病室の時計は、知らない数字の並び方をしていた。
久遠は目を覚まして、しばらくそれを見ていた。眠ったはずなのに、図書館の床から起き上がる夢を何度も見た。伸ばした右手が黒い頁に触れるたび、目が開く。
右手を上げる。指は五本ある。爪の形も、皮膚の色も見える。
それでも、図書館に残してきた小さな指が痛んだ。
昨日シャマルに話したから、夢の中だけのことだとは思わずに済む。だが今の手で何かを掴むと、痛みがないことのほうが奇妙だった。
扉の向こうで車輪の音がした。医療区画の朝は、久遠が知っている朝と同じように始まるらしい。誰かが食事を運び、誰かが起きて、それぞれの用事へ向かう。
久遠には、今日行くところが分からなかった。
寝台の端へ足を下ろす。長い足が床に届いた。歩くのに不自由はない。昨日まで誰かが使っていた身体で、初めて自分の意思で立った。
「ヌメロンを、返してください!」
少女の声を思い出し、思わず足を止めた。
返せるなら、返したい。そう考えたあとで、自分にはその人がどこへ行ったのかも分からないことに気づく。
彼女は、久遠を傷つけるために叫んだのではない。帰ってくると約束した人を捜していた。その目だけは、久遠にも分かった。
戸を叩く音がした。
「起きてる?」
「うん」
シャマルが朝の診察に来た。久遠が立っているのを見ると、まず足元を確かめる。
「歩いて、ふらつかない?」
「大丈夫」
「では、昨日の手は?」
久遠は右手を開いた。
「痛い気はする。でも、これを触ると痛くない」
寝台の縁を軽く叩いてみせる。シャマルは頷き、端末に書き込んだ。
「今日も調べるわ。見た目に怪我がないから、もう気にしなくていいとは言えないもの」
「シャマルさんって、昔からそうだよね」
「何が?」
「大丈夫だって言っても、ちゃんと聞いてくれる」
シャマルが端末から顔を上げた。久遠の笑い方も、昨日から何度か見た。相手に何かを心配させないようにする時の顔だった。
「久遠君。あなたが『大丈夫』と言ったことも聞いているわ。でも、痛いとも言ったでしょう。そちらも聞くのが私の仕事よ」
「……うん」
「それから、昨日は時間のことを後回しにしたから。今日はあなたの質問にも答えたい」
久遠は窓の外を見る。空は青い。昨日の空も、十年以上前の空も、見ただけでは区別がつかない。
「なのはたちが、大人になるくらい?」
「そう。それくらいの時間が過ぎたわ」
「ボクも?」
「あなたには、その間の記憶がない。今の身体は大人の身体よ。でも、この身体があなたと一緒に年を重ねたわけではないの」
久遠は寝台へ腰を下ろした。
「昨日、あの子が握っていた手だね」
「ええ。ヌメロンが使っていた身体だった」
「ボクが起きたから、いなくなった?」
「起きた時にはここにヌメロンの意識はなかった。順序が同じだからといって、あなたが追い出したと決められないわ」
シャマルは久遠が頷くのを待った。分かったかどうかを、頷きだけで判断しなかった。
「今、ほかの場所にいるかを確かめている。消息が分かったら、ちゃんと伝える」
「あの子にも、先に教えてあげて」
「そうするわ」
久遠は少し安心したように笑った。自分に何が起こったかを聞くより先に、少女へ連絡が届くかを気にしている。
シャマルはその顔を見て、昨夜までの検査結果を閉じなかった。
◇
通行証の再発行が終わった時、ヌメロンは港の窓口で三度名前を言わされた。
「ヌメロン。昨日の登録と、今日の身体が違うだけで、名前は同じ」
係員は困った顔で記録を見直す。昨日一度も通ったことのない身体が昨日までの生活を主張しているのだ。確認が必要なのは分かる。
ヌメロンは説明が終わるまで待った。
明け方に一度、アインハルトへ電話をかけた。着信はまた残ったはずだが、応答はなかった。彼女が疲れて眠っているなら、起こさずに済んでよかったとも思う。
オーダーから、渡航の手続きが整ったと連絡が来る。
『到着後、迎えを置こうか』
「一人で帰れる。アインハルト、まだ医療区画にいる?」
『確認した時点では。君については、こちらで生存を確認した旨を管理側へ伝えてある。ただ、彼女には君自身の声で話したいのだろう』
「うん」
『私は別件で、同じ施設へ向かう』
「久遠のところ?」
『そうだ』
ヌメロンは自分の新しい手を見る。自分が使っていた身体で目覚めた久遠に、まだ会っていない。
「久遠に言って。ボクも帰るって。無理に待たせなくていいから」
『伝えよう。彼に言葉を渡す時は、誰のものか分かるように』
「うん。それ、大事だと思う」
通信を切る。呼び出しが告げられ、ヌメロンは乗船口へ向かった。
乗り物の座席に腰を下ろした途端、今度は道場のことが気になった。消えた投影体を、ヴィヴィオたちは最後まで見ていたはずだ。リオとコロナも写真の道具を持ってきていた。
朝稽古は、今朝もできただろうか。
アインハルトに会ったら、その話も聞こう。昨日約束した夕食には遅れたが、今日なら食卓へ帰れる。
◇
なのはは医療区画の廊下で、見慣れない呼び方をした。
「久遠君、入ってもいい?」
自分の声が少し硬く聞こえる。九歳の久遠には何度も話しかけたのに、今は扉一枚を越えるにも許しをもらいたかった。
「どうぞ」
中では久遠がシャマルから借りた手鏡を膝に載せていた。鏡には大人の顔が映る。顔を上げると、なのはを見る目にだけ、覚えている少年の面影があった。
「検査はもう終わった?」
「今朝の分は。シャマルさんがあとでもう少しって」
「そっか」
なのはは椅子を引く。久遠は鏡を伏せた。
「アインハルトは?」
「ヴィヴィオと一緒にいるよ。少し休んでる」
「昨日、ボク、何も答えられなかった」
「久遠君の知らないことを聞いたんだよ」
「でも、待っていたんでしょう」
なのはは昨夜の少女を思い出す。あの子が待っているヌメロンがどこにいるか、久遠には知りようがなかった。そう言葉にしても、久遠の手は鏡の縁をそっと押さえたままだ。
「連絡があったの。別の身体に、ヌメロン君がいると確認できた。今、こちらへ向かってる」
「本当に?」
「うん。本人と話した人がいる」
久遠が息を吐いた。どこか遠くの誰かが無事だったことを聞く時、九歳の彼もこんな顔をした。
「よかった。あの子に会えるんだね」
「会えるよ」
なのははその言葉に合わせて、久遠にも帰ってきてくれて嬉しいと言おうとした。
昨夜、眠れない廊下で何度も考えた。彼が手を伸ばした図書館へ駆けつけられなかった。名前を呼んでも返事がなかった。昨日、やっと声を聞いた。嬉しくないはずがない。
けれど久遠は、知らせを届けたなのはへ礼を言い、続けて少女のところへ先に行くよう勧めた。
「なのはも、心配してたでしょう。ありがとう。ボクは大丈夫だから」
久遠は昔も、誰かの用事を先に済ませていいと言う子だった。だから、あなたのことも心配していた、と言えばよかった。
「……もう少し、ここにいるよ」
「うん」
なのはが隣にいると、久遠は話すべきことを探すようにした。
「ヴィヴィオって子は、なのはの?」
「娘だよ」
「そっか。昨日、心配そうにしてた」
「ヌメロン君のことを知ってるから」
「優しそうな子だね」
「うん。ヴィヴィオはね、強くなりたくて毎日頑張ってる」
なのはは娘の稽古の話をした。久遠が頷きながら聞く。彼の知らない十年以上から、一つだけ渡せた気がした。
それでも、娘の名前を知らなかった人に、自分がどれほど再会を待ったかは言えなかった。
◇
はやてが病室に入ると、なのはと久遠が窓際の椅子に座っていた。
「シャマルから、今日の検査は順調やと聞いたよ」
「うん」
久遠は立とうとした。はやてが手を振る。
「そのままでええ。仕事の途中で、顔を見に来ただけやから」
「忙しいんだね」
「昔から忙しくなる癖があるみたいや」
久遠が小さく笑う。はやても笑った。だが笑い終わると、どこから年月を話せばいいか分からなくなる。
「あの本」
久遠が先に尋ねた。
「まだ、誰かに悪いことをする?」
「私らが預かっとった写本は、昨日消えた。どうしてそうなったか、調べとる。君が今そのことで何かせなあかんわけやないよ」
「はやては、もう大丈夫なんだよね」
「うん。見ての通りや」
はやては歩いてきた自分の靴先を見せる。久遠が安心した顔をしたのが分かった。
今の自分に何が起きたかを聞く前に、あの夜の自分の心配を確かめている。喜んで迎えたい気持ちと、もっと早く知らせるべきだった気持ちが、胸の中で重なった。
「フェイトも、あとで来るって。昨日はな、みんな一度に話しかけてしもたから」
「みんな、ヌメロンを探してたんでしょう」
「それもある。でも……」
はやては続ける言葉を選んでいるうち、久遠がなのはへ目を向けるのを見た。なのはも、自分がまだ言っていないことを知っている顔だった。
そこへシャマルから連絡が入った。はやては端末を確かめる。
「面会を希望してる人が三人来とる。久遠君に、まず名前を伝えてええかって」
「ボクに?」
「オーダー、クェーサー、ヴェロシティ。ヌメロン君を知ってる人たちや」
「会いたい」
久遠は即答した。なのはには、それがヌメロンの消息をもっと確かめたくて言った言葉にも聞こえた。
◇
最初に入ってきた男は、眼鏡をかけ、きちんと仕立てた上着を着ていた。
あとに続いた女性は髪を長く伸ばし、シスター服を着ている。三人目の男は革の上着を片腕に掛け、まだヘルメットを持っていた。
三人とも、久遠の鏡に映った顔にどこか似ている。
最後の人が戸口で止まり、医療区画の案内表示を一瞥した。シスター服の人は寝台のそばまで来たが、久遠が驚いた様子に気づいて足を止める。
先頭の人だけが、久遠の前へ出た。
「おかえりなさい、久遠様」
静かな声だった。儀礼の言葉を間違えないために整えた声なのに、久遠へ向ける目には待ち続けた人の喜びがある。
久遠は返事を忘れた。
図書館を出てから初めて、誰かが自分を迎えた。知らない部屋で目覚めた自分に、知っている名前で。
「……ボクのこと、知ってるの?」
「ええ。私はオーダー。我々はあなたに由来する写本から生まれました。この二人はクェーサーとヴェロシティ。ヌメロンも、我々の一人です」
「ヌメロンと、似てる?」
「顔立ちは。彼に似ているのは久遠様の方でもありますが、我々はそれぞれ別の心を持っています」
オーダーは口元にわずかな笑みを浮かべた。
「あなたがお目覚めになった時に真っ先にお迎えできず、失礼しました。事情を確かめ、我々三人が揃って参りました」
「ボク、あなたたちと話したことがないよ」
「当然です。久遠様にとって、図書館の夜の次に見たのがこの病室なのですから」
久遠は胸の奥が小さく詰まるのを感じた。大人になった友達には伝えにくかった時間の距離を、この人は一言で言った。
「何が起きたか、知りたいですか」
「うん」
「でしたら、失われた時間をご説明します」
オーダーの声は、彼の知らないことを知っている者の声だった。答えを急いで押しつけず、求められたら示すと決めた声でもある。
「その前に。一つだけ確かめてもいい?」
「どうぞ。何なりと」
「ヌメロンは、戻ってくるんだよね」
「はい。本人と話しました。すでにこちらへの便に乗っています。あの少女のもとへ帰ると、彼自身が選んでおります」
久遠は肩の力を抜いた。
「よかった」
クェーサーが両手を組む。
「久遠様。ずっとお待ちしておりました。お体に合う衣類も、お食事も、すでに整えてあります。お好きなものがまだ分かりませんので、いくつか用意して――」
「クェーサー」
ヴェロシティが声をかけた。
「まず、本人が行くか聞けって」
「……失礼いたしました」
クェーサーは一歩下がった。それでも久遠を見る目の熱は変わらない。言葉だけで主と呼ぶつもりはないのだろう、と久遠にも分かった。
ヴェロシティはヘルメットを胸の前に持ち直す。
「俺が先に道を見てきた。静かなところだよ。乗り物は別に用意してあるから、この格好見て身構えなくていい」
「あなたが運転するの?」
「普段はね。今日は、俺の趣味を押しつけない」
久遠は少し笑った。
オーダーが続ける。
「これから先、久遠様が滞在できる家があります。ですが、私が『迎えに来た』と申し上げたことを、出発の命令にはしたくありません。こちらで診察を続けることもできます。説明だけ聞き、後で決められても構いません」
久遠は三人を順番に見た。みな自分に似た顔をしているのに、立ち方も、目の動かし方も違う。
いなくなった年月に、この人たちが生きてきた。その話を、知りたいと思った。
「ボクの知らない時間、話してくれる?」
「久遠様が聞きたい順番で」
「じゃあ、行きたい」
クェーサーは目を輝かせた。ヴェロシティは安堵して片方の肩を落とす。オーダーは喜びを隠さず、深く頭を下げた。
「承知しました。まずはシャマル先生と、外へ出るための確認をいたしましょう」
◇
「おかえり、か」
なのはが廊下の窓際で言った。
隣にいたフェイトは、面会を終えたばかりだった。久遠から、昔フェイトに借りた本の話をされた。そんなことまで覚えていたのか、と驚いた。大人になって借りる相手が変わった本のことを、どこまで話せばよかったのか分からなかった。
「嬉しかったと思うよ」
「うん。顔を見れば分かった」
なのはには、病室でその言葉を言う機会があった。
「私も、言えたらよかった」
「今からでも言えるよ」
「そうだよね」
なのはは頷く。久遠が出発する前にもう一度話そうと思った。
だが面会の後、シャマルは診察と退出の手続きに時間が必要だと告げた。久遠本人が三人の話を聞いて滞在先を選んだこと、今すぐ危険な身体所見はないこと、今後の診察と連絡方法を確認すること。はやては公的な手続きを、オーダーは滞在先の登録を引き受けた。
なのはは久遠がシャマルに付き添われて廊下へ出てきた時、歩み寄った。
「行くんだね」
「うん。オーダーたちの話を聞きたいんだ」
「そうだよね。私たちにも、話したいことがあるから。また会える?」
「うん。ヌメロンが戻ってきたら、きっと忙しいでしょう。落ち着いてからでいいよ」
あなたと話すための時間は、忙しくても作れる。なのははそう伝えようとした。久遠が気遣ってくれていることが分かるほど、その言葉を受け取って「いいよ」と言うだけでは足りない。
「連絡するね」
「ありがとう」
結局、彼の帰還を喜んだことは言えなかった。
はやては移動の登録を確かめてから久遠へ手を振った。フェイトは彼の知らない年月の話をいつか自分からもしたい、と言った。久遠は一人ずつ頷いた。
アインハルトは少し離れた待合にいた。ヴィヴィオが隣の席に座る。久遠は彼女たちを見つけ、立ち止まった。
声をかければ、あの少女はまた、ヌメロンに似た顔で別の人を見る。
久遠はその場で一度だけ頭を下げた。アインハルトは顔を上げ、何かを言おうとしたが、唇が動いたまま音にならなかった。
昨日の言葉を、撤回したかった。けれどヌメロンを見つけてから謝るのでは、自分の安心を待って謝るようでもある。今の彼女には、それを言葉にする力もなかった。
久遠が廊下を曲がる。なのはには、小さな背中を見送るつもりだった日に、見知らぬ大人の背中を見送ったことが、ひどく長い時間に思えた。
◇
ヌメロンの乗った便が到着してからも、帰路は短くなかった。
もう一度通行記録を照合し、乗り継ぎを待ち、医療区画へ向かう車へ乗る。ヌメロンはアインハルトの端末へ最後の一回をかけたが、また留守番の案内になった。
自分が戻ることを誰かが知らせていれば、それでいい。そう思って、連絡画面を閉じる。
入口ではノーヴェが腕を組んで待っていた。
「遅え」
「港が、違う顔に厳しかった」
「その顔でも中身は同じなんだな」
「うん。今朝、卵焼きの端っこをアインハルトに取られたボク」
「昨日の朝だろ」
「そうだった」
ノーヴェが歩き出す。ヌメロンもついていく。
「あいつ、眠れなかったみたいだ。ヴィヴィオもずっと一緒にいた」
「リオとコロナは?」
「道場に戻って、できること探してるよ。写真の荷物も片づけずにな」
「そっか」
廊下の先に待合があった。
アインハルトが椅子から顔を上げる。初めは通りかかった少年を見る目だった。
「アインハルト」
ヌメロンが名を呼ぶ。
その呼び方で、彼女の視線が止まった。
「……ヌメロン?」
「うん。帰るの、遅くなった」
「その声」
「喉は別だから、少し変わったと思う。でもボクだよ。昨日の夕飯、作れなくてごめん」
アインハルトが立つ。歩きかけて、また止まった。昨日も、顔を見ただけで信じて間違えた。今回は顔が違う。なのに、彼の方が自分の約束を覚えている。
「私の皿へ、大きい卵焼きを載せました」
「アインハルトがボクの皿に移したよ」
「端が好きだと嘘をついて」
「端っこは本当に好きだよ」
彼女は少年の肩を掴んだ。強く掴んだことに気づき、手を緩める。ヌメロンの身体は昨日より小さかった。
「帰るって、言いました」
「言った」
「待っていました」
「うん。待たせた」
彼女が抱きしめる。ヌメロンも両腕を回した。
「ただいま、アインハルト」
「……おかえりなさい」
ヴィヴィオが立ち上がり、泣き笑いのまま二人のそばへ来た。ノーヴェが廊下の向こうへ顔を背ける。
しばらくしてアインハルトが尋ねた。
「久遠という方は」
「まだ会ってない。今朝、オーダーが迎えに行った」
「私、あの方に」
言いかけて口を閉じる。ヌメロンは昨日何があったか聞こうとして、彼女が肩から離していない手を見た。
「あとで、ちゃんと聞くよ。今は帰ったって、リオたちにも知らせようか」
アインハルトは頷いた。すぐに久遠へ謝りに行かなかったことは、あとで彼女自身が選び直さなければならない。ヌメロンにはその選択を代われない。
◇
車の窓から、久遠は知らない街を見ていた。
オーダーは道中、写真を幾つか見せた。久遠が知っている図書館の後に、ミッドチルダでどんな建物ができたか。交通の仕組みがどう違うか。久遠が尋ねたことから答えを始めた。
「地球へも、行ける?」
「行けます。今すぐでなくても、あなたが行きたい時に手配しましょう」
「そっか」
それ以上は聞かなかった。地球にある家のことを知りたいのか、自分でもまだ分からない。