異世界召喚された俺、魔王と共に元の世界へ戻る。 作:生焼け肉
八幡side
昼休みとなったのだが、2日目の今日は昨日以上に落ち着きの無い休み時間になった。昨日のように教室の自分達の机で昼食をしていたのだが、他のクラスから生徒が来たかと思ったら勝手に机をくっつけて一緒に食べようと迫ってくる男子達に女子達が来た。勿論ベルも俺もそんなのは頼んでもいないし歓迎もしてない。だから俺が2人だけで食べたいと言ったのだが、男子も女子も聞く耳を持たなかった。だがベルが一言、『八幡の言った言葉が聞こえなかったのかしら?私達は2人で食べたいと言ったのだけど?』っと語尾を強めて言うと、バツが悪そうな顔をして教室から出て行った。
ベル「やっと居なくなったわね。何なのかしら?」
八幡「お前とお近付きになりたいって連中だろう、顔を見るだけで分かる。」
ベル「それに貴方の言う事を聞きもしなかった、気に入らないわ……」
八幡「仕方ないだろ、10代の精神なんてそんなもんだ。自分の欲を満たすので精一杯なんだろう。俺やお前みたいに長く生きていれば、ああいう醜い部分ってのは見えちまうもんだ。」
ベル「貴方は各地を旅していたものね、そういう達観したところはそこから育まれたのかしらね。」
八幡「元々こういう性格だってのもあると思うけどな。」
ベル「私には理解出来ないわね。」
八幡「まぁお前は魔王城を統治していたんだし、声1つで全員が従っていたからな。ベルがそう思うのも仕方のない事だ。まぁ、あっちの世界の住民もここまで自分勝手では無いけどな。」
ベル「えぇ本当に。」
その後は話をしながら2人で食事をした。因みにクラスメイトは俺達の関係を知っているからか、割り込んでくるような事はしなかった。
ーーー放課後ーーー
ベル「今日も終わったわね。」
八幡「だな。じゃあ帰るか。」
ガラガラッ
葉山「えっと、鳴神さんって居るかな?」
「は、葉山君っ!?」
「どうしたの!?鳴神さんなら……」
……アイツって確か、召喚された勇者だったよな?会ったのって一瞬だったし、再会したのも魔王城の生き地獄みたいな所でよく原型も留めてなかったし。
葉山「君が鳴神さんかい?」
ベル「………何かしら?これから帰るの、邪魔しないでもらえるかしら?」
葉山「ごめんよ、少しだけ時間をくれないかな?すぐに終わるから。」
ベル「……すぐに済むのなら此処で話してちょうだい。」
葉山「ありがとう。俺のクラスメイトが君と食事をしようとしたら断わられたって聞いてね。」
ベル「それが?」
葉山「君はこの学校に来たばかりなんだから、他のクラスメイトとの交流もしておいた方が良いと思うんだ。」
ベル「それで?」
葉山「明日でもいいから君から謝ってくれないかな?それで、皆で一緒に食べたら良いじゃないか。」
ベル「そう、貴方の言いたい事は分かったわ。その上で私からも言わせてもらうわ、私達が2人が食べている時に勝手に来て勝手に一緒に食べようとしてきたのよ。八幡はそれを断ったのに聞きもしなかった、だから私が断った、たったそれだけの話よ。なのにどうして私が謝らなければならないのかしら?それと私は八幡と2人で食事が出来れば満足なの、それ以外の人となんて望まないわ。だから交流なんて必要としていないし、したいとも思わないわ。理解してくれたかしら?」
葉山「あ、あぁ……」
ベル「なら良かった、話は終わりね。行きましょう八幡。」
八幡「あぁ。」
葉山「ちょっと待ってくれ、君から頼んでくれないか?」
八幡「何で俺がそんな事を?」
葉山「皆で食事をした方が楽しいじゃないか。」
八幡「楽しみ方は人それぞれだ、価値観を勝手に決めるな。さっきベルも言ってたが、俺もベルと2人で食べる方が楽しいと思っている。だから大人数で食事をするのはお断りする。、行くぞ。」
ベル「えぇ。」
ーーー帰路ーーー
八幡「今日は1日変な日だったな。」
ベル「そうね。頼んでも居ないのに来る人達に自分の価値観で物事を決める人……この先が不安になってきたわ。」
八幡「俺もだ……一応この3日間は様子を見る事にしないか?」
ベル「気は進まないけど、そうしてみましょう。でも今日のように断るわよ。」
八幡「それは俺も一緒だ、2人の時間を邪魔されてたまるか。」
ベル「ただでさえ2人の時間が減っているのだから、学校でもその時間は増やさないと私が我慢出来ないわ。」
八幡「念の為に言っておくが、あんな所で堂々とキスとか止めてくれよ?」
ベル「でもそうした方が余計な虫が来なくて済むかもしれないわよ?」
確かになぁ……学校で俺達の関係を知っているのはあのクラス全員だけ……後はあのクラスの中の誰かが触れ回っているとかだな。まぁでも今日来たアイツ等は俺達の関係は知らないと見ていいかもしれないな。
ベル「ねぇ、やっぱりキスしましょう?」
八幡「絶対に止めろ。家でならまだしも学校でとかシャレにならん。」
ベル「あら、嬉しい事を聞けたわ。じゃあ私の家か貴方の家でならしてもいいのね?」
八幡「その解釈で合ってる。」
ベル「分かったわ、じゃあ家に着いたらキスしましょう?」
八幡「……おう。」