バンビーズが結婚式に行く話。


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バンビーズが結婚式に行く話。
・絵が描けないので妄想を文章化したものです。現代設定、オリジナル設定、ありえないカップリング、原作キャラの結婚、キャラ崩壊、等が許せる人はどうぞ。読みにくくてすいません。
原作の千年血戦篇までの内容を知ってること推奨です。
あと微ネタバレ注意!



Bambi's Wedding - The Impossible Coupling‐

 

「はぁ~~~~~~~~」

 

丸テーブル端で頬杖をつき、ジゼル・ジュエルはひどく長い溜息をついた。

 

「辛気臭ぇなぁ、なんだよ、まだ賭けに負けたことを気にしてんのか?」

 

隣に座ったリルトット・ランパードが料理を口に詰め込みながら話しかけてくる。

 

「べ~つに~ぜんっぜん悔しくなんかないですけど~」

 

机に突っ伏しながらジゼルが答える。

 

「あーなんだったっけ?バンビーズメンバーで誰が一番早く結婚できるか・・・だっけ?」

 

向かいに座るキャンディス・キャットニップが髪をいじりながら言う。

バンビーズとはバンビエッタ・バスターバイン、リルトット・ランパード、ジゼル・ジュエル、ミニーニャ・マカロンの五人が作った同好会のようなものである。

 

「でも意外です~・・・」

 

その横のミニーニャ・マカロンが唇に指をあてながら言う。

 

「まさか・・・バンビエッタちゃんが一番に結婚するなんて」

 

全員の視線が会場の正面壇上へと注がれる、そこに立つ純白のウェディングドレスに身を包んだバンビエッタ・バスターバインが・・・。

 

「あたし勝ち組ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

と拳を高々と掲げて勝利の雄叫びを上げていた。

その隣では新郎の狛村左陣が困ったように微笑んでいる。

 

「ボク達アレに負けたのぉ?」

 

指をさしながら言うジゼルに

 

「世の中わかんねぇもんだな・・・」

 

と、なおも料理を頬張り続けているリルトットが答える。

さかのぼること三日前バンビエッタから結婚の報告を受け披露宴に招待されたバンビーズのメンバー達…。

 

「いや!ありえなくない!?何で披露宴三日前に招待状送ってくるの?おかしいよねぇ?」

「わかるけどさぁちょっと落ち着きなって」

「そうですよ~急だった代わりに、ご祝儀はいらないって言ってくれてるし」

「タダ飯が食えるんだ、いいじゃねぇか」

 

自由すぎる三人に頭を抱えるジゼル。

 

「だいたいさぁ何でバンビちゃんはドレス着てるのに新郎の方は和装なの?カオス過ぎるでしょ?」

 

ジゼルの言う通り狛村左陣は黒紋付羽織袴を着ている。

 

「何でもバンビのやつが洋風でやりたいって言ったらしいんだけど新郎・・・駒村だっけ?の家が、なんか格式高いお家柄だったらしくてさぁ・・・なんやかんやあってあんな感じになったみたいよ」

 

キャンディスが答える。

 

「なんやかんやの方を教えてほしいんですけど・・・まあでもさぁバンビちゃんも見る目無いよねぇ」

「そうかなぁ」

 

ジゼルの言葉にミニ―ニャが首を傾げる。

 

「だってそうじゃん、地味なおじさんって感じでさー、きっと平凡なサラリーマンだよ」

 

うすら笑いを浮かべながらジゼルが言う。

 

「お給金もきっと少ないよねーかわいそっ」

 

こぶしを口の前へと持っていきぷぷぷと笑う。

黙々と食事をしていたリルトットが顔を上げる

 

「いやそうも言えねぇんじゃねぇか?」

 

リルトットの言葉にジゼルが固まる。

 

「どういうこと?」

「あの駒村ってオッサン、実は警察官僚らしいぜ」

「え?」

「へ~じゃあ玉の輿ってことですか~?」

「玉の輿かどうかは知らんが・・・まあ生活は安定してるんじゃねーか?」

「へ、へー・・・べ、べつに羨ましくないし?」

 

ひきつった笑顔で言うジゼル。

 

「そもそも官僚だから何だって言うの?そのくらいの男、ボク達ならすぐにでも見つけられるし?ねえみんな?」

 

フイッ

そう言って笑顔を向けるジゼルから視線を逸らすバンビーズのメンバー達。

 

「え?何その反応・・・」

 

正直式場についた時から違和感はあった…。みんな余裕があり過ぎる…確かに結婚適齢期にはまだ時間がある、しかしそれにしても…と、そこはかとなく嫌な予感を感じつつもジゼルは問う。

 

「まさか・・・みんな・・・もう相手がいるの?」

 

それを聞いた三人はジゼルにスマートフォンの画面を見せてくる・・・。

 

 

 

~リルトット・ランパードの場合~

 

 

「だからよー量より質なんてのはもう古いんだよ!飯は腹いっぱい食べてなんぼだろ?違うか?」

 

夜のファミリーレストランでリルトット・ランパードは机に並べられた大量の料理を前に熱弁をふるっている。

その前には黒髪の男、檜佐木修兵が苦笑いしながら座っている。

 

「そ、そうっすねその通りだと思います」

 

檜佐木が彼女と出会ったのは数か月前、雑誌の編集者をしている檜佐木は雑誌の企画として大食い特集組むことになった。

その時の取材対象がリルトット・ランパードだった。

それ以来彼女とは一緒に食事をする仲になってはいるが・・・。

 

「おい!聞いてんのか?」

「え?あっすいません」

 

突然の問いかけに檜佐木は反射的に謝ってしまう。

 

「たくっちょっと飲み物取ってくる」

「あっ俺行きますよ!」

 

檜佐木修兵が立ち上がろうとしたのをリルトットが片手で制す。

 

「いいって、それくらい自分でいくよ」

 

そう言うとリルトットは席を立って行ってしまった。

 

「はぁーーーー」

 

リルトットが見えない位置まで離れたのを確認すると檜佐木は深く溜息をついた。

食事をする仲になったと聞くと聞こえはいいが要は財布代わりのメッシーくん状態、檜佐木が金を払いリルトットが食べる…そんな現状。

その現状に檜佐木は憤りを感じていた。

今日もそうだった、飯を食うから今すぐ来いと電話が来て赴くといつも通り自分が奢る態勢が整っている。

 

「はぁーーーー」

 

再び深く溜息をつくと財布の中身を確認して、今月はもやし生活だなと人知れず覚悟を決めていた。

それからしばらくして。

 

「そろそろ行くぞ」

「え?行くってどこへ?」

 

並べられた料理がほとんど食べつくされた頃リルトットが立ち上がった。

 

「あ?次の店に決まってんだろ」

(マジかよ・・・どんだけ食うんだこの人)

 

檜佐木は心の中で思うが口には出さない。

 

「あ”?なんか言ったか?」

「な、何も言ってないです、あっ俺会計してきます」

 

そう言ってレジへ向かおうとしたその時。

 

「必要ねぇよ」

「え?」

 

ポカンとして立ち止まる檜佐木にリルトットが言う。

 

「もう払ってある」

「えっ何で」

「あ”?自分で食ったもんぐらい自分で払うにきまってんだろうが」

「俺に奢らせるために呼んだんじゃないんですか?」

「はぁ?そんなわけねぇだろ」

「じゃ、じゃあ何で俺なんて呼んだんですか?」

 

それを聞いたリルトットは少し顔を背けて。

 

「お前と飯が食いたかったからに決まってるじゃねぇかよ・・・」

 

その言葉に檜佐木はハッとした自分は大馬鹿野郎だ!奢らせるためだと思い込んで・・・。

 

「ら、ランパードさん・・・俺すいません失礼なことを!」

 

そう言いながら檜佐木は頭を下げた。

 

「頭上げろよ・・・」

 

頭をかくリルトットが檜佐木に向き直る。

 

「それより早く次の店に行こうぜ!」

 

そう言うとリルトットは笑った。

 

「ランパードさん・・・俺どこまでもお供します!」

「おいそのランパードさんっていうのやめろよ・・・リルトットでいい」

「・・・リルトット・・・さん・・・」

「ん・・・」

「・・・」

「・・・」

「あっ!次の店は俺が奢りますよ!」

「言ったな?」

 

そう言うリルトット・ランパードは満面の笑みで笑った。

 

この後檜佐木は死ぬほど奢らされることをまだ知らない。

 

 

 

~キャンディス・キャットニップの場合~

 

 

「すっとろいわねぇ!何やってんのよ!」

 

昼間の服屋街にキャンディスの怒号が響き渡る。

 

「そんなこと言われたってしょうがないじゃないですかキャンディスさん買い過ぎですって!」

 

両腕にこれでもかという量の紙袋を下げた吉良イヅルがキャンディスの後ろ数メートルをよろよろとついて来る。

 

「は?何?あたしが悪いって言うの?」

 

ギロリと睨みつけるキャンディス。

 

「いえ、そんなことは・・・ない・・・です・・・」

「そうよねぇあたしの荷物持ちをやらさせてやってるんだから感謝するのが当然よねぇ!」

「そ、そうですね、はは・・・はははは・・・はぁ」

 

キャンディス・キャットニップと吉良イヅルは同僚で「涅技術研究局」の職員だ。

休日に街を散策していた吉良はショッピングをしていたキャンディスに偶然出くわし、そのままなし崩しにショッピングに突き合わされて荷物持ちをさせていた。

 

「まだまだ行くわよ!ここら辺いったい買いつくす!」

「えぇ!?まだ買うんですか?」

「そんでもってあんたの仕事はその荷物をちゃんと家まで送り届けること!」

「え?家までですか?」

「そうよ・・・まあ、お礼にお茶ぐらいは出してあげてもいいし?・・・な・・・なんだったら泊まっていってもいいけど・・・」

「・・・いや・・・さすがにそれはちょっと・・・」

「・・・・・・・・・あ”?」

 

キャンディスが吉良の目の前まで顔を近づける。

 

「何?文句があるわけ?あたしが相手じゃ不服ってわけ?」

 

その形相怒りに燃え目から稲妻が迸る幻影が見えるほどだった。

 

「いやそういうことではなく・・・」

「じゃあどうゆうことだって言うんだよこらぁ!」

「男のボクが女性の一人暮らしの家に泊まるのはまずいかなぁ・・・と」

 

それを聞いてキョトンととするキャンディス。

 

「何それ、あたしに気を使ってるつもり?」

 

キャンディスが見下したように言う。

 

「ええ、変な噂がたってキャンディスさんに迷惑がかかるのは僕としても不本意ですから」

 

そう言うと吉良はハハハと笑った。

それはキャンディスにとって初めての経験だった、容姿端麗である自分が誘えば男がついて来る・・・。これはキャンディスにとって至極当然であり絶対的に揺るがない結果だった。

なのにどうして、この目の前のこの幸薄そうな男は、誘いに乗ってこないどころか自分を気遣って距離を置こうとしている。

キャンディスが出会った男達の中にはいない全く新しいタイプの男性だった。

 

「予定変更・・・」

「え?」

 

キャンディスは吉良の手を取ると足早にどこかへ向かって歩き出した。

 

「ちょっ危ない急に引っ張らないよ!」

 

困惑する吉良をしり目にずんずんと進んでいくキャンディス。

 

「買い物は中止・・・」

「中止ってじゃあどこへ向かってるんですか?」

「今からホテル行くぞ!」

「はぁ?聞いてましたさっきのボクの話!」

「聞いてたに決まってんだろ!そのうえで・・・」

 

吉良に顔と顔をが触れ合うほど近づけニヤリと笑う。

 

「あんたを逃がしたくなくなった!」

「ッッ~~~~!!?」

「覚悟するんだなぁ?」

 

そう言うとキャンディスは再び吉良の手を引き歩き始めた、その顔は晴れやかな笑顔だった。

 

 

~ミニーニャ・マカロンの場合~

 

 

「さぁ今日も張り切ってオレンジ髪のニーニョを探すぞ諸君!」

「さぁ今日も張り切ってクソ眼鏡を探すわよ!あんた達!」

 

路上の真ん中でドルドーニとチルッチが高らかに声を上げる。

 

「暑苦しいよ…君ら…」

 

その様子をルピ・アンテノールが後ろから呆れ顔で眺めている。

 

「何でボク達までせっかくの休日を潰して人探しに付き合わないといけないわけぇ?」

 

その言葉にドルドーニとチルッチが振り返る。

 

「よいではないか!同じ職場のよしみだろう?」

「そうよ!あんた達も仲間なんだから手伝いなさいよ!」

 

事の起こりは約一か月前ドルドーニとチルッチは酔っぱらってとある男達に、喧嘩を吹っかけて逆にボコボコにやられたらしい。

まあチルッチの場合は口喧嘩だったらしいが。

それでドルドーニはオレンジ頭の男、チルッチは黒髪で眼鏡をかけたもやし男(本人談)にリベンジを果たすために休日に町へ繰り出してその男達を探している・・・というわけなのだが・・・。

 

「要は逆恨みでしょ~、だいたいこんなだだっ広い町でたった二人を見つけるなんて無理、無理、不可能だよ!」

 

首を振るルピに対し。

 

「できる!諦めなければきっといつかは出会える!」

 

とドルドーニが息巻く。

するとルピがポンッと手をたたく。

 

「あっそうだ!局長に手伝ってもらったら?あの人だったら町中監視カメラハッキングしてすぐ見つけられるでしょ!」

 

それを聞いたドルドーニとチルッチが顔を眼前まで近づけてくる。

 

「馬鹿者!ミスをしたお仕置きと称して電流耐久実験をしてくるような変態だぞ!」

「そうよ!借りなんか作ったらどうなるか・・・」

 

ーなるほどなるほど、君達が、ワタシのことをどう思っているか、よーくわかった。ー

 

「え?」

「は?」

「なんでボクのスマホから局長の声が聞こえるんだよ!」

 

狼狽するルピに答える様に局長が言葉を続ける。

 

ーなに、部下のスマートフォンを改造するなど造作もないことだよ。ー

 

「いやそんなことを聞いてるわけではなくて・・・」

 

ルピの不満を無視して局長は続ける。

 

ーさて・・・慈愛に脊髄が生えて動き回っているようなわたしとしてはとても心苦しいのだが・・・オマエ達に罰を与えなければならない・・・ー

 

息を吞む二人に対し冷酷な声が告げる。

 

ー給料、三か月分減給だー

 

「なぁ!?」

「マジっ!?」

「それボク達も含まれてないよね?」

 

ショックを受ける二人をしり目に、ルピが質問する。

 

ーなおこの音声はAIをもとに作られた録音データでありその質問には答えられないー

とスマートフォンから返答され。

 

「誤魔化しやがった・・・」

 

と怒りをあらわにするルピ。

 

「だいじょーーーぶだ!今日中にニーニョを見つけ出せば減給のダメージは相殺されてプラマイゼロだ!」

「行くわよ!あんた達!」

 

そう言うと二人は先に行ってしまった。

 

「はぁ・・・ところで・・・」

 

隣に視線を向ける。

 

「君まで来る必要は無かったんじゃない?」

 

と隣にいるミニーニャ・マカロンに言う。

 

「べつに嫌じゃないですよ?」

 

「へー意外だねこういのすき・・・」

「あなたと一緒に出掛けられるから」

 

なんだと言いかけた口を閉じる。覗き込むようにミニーニャがルピを見る。

目と目が合った。

 

「ッッ~~~~!!?」

 

思わずルピが目を逸らす。

 

「手・・・つなぎましょうか・・・」

「・・・」

 

差し出された手を握ろうとするルピ。

 

「迷子にならないように」

 

それを聞いたルピの動きを止まる。

 

「ちょとまって・・・君、ボクのこと子ども扱いしてない?」

 

たしかに低身長のルピとミニ―ニャが並んで歩くとと見ようによっては大人と子供に見えなくもない。

ミニ―ニャは違うのか?とでも言うように首をかしげる。

 

「何度も言ってるけどボクの方が年上だからね?」

 

そう言うとルピはミニ―ニャの手をとり歩き始める。

 

「君が!道に迷わないように、ボクが!手を繋いでてあげるよ!」

「・・・」

「それと・・・」

 

一呼吸おいてルピが続ける。

 

「次は・・・2人だけで来ようか・・・」

「はい」

 

そう言ってほほ笑むミニ―ニャ。

ルピは火照った顔と胸の鼓動の高鳴りを隠すように足早に歩を進めるのだった。

 

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

 

「・・・」

「・・・」

 

そんな二人の様子を電柱の影から見守る者達がいた。

 

「「甘ずっぺ~!!!」」

 

二人の様子を見ていたドルドーニとチルッチが天を仰いで言う。

 

「私もああいう相手が欲しい~!」

「何を言う!我々にはニーニョ達がいるではないか!」

 

チルッチがその手があったかと感銘を受けたような顔をする。

 

「その通りだわ!待ってなさいよクソ眼鏡!」

「今行くぞニーニョ!」

 

決意を新たにドルドーニとチルッチは全速力でルピ達とは逆方向に走り出した。

 

「なんだあれ?」

「どうした?黒崎?」

 

すぐ道向かいにに探し人がいることに気づかないまま。

 

 

 

現在~披露宴会場~

 

三人が掲げるスマートフォンにはそれぞれ、リルトットと黒髪のパシリにされてそうな男が食事をしている写真、キャンディスが幸薄そうな金髪男と頬を寄せ合ってピースサインをしている写真、ミニーニャが童顔の黒髪男と町を歩いている写真であった。

 

「つーわけで、俺らの中じゃ、独り身はお前だけだぜジジ?」

「まあだからといって見下すなんてことはしないので~」

「せいぜい頑張りな!」

 

それを聞いて頭を抱えるジゼル。

 

(噓でしょ噓でしょ噓でしょ!?この超絶美少女であるボクが、色気もくそもない大食い女や脳みそ筋肉の頭お花畑女に、尻軽ビッチやあまつさえむかつくことがあるとストレス発散にイケメン殺してそうな女に負けた・・・このままだとボクだけ行き遅れに・・・)

 

「あっ」

 

何かを思いついたように立ち上がると首を回しある一点を見つめる。

そして・・・

 

「ゆぅ~?」

 

「みぃ~?」

 

「ちぃ~?」

 

「かぁ~?」

 

「ちゃん!!」

 

満面の笑みを顔面に張り付けて綾瀬川弓親のもとへゆっくりと近づいていくジゼル。

 

「げっ」

 

それを心底嫌そうな顔で迎える綾瀬川弓親。

 

「いや~こんなところで会うなんて偶然だよね~ていうかもう運命だよね~」

「いや僕がいること知ってただろうキミ!受付やってたし!」

 

その言葉を無視してジゼルが続ける。

 

「もう運命ってことはさ~このまま付き合っちゃったほうがいいと思うんだよね~自分で言うのもなんだけどボクって超絶美少女だし気立てはいいし最良物件だと思うよ?」

 

弓親が呆れたように首を横に振る。

 

「美少女とか言ってるけど・・・キミ、男だろ?」

「今そういうのいいから・・・」

 

真顔になるジゼル。

 

「ちょと相性だけでも確かめとくべきだと思うんだよね~」

 

両手をわきわきわせながら近寄ってくるジゼルに後ずさる弓親。

 

「やめろ近付くなケダモノ!」

 

逃げ出す弓親を追いかけるジゼル。

 

「美少女がこんだけ誘ってるのに手出してこないとかダサくない!?そういうのってできないものじゃないの?男がすたる!みたいな?」

「僕に!そっちの!趣味は!無い!!」

 

会場内でのジゼルと弓親の追いかけっこが始まった。

 

「ちょっとぉぉぉぉぉそこぉ!主役のあたし達を差し置いて何やってるのよぉぉぉぉ!」

 

壇上で恐らくブーケトスに使うであろう花束を振り回しながらブチ切れているバンビエッタを新郎の駒村がなだめている。

 

「いいぞーもっとやれー」

 

バンビーズ達が囃し立てる。

 

「隊長!わしが行って止めてきます!」

 

サングラスにリーゼントの袴姿の男が勢いよく立ち上がる。

 

「やめろ!鉄左衛門!これ以上ややこしくするな!」

「なんだぁ喧嘩かぁ?俺も混ぜろよ!」

「更木ィ!」

 

そこかしこでカオスな状況が巻き起こる中いつの間にか追いつかれた弓親は手と手をガッチリと組んだ手四つの形でジゼルに迫られていた。

 

「ねぇ~一回だけ!一回だけでいいから?」

「僕にそんな趣味はないって言ってるだぉぉぉぉぉ!」

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

「何やってんだあいつら・・・」

 

そんな二人を遠目から眺める斑目一角がポツリと呟く。

 

「まあでも、相手はどうあれ、あれだけの好意を向けられるのはちょっと羨ましくもありますけどねぇ」

 

その隣に座る阿散井恋次が笑いながら言う。

「ちがいねぇ」

 

そう言う班目の肩を誰かがポンと叩く。

 

「安心しなさい・・・」

 

振り向くとそこには煌びやかなドレスに身を包んだ・・・ゴリゴリの筋肉質マッチョなおとめ、シャルロッテ・クールホーンが立っていた。

 

「あんたには・・・あたしがいるわ!」

「・・・」

「・・・」

 

「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!」

 

会場に斑目一角の絶叫が響き渡った。

 

END

 


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