原神転移 異世界おじさん   作:ところてんの

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本作品は、AIを利用して本文を生成・執筆しています。

作者が設定・プロット・展開などを考え、それをもとにAIで本文を作成しています。

生成された文章は、設定やストーリーとの整合性を確認しながら、必要に応じて加筆・修正しています。

そのため、AIによって生成された文章・表現が含まれます。

AIを利用した作品であることをご理解のうえ、お楽しみください。

以上をご理解いただいたうえで、

「もしテイワットに、おじさんとたかふみがいたら?」

というIFの物語として楽しんでいただければ幸いです。




第1話「異世界おじさん、テイワットへ」改

第1話「異世界おじさん、テイワットへ」

 

 異世界というものが存在する。

 

 それを、俺は知っていた。

 

 ただし――自分が実際に異世界へ行くなんてことは、考えたこともなかった。

 

 俺、高丘敬文にとって、異世界という言葉は少し特殊な意味を持っている。

 

 普通なら、小説や漫画、ゲームの中に出てくる架空の世界を思い浮かべるだろう。

 

 魔法があり、魔物がいて、人間とは違う種族が暮らしている世界。

 

 そういうものを想像するはずだ。

 

 けれど、俺の場合は違う。

 

 俺には、実際に異世界へ行った叔父がいる。

 

 嶋㟢陽介。

 

 俺が「おじさん」と呼んでいる人物だ。

 

 三十四歳。

 

 十七年間もの長い時間を異世界グランバハマルで過ごし、日本へ帰ってきた男。

 

 魔物と戦い。

 

 魔法を覚え。

 

 異世界の人々と出会い。

 

 生き延びてきた。

 

 そんな人間が、俺の目の前にいる。

 

 だから、異世界そのものについては、もう疑っていなかった。

 

 叔父さんの話を最初から信じていたわけではない。

 

 むしろ、最初はかなり疑っていた。

 

 十七年間異世界にいた。

 

 魔法が使える。

 

 エルフがいる。

 

 魔物と戦った。

 

 そんな話を突然されたところで、普通なら信じられるわけがない。

 

 けれど、俺は実際に叔父さんの魔法を見た。

 

 異世界で撮影された映像も見た。

 

 そして何より、叔父さん自身が十七年間の経験を持って帰ってきた。

 

 だから俺は知っている。

 

 異世界は存在する。

 

 ただ。

 

 それはあくまで――叔父さんの世界だと思っていた。

 

 俺自身がそこへ行くことになるなんて、考えたこともなかった。

 

     ◆

 

 その日の夜も、最初はいつもと変わらなかった。

 

 俺と叔父さんは、部屋のテーブルを挟んで座っていた。

 

 テレビからは適当な番組の音が流れている。

 

 冷蔵庫からは低い駆動音が聞こえる。

 

 窓の外では、車が走っていた。

 

 スマートフォンをテーブルの上に置き、俺は叔父さんの話を聞いていた。

 

「それでな」

 

「うん」

 

「グランバハマルでは――」

 

 叔父さんは真面目な顔で話していた。

 

 この人は、異世界にいた頃の話をするときだけは妙に饒舌になる。

 

 魔法の話。

 

 魔物の話。

 

 異世界で出会った人間の話。

 

 そして――。

 

「それにしても、セガのハードは――」

 

「……またセガ?」

 

 俺は思わず額を押さえた。

 

「今、グランバハマルの話だったよね?」

 

「ああ」

 

「なんでセガの話になるの?」

 

「重要だからだ」

 

「何に?」

 

「人生に」

 

「急に話が重くなったな……」

 

 叔父さんは本気だった。

 

 冗談ではない。

 

 俺ももう慣れている。

 

 グランバハマルの話をしていたと思ったら、いつの間にかセガのゲームの話へ移っている。

 

 そして本人には脱線しているという自覚がない。

 

「セガのゲーム機にはな」

 

「はいはい」

 

「当時としては――」

 

「分かったから」

 

「まだ説明してないぞ」

 

「説明しなくてもだいたい分かるよ」

 

「そうか?」

 

「うん」

 

 俺は苦笑した。

 

 これもいつもの光景だった。

 

 叔父さんは異世界から帰ってきた。

 

 けれど、日本へ戻ってきたあとも、その性格は変わらない。

 

 むしろ、十七年間の異世界生活を経験したことで、普通の三十四歳とはかけ離れた人間になってしまっている。

 

 それでも。

 

 こうして日本の部屋にいて。

 

 テレビを見ながら。

 

 セガの話をしている姿だけを見ると、普通の叔父に見える。

 

 少なくとも、この瞬間までは。

 

 俺はそう思っていた。

 

     ◆

 

「……ん?」

 

 突然、叔父さんが口を閉じた。

 

「どうしたの?」

 

 俺が顔を上げる。

 

 叔父さんはテレビではなく、部屋の奥を見ていた。

 

「……静かだ」

 

「静か?」

 

 俺も耳を澄ませた。

 

 ――おかしい。

 

 さっきまで聞こえていた音が消えている。

 

 テレビの音は聞こえる。

 

 だが、窓の外から聞こえていた車の音がない。

 

 冷蔵庫の音も消えている。

 

 エアコンの風も、妙に遠く感じる。

 

 部屋の中にいるのに、周囲だけが切り離されたような感覚があった。

 

「……何これ」

 

 俺が立ち上がる。

 

 叔父さんも椅子から立った。

 

 表情が変わっている。

 

 先ほどまでセガについて熱弁していた人物とは思えないほど、鋭い目をしていた。

 

 周囲を確認している。

 

 窓。

 

 ドア。

 

 天井。

 

 床。

 

 その視線が、何度も動く。

 

「たかふみ」

 

「何?」

 

「俺から離れるな」

 

「……分かった」

 

 その声には、冗談の気配がなかった。

 

 俺は叔父さんの近くへ移動する。

 

「何か分かる?」

 

「まだ分からない」

 

「じゃあ――」

 

「だが、普通じゃない」

 

 その言葉を聞いた瞬間。

 

 足元に違和感が走った。

 

「え?」

 

 床が揺れた。

 

 いや。

 

 揺れたというより――。

 

 そこにあったはずの床が、突然、消えた。

 

「うわっ!」

 

 身体が落ちる。

 

「たかふみ!」

 

 叔父さんの手が伸びてくる。

 

 俺も手を伸ばした。

 

「叔父さん!」

 

 指先が触れた。

 

 だが、掴めない。

 

 身体がさらに下へ引っ張られていく。

 

 何もない。

 

 上下も分からない。

 

 空気だけが身体の周囲を通り抜ける。

 

「くそっ!」

 

 叫んだ。

 

 次の瞬間、視界が白く染まった。

 

 音が消える。

 

 身体の感覚がなくなる。

 

 まるで世界そのものが、ページをめくるように切り替わったかのようだった。

 

     ◆

 

「――痛っ!」

 

 背中に衝撃が走った。

 

「……っ」

 

 俺はしばらく動けなかった。

 

 硬い床ではない。

 

 何か柔らかいものの上に落ちたらしい。

 

 手を動かす。

 

「……草?」

 

 指先に触れたのは、湿った草だった。

 

 土の匂いがする。

 

 風が頬を撫でる。

 

 鳥の声が聞こえる。

 

 俺はゆっくりと身体を起こした。

 

「……」

 

 言葉が出なかった。

 

 目の前に広がっていたのは、広大な草原だった。

 

 どこまでも続いているように見える緑。

 

 遠くには山々があり、そのさらに向こうにも別の景色が広がっている。

 

 空は青い。

 

 雲がゆっくりと流れている。

 

 風が草原を撫でるたび、無数の草が波のように揺れていた。

 

 日本では見慣れない光景だった。

 

 もちろん、似た景色なら日本にもある。

 

 田舎へ行けば、広い草原を見ることだってあるだろう。

 

 けれど、ここには決定的に違うものがあった。

 

 人工物がない。

 

 道路も。

 

 電柱も。

 

 建物も。

 

 車も。

 

 人の生活を示すものが、何も見当たらない。

 

「……ここ、どこだよ」

 

 思わず呟いた。

 

「たかふみ」

 

「!」

 

 聞き慣れた声がした。

 

 振り向く。

 

 少し離れた場所で、叔父さんが起き上がっていた。

 

「叔父さん!」

 

 俺は駆け寄った。

 

「怪我は?」

 

「大丈夫だ」

 

「本当に?」

 

「ああ」

 

 叔父さんは自分の身体を確認する。

 

 腕。

 

 脚。

 

 頭。

 

 大きな怪我はない。

 

 俺自身も確認した。

 

 痛みはある。

 

 だが、骨が折れているような感覚はない。

 

「……叔父さん」

 

「何だ?」

 

「ここ……日本じゃないよね?」

 

「ああ」

 

 叔父さんは短く答えた。

 

 そして、周囲を見渡す。

 

「グランバハマルでもない」

 

「……じゃあ、どこ?」

 

「分からない」

 

 叔父さんにも分からない。

 

 その事実が、逆に怖かった。

 

 異世界について誰よりも詳しいはずの叔父さんが、ここがどこなのか判断できない。

 

 つまり。

 

 俺たちは、本当に未知の場所へ飛ばされたということだ。

 

 俺はスマートフォンを取り出した。

 

 電源は入る。

 

 時刻も表示されている。

 

 しかし、通信は圏外。

 

「……やっぱりダメか」

 

「通信できないのか?」

 

「うん」

 

 画面を確認する。

 

 当然だ。

 

 ここが日本ではないのなら、携帯電話の電波が届くはずもない。

 

 俺はスマートフォンをポケットへ戻した。

 

「まずは人を探す」

 

 叔父さんが言った。

 

「人?」

 

「ああ。人がいれば、ここがどこなのか聞ける」

 

「……そうだね」

 

 それしかない。

 

 今の俺たちには、情報が何もない。

 

 だから歩く。

 

 人のいる場所を探す。

 

 そこから帰る方法を考える。

 

 それが現実的な判断だった。

 

     ◆

 

 草原を歩き始めて、しばらく経った。

 

 足元は平坦ではない。

 

 草に隠れた石がある。

 

 地面が少し盛り上がっている場所もある。

 

 歩くたびに靴底へ伝わる感触が変わる。

 

 日本の舗装された道路とは違う。

 

 当然のことなのに、その違いが妙に不安だった。

 

「叔父さん」

 

「何だ?」

 

「こういう場所って……魔物とかいる?」

 

「いる可能性はある」

 

「……やっぱり?」

 

「ああ」

 

 叔父さんは周囲を確認しながら歩いている。

 

 視線が止まることがない。

 

 草むら。

 

 木々。

 

 遠くの丘。

 

 岩陰。

 

 危険が潜んでいないか、常に確認している。

 

 それを見ていると、改めて思う。

 

 この人は十七年間、本当に異世界で生きてきたのだ。

 

 俺は今まで、その経験を話として聞いていた。

 

 でも今は違う。

 

 俺自身が、異世界にいる。

 

 もし魔物が現れたら。

 

 ゲームのようにメニューを開いて逃げることもできない。

 

 倒されてもリトライできるわけじゃない。

 

 死ねば終わり。

 

 その事実が、今さらながら重くのしかかってきた。

 

「……」

 

 俺は無意識に叔父さんとの距離を縮めた。

 

 そのとき。

 

「……止まれ」

 

 叔父さんが言った。

 

「え?」

 

「あそこだ」

 

 指差した先。

 

 遠くに、人影があった。

 

 一人。

 

 金色の髪。

 

 白い服。

 

 腰には剣。

 

 そして、その隣には――。

 

「……浮いてる?」

 

 小さな人影が、空中に浮かんでいた。

 

 俺は目を疑った。

 

 人間のように見える。

 

 けれど、地面には立っていない。

 

 その姿を見た瞬間。

 

 俺の中で、ある記憶が一気に蘇った。

 

 金色の髪。

 

 白い服。

 

 剣。

 

 そして、空中に浮かぶ小さな存在。

 

 俺は知っている。

 

 知っているどころではない。

 

 何度も見た。

 

 ゲームの画面で。

 

 公式映像で。

 

 イベントで。

 

 戦闘で。

 

 だから。

 

「……蛍」

 

 名前が、反射的に口から出た。

 

 少女が足を止めた。

 

「……?」

 

 こちらを見る。

 

 俺はしまったと思った。

 

 少女の表情が変わる。

 

 警戒している。

 

「私の名前を知っているの?」

 

「……」

 

 完全に失敗した。

 

 ゲームで知っている。

 

 そんなことを言えるわけがない。

 

 俺が答えに詰まっていると、隣から叔父さんが聞いた。

 

「知っているのか?」

 

「いや……」

 

 どう説明する。

 

 原神というゲームに登場するキャラクターだから。

 

 そんな説明をして、誰が信じる?

 

 そもそも。

 

 俺自身、まだ確信できていない。

 

 ここは本当にテイワットなのか。

 

 原神と同じ世界なのか。

 

 それとも、似ているだけの別世界なのか。

 

「……聞いたことがあるだけ」

 

 俺はそう答えた。

 

「名前を?」

 

「うん」

 

 蛍は納得していない様子だった。

 

 その隣の浮遊している存在が、さらに警戒を強める。

 

「お前、怪しいぞ!」

 

「え?」

 

「なんで蛍の名前を知ってるんだ?」

 

 その声。

 

 その姿。

 

 その口調。

 

 俺は確信してしまった。

 

「……パイモン」

 

「!」

 

 パイモンの目が大きく見開かれる。

 

「なんでオイラの名前まで知ってるんだ!?」

 

「いや、それは……」

 

 完全に墓穴だった。

 

 蛍が剣へ手を伸ばす。

 

 俺の背中に冷たい汗が流れた。

 

 その瞬間。

 

「待て」

 

 叔父さんが俺の前に出た。

 

 蛍の視線が叔父さんへ移る。

 

「敵意はない」

 

 叔父さんは落ち着いた声で言った。

 

「俺たちは、ここへ来たばかりだ」

 

「ここへ?」

 

「ああ」

 

「どこから来たの?」

 

「日本だ」

 

「日本……?」

 

 蛍が知らない言葉を聞いたように首を傾げる。

 

 その反応を見て、俺は改めて確信した。

 

 ここは日本ではない。

 

 そして。

 

 ここにいる少女は、俺の知っているゲームキャラクターと同じ姿をしているだけではない。

 

 今この瞬間も、俺たちを警戒し、自分の判断で行動している。

 

 生きている。

 

 現実の人間として。

 

 そのことを考えた瞬間。

 

 俺の背筋が冷たくなった。

 

     ◆

 

 そのときだった。

 

 草むらが揺れた。

 

「……!」

 

 蛍が振り向く。

 

 剣を抜いた。

 

「何かいるぞ!」

 

 パイモンが叫ぶ。

 

 俺も反射的に後ろへ下がる。

 

 草むらから何かが出てくる。

 

 人間ではない。

 

 毛に覆われた身体。

 

 仮面。

 

 手には木製の武器。

 

「……ヒルチャール」

 

 名前が口から漏れた。

 

 俺は知っている。

 

 ゲームの中で何度も戦った敵。

 

 序盤から登場する存在。

 

 強敵ではない。

 

 少なくとも、ゲームではそうだった。

 

 でも。

 

 目の前にいるそれは、ゲームの画面の中にいる存在とは違う。

 

 大きい。

 

 近い。

 

 息遣いが聞こえる。

 

 足音が地面へ響く。

 

 仮面の奥からこちらを見ている。

 

 その身体から漂う臭いまで分かる。

 

「……怖い」

 

 思わず呟いた。

 

 ゲームなら怖くない。

 

 画面の向こう側だからだ。

 

 けれど、今は違う。

 

 こいつが俺を殴れば痛い。

 

 倒れれば怪我をする。

 

 もし致命傷を受ければ――。

 

 そこで考えるのを止めた。

 

「たかふみ」

 

 叔父さんが前へ出た。

 

「下がっていろ」

 

「でも……」

 

「大丈夫だ」

 

 ヒルチャールが雄叫びを上げる。

 

「グオオオオッ!」

 

 木製の武器を振り上げ、こちらへ走ってきた。

 

 俺は一歩下がった。

 

 蛍も剣を構える。

 

 だが、その前に。

 

 叔父さんが片手を前へ向けた。

 

 風が変わった。

 

 周囲の草が一斉に揺れる。

 

 空気が渦を巻く。

 

「ワーグレント・マグナ――疾風操作」

 

 風が一気に吹き抜けた。

 

 ヒルチャールの身体が押し返される。

 

「グオッ!?」

 

 巨体が浮いた。

 

 そのまま地面を転がる。

 

 俺は目を見開いた。

 

「……これが、精霊魔法」

 

 叔父さんは答えない。

 

 すでに次の行動へ移っている。

 

 右手へ光が集まった。

 

 白い光。

 

 それが一本の刃へ変化していく。

 

「キライド ルギド リオルラン――光剣顕現」

 

 光が収束する。

 

 剣になった。

 

 叔父さんが握る。

 

 ヒルチャールが立ち上がった。

 

 再び突進してくる。

 

 武器が振り下ろされた。

 

 叔父さんは真正面から受け止めない。

 

 半歩だけ身体をずらす。

 

 木製の武器が空を切る。

 

 その勢いでヒルチャールの身体が前へ流れた。

 

 叔父さんの剣が閃く。

 

 ガキンッ!

 

 武器が弾き飛ばされた。

 

 ヒルチャールが怯む。

 

「今だ」

 

 叔父さんが短く言った。

 

 風が再び集まる。

 

「ワーグレント・グラッカ――疾風 断刃」

 

 風の刃が走った。

 

 ヒルチャールが吹き飛ばされる。

 

 そこへ。

 

 蛍が駆け込んだ。

 

 金色の髪が風になびく。

 

 剣が一閃した。

 

 ヒルチャールが倒れる。

 

 静寂が戻った。

 

「……」

 

 俺は息を吐いた。

 

 自分が息を止めていたことに、そこで初めて気づいた。

 

 叔父さんは光の剣を下ろす。

 

 光の刃がゆっくりと消えていった。

 

 蛍も剣を収める。

 

 パイモンが俺たちのほうへ飛んできた。

 

「おじさん、強いんだな!」

 

「そうでもない」

 

「いやいや、今の見たら十分強いだろ!」

 

 俺も思わず口を挟んだ。

 

「そうだよ。普通じゃないから!」

 

「そうか?」

 

「そうだよ!」

 

 叔父さんは本当に不思議そうな顔をしている。

 

 十七年間も異世界で生きてきた本人にとっては、これくらい普通なのかもしれない。

 

 けれど俺には分かる。

 

 この世界で戦うということが、ゲームとはまったく違うということが。

 

 そして。

 

 叔父さんの戦い方も、ただ力で押し切ったわけではない。

 

 敵の攻撃を見て。

 

 動きを読んで。

 

 体勢を崩して。

 

 そこへ魔法を重ねる。

 

 最後は蛍が仕留めた。

 

 俺は、その光景を見ていた。

 

 そして一つの疑問が浮かんだ。

 

 叔父さんが使った力。

 

 あれは、俺の知っているテイワットの元素とは違う。

 

     ◆

 

「さっきの力……」

 

 蛍が叔父さんを見る。

 

「元素の力ではないよね?」

 

「ああ」

 

 叔父さんは頷いた。

 

「これは精霊魔法だ」

 

「精霊魔法?」

 

「俺がいた世界で使っていた魔法だ」

 

 蛍は興味深そうに叔父さんを見る。

 

 パイモンも同じだった。

 

「元素とは違うのか?」

 

「ああ。精霊との契約や意思疎通によって力を借りる」

 

「へえ……」

 

 パイモンが周囲を見回す。

 

「この辺に精霊がいるのか?」

 

「いる」

 

「見えないぞ?」

 

「普段は見えない」

 

 叔父さんは淡々と答える。

 

 俺はその会話を聞きながら考えていた。

 

 やっぱり違う。

 

 ゲームで知っている元素反応。

 

 風元素。

 

 炎元素。

 

 水元素。

 

 雷元素。

 

 そういった力とは別物だ。

 

 叔父さんが使う精霊魔法は、テイワットの元素とは別の体系。

 

 だからこそ。

 

 この世界では、俺たちだけが持っている未知の要素になる。

 

「俺は高丘敬文」

 

 俺は改めて名乗った。

 

「こっちは叔父さん。嶋㟢陽介」

 

「私は蛍」

 

 金髪の少女が答える。

 

「よろしく」

 

「ああ」

 

 短いやり取り。

 

 それだけだった。

 

 でも。

 

 俺には妙に大きな出来事に感じられた。

 

 ゲームで知っていたキャラクターと話している。

 

 そんな感覚ではない。

 

 今、俺の目の前にいるのは。

 

 俺たちと会話し。

 

 警戒し。

 

 剣を握り。

 

 自分の意思で行動する一人の旅人だ。

 

 ゲーム画面の中のキャラクターではない。

 

 現実に生きている人間。

 

 その事実が、俺の中で少しずつ重くなっていった。

 

     ◆

 

「それで、蛍はどこへ向かっているんだ?」

 

 叔父さんが尋ねる。

 

「兄を探している」

 

「兄?」

 

「空」

 

 その名前を聞いた瞬間。

 

 俺の頭の中に、原神のストーリーが浮かんだ。

 

 空。

 

 蛍の兄。

 

 この世界で彼女が探している人物。

 

 ゲームでは知っている。

 

 いや。

 

 知りすぎているくらいだ。

 

 これから何が起こるのか。

 

 モンド。

 

 璃月。

 

 稲妻。

 

 スメール。

 

 フォンテーヌ。

 

 さまざまな出来事。

 

 さまざまな人物。

 

 俺はゲームを通じて、その一部を知っている。

 

 だからこそ。

 

 言わなかった。

 

 言うべきではないと思った。

 

 ゲームの知識が、この世界でもそのまま通用する保証はない。

 

 そもそも。

 

 すでに大きな違いがある。

 

 俺たちがいる。

 

 叔父さんがいる。

 

 精霊魔法まである。

 

 だったら、ゲームと同じ出来事になるとは限らない。

 

 ゲームではこうだった。

 

 だから現実もこうなる。

 

 そんな考え方は危険だ。

 

「俺たちは、日本へ帰る方法を探している」

 

 俺はそう答えた。

 

「日本……」

 

 蛍が考えるように呟く。

 

「ここからだと、まずモンドへ向かうのがいいと思う」

 

「モンド?」

 

 叔父さんが聞き返す。

 

「近くにある街だよ」

 

 パイモンが元気よく説明した。

 

「人もたくさんいるし、情報も集められるぞ!」

 

 モンド。

 

 その名前を聞いた瞬間。

 

 胸の奥がざわついた。

 

 知っている。

 

 俺は、その街を知っている。

 

 風神の国。

 

 西風騎士団。

 

 大聖堂。

 

 酒場。

 

 そして、ゲームで見た多くの人物。

 

 俺が最初に訪れた場所。

 

 物語の始まり。

 

 けれど。

 

 ここでは違う。

 

 ゲームの中ではない。

 

 俺たちはプレイヤーではない。

 

 この世界で生きていかなければならない。

 

「じゃあ、行こう」

 

 蛍が歩き出した。

 

 パイモンがその隣を飛んでいく。

 

 叔父さんが続く。

 

 俺も、その後ろを歩いた。

 

     ◆

 

 草原を歩く。

 

 風が吹く。

 

 草が揺れる。

 

 遠くに見える山々。

 

 青い空。

 

 知らない世界。

 

 俺はポケットの中にあるスマートフォンへ手を触れた。

 

 電波はない。

 

 日本へ連絡することもできない。

 

 家族へ連絡することもできない。

 

 元の世界へ帰る方法も分からない。

 

 頼れるのは、異世界経験者である叔父さん。

 

 そして――。

 

 俺がゲームを通じて知っている、この世界の知識。

 

 ただし。

 

 それを過信してはいけない。

 

 俺は改めてそう思った。

 

 ここにいる蛍は、ゲームのキャラクターではない。

 

 パイモンもそうだ。

 

 叔父さんだって、この世界には存在しなかった人物だ。

 

 俺自身もいる。

 

 ならば。

 

 これから起こる出来事が、ゲームと同じになる保証などどこにもない。

 

「……本当に、テイワットなのか」

 

 小さく呟いた。

 

 前方を歩く蛍とパイモン。

 

 そのさらに先には、モンドがあるはずだ。

 

 俺はゲームで知っている。

 

 でも。

 

 実際に自分の足で向かうのは初めてだった。

 

 ゲームなら、目的地までの道のりも、敵の位置も、イベントの流れも知っている。

 

 けれど現実では。

 

 草原のどこに危険が潜んでいるか分からない。

 

 次に誰と出会うかも分からない。

 

 そして。

 

 俺たちがこの世界へ来たことで、何が変わってしまうのかも分からない。

 

 それでも歩く。

 

 日本へ帰るために。

 

 この世界で生き残るために。

 

 そして。

 

 蛍が兄を探す旅に、俺たちも同行することになった。

 

 こうして。

 

 俺にとって初めての異世界生活が始まった。

 

 ただし。

 

 このときの俺は、まだ知らなかった。

 

 俺たちの存在そのものが、この世界の物語を少しずつ変えていくことを。

 

 そして――。

 

 十七年間異世界を生き延びた俺の叔父、嶋㟢陽介が。

 

 テイワットという新たな世界で、どんな騒動を起こしていくことになるのかを。




本作品の本文作成にはAIを使用しています。
AIを活用しながら、自分の考えた設定や展開を形にしていくという形で制作しています。

もちろん、AIに任せるだけではなく、自分でも内容を確認し、修正を加えながら作品としてまとめています。

ちなみに、原神をプレイしていて、その時々で「推しキャラ」が変わってきました。

これまでの推しキャラは、

胡桃 → 雷電将軍 → ファルザン → シャルロット → ヴァレサ → サンドローネ

という感じです。

そして現在の一番の推しは、サンドローネです。

今後、物語が進んでいく中で、推しキャラへの愛がどこまで作品に反映されるのか……そのあたりも楽しんでいただければと思います(笑)。

自分が読みたいと思える作品を、自分で作ってみよう。
そんな気持ちから始めた作品ですが、読んでくださる皆さんにも楽しんでいただけたら幸いです。

至らない点も多々あると思いますが、少しでも「読んでよかった」と思っていただけたら嬉しいです。

これからも楽しみながら作品を作っていきたいと思いますので、最後までお付き合いいただければ幸いです。

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