〜虚弱田中に転生〜『原作知識チートがチートじゃない世界で【恐ろしすぎる大魔王・蝉原勇吾】と相対する話』 作:楓舞星
心臓に杭が刺さったかのような状態である。死にかけだ。
でも、これで全てが解決した...蝉原の脅威も、私たちを囲む宿命も...
私はゴフッと血を吐きながらセンと合体を解除する。そうすると、無傷のセンが私に駆け寄ってくる。
「おい!ムラハネ!大丈夫かっ!」
私はなんとかサムズアップしてみせるが、限界は近いであろう。
だが、これで全てが終わったと思うとなんだが、晴々とした気分になる。だってそうだろう?学生時代からの目的を達成出来たのだから。
今後の展望としては、センが死ぬまで異世界に行くことはないだろう。だが、ラムドに呼び出されるという『運命』は変わっていない為、多分、普通にセンのコアオーラとラムドがくっつきそこで活躍することになる。原初の世界では、本編蝉原が色々手を打ってくれるだろうから、原作のストーリーはそのまま続くはず。
......田中家という異物はこの世からシグレ以外いなくなり、センという英雄のみが残った。確かに、蝉原の無茶により世界人口は40億人をきりかける事態となったが、それでも、皆は健気に生きている。
300人委員会も壊滅しているとはいえ、類似組織はまた出来ることだろう。
だから、大丈夫だ。
私の『タイジするシガナイ運命』の能力は、基本的にも『運命』に強くなったり、運命属性相手に強くなったり、目の前の物事が『運命』かどうかを見分けることが出来る...だが、本質は『運命を破壊する力』を『代償を払って』得ることが出来る能力。端的にいえばそれまでの能力だ。だが、それのおかげで3000vs800という差を覆すことができた。
暴露のアリア・ギアスも積みに積んだ。それがなかったら、負けていた可能性もある。
良かった...本当に...
「トウシ...ようやく、私も向こうに行くからね」
虚数アルファのここがどういう魂魄処理機構を通っていくのかは定かではないが、私の場合だ。まともなリサイクルはされないだろう。転生などはもうしない。
そんなことを考えていると...
「た、頼む...し、死なないでくれ」
センが私にせがんできた。なんでだろう?
「なん...で?」
「も、もう一度合体するぞ!それで傷を治して、話はそれからだ!」
「シグレ姉さんもトウシも...ゴンズおじさんも殺された...もう、この世界にほとんど未練はない。それに、これは私の能力の代償だから...」
蝉原が爆発するという運命を打破する代わりに死亡する...その程度しか、私には出来ることはなかった。
もういい。私がそういうと、センは黙った。
私は死ぬんだろうなと、どくどく溢れる血を見ていた時だった。その血がだんだんと、私を囲んで魔法陣の形になっていく。
なんだろうと思い、『形見』であるウェスタを召喚すると...
ピカピカとウェスタは光っていた。そして、
「キュイイイィィ!!!」と声をあげる。
何が始まるんだと思った時だった。視界が光に染まった...それは転移の光景と同じだった。気づいたとき、私は、道路の交差点におり...
彼、センエースが私の状態を見てか一瞬動揺した顔になった。
み つ け た。
そう思った。
『最愛なる奔放なるモノへ』。発動。
目の前にはセンと私が重なるように直線上にトラックは線を轢いてーーー
ーーー2度目の、トラック転生をすることになった。
ご愛読ありがとうございました!最終回まで無事にやって来れてよかったです。正式続編はまだ続いているので、どうかよければどうぞ!(╹◡╹)https://syosetu.org/novel/427417/