異世界召喚された俺、魔王と共に元の世界へ戻る。 作:生焼け肉
八幡side
12月25日の夕方、俺はベルの屋敷にお邪魔させてもらっていて、ベルの部屋で彼女と一緒に過ごしている。その目的は勿論、クリスマスパーティーをする為だ。当時は職員全員を集めてやる事になっていたのだが、主催者のベルが『それだとスケールが小さいから、せっかくなら家族で集まれる人はその人達にも参加してもらいましょう。』っという事で、家族で参加出来る人・したい人は漏れなく参加OKという事になった。だから今の屋敷の中はいつもの静けさは全く無く、少しだけ騒がしくなっている。だが俺もベルも、この騒がしさは嫌とは思っていない。
ベル「喜んでくれているみたいで何よりだわ。」
八幡「此処まで聞こえてくるな、子供達の声。」
ベル「それに屋敷の中を走り回っている音も、ね。」
八幡「それを注意するメイドさん……今はお母さんだな。」
ベル「えぇ。皆忙しそうね、でも楽しそうにも思うわ。」
八幡「加えてお父さんの声もするな。」
俺はベッドに腰掛けながらこの屋敷の中をおもちゃにしている子供達とその家族の声を聞いて楽しんでいる。今日ばかりはこの屋敷も子供達の立派なおもちゃと化しているが、明日になればコレも無くなって、立派なお屋敷に戻る。
ベル「夕食の時間まで後1時間くらいよね、席はどうしようかしら?」
八幡「自由でいいと「ダメ、それだと貴方の隣に座れないじゃない。」……最初からそれが懸念だったんだろ。大丈夫だって、誰も狙わないって。」
ベル「どうかしら?家族の中には独身の男性だって居るかもしれないわよ?」
八幡「メイド達も俺達の関係を知ってんだろ?なら説明くらいはしてんだろ。」
ベル「だといいわね、失礼な家族が居ないといいわ。」
八幡「随分と気にしてるんだな?」
ベル「だってどんな人が来るのか分からないじゃない、此処で働いている人達を信じる事は出来るけど、他の人達は別よ。」
八幡「そういうものか……」
そして1時間後、いよいよ夕食の時間となった。
ーーーダイニングーーー
ベル「皆、目の前にご馳走があるから待ちきれないと思っているでしょう?だから早速食べましょう。皆、メリークリスマス。」
「メリークリスマスッ!!」
この挨拶をする前、ダイニングは既にメイドを含めた家族全員が集まっていて、俺とベルが入った瞬間空気が変わった。家族の旦那や男兄弟達は漏れなくベルに見惚れていた。それを見たメイドさん達は揃って耳を抓っていた。そして挨拶をした今、子供達は目の前の料理に舌鼓を打っている。俺の隣のベルはというと……
父「この度はこのような場所にご招待させていただき、本当にありがとうございます。」
ベル「気にしなくていいのよ、私が決めた事だもの。それに楽しそうに食事をする子供達を見れただけえも開いて良かったって思っているもの。」
メイド「夫も娘達も喜んでいます、本当にありがとうございます。」
ベル「いいのよ、日頃の感謝の気持ちなんだから。それから挨拶なんてしなくていいわよ、パーティーなんだもの。家族との時間を大切にして。」
こんな調子で食事で口を動かすよりも喋りで口を動かす方が多い。そしてベルの懸念していた通り、メイドの家族で兄弟が居る人達はベルの方をすげぇ見ている。まぁ気持ちは分かるから俺は何も言わない、俺だってこんな美人が他人だったら絶対2度見すると思うし。
ベル「八幡、チキンを食べさせてくれる?」
八幡「あぁ、ほいあーん。」
ベル「あむっ………うん、美味しいっ♪流石はこの屋敷の料理人ね、良い仕事をしているわ。」
八幡「俺も食べたが、確かに美味かった。」
ベル「そうでしょう?」
「お姉ちゃ~ん、このケーキとっても美味しい~!」
「お姉ちゃん、ありがとう~!」
ベル「えぇ、どういたしまして。今日はたくさん食べていいわよ。」
「「うんっ!」」
「ねぇお姉ちゃん。」
ベル「何かしら?」
「そっちのお兄ちゃんは誰なの?」
ベル「こっちのお兄ちゃんはね、私の旦那様よ。」
「旦那…様?」
ベル「ちょっと難しかったかしら。簡単に言うと、私がこの世で1番愛している人よ。」
「へぇ~……じゃあお姉ちゃんとお兄ちゃんはラブラブなの?」
ベル「えぇ、そうよ。」
「そうなんだ~!お兄ちゃんに教えてくる!」
八幡「子供に間違えた知識を教えるなよ……」
ベル「でも数年後には現実になっているでしょう?それに子供を使って私達の事を聞いてくるような人にチャンスなんて無いわよ。」
八幡「まぁ、それは確かに。」
そしてパーティーは盛り上がり、食休みをする人が増えてきたところでお開きの時間になった。
ベル「少し聞いてちょうだい。皆もきっとそろそろ食べ疲れてきた頃でしょう?それにそろそろお開きの時間も迫ってきているの。だから此処で働いてくれている皆にささやかなクリスマスプレゼントを贈ろうと思っているの。こっちに来てくれるかしら?あぁそれから、開けるのは家に帰ってからにしてちょうだいね。」
そしてベルは豪華な封筒を従業員のメイド達に手渡ししていた。そして家族達をお見送りしてからクリスマスパーティーは幕を下ろした。
そして後日談になるが、翌日になってから仕事があるないに関わらず、あの場に参加していたメイド全員がベルに深々と頭を下げたという。それもそうだ、5万円もタダで貰えたんだから。