異世界おじさん、原神の世界へ   作:ところてんの

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第3話「旅人と異世界人」

 草原を抜ける風が、頬を撫でていった。

 

 さっきまでヒルチャールと戦っていた場所とは思えないほど、辺りは静かだった。

 

 遠くには緑の丘が続いている。

 

 ところどころに大きな岩があり、その向こうには森が見える。さらに視線を上げれば、青い空がどこまでも広がっていた。

 

 雲がゆっくりと流れている。

 

 日本で見る空と、特別違うわけじゃない。

 

 それなのに。

 

「……本当に、別の世界なんだな」

 

 俺は思わず呟いた。

 

 さっきまでは、目の前にヒルチャールがいた。

 

 ゲームの中では何度も倒した相手だ。

 

 攻撃パターンも知っている。

 

 出現する場所も、ある程度は分かる。

 

 けれど、実際に目の前に立ってみれば全然違った。

 

 武器を持って襲ってくる。

 

 こちらを殺そうとしてくる。

 

 攻撃を受ければ痛い。

 

 倒れれば、ゲームみたいに復活する保証なんてない。

 

 当たり前のことなのに、実際に経験すると重みが違う。

 

「たかふみ」

 

「ん?」

 

 前を歩いていた蛍が振り返った。

 

 その横にはパイモンが浮かんでいる。

 

 少し離れたところでは、おじさんが周囲を確認しながら歩いていた。

 

「どうしたの?」

 

「いや……ちょっと考え事」

 

「そう」

 

 蛍はそれだけ言うと、また前を向いた。

 

 余計なことは聞いてこない。

 

 そういうところは、ゲームで知っていた蛍の印象とあまり変わらない。

 

 でも。

 

 やっぱり本人が目の前にいると変な感じがする。

 

 ゲーム画面の向こうにいたキャラクターじゃない。

 

 今は同じ道を歩いている。

 

 同じ風を受けている。

 

 さっきの戦闘では、同じ場所で一緒に戦った。

 

 それだけで、俺の中にあった「原神」というゲームの感覚が少しずつ崩れていく。

 

「なあ、蛍」

 

「なに?」

 

「モンドって、あとどれくらい?」

 

「もう少し」

 

 蛍が遠くを見る。

 

「この道を進めば、モンドに着く」

 

「そっか」

 

「モンドってどんなところなんだ?」

 

 俺が尋ねると、パイモンがすぐに口を挟んだ。

 

「モンドは自由の国だぞ!」

 

「自由の国?」

 

「そうだぞ! 風神バルバトスが治める国で――」

 

「パイモン」

 

「なんだ?」

 

「説明、長くなりそう?」

 

「……たかふみ、オイラをなんだと思ってるんだ?」

 

「説明役」

 

「その通りだぞ!」

 

 胸を張るパイモン。

 

 その様子を見て、俺は少しだけ笑った。

 

 こういうところも、やっぱりゲームと変わらない。

 

 パイモンはいつでもパイモンだ。

 

「モンドには大きな街があるんだ。西風騎士団っていう組織が街を守ってる」

 

「へえ」

 

「冒険者も多いし、旅人もたくさんいる。酒場もあるぞ!」

 

「最後の必要?」

 

「大事だぞ!」

 

 パイモンが真剣な顔をする。

 

「旅には食事と休憩が必要だからな!」

 

「それはまあ……確かに」

 

 俺が頷くと、パイモンは満足そうに笑った。

 

 その少し後ろで、おじさんが口を開く。

 

「食事か」

 

「おじさん?」

 

「異世界でも食事は重要だった」

 

「……また異世界の話?」

 

「ああ」

 

 おじさんは淡々と答える。

 

「食えるものがあるうちに食っておく。食料が手に入らない場所もあるからな」

 

「まあ、それは分かるけど」

 

「SEGAのゲームでも――」

 

「なんでそこにSEGAが入るんだよ」

 

 俺が突っ込む。

 

 おじさんは少し考えた。

 

「ゲームにも食事要素はある」

 

「現実の話からゲームに飛ぶなよ」

 

 パイモンが笑う。

 

「おじさんって、本当にゲーム好きなんだな!」

 

「当然だ」

 

「その自信はなんなんだよ……」

 

 俺は呆れながら歩いた。

 

 少し前までなら、こんな会話をしている余裕なんてなかったと思う。

 

 異世界に飛ばされた。

 

 ヒルチャールに襲われた。

 

 目の前ではゲームのキャラクターが動いている。

 

 そんな状況なのだから、もっと緊張していてもおかしくない。

 

 それでも、こうして歩いていると少しずつ落ち着いてくる。

 

 もちろん、不安がなくなったわけじゃない。

 

 むしろ逆だ。

 

 落ち着いてきたからこそ、考えることが増えている。

 

 これからどうするのか。

 

 日本に帰れるのか。

 

 おじさんはどうするのか。

 

 俺はどうするのか。

 

 そして。

 

 蛍は、この世界で何をしているのか。

 

 ゲームを知っている俺にとって、蛍が旅人であることは当たり前だった。

 

 でも、本人から直接聞いたことはまだない。

 

 俺は少し迷ったあと、蛍に声をかけた。

 

「蛍」

 

「うん?」

 

「一つ聞いていい?」

 

「いいよ」

 

「蛍は……なんで旅してるんだ?」

 

 蛍の足が、ほんの少しだけ止まった。

 

 パイモンも黙る。

 

 おじさんもこちらを見る。

 

 風の音だけが聞こえた。

 

「……兄を探してる」

 

「兄?」

 

「うん」

 

 蛍は短く答えた。

 

「兄がいるの」

 

 俺は知っていた。

 

 ゲームをやっていたから。

 

 旅人には双子の兄がいる。

 

 名前は空。

 

 蛍と空。

 

 どちらが主人公になるかはプレイヤーが選ぶ。

 

 俺がゲームで操作していたのは蛍だった。

 

 だから、この世界では空が兄として存在している。

 

 それも知っている。

 

 でも。

 

 本人の口から聞くと、やっぱり印象が違った。

 

「……空っていうのが、お兄さん?」

 

「そう」

 

「今、どこにいるんだ?」

 

「分からない」

 

 蛍は前を向いたまま答えた。

 

「最初は一緒だった」

 

「最初?」

 

「この世界に来たとき」

 

 蛍はゆっくりと話し始めた。

 

 自分と兄は、もともと別の世界を旅していた。

 

 いくつもの世界を渡り歩いていた。

 

 そして、この世界――テイワットに来た。

 

 だが、そこで何かが起きた。

 

 謎の神。

 

 突然の襲撃。

 

 そして兄との離別。

 

 気がついたときには、蛍は一人になっていた。

 

「兄とは、離れ離れになった」

 

「……」

 

「それから、ずっと探してる」

 

 蛍の声は落ち着いていた。

 

 泣いているわけでもない。

 

 怒っているわけでもない。

 

 ただ、目的を口にしている。

 

 兄を探す。

 

 それだけだった。

 

「だから、テイワットを旅してる」

 

「なるほど……」

 

 俺はそれ以上、すぐには言葉が出てこなかった。

 

 知っていた話だ。

 

 ゲームのオープニングでも見た。

 

 でも、ゲームではなかった。

 

 ここでは、本当に兄妹が離れ離れになっている。

 

 蛍にとっては、空は「設定」じゃない。

 

 実際に一緒に旅をしていた兄だ。

 

 会いたいと思うのも当然だ。

 

「兄さん、見つかるといいな」

 

 俺がそう言うと、蛍はこちらを見た。

 

「ありがとう」

 

 それだけだった。

 

 でも、その表情が少しだけ柔らかくなった気がした。

 

 パイモンも頷く。

 

「オイラもずっと蛍と一緒に兄ちゃんを探してるんだ!」

 

「そうなのか」

 

「そうだぞ!」

 

 パイモンが胸を張る。

 

「だから、モンドにも行くんだ。モンドなら情報が集まるかもしれないからな」

 

「情報か」

 

「うん」

 

 蛍が答えた。

 

「旅をしながら、兄の手掛かりを探してる」

 

「……」

 

 俺は少しだけ黙った。

 

 旅をしながら兄を探す。

 

 ゲームで聞けば、普通の目的に聞こえる。

 

 でも現実に置き換えると、かなり大変だ。

 

 知らない土地を歩いて。

 

 知らない人に話を聞いて。

 

 危険な場所にも行って。

 

 それでも手掛かりが見つからないことだってある。

 

 それを、蛍はずっと続けている。

 

「おじさん」

 

 俺が振り返る。

 

 おじさんは少し離れた場所を歩いていた。

 

「どうした?」

 

「蛍の話、聞いてた?」

 

「ああ」

 

 おじさんは答えた。

 

 それから、蛍を見る。

 

 しばらく何も言わなかった。

 

 普段のおじさんなら、ここで変なことを言うかもしれない。

 

 異世界の話に例えるか。

 

 ゲームの話にするか。

 

 あるいはSEGAの話に持っていくか。

 

 俺はそんなことを考えていた。

 

 けれど。

 

「帰りたいっていうのは、分かる」

 

 おじさんはそう言った。

 

 短い言葉だった。

 

「……」

 

 俺は思わず、おじさんを見る。

 

 蛍もおじさんを見ていた。

 

「俺も長い間、帰れなかった」

 

 おじさんは前を向いたまま続ける。

 

「帰る方法が分からない場所にいるのは、簡単じゃない」

 

「おじさん……」

 

「だから、兄を探す気持ちは分かる」

 

 それだけ言って、おじさんは黙った。

 

 俺は少し意外だった。

 

 おじさんは、異世界での出来事をよく話す。

 

 グランバハマルで何をしたとか。

 

 どんな魔物と戦ったとか。

 

 どんな魔法を覚えたとか。

 

 そして、SEGAのゲームがどれだけ素晴らしいか。

 

 俺が聞いている限り、おじさんは異世界での生活を、かなり軽い調子で話すことも多い。

 

 もちろん、本当に軽く考えているわけじゃない。

 

 それは分かっている。

 

 でも。

 

「帰れない」という話だけは違う。

 

 そこだけは、おじさんが冗談にしない。

 

 俺は何度もそれを見てきた。

 

 日本に帰れたときのおじさんが、どれだけ安心していたか。

 

 元の世界に戻ってからも、異世界での生活を忘れているわけじゃない。

 

 むしろ、今もずっと抱えている。

 

 だからこそ。

 

 蛍の話が他人事には聞こえなかったのだと思う。

 

「おじさんも、日本に帰りたいんだよな」

 

「ああ」

 

「まだ帰る方法は分からない?」

 

「分からない」

 

 おじさんは即答した。

 

「この世界に来た理由も分からない。帰る方法も分からない」

 

「そっか」

 

「ただ、探すしかない」

 

 俺はその言葉を聞いて、蛍を見る。

 

 蛍もおじさんを見ていた。

 

 二人の目的は違う。

 

 蛍は兄を探している。

 

 おじさんは日本に帰ろうとしている。

 

 でも。

 

 どちらも、離れてしまった大切なものを取り戻そうとしている。

 

「……似てるな」

 

 俺が呟く。

 

 蛍が少し考える。

 

「そうかもしれない」

 

「俺は兄を探す」

 

「俺は日本へ帰る」

 

 蛍とおじさんが、ほぼ同時に言った。

 

「目的は違うけど」

 

 蛍が続ける。

 

「旅を続ける理由にはなる」

 

「ああ」

 

 おじさんも頷いた。

 

「十分だ」

 

 それだけだった。

 

 俺は二人を見ながら、少しだけ笑った。

 

「なんか、妙な組み合わせだな」

 

「そう?」

 

 蛍が首を傾げる。

 

「兄を探してる旅人と、日本に帰りたい異世界人だぞ」

 

「たかふみもいる」

 

「俺?」

 

「うん」

 

 蛍がこちらを見る。

 

「たかふみは?」

 

「え?」

 

「あなたは、どうしたいの?」

 

「……」

 

 急に話を振られて、俺は言葉に詰まった。

 

 どうしたい。

 

 そんなこと、まだ考えていなかった。

 

 日本に帰りたい。

 

 もちろんそうだ。

 

 俺の家は日本にある。

 

 生活も日本にある。

 

 友達もいる。

 

 それに、ここはゲームの世界だと思っていた。

 

 だから、最初は「戻る方法を探す」ということしか考えていなかった。

 

 でも。

 

 今は少し違う。

 

 蛍は兄を探す。

 

 おじさんは日本へ帰る。

 

 そして俺は――。

 

「……俺も帰るよ」

 

「日本に?」

 

「うん」

 

 俺は頷いた。

 

「俺も日本に帰りたい」

 

「そう」

 

 蛍はそれ以上聞かなかった。

 

 ただ、少しだけ頷いた。

 

 パイモンが明るい声を出す。

 

「じゃあ、みんな目的はあるんだな!」

 

「まあ、そうなるな」

 

「なら一緒に旅すればいいじゃないか!」

 

「簡単に言うなよ」

 

「でも、もう一緒にいるだろ?」

 

「それは……そうだけど」

 

 言われてみれば、その通りだった。

 

 俺たちは、まだ出会ってからそれほど時間が経っていない。

 

 なのに、もう同じ道を歩いている。

 

 蛍とパイモン。

 

 おじさん。

 

 そして俺。

 

 変な四人組だ。

 

 少なくとも、俺がゲームをやっていた頃には絶対に存在しなかった組み合わせだ。

 

 俺は遠くに見える山を眺めた。

 

 ゲームの中では、目的地までの道なんてほとんど意識していなかった。

 

 マップを開いて。

 

 目的地を確認して。

 

 必要ならワープポイントを使う。

 

 敵が出れば倒す。

 

 素材を拾う。

 

 それだけだった。

 

 でも今は違う。

 

 歩けば疲れる。

 

 腹も減る。

 

 喉も渇く。

 

 道を間違えれば戻らなければならない。

 

 敵が出れば戦わなければならない。

 

 そして、何より。

 

 俺たちには「ゲームオーバー」がない。

 

「……本当に、ゲームじゃないんだな」

 

 また口から言葉が漏れた。

 

「何か言った?」

 

 蛍が聞く。

 

「いや」

 

 俺は首を振った。

 

「こっちの話」

 

 ゲームだったら、俺は画面の向こうから蛍を操作していた。

 

 敵が来れば、攻撃ボタンを押す。

 

 回避する。

 

 元素スキルを使う。

 

 必要なら料理を食べる。

 

 そして、失敗してもやり直せる。

 

 でも今は。

 

 俺自身が歩いている。

 

 自分の足で地面を踏んでいる。

 

 自分の目で空を見ている。

 

 自分の耳で風の音を聞いている。

 

 ヒルチャールに襲われたときも、画面の中の出来事ではなかった。

 

 あれは現実だった。

 

「たかふみ」

 

「ん?」

 

 おじさんが呼んだ。

 

「前を見ろ」

 

「え?」

 

 おじさんが指差す。

 

 遠くの丘の向こう。

 

 そこには大きな石造りの建物らしきものが見えていた。

 

 街。

 

 いや。

 

 まだ距離があるから、はっきりとは分からない。

 

「モンドか?」

 

 俺が聞く。

 

「たぶん」

 

 蛍が答えた。

 

 パイモンが嬉しそうに声を上げる。

 

「モンドが見えてきたぞ!」

 

「本当に?」

 

「ほら!」

 

 パイモンが指を伸ばす。

 

 確かに見える。

 

 遠くの景色の中に、巨大な風車がいくつか立っていた。

 

 そして、その向こう。

 

 高い城壁に囲まれた街がある。

 

 俺は思わず立ち止まった。

 

 見覚えがある。

 

 ゲームで何度も見た景色だ。

 

 モンド。

 

 最初に旅人が訪れる国。

 

 西風騎士団が街を守り、風神を信仰する人々が暮らしている場所。

 

 俺にとっては、何度も見たことのある街だった。

 

 でも。

 

 今は初めて見る。

 

「……すごいな」

 

 思わず声が出た。

 

「ゲームで見るより、ずっと大きい」

 

「ゲーム?」

 

 蛍がこちらを見る。

 

「……いや」

 

 俺は慌てて誤魔化した。

 

「なんでもない」

 

「そう?」

 

「うん」

 

 危ない。

 

 また余計なことを言うところだった。

 

 俺は自分の口を少しだけ警戒した。

 

 ゲームの知識を持っていること。

 

 この世界について知っていること。

 

 それを、どこまで話していいのかはまだ分からない。

 

 おじさんにも言われた。

 

 ゲームの世界と現実の世界が同じとは限らない。

 

 俺自身も、もうそれを実感し始めている。

 

 だから、知っていることを全部話すのはやめておこう。

 

 今は、それでいい。

 

「たかふみ」

 

 蛍が歩き出す。

 

「行こう」

 

「ああ」

 

 俺も歩き出した。

 

 隣には蛍。

 

 少し前にはパイモン。

 

 その向こうには、おじさん。

 

 四人で、モンドを目指して進んでいく。

 

 風が吹く。

 

 草が揺れる。

 

 遠くで鳥が飛んでいる。

 

 ゲームでは何度も見ていた風景。

 

 だけど今は、その一つ一つが現実だった。

 

 そして俺は気づいた。

 

 もう俺は、ゲームの中の旅人を見ているだけじゃない。

 

 俺自身が、この世界を歩いている。

 

 蛍が兄を探す旅。

 

 おじさんが日本へ帰る旅。

 

 そして俺自身も、日本へ帰るために、この旅についていく。

 

「……まあ、なるようになるか」

 

 俺が呟く。

 

「何か言ったか?」

 

 おじさんが振り返る。

 

「いや、なんでもない」

 

「そうか」

 

 おじさんはそれ以上聞かなかった。

 

 その横で、パイモンが叫ぶ。

 

「ほら、早く来いよ! モンドはもうすぐだぞ!」

 

「分かったって!」

 

 俺は走り出した。

 

 蛍も少しだけ速度を上げる。

 

 おじさんはいつものように淡々と歩いている。

 

 その背中を見ながら、俺は思った。

 

 この先、何が起こるのか。

 

 ゲームなら、だいたい知っている。

 

 でも。

 

 この世界では、きっと同じにはならない。

 

 なぜなら。

 

 俺たちが、ここにいるからだ。

 

 蛍の隣に、俺がいる。

 

 そして。

 

 おじさんもいる。

 

 ゲームには存在しなかった異世界人が、この世界を歩いている。

 

 それだけで、何かが変わる可能性はある。

 

 だったら。

 

 俺はもう、ゲームの展開を追いかけるだけではいられない。

 

 目の前にいる人たちを見て。

 

 自分で考えて。

 

 自分で選ぶしかない。

 

 遠くに見えるモンドの街が、少しずつ大きくなっていく。

 

 俺たちは、そのまま街へ向かって歩き続けた。

 

 まだ知らない世界へ。

 

 そして。

 

 それぞれの目的を果たすために。

 

 俺たちの旅は、始まったばかりだった。

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