異世界召喚された俺、魔王と共に元の世界へ戻る。 作:生焼け肉
八幡side
「鳴神さん、どうかお願いしますっ!!」
『お願いしますっ!!』
ベル「嫌と言ったら嫌よ。どうして私がそんな役をしなくちゃならないのよ?」
現在進行形で他クラス並びに他学年のクラスの男子達からお願いをされているベル。一体何のお願いをされているのかというと、簡単に言えば応援のチームに加わってほしいとの事だった。
今年の体育祭に採用されたのだが、午後の協議開始前に女子による応援合戦をやる事になったらしい。しかしその応援合戦をやる人は申込が必須となっていて、本人の同意が必要になるという事になっている。だから目の前で正座+頭を床につけるという土下座や背筋だけでなく足まで伸ばしたまま床に頭をつけるという土下寝をする人まで居る始末だ。
八幡「あの、本人もこう言ってるのでもう諦めてくれません?いくら説得したとしても、多分引き受けないと思いますよ。」
ベル「多分じゃないわ、絶対よ。」
八幡「絶対ときたか……まぁそうだと思ったけど。」
「お願いだ、君の応援があれば白組は必ず勝てるっ!」
ベル「私は別に勝ちたいとは思ってないわ。」
「君の彼氏君に応援が出来るっ!」
ベル「個人的に応援するから余計なお世話よ。」
「もしかしたら、彼氏君からご褒美が待っているかもっ!」
ベル「あら魅力的、でもそういうのは自分から勝ち取りに行くわ。」
「無理だぁ~強過ぎる~っ!!」
あ~ぁ、行っちゃった。まぁこうなるのは分かってたけどな。
ベル「ねぇ八幡、貴方は私から応援されたい?」
八幡「形式的な応援をされるよりも本心で応援された方が俺的には嬉しい。」
ベル「じゃあ私が進んで応援したら?」
八幡「まぁ、力は出るだろうな。能力は変わらんけど。」
ベル「じゃあ個人的に応援してあげるわ。」
八幡「そりゃどうも、絶対1位獲れるだけの力は出るだろうな。」
あぁそうそう、俺は徒競走・棒倒し・リレーに出る事になった。ベルは徒競走・買い物競走・リレーとなっている。リレーに関してはベルが『八幡が出るのならやってあげるわ。』っという話になり、俺も参加する事になったのだ。
走順も俺とベルが前後合うように調整する事になっている。
ベル「ねぇ、私達も練習した方がいいのかしら?」
八幡「まぁ最低でもリレーのバトンパスの練習はしておいた方が良いだろうな。ぶっつけ本番でも大丈夫だと思うが、念の為ってヤツだ。」
ベル「そう……じゃあ今日やりましょう?」
八幡「あぁ、いいぞ。」
こうして、俺達は今日の放課後に体育祭のリレーに向けてのバトンパスの練習をする事になった。
のだが、
葉山「今日は部活が休みだったからちょうど良かったよ。」
戸部「この人が噂の鳴神さん?マジパネぇわぁ~美人過ぎっしょ!」
大岡「だな。」
大和「それな。」
招かれざるお客まで来た。
ベル「あっちに行きましょう、八幡。」
八幡「あぁ。」
葉山「え、ちょっと待っ「私達は貴方達と練習したいわけじゃないの。悪いけど他を当たってくれるかしら?私は八幡と2人でしたいの。」でも、こういうのは人数が多い方が良いんじゃないかな?」
ベル「貴方の価値観を押し付けないでくれるかしら?それと今言ったと思うけど、私は八幡と2人で練習したいの。貴方達は要らないの、理解してくれたかしら?」
葉山「で、でも同じ白組じゃ「そんなの関係無いわ。」………」
ベル「それに、貴方を待ってる人達があそこに居るわよ?私よりもそっちに構った方が良いと思うわよ。」
ベルは一方的にそう言うと、俺の手を掴んで練習しようとしていた場所から離れた。見ただけで分かる、これは怒ってるな……
八幡「じゃあ最初は休憩からだな。ほれ、こっち来い。」
ベル「………」ギュ∼!!
八幡「キツいキツい、そんなに締めなくても逃げないから。」
ベル「せっかく2人で出来ると思ったのに……あの元勇者、しつこ過ぎるわ。何でこっちの世界でもあんなに気持ち悪いの?もしこの世界でも魔法が使えるのなら消し炭にしてるわ。」
八幡「物騒な事言うもんじゃねぇよ、もう忘れろアイツの事は。それに見てきた感じからして、アイツは前の世界の勇者じゃないみたいだしな。」
俺もこうは言ってるが、内心では俺もアイツのしつこさには怒りを通り越して呆れているところだ。どうしてベルに対してこんなにもしつこいのか未だに分からない。最近は絡んでこなかったから良くなったかと思っていたんだが、今日のコレだ。評価は元に戻ったどころかマイナスになっている。
ベル「……貴方には話していなかったのだけど、もう言うわ。私、あの男の父親から接触を受けているの。」
八幡「アイツの父親っていうと……確か弁護士だったか?」
ベル「えぇ。きっと狙いは雪ノ下建設との提携。私は一応お金は持っているから名目は資産家って事になっているの。まだ憶測だけど、狙いは私の資産だと思うの。」
八幡「そうなのか?だとしたら余計に分からないな、何で弁護士だけが動くんだ?そういう事ならその……何たら建設ってとこの社長か幹部が来ないと礼儀として失礼だろ。」
ベル「そう、だから憶測なの。もしこれが雪ノ下建設も絡んでいるとなったらそこからも代表者を連れてこないと辻褄が合わないの。まだ直接会ってはいないから何も無いけど、少し不安なのよね。」
八幡「何でだ?」
ベル「初めて会って数日経った時の事、覚えてる?他の人が居る前で堂々と私の事を話した、自覚があったのか無いのかは分からないけど、あんな事をする時点で怪しいのは確実。そんな人の父親はどんな人なのかって思うと不安にならない方がおかしいでしょう?」
八幡「そういう事か。確かにそれなら、まだコンタクトは取らない方が良いな。」
ベル「でしょう?それにもしあの男もこっちに転生したって考えたら?」
八幡「っ!確かにそれは、気を付けないとな。」