異世界召喚された俺、魔王と共に元の世界へ戻る。 作:生焼け肉
八幡side
メイド「ベルフィーノ様、勇者が第二砦を突破しました。」
ベル「あら、やっと?第二砦を落とすのに半年も時間をかけるなんて、今回の勇者は随分とのんびりさんなのね?それで、どうだったかしら?強くなっていたのかしら?」
メイド「前と比べると確実に成長はしております。ですが、パーティーメンバーに助けられている感が否めません。それに開幕してすぐにスキルを使用しておりました。あの勇者は……いえ、何でもございません。」
ベル「いいわ、言いなさい。」
メイド「では遠慮無く……あの勇者はこれまで攻めてきた勇者の中で最弱、と言わざるを得ません。」
ベル「じゃあ貴女が戦っても勝てる?」
メイド「あの程度の実力であれば、スキルを使うまでもありません。拳どころかデコピンで勝てます。」
ベル「貴女の実力ならそうでしょうね。けどそれはこの魔王城に来る時まで取っておきなさい。今は監視を続ける事、いいわね?」
メイド「かしこまりました、ベルフィーノ様。ご報告が終わりましたので、これで失礼致します。」
ベル「……はぁ、疲れるわね。」
八幡「何もしてないだろお前は。ただ報告聞いてるだけだろ。」
ベル「それにしても、今回の勇者って一体何をしているのかしら?第二砦の陥落に半年もかけるなんて……第一砦はもう修復していつでも後ろから挟み撃ち出来たくらいよ。」
八幡「俺ってどのくらいで突破したんだっけか?もう何百年も前だから覚えてねぇわ。」
ベル「八幡は2日で突破したわよ。第三砦は5日だったかしらね……そこから私の部屋までは1週間くらいだったと思うわ。」
八幡「って事は此処に来るまで2週間だったのか。んでそっからは戦闘じゃなくお話が始まったんだよな。」
ベル「夜通しお話したわね。誰かと会話するのがあんなに楽しいって思ったのはあの日が初めてだったのは、今でも覚えているわ。」
八幡「俺もあの日から魔王に対する敵意ってのがすっかり抜けたんだよな。後さ、俺普通にこの城入ってるけどいいのか?」
ベル「大丈夫よ。だってこのお城での貴方の立場は私と同じだもの。だから私が居ない時はあの玉座に座ってもいいわよ。寧ろ貴方が座った方が雰囲気あるんじゃないかしら?」
八幡「お前の方が雰囲気バッチリだろ。それに俺が座ってるところを見られてみろ、お前がやられたんじゃないかって誤解されんだろ。」
ベル「ふふふ、ベッドの上では貴方に何度も負けてるわよ?」
八幡「女性がそんな事を言うのはやめなさい。」
ーーー数十分後ーーー
ベル「真面目な話、八幡はいつ私を嫁に貰ってくれるの?」
八幡「またその話?」
ベル「私は早く好きな人と一緒になりたいのよ。それなのに当の本人はいつもいつもはぐらかしたり何処かに行ったりするから。」
八幡「だってお前、結婚したら絶対離さないって言ってたじゃねぇか。俺、そういう束縛系はちょっとな……」
ベル「言葉の綾よ、四六時中監禁するわけ無いじゃない。勿論一緒には居たいけど、貴方の嫌がる事をするのは私だって嫌だもの。」
八幡「じゃあ仮に結婚したとして、俺がまたどっかに長期間旅に出るって言ったら?」
ベル「そうね、色々とルールを決めるわね。けどこれまでとあまり変わらないわ。週に3回は念話をする事、お土産話を用意する事、そういうお店には行かない事、他の女を作らない事、これまでがこんな感じかしら?」
八幡「そんな感じだ。」
ベル「結婚した後は……あんまり思いつかないわね。だって八幡、視覚同調や聴覚同調のスキルを使って私に自分の見たもの聴いたものを見せてくれるんだもの。そういうお店に行ってないのも、他の女を作ってないのもすぐに分かるから他のルールを作る必要は無いかもしれないわね。」
八幡「いつの間にか俺もそれ使うのが当たり前になってたしな。俺も全部を覚えてるわけじゃ無いから、見ながら説明するのも面白いしな。」
ベル「……確かにそうよね。八幡が他の女の身体をマジマジと見た事なんて無かったし、如何わしいお店のキャッチに興味を持った事も無かったわ。それも当然よね、私の身体にしか興味が無いもの。」
八幡「納得してくれたのは嬉しいんだが、俺はお前の身体目当てってわけじゃないからな。」
ベル「ちゃんと分かってるわ、私だってちゃんと貴方の事が好きなんだから。」
ベルはそう言い終わると、いつものように抱き着いてくる。ついでに俺の肩に頭も乗せてきた。
ベル「……八幡、勇者が此処に来て倒せたら結婚しましょう?」
八幡「勇者をダシにするなよ。けどまぁ、その方がある意味では良いのかもしれないな。何百年も生きてる人間が言うのもおかしな話だが、1人で行ける所はもう大体行ったしな。」
ベル「決まりっ♪でも、勇者って後どのくらいで来るのかしら?」
八幡「第一砦から第二砦までが半年だろ?もしかしたらだけど、1〜2年かかるんじゃね?あり得なくはないぞ。」
ベル「私、初めて勇者を応援しているかもしれないわ。」
八幡「私欲に満ちた応援だけどな。」