廃墟の祝福で休むノア。
腕を組み頭の中で色々と考えている。
今の目的は黄金樹に向かうこと、しかしそこまでの道で多くの強敵と出会うだろう、今のノアでは十中八九何十……いや何百回も殺されるだろう。
それを全部避けれるとは思えない、だが減らす事はできるはずだ、それには自分が強くなる必要がある。
そこでメリナの言葉を思い出す。
――私は、ルーンを貴女の力にすることができる。
ルーンを使って自分自身を強化できるらしい。
ツリーガードを倒した事によりかなりのルーンを持っていて、これを使って試しに力を得るとする。
「メリナさん」
ノアがそう呼ぶと、メリナが現れ近くに座る。
一体どうやって来たのか、どこから来たのかよく分からないが、まぁ気にしないでおこう。
「どうしたの、ノア」
「力をつけたいのだけど」
「…ルーンを力にするのね」
「...少しだけ、貴女に触れさせて」
そうしてメリナは右手を差し出してきた、ノアはメリナの右手に触れると、二人の手が光りだす。
これで自分を強化できるだろうが、どうやるのだろうか。
ゲームなら、レベルアップ画面やステータスが出てくるのだが、この世界はゲームではなくリアル。
そんなものは出来るわけもなく。
ではどうするか、念じればいいのだろうか。
試しに、自分の弱点である『体力』を上げるようにイメージしてみる。
すると、光っている手からノアの体に向けて黄金の光が流れ込んでいく、そして自分の体から力が湧き出てくるような感覚がした、こういう感じなのかとノアは納得した。
まだ強化できそうな感じがいしたので、今度は『筋力』を上げてみるとする。
ツリーガードのハルバードを持てるようになりたいという意思もあるしこれからこの世界を探索して様々な武器を手に入れるかもしれない、それを扱えるようになるためにも上げていても損はないだろうということだ。
まぁしかしだ、これぐらいでは強くなったと言い切れない、もっと強くなる必要があるだろう、だがルーンが足りなくなる、ツリーガードから得たルーンでも少ししか上げられない、ならばどうするか。
一つの考えでは、この世界を探索して敵を倒しルーンを得ることだ、というかそれしか思いつかない。
メリナと別れ、廃墟にいる兵士たちの近くまで来る。
ここは、多くの兵士がいてスルーした場所であるが、逆に考えればこの兵士たちを倒せばそれなりのルーンが得られるはずだ。
孤立している兵士の背後にしゃがんで、腰に掛けられている鞘から剣を抜き、近寄ろうとするが。
「...ッ」
手が震えている、これから自分がやろうとしているのは『人殺し』だ。
ツリーガードの時にやっただろう、そう思うがそれとこれとは違う感じがする。
もう戻れない、もうあの『生塩ノア』にはもう戻れない。
変わってしまうのが怖い、慣れてしまうのが怖い。
だが帰るためにはやらねばならない。
「.........」
ノアは覚悟を決め、ゆっくりと兵士に近づく。
すぐ近くまで来た瞬間。
「.........ごめんなさい」
ノアは兵士の口を塞ぎ、兵士の胴体に思いっきり剣を突き刺した。
数秒悶えた兵士は、ガクンと力なく倒れた。
剣を胴体から引き抜きこびりついた返り血を吹き鞘へ戻す、そしてゆっくりを目線を兵士に向ける。
殺した。
殺してしまった。
ツリーガードですでに経験した事だ。
だが、殺した。
「......はぁ......はぁ........うっ...!!」
人を殺した感覚、もう戻れないという気持ちが混ざり合い、吐き気が込み上げてきた吐瀉物を吐き出した。
「......オェ...ゴホッ.........」
吐いた後再び鞘から剣を抜き、次の兵士の背後まで迫る。
もう覚悟は決めたんだ、やるしかない。
それからノアは立て続けに兵士の背後に忍び寄り、胴体へ思いっきり剣を突き刺していった。
そして最後の一人、いかにも隊長らしい兵士がいた、背後から忍び寄り、胴体へ剣を突き刺したが。
「な......」
この兵士は倒れなった、意外とタフらしい。
槍の連続の突き刺しの連撃が襲い掛かるが、ノアはしっかり盾でガード。
剣を振るが、相手も盾でガードする。
ノアは盾を背中に収め、両手で剣を持ち思いっきり振り上げる、直撃した兵士はバランスを崩した。
それを見逃さず、もう一度胴体へ剣を突き刺し引き抜く、剣を突き刺された兵士は倒れルーンがノアの体に入る。
ここの廃墟にいた兵士たちはこれで全員たおした。
「......」
ノアは少し黙り、トレントを呼び出し別の所へと向かっていった。
あの後、辺りを探索して、倒せる敵は倒してルーンを稼いでいた。
現在は、ある川らしき所に来ていた。
洞窟を見つけ、入ろうとした時。
「ん?」
不意に気配を感じた、横を見ると。
「敵......」
直感で分かった、あれは敵だ。
すぐに剣を抜き、盾を構える。
赤い奴は、二刀の短剣をノアに振ってきた。
盾でガードをして反撃に剣を振るが、ローリングで回避をされる。
回避した赤い奴はすぐに短剣を振るが、またもノアにガードされる。
防げば剣を振り、回避をする。
そんな状態が続いていた時だった。
「...見つけたぞ。血の指、ネリウス」
「斬り捨てる、その凶血と共に」
「え?」
突如として、オレンジ色に光る人物が出てきて、こちらに走ってくる。
敵かと焦ったが、どうやら敵意はこの『ネリウス』という赤い奴に向けている。
味方なのか。
だが絶好のチャンス、この人と協力すれば倒せる。
ネリウスは血の斬撃を放つが、オレンジ色の人物はローリングで回避をして、居合切りをする。
居合斬りがあたったネリウスは後退をするが、剣を両手持ちをしたノアが思いっきり剣を振る。
直撃したネリウスは前に倒れるが、オレンジ色の人物の連撃が襲い、かなりダメージを与えている。
すかさずノアももう一度剣を振り上げ、ネリウスをぶった斬る。
力尽きたネリウスは塵となって消えていった。
オレンジ色の人物を消えていってしまった。
その場に残ったのは、ノアとある一刀の短剣だった。
あのネリウスが使っていた短剣らしい、ノアは拾いあげるが、なんだがうまく扱える気がしなかった、これも自分がルーンで強化しないと上手く扱えないのであろう。
少し残念な気分になり、短剣をしまった。
それから洞窟の入ったり、辺りを探索して祝福まで戻ってきた。
メリナを呼び出し、ルーンで自分を強化するが、まだ強くなった気がしない。
結構探索したし、先に進めば自然とルーンは集まるだろう。
そう考えていた時、メリナが口を開く。
「…この小さな金の灯は、黄金樹の祝福」
「それは貴女たち褪せ人が、かつてその瞳から失くしたもの」
「そして今は、貴女達を導くもの。そう、聞いている」
「貴女には、見えているのでしょう」
「祝福の導き、使命を示す光の筋が」
そう言われてみれば、確かに光の筋が見えているのがわかる。
これが示している方へ向かえばおのずと黄金樹にたどり着けるのだろう。
「…断崖の城。『ストームヴィル』には、破片の君主の一人がいる」
「エルデンリングが砕けたとき、その一部を宿したデミゴットの一人が」
「…もし、祝福の光の筋が、そちらを指し示しているのなら」
「やはり貴女は、エルデンリングに導かれている」
自分がエルデンリングに導かれている?
もしやあの時読んだ本がエルデンリングによって導かれこの世界にきたって事なのか?
また更なる謎が増え、ムムムと眉をひそめる。
「私は、契約の相手として」
「…貴女に、そうであって欲しいと思っている」
「エルデンリングに導かれ、それに挑む人であって欲しいと」
「それだけじゃない」
「……?」
「元の世界に帰るために、何度も挑む覚悟はできるから」
メリナは少し驚き、やがて笑みをこぼす。
「そうね」
ノアは立ち上がり、トレントを呼び出し先に見える城へと向かっていった。
エルデンリングに導かれているのなら、それに従った方がいいだろう。
道中かなりの兵士と出くわしたが、すべて捌き。
とある石垣の建物の中へと入っていった、中には祝福があり、それに触れる。
触れたあと、道なりに進んである広間へと出た。
辺りを見渡しながら歩いていた時。
「褪せ人よ」
「……ッ!?」
声が聞こえ、反射的にノアは剣に手を添える。
声の主は建物の上に現れた。
身の丈と同じ大きさの杖を持った巨体の老人の姿をしており、忌み子を象徴する捻れた不揃いの角、裸体の上に纏ったボロボロのマントからは不気味な赤黒い尻尾が伸びている。
「愚かな野心の火に焼かれ」
「お前もまた、エルデンリングを求めるのか?」
その者は勢いよく飛び上がり、ノアがいる広間へと着地する。
砂煙が舞い上がり、ノアは顔を腕で覆う。
「ならば、その火ごと消してくれよう」
「忌み鬼のマルギットが」
『忌み鬼 マルギット』
黄金樹の王家に呪われて生まれた忌み子と呼ばれる者たちの1人。破砕戦争において王たる野心を抱き、黄金樹に挑もうとする数多の英雄を狩った黄金樹の守人。かつては忌み捨ての地下で特に厳重に拘束されていた幽囚だった。
マルギットはゆっくりとノアに迫る。
ノアは盾を構えるが、突如としてマルギットの左手から黄金の短剣が現れノアに投げつける。
盾で受けたノアだが、バランスを崩すしてしまう。
そこにマルギットの杖が横薙ぎに振られるが、何とか盾でガードした。
衝撃で後方へ飛ばされてしまったが、体制を立て直して剣を構える。
まずは相手の動きを頭に入れる、ツリーガードの時と同じように。
マルギットは杖を大きく振りかぶり、ノア目掛けて振り下ろす。
大きな動作で動きが読めたノアはローリング出回避をするが、
とてつもない早さでマルギットは黄金の短剣を出しノアに振る、直撃したノアの頭はどこかに飛ばされてしまった。
頭の無くなったノアの身体は力無く倒れた。
「愚かな野心は忘れる事だな」
「……ッ!!」
気づけば祝福の所で座っていた。
早速死んでしまった、まぁ初見だし仕方ないて言えば仕方ないが。
「……はめられた感じがしますね、前転での回避は命取りでしょうか」
あの時、待ってましたと言わんばかりにマルギットの短剣が振られた気がする。
たまたまかもしれないが、いかんせん行動が見れなくて分からない。
「はぁ……もう一度……」
立ち上がり、挑みに行くノア。
広間には既にマルギットが待ち構えていた、なんでいるんだ?
世界が戻ったわけではないのか?
それとも再戦しやすいように世界からの配慮か?
よくわからん。
count2
動きを覚える為に回避に専念する。
前転ではなく、盾を使っての防御やスライドなどの動きで回避をするが、マルギットの杖が横薙ぎに振られ飛ばされる。
建物に激突し悶絶するノアにマルギットの杖が突き刺さり即死。
count3
盾とスライドでの回避では限界がある。
リスクはあるが、マルギットの杖での攻撃は極力前転で回避することにする。
マルギットは大きく杖を振りかぶる、ノアはいつでも前転できるようにしているがマルギットの溜めが長く、タイミングが読めず直撃し、後ろへ転がる。
致命傷ではなかったが、かなりダメージを受けた。
聖杯瓶を取り出し飲む、ノアにできた傷が一瞬にして消え。
再び剣を持ち直す。
しかしマルギットの短剣の連撃をモロにくらい、そのまま倒れ死亡。
count4
回避だけではなく、回避をして反撃の剣を振る。
当たったが、マルギットは痛がる素振りを見せず、杖を振ってくる。
ローリングで回避をして黄金の短剣は盾で受ける。
このまま続けていけばいけるだろうが、ノアは体力が無い、ローリングや盾のガードには体力がいる。
息切れを起こし、盾で防いだ時バランスを崩しマルギットの杖が振り下ろされそのまま潰され即死。
それからcount5、count6と何回も繰り返してマルギットの動きを頭にいれていった。
そしてcount10。
杖の回避は変わらないが、短剣の対処法は変わった。
マルギットが短剣を出し、ノアに向けて振ったとき。
ノアは盾を構えタイミングを合わせて盾を振る、するとガンッと音を立て短剣の攻撃が弾かれる。
パリィである、ノアはこの回数のなかでパリィを覚えたのだ。
弾かれたマルギットは体制を崩す、その隙を見逃さなかったノアはマルギットの胴体へ剣を突き刺す。
致命の一撃を受けたマルギットは後ろへ大きく仰け反るが、倒れはしなかった。
「...ほう、侮れぬものだな」
「やはり褪せ人は、戦士の末裔ということか」
マルギットはそう言い、短剣ではなくハンマーを出し、ノアの頭上へ飛び上がり思いっきり振り下ろされる。
回避したノアは冷や汗を流す、ここからが本番なんだと。
基本的な攻撃方法変わらないが、短剣だけではなく長剣やハンマーなど攻撃が追加されている。
「くっ......」
焦りが見えてくる、杖での攻撃は難なく回避できるが、短剣や長剣、ハンマーなどの攻撃の回数や頻度が多くなり対応するのに体力も集中力を使う。
短剣や長剣はパリィできるが、ハンマーはできそうにない、たとえできたとしても衝撃で飛ばされるだろう。
「はぁ......はぁ......はぁ......」
疲れ切ってきた、これこれ長い時間戦ってきたが、さすがにもう限界である。
そろそろ終わらせよう。
杖が振り下ろされるが、ローリングで回避、追撃の短剣をパリィして、剣の連撃を浴びせる。
マルギットも負けじと杖や短剣、長剣、ハンマーで反撃をするがローリングで回避をされパリィされ、体制を崩す。
ノアは剣をマルギットの喉元に突き刺し、引き抜いたあと再度接近する。
マルギットは杖を振るがノアの剣とかち合い、ノアはマルギットの杖を上へ押し上げそのままマルギットの胴体へと突き刺した。
力尽きたマルギットは倒れ、塵となって消えた。
「...覚えたぞ、褪せ人よ」
「野心の火に焼かれる者よ」
「怯えるがよい、夜の闇に」
「忌み鬼の手が、お前を逃しはしない...」
マルギットはそう言い残し、完全に消えた。
「はぁ......」
何とか倒せた、ツリーガードよりかは戦いやすかったが。
まだまだこれ以上に強い奴がいると気が遠くなる。
でも、進むしかない、ミレニアムに帰るために。
今回は、リムグレイブの探索とマルギット戦でした。
マルギット戦はまだやったことがなく、変な所があるかもしれませんがお許しを......
ていうか、マルギットの短剣ってパリィできたっけ?
マルギットのとどめはSEKIROの源一郎戦の忍殺をオマージュしています。
本編には書いてませんが、しっかりとノアは狭間の地を探索し、収集物を集めています。
ストーリーメインに書いていきますが、重要そうなところは書くと思います。