ひょんなことからモブ生徒に憑依転生したブルアカプレイヤーが、原作やネームドキャラに関わらないようにひっそり生きようとして結局友達になったり原作に関わったりする話。

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ずっと頭の中で温めていたネタを書いたら思ったよりも筆が進んだので、とりあえず書ききってみました。

温かい目で読んでいただけると嬉しいです。


キヴォトスの今日の天気〜晴れ時々弾雨〜

目が覚めると、TS転生していた。

 

トラックに轢かれたわけでもなければ、通り魔に背中を刺されたわけでもない、神様が出てきて『間違えて殺しちゃった♪』とか言われた覚えもない。仕事を終えて家に帰り、夕食を食べて風呂に入りソシャゲの周回をして眠っただけなのだ。

 

「……痛い……夢じゃ、ない?!はっ!?嘘、胸がある!?ま、まさか…無い無い、無い!?…は、え、尻尾!?か、身体から生えてる?」

 

寝ぼけ眼で洗面台に立ち、顔を洗ってさっぱりしたところで鏡を見たところで気づく。目の前にはいつもの自分の顔ではなく、黒髪で毛先が灰のくせっ毛、しっかりとした眉毛にキリっとした緑色の瞳のボーイッシュフェイス美少女がいたのだ。

頬を引っ張ると痛みを感じ、そこで夢ではなく現実と気づき、そのまま意識は顔より下──胴体へ。

顔を下げるとそこには大きすぎず小さすぎない、ふくよかな双丘があり、触り心地も抜群。

嫌な予感を感じ、胸から手を離してパジャマズボンに手を突っ込みまさぐると、そこには前世を共にした相棒がいなかった。

現実を受け入れられずに下半身をまさぐっていると背後に気配を感じ振り向くと、そこには悪魔のような尻尾が自分の身体から生えていた。

 

「この尻尾に頭の輪っか、もしかして──おぉう!?ば、爆発!?」

 

先ほどから頭の上に浮かぶ黒く輝く輪っかに触れてみようと手を伸ばしたところで、突如外から爆発音。

頭の中に浮かんだ「とある考え」を否定するために、窓に近づき勢いよく開き、外を確認する。

 

「いやいやいやいやそんなバカなことがあるわけ───マジ、かよ」

 

晴れ渡る青空にはとても大きな『ヘイロー』、そんな青空の下には『ヘルメットを被ったり「×」のついた黒マスクをつけたセーラー服の少女』達が『銃撃戦』を繰り広げている。

そう、『ブルーアーカイブ』の世界に転生したのだ。

 

 

○○○○○

 

 

【ブルーアーカイブ】。

韓国のNexon Gamesが開発し、Yosterによって翻訳・運営されているスマートフォン向けゲームアプリ。

物語の舞台となるのは、数千の学園が連邦を形成する超巨大学園都市【キヴォトス】。プレイヤーは学園都市の行政を統括する連邦生徒会に新設された部活・連邦捜査部【シャーレ】に赴任し、キヴォトスでただ一人の“先生”として、頭上にヘイローを浮かべ一癖も二癖もある生徒達から日夜舞い込む相談に応じて、東奔西走する何でも屋のように活動しながら、彼女らの抱える問題を解決していく、【透き通るような世界観で送る学園RPG】──

 

『オラオラ、どきやがれぇ!』『ヒャッハー、金がたんまりだぁ!』『ヴァルキューレが来る前に逃げるぞ!』

 

──なのだが、ブルアカ世界では生徒達は銃火器を携帯電話レベルで所持しているのが当たり前で、銃を持っていない人は裸で歩いている人よりも少ないレベル。コンビニや自動販売機で弾薬や手榴弾等を購入することもでき、各学園は戦車や戦闘ヘリを当然の様に保有。各学校から流出した弾薬や戦車などの備品を不法に売買するブラックマーケットもあり、人型の戦闘ロボット【オートマタ】や【ドローン】は時に暴走し、都市内の企業が当然のようにPMCを有しているなど、基本的に死ぬほど治安が悪く、【美少女ゲームの皮をかぶったGTA】や【きららGTA】などと呼ばれている(出典:某百科事典より)。

 

「はぁぁぁ、マジかぁ、よりによってブルアカかぁ…」

 

外で爆発が起きてから約30分後。

現状把握を終え、部屋にあった椅子に座り頭を抱えて色々なことを考えていた。

『仕事にいかなくていい!』や『自分の好きな原作キャラに会える!』なんてことを最初に考えていたが、『自分がこの美しい物語に入っていいのか』や『家族より先に死んでしまった』、『この体の本来の持ち主はどうなってしまったのか』など次第に深い後悔に苛まれていた。

 

「んんん……しかし、この体の持ち主も大変だったんだな」

 

手に持っているのは1枚の通知書。

要約すると、『あなたが本来行く予定だった高校が閉校し自治区がゲヘナと統合されたので、あなたはゲヘナ学園に入学してね』と書かれており、用紙の裏には自身の顔写真が貼られた【ゲヘナ学園】の学生証があった。

 

「よりによってゲヘナに入学とかさぁ…、運悪すぎるだろ…!」

 

【ゲヘナ学園】

ブルーアーカイブ内で出てくる学園で、キヴォトス三大高校の一つ。校訓として「自由と混沌」を掲げており、学区内は世紀末を思わせるほど治安が悪く、学級崩壊は当たり前。ゲヘナヨコチチハミデヤン(天雨アコ)を始め、ゲヘナバカマコト(羽沼マコト)ゲヘナシロモップ(空崎ヒナ)テロリスト集団(美食研究会・温泉開発部)Unwelcome School(便利屋68)など、原作キャラも中々に濃いメンツが揃っている。

そんな弱肉強食の学園に入学することになった本来の体の持ち主は深く絶望していたようで、机にあった彼女が書いたと思われる日記帳には『ゲヘナ怖い、行きたくない、でも廃校後に学区に取り込んでもらったおかげで学籍が残ったし……』と苦悩などがひたすらに書かれており、彼女が思い詰めていたことが読み取れた。

 

「──とりあえず、今俺がやることは乗っ取ったこの娘の代わりにゲヘナに行って、平穏無事な学校生活を送ること!……そして何より、下手に関わってゲーム通りに行かなかったら大変だから、原作ストーリーと原作キャラには関わらないようにすること!この世界がプレ先世界線じゃないことを願いつつ、これか生活頑張るぞーッ!」

 

机の上の日記を閉じ、これからのことに思いをはせる。

外から聞こえる銃撃音や爆発音を聞き、今後の生活や今いる世界がどの世界線なのかなど多くの不安を抱えながらも、ブルーアーカイブの世界に足を踏み出すのだった。

 

 

○○○○○

 

 

キヴォトスにTS転生してから約一年。

その間色んなことがあった。

生き倒れていた同級生を助けた結果懐かれたり、同級生が会社を設立すると言ったり、定食屋に入った瞬間爆発に巻き込まれたり、本屋に入った瞬間爆発に巻き込まれドリルに吹き飛ばされたり、給食を食べに行くとなぜか給食作りに巻き込まれたり、自習中に喧嘩が始まったかと思えばそのまま教室で銃撃戦、止める為に戦いに参加したら風紀委員会に捕まったり、電車に乗ったらハイジャックに巻き込まれ、解決するために戦った結果またもや風紀委員会に捕まったり……とりあえず碌な目に遭わなかった。

結局一年前に掲げた『原作キャラに関わらない』という目標もほとんど守れなかったが、結果としてネームド非ネームド問わず多くの友達が出来た。

それに、もう一つの目標『原作ストーリーに関わらない』は成功した……はず!

そんな今何をしているかと言うと──

 

「──おーしおしおし、そのままじっとしてろよ……よし捕獲っ!」

 

──商店街に生えている木の上に登って降りれなくなった猫を捕まえていた。

 

「ありがとうねぇショウコちゃん、この子ってば自分で木の上に登ったのに降りれなくなっちゃったみたいでねぇ、ショウコちゃんがいてくれて助かったわぁ!これお礼代わりだから、帰って食べてちょうだい!」

 

「おっ?これは…浅漬けか!おばちゃんの浅漬け美味いんだよな、食べ終わったらタッパー返すわ!」

 

「おぉショウコじゃねぇか!この前は電球変えてくれてありがとうな!安静にしてたおかげでホレ、すっかり元通りってもんよ!」

 

「おいおい、この前腰をいわしたばっかなんだからもうちょっとゆっくりしとけよ、スズメのオッサン」

 

「あらぁショウコちゃん、今日も可愛いわねぇ。はい、飴ちゃんあげるわぁ」

 

「ありがとうなチワワのばあちゃん、家に戻りながら食べさせてもらうよ」

 

こうして人情溢れる商店街の人達との触れ合いを終えると、ゲヘナ自治区の端の方にある自分の住むアパートに入った。

 

「ただいま〜…つったって、まぁ俺一人しかいないんだけどな」

 

ドア横にある荷物掛けに先程まで使っていた通学バッグを掛けると、台所のやかんに水を入れガスコンロでお湯を沸かす。

エンジェルマートで購入したカップ麺にお湯を注ぎ、パックご飯を温め貰った浅漬けを皿に盛り付け夕食を取る。

 

「『シャーレの先生就任』ねぇ…そろそろ原作開始か。となると、もうちょいしたら先生がイオリの足を舐めに来るはずだし、そのうちからかいに行こ!そういえばそろそろイズミが突撃してくるころだし、明日ぐらいに食材買いに行かなきゃな……それじゃあ、いただきます!」

 

食べ終えて学校の課題をしてから転生してから書き続けている日記を書き、日課の『テイルズ・サガ・クロニクル(クソゲー)』をキレながらプレイ、そして夜11時頃に眠りにつく。

 こうしてゲヘナモブに憑依転生した俺、『知杖(ちどり) ウエ』の一日は終わりを迎えるのだった。

 

「何でここでSTARTボタン以外押すと死ぬんだよこのクソゲーがぁぁあ!!こんなゲームやってられるかぁぁあ!!」

 

 

○○○○○

 

 

深夜2時。

真っ暗な部屋に一人立ち尽くし、手に持った『TSC』のカセットを見つめ続けているウエ。

しかし、雰囲気はいつもと違い明るさが鳴りを潜めており、瞳の色も青色に鈍く輝いていた。

 

「そんなに嫌なら、やらなきゃいいのに…意味分かんない…」

 




ある程度書きたいこと書けたので少し満足しました。
また続きを書くと思うので、その際は読んでいただけたら幸いです。

以下登場キャラの設定

設定
『オリ主』または『俺』
ブルアカに転生した元社会人。
前世でも今世でも二次元系作品や遊ぶこと食べることが大好き。
一人称は『俺』、性格は朗らかでお人好しだが、自分一人だったり心を許した相手の前だとになる。
前世の倫理観が残っているため困っている人がいたら助ける、人に向けて銃を撃つことに抵抗感がある、強盗どころか犯罪行為をほとんどしない、とキヴォトスではとても善性寄りの生徒になった。
『ウエ』を知る中学の同級生には性格が変わったことを『高校デビュー』ということで通している。
原作知識は水着姿万魔殿まで、二部ゲヘナ編配信前に転生したため今後ゲヘナで何が起こるのか何も知らない状態。


『知杖 ウエ』
オリ主が入った体の本来の持ち主。
ゲヘナに隣接する小規模自治区の学園に通う予定だったが、借金や人数不足により閉校。本来であれば自治区学籍なしの不良の仲間入りだったが、ゲヘナ自治区に合併・ゲヘナ学園への入学が決定。学籍があることに最初は喜んでいたがゲヘナの世紀末っぷりに絶望し心の奥底に閉じ籠った。
現在は心の奥底で『俺』の動かす『知杖 ウエ』や『俺』の前世の記憶などを見たり、『俺』が意識のない間身体を動かしている。『オリ主』は『知杖 ウエ』が体の奥底にいる事や体を動かしていること前世含めた自分の全てを見られている事には一切気づいていない。
一人称は『私』、性格は内向的で陰気な性格。

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