異世界召喚された俺、魔王と共に元の世界へ戻る。 作:生焼け肉
初めての紹介
八幡side
元居た俺の世界に俺とベルが転生してから何日か経過した。途中で少しだけ思い出したのだが、俺が向こうの世界に転生した時は学生だったから、今の俺は学生という事になる。時間軸を見るに、今は夏季休暇、所謂夏休み中だ。だから学校は休みみたいだ。
俺の事も話したが、ベルの事も聞いたからある程度理解した事がある。
・ベルは県内のお嬢様学校に通っている。
・お嬢様ではないが、超大金持ち。
・家族は亡くなっていて、親族は居ない。(従者談)
こんなところだ。まだまだあるが、言えるのはこのくらいだ。ベルの学校も夏休みに入っているのだが、既に転校する為の手続きを従者に取らせていて、夏休み明けにはウチの高校に来れる手筈になっているみたいだ。
そして今は………
ベル「此処が八幡の住んでいる家なのね、この前紹介した私の家の何分の1かしら?」
八幡「まぁそうだろうな、お前の屋敷に比べたら小さいもんだ。けど聞いた時は驚いたぞ、家族に挨拶したいなんて。」
ベル「向こうの世界ではそんな人居なかったでしょう?でもこっちではしないといけない事なのだから早い方が良いと思ったのよ。手土産も持って来たのだからさせてくれてもいいでしょう?その為に貴方のご両親の休みが重なる日を教えてもらったのだから。」
八幡「そうだったな。じゃあ入るか、いつまでも此処に立たせておくわけにはいかねぇし。けどもう少し待っててくれ、家族を集めるから。」
ベル「えぇ、分かったわ。」
俺は家の中に入って家族を集めた。俺が『紹介したい人が居る。』と言った途端、物凄い怪訝そうな顔をしていた。母親だけはマシだったが。
小町「お兄ちゃん、紹介したい人って誰〜?」
八幡「それを今から連れてくるんだよ。親にも会いたいって言うからこの日を選んだんだ。少しでいいから時間をくれ。」
尚人「それは構わないが、手短にな。」
凛「アンタねぇ、まだ居ないからってそんな事言うんじゃないわよ。それに八幡からこんな事を言ってきたのよ、気になるじゃない。」
八幡「じゃあ呼んでくる。」
あの様子だったら、ベルを見た瞬間に驚くだろうな。きっと言葉も出ないだろうよ。
八幡「こっちだ。紹介する、この人だ。」
ベル「初めまして、ご家族の皆様。私、鳴神鐘子と申します。現在、隣に居る八幡さんと結婚を前提にお付き合いをさせていただいております。よろしくお願い致します。」
小・凛・尚「………」
うん、俺の予想通りだな。寧ろ開いた口が塞がらなくなってる。まぁそれもそうだろう、いきなり結婚を前提にお付き合いしてるなんて言われたら誰だって驚く。それにしても………
八幡「やっぱりお前のその口調、似合わないな。」
ベル「私だって分かってるわよ、こんなの私じゃないもの。出来るなら普通の挨拶をしたいけど、相手は貴方の家族なのよ?形式上であっても必要でしょう?」
八幡「形だけで充分だけ「八幡、ちょっとこっちに来い!」え?何で?」
尚人「いいから来いっ!」
小町「す、すみません〜ちょっと兄をお借りしますね〜!」
ベル「………」
ーーー外ーーー
八幡「……んで、何?」
小町「お兄ちゃん!!どういう事なのっ!!?あのすっごい綺麗な人誰っ!!?」
八幡「さっき紹介したまんまだ。」
尚人「お、おおおおお前っ!!だだだ騙されているんじゃないのかっ!?」
八幡「目の前に居ないとはいえとんでもなく失礼な物言いだな。ベルが俺を騙すのも、俺がベルを騙すのもあり得ない。」
小町「お兄ちゃんにそんな人が居るなんて聞いてないんだけどっ!!」
八幡「言ってないしな。だって言ったところで信じないだろ、この状況が証拠だ。」
小・尚「うっ………」
八幡「まぁ別にそこには期待してなかったからどうでもいい。今日はベルが挨拶をしたいって言ったから連れて来ただけだし、それが終わったら何も無いと思うから……とりあえず戻るぞ、お客をいつまでも母さん1人に相手させるわけにはいかないだろ。」
ーーー居間ーーー
八幡「悪い、遅くなった。」
凛「お帰りなさい。私も今、2人の事を聞いていたところよ。」
八幡「そうか、まぁこっちも終わったところだ。要は俺にベルみたいな彼女が居るのが信じられないんだと。」
ベル「あら、悲しいわね。私の事を信じてくれないなんて。」
尚人「い、いやいや!そういうわけではなくてだな!この息子に貴女のような人が彼女とは思わなくてね……」
小町「そ、そうですそうです!だってお兄ちゃんですよ!」
300年向こうの世界に行ってたからこっちの事なんて分からんも同然なんだが、こっちの俺ってこんなに信用無かったのな。
ベル「いくら家族であっても私の愛する人を貶めるような事は言ってほしくないわね。」
八幡「いいって気にすんな。それより、挨拶の続きしね?とは言っても、母さんからもう色々と聞いただろうけど。」
ベル「えぇ、聞いたわ。手土産も渡したわ。」
凛「八幡、アンタも鳴神さんと結婚する事に納得してるの?」
八幡「あぁ、してる。そういう約束もしてるしな。もし2人が証人になってくれなくても、他の誰かになってもらうから。」
凛「反対なんてしないわよ。当人同士が認めているのならそれで構わないわ。」
こうして、俺の家族とベルの顔合わせは終わった。父さんと妹は何もしてないけど。