異世界召喚された俺、魔王と共に元の世界へ戻る。 作:生焼け肉
ベルside
ベル「そっちの方が良いわね。」
八幡「そう見えるだけだろ?」
ベル「そんな事無いわ。だって辺りを見てみなさい、私達に話しかける人達が居ないでしょう?」
八幡「まぁ、そういう事にしておこうか。」
ベル「そういう事なのよ。」
八幡の洋服を買って、次は……
ベル「食べ歩きをしてみたいと思っていたの。八幡、あそこにクレープのお店があるでしょう?買いに行きましょう。」
八幡「分かった。」
私、八幡と一緒に歩きたいから基本的には八幡の隣で腕を組みながら歩くのよね。八幡もそれが分かっているから、自然に組めるのよね。
八幡「意外と並んでるんだな……」
ベル「私は待ってもいいわよ。こういう時間だってデートの醍醐味でしょう?」
八幡「そうだったな。」
ベル「どんな味がいいかしら。」
八幡「そうだな……ベル、俺より少し前に行けよ。」
ベル「あらどうして?貴方と横並びが良いわ。」
八幡「包み隠さず言うと、邪な考えを持った奴に近付けさせたくないからだ。お前だってお前が男よりも女の方が少しは落ち着くだろ?」
ベル「そういう事なら後ろは守ってくれるのよね?」
八幡「仰せのままに、魔王様。」
ベル「ふふふ…お嬢様、でしょう?」
八幡もきっと気付いていたのよね、私達の後をついて来る人達に。だって分かりやすかったんだもの、お店を出た途端に同じ方向に歩き出したと思ったら、私達の後ろに並んでるんだもの。
ベル「ねぇ、さっきの質問だけど何がいいかしら?」
八幡「色んなのがあるらしいからな、俺もクレープは食べないし注文する事も無いから分からん。」
ベル「そうよね、食べ方なら知っているけれど。」
女性「あ、あのぉ~……」
八・ベ「?」
女性「それだったら私達も頼むんですけど、カップルクレープが良いと思います。季節限定でかぼちゃ、さつまいも、栗、柿、梨の中から選べるんですけど……」
ベル「あら、そんな良いものがあったのね。教えてくれてありがとう。お礼だと思って私に代金を出させてもらえないかしら?貴女達もカップルなのでしょう?」
男性「は、はい。そうですけど……でも悪いですよ。」
ベル「気にしなくていいのよ、こう見えてもお金はあるから。」
八幡「すみませんが諦めてください、こうなったら止まらないので。機嫌が悪くならない内に。」
ベル「あら、それだと私が聞き分けの無い人みたいに聞こえるじゃない。」
八幡「時々そうなるだろうが。その度に俺が間に入ってんだから。」
ベル「そうね、とても助かっているわ。だから今度は間じゃなくて
八幡「人が居ない時にな。此処でやったら目立ってしょうがない。」
女性(いやいやいや、もう充分見た目だけで凄く目立ってますけど~っ!!!)
男性(しかもこの男の子、こんな美人な彼女さんに言われてるのに全く動揺してないって……ある意味凄いな。)
ーーー数十分後ーーー
ベル「こっちの世界のもこんな感じなのね。でもこっちの方が美味しそうだわ。八幡、そっちのも食べさせてくれるのよね?」
八幡「じゃないと口移しとか言ってきそうで怖いしな。」
ベル「してもいいのよ?」
八幡「愛がとんでもない程大きいってのが分かったから勘弁してくれ。」
ベル「仕方ないわね、今はそうしてあげる。あむっ……うん、甘くて美味しいわ。」
八幡「しかしクレープなんていつぶりだろうか……覚えてないな。」
ベル「私も。だって買いたいくらい好きってわけじゃないもの。こうした方がデートっぽいって思ったからあのお店に寄っただけだもの。」
八幡「お前、それ絶対さっきの店の前で言うなよ。」
ベル「言わないわよ、私はそんな悪趣味じゃないわ。」
偶に失礼な事を言うわよね、八幡って。これでも元の世界では良心的な魔王って言われていたのよ。隣国とも仲が良かったんだから。
ドンッ!
「ってぇな!どこに目ぇ付いてんだよ!?」
八幡「……なぁ、今のって俺が悪いのか?」
ベル「そんなわけ無いじゃない、だって私達座って食べてるのよ?ぶつかるこの人の方がどこに目を付けているのか分からないわ。」
「何だ……おいおいすげぇ美人じゃねぇか!こりゃそっちの姉ちゃんに優しく介抱してもらうしかねぇなぁ~。」
八幡「……下衆が。」
「あぁん?何か文句おおぉぉっ!?」
八幡「………(どういう事だ?俺はただ胸倉を掴んで引き離そうとしただけなのに持ち上がった。しかもそれだけじゃない……軽い。)」
………もしかして?
八幡「おい、2度と目の前に現れるな。その時は……分かってるよな?」
「あぁ!?誰がお前なんかのめいれええええええぇぇぇ~ぐはぁっ!!?」
八幡(軽々投げ飛ばせた……まさか?)
ベル「ねぇ八幡。」
八幡「あぁ、多分俺もベルと同じ事考えてる……」
ベル「……ねぇ、屋敷に帰りましょう?」
八幡「あぁそうだな、色々と整理しなきゃな。」
ベル「えぇ、私も凄く気になるわ。」
もしかして、異世界で培ってきた身体能力がそっくりそのまま引き継がれてる?