話」に出てくる存在だが、本である「吾輩」はルシアンの言葉を正確に理解しているのか、自動翻訳の結果として吾輩にも理解できるものとなったのか。
この世界の彼らが現代日本で語られる存在と同一のものであるかは完全に不明。
・
唯一、この世界で実在が確認されている神話の怪物。
無限に自らが受けた攻撃を学習し続けるという特徴を持ち、かつては少なくとも現代日本並みの文明水準を誇った古代文明を滅ぼすほどに成長した個体が存在する。
道鬼によると魔物というよりは膨大な魔力が引き起こす現象という自然表現の方が近しいらしい。
種族的には主人公である「吾輩」と同種。
吾輩が「本」である事を選ばなかった場合、転生先で他者とのコミュニケーションを取れない事に絶望していた場合、世界は滅んでいた可能性もある。
〇災害級の魔物
単独で都市を滅ぼしたり大打撃を与えるといった災害級の被害を与えられる強力な魔物たちの総称。
一部を除いて剣と魔法のファンタジー世界特有の身体能力を持つこの世界の人々でも極限魔法や亜人の力無しでは勝てない相手ではあるが、災害級といっても実はその強さは割とピンキリ。
亜人クラスになると1対1の戦いで勝利を見込める程度の魔物から、亜人クラスでも1対1では厳しい魔物まで意外と幅広い実力帯が揃っている。
・
とにかくでかい一つ目の巨人。
実は第一部に登場した単眼巨人は火剣大虎と牙剣大虎の番を相手に戦って勝利した上、タマモにも一発だけではあるが有効打を叩き込んでいると単眼巨人の中でも突出して強力な個体。
ブレトン以外に出現していた場合は災害級の範囲に収まらない脅威として、「神話級の魔物」として特別な個体名が与えられていた可能性がある。
仮にブレトン組不在の状態でノーザンヒルにコイツが下りてきていた場合、人類の取れる対抗手段はルシアンの流星極射で城塞都市と周囲の山々ごと更地にするしかないレベルだったりする(ルシウスの流星極射だと仕留め切れずに逃げられる)。
・
災害級の魔物としてはポピュラーな虎というよりは
第一部ではかませ犬的な役回りとなってしまったが、数十年前に雷剣大虎が率いたスタンピードでは「コーリャマを治めていた領主一族及びその家臣団が全滅する」レベルで大きな被害が出ている。
もし、本編前に火剣大虎と牙剣大虎の番がサイクロプスとの縄張り争いに敗れていなければ、実は火剣大虎が数十年前の再現を起こしていたのかもしれない……。
ちなみに亜種ではなく、原種である牙剣大虎の時点で疑う余地のなく災害級。
特に特別な能力を持たない事から出現することで発生する被害自体は少なくなりがちではあるが、タマモの高速戦闘に張り合える敏捷性から討伐は殆どの場合で困難。
・
かつては神話級として評価される事もあった巨大の蛇の魔物。
とにかく再生力が高く、一撃で頭をつぶして即死させない限りは脱皮を繰り返してさらに大きく、強くなるという特徴を持つ。
しかし、宝石箱の活躍によって対策が確立した現在では災害級の中でも比較的対処しやすい方と扱われている(それでも亜人や極限魔法無しでの対応は困難だが……)
・
ゴブリンやオーク、オーガといった人型の魔物の親玉で特に巨大な個体を指す。
災害級の魔物としては牙剣大虎と並んでポピュラーな存在だが、その実力は第一部で登場した単眼巨人ではなく、平均的な単眼巨人と比較しても2ランクか3ランクは落ちる。
単体の戦力というより、人型の魔物を従えるという特徴。
そしてそれによって軍として都市を襲うという習性を含めての災害級の魔物としての判定がなされている。
先述した一部の例外を除いて災害級は人間の力では対応不可能というのはあまり強くない大鬼大将であれば、亜人や極限魔法が無くともなんとか人力での討伐が可能であるため。
なお、本編ではタマモに一刀で切り伏せられていたが、あれでも「大鬼大将としてはかなり強く、他の災害級と張り合える強個体」である。
・
巨大な植物の魔物であり、単純な戦闘能力や植物系の魔物特有の生命力も勿論だが、それ以上に「地形の浸食能力」を脅威とされて災害級と認定されている。
他の魔物と違って人間の領域近くに現れるだけで甚大な損害を与えるため、単純な厄介度でいえば直接戦闘にさえならなければ被害無しで乗り切れる可能性のある無限獣を抑え、本作に登場した魔物の中でナンバー1。
但し、山界王華が人間の領域近くに現れる事は少なく、無限獣に従えられる形でスタンピードに参戦したのは実は極めてイレギュラーな例。
◎極限魔法
第一部ではブレトンに伝わる極限魔法を改悪した「雷炎」と、ノーザンヒル男爵家に伝わる「流星極射」の二種類が登場。
微妙に伝承の方法にブレがあるが、これは極限魔法は血筋によって発現するかどうかが変わるため。
辺境中の辺境であるブレトンは村の中で血が濃ゆくなっているため「土地」に伝わる極限魔法という表現であるのに対し、小さいとはいえ都市であり外部からの血の流入があるノーザンヒルの場合は「血筋」に伝わる極限魔法という表現がされている。
このため極限魔法自体は庶民からも発現する事も在り、極限魔法を発現した庶民は血を濃ゆくするため貴族から召し抱えられたり、養子や婚姻政策によって一族として迎えられることも多い。
ちなみに極限魔法は複数が発現する場合もあるが、実際に使えるのは一つまでであり、どこかのタイミングでどの極限魔法を習得するかを選ぶことになる。
使える極限魔法は「刻まれた極限魔法」と表現される。
〇
ノーザンヒル男爵家に伝わる極限魔法。
自身の魔力とその周囲に存在する魔力を掛け合わせる事で共鳴、増幅させた上で対象を内部から破壊し尽くすという魔法であり、実は巨大な爆発そのものは副産物という剣と魔法のファンタジー世界に存在して良いとは思えない戦略級の破壊力を持つ。
勿論これだけの破壊力を無条件に連発できるわけもなく、流星極射で消費する魔力は使用者の残存魔力から割合で自動的に決定されるため、短期間で複数回使用する事が難しい(というより、二射目以降の威力が激減してしまうので、無理に連射する意味が無い)という弱点もあるのだが……。
実は、二射目に関しては掛け合わせる元となる自身の魔力自体は残り僅かになっているが周囲には一射目で既に共鳴、増幅させた魔力が存在しているため意外と威力が落ちないとかいうバグ染みた仕様が存在している(三射目以降は自身の魔力が極端に低くなっているため、二射目までに増幅させた魔力を用いても殆ど威力が出ない)
〇
ブレトンに存在する極限魔法をパールが改悪する事で生み出された魔法。
やっている事は極限魔法の発動に際して得られる膨大な魔力を全て自身の強化に回すという単純なものではあるのだが、その強化幅は絶大で周囲にはプラズマのような火花が走る事が確認できるほど。
勿論使用者にかかる負担も絶大なものであり、生半可な人間……ルシアンどころか亜人であるダイヤやサファイアが使っても身体が弾け飛ぶレベルの反動があり、その実用性の無さは極限魔法を改悪したという表現が相応しいのだが……。
雷炎の開発者であるパールは勇者と謳われる圧倒的な才気と他の追随を許さない魔力操作技術でこのデメリットを踏み倒している。
なお、タマモは魔力放出が苦手な事もあり、
◎吾輩が本である世界の人類
地球人類よりも明らかに高い身体能力を持っている。
それは亜人であるタマモに限った話ではなく、アルケミーやルシアンのような人間ですら一度の跳躍で家屋の屋根の上へを上がり、屋根を伝っての移動ができる程に地球人類から逸脱している。
但し、これはあくまでも自身の力を高めるために鍛えたからこそであり、普通に日常生活を送っているだけの一般人の身体能力は地球人類をやや上回る程度のもの。
種族としての単純な基本スペックが違うというより、鍛えた場合の限界値が地球人類よりも遥かに高いというようなイメージ。
〇亜人
特定の条件を満たした一部の人間が限界を超え、後天的に覚醒して至り、本来は人間が持たない生物の特徴を身体に発現させ、人知を超えた魔力や身体能力を手にしたものの事を指す一種の変身形態。
その性質上、この世界における亜人とはファンタジー世界における獣人や龍人いった種族を指すものでは無い点に注意が必要。
ちなみに亜人に至った際に発現する身体的な特徴は様々であり、第一部で登場した狐や狸、兎のような哺乳類以外にも鳥類や爬虫類、場合によっては植物や魚類のような特徴が発現する事もある。
〇魔人
この世界における魔人とは亜人の中にあるカテゴリーの一つを指す。
哺乳類に限らず魚類や植物など様々な性質を包括する亜人という区分の中でわざわざ魔人だけが別の扱いを受けているのは人類の中に亜人へと覚醒しやすい血筋があったことが理由となっている。
その血筋が亜人として覚醒した場合の外見的な特徴が悪魔のようなものであったことに由来し、この血筋を強く引くものを総称して魔族と呼ぶ(そして、魔国とはこの魔族が中心となって作った国である)。
但し、この魔人は亜人と比べて覚醒しやすいわりに「覚醒時の強化幅自体は亜人よりも低い」という問題もあり、亜人の平均的な実力は魔人を上回っている。
なお、これはあくまでも魔人の方が覚醒時の強化幅が低く、魔人への覚醒後に肉体を鍛えていないものもいる事が原因であるため、しっかりと鍛えた魔人が亜人に劣るという事実は一切存在しない。
ちなみに第一部の黒幕である道鬼は魔人の中ではかなりの上位。
無限獣の力を取り込んだことをブラフとしていたとはいえ、「素で亜人級のパールが亜人に至ったレベル」と称されるタマモに有効打を叩き込んだのは伊達ではない。
〇登場人物紹介には纏められなかった余談
・実は「吾輩」が何者なのかは序盤から一章に一度の『各話タイトル』で暗示されている。
・実は宝石箱組の名前が宝石で統一されているように、本作のメインとなる3人もタマモ(玉藻御前で狐)、ルシアン(フランス語で犬と関連がある言葉)、クロちゃん(Crowちゃんで烏)というように全員日本で神の使いとされる動物と関連のある名前で統一されている。