異世界召喚された俺、魔王と共に元の世界へ戻る。 作:生焼け肉
飛鳥side
「っというわけでして、是非とも鳴神さんのご提携をお願いしたいと思っております。」
飛鳥「左様でございましたか、承知致しました。鐘子様にご報告させていただきます。この場でのお返事はお控えさせていただきますが、改めてご連絡させていただきます。ご連絡先はこちらの名刺に書かれている番号でよろしかったでしょうか?」
「はい、そちらの番号にお願い致します。本日はお時間をいただきありがとうございました。」
飛鳥「いえ、まだ提携を決めたわけではありませんので。玄関までお見送りさせていただきます。」
……皆様、初めましてと言った方がよろしいでしょうか?この鳴神邸でメイドとして働かせていただいております、飛鳥と申します。現在は鐘子様へご提携をお願いをしにいらっしゃった方のお相手をしておりました。この屋敷では珍しい事ではありません、よくある日常の風景といった感じでしょう。
「では、失礼致します。鳴神さんによろしくお伝えください。」
飛鳥「ありがとうございます。どうぞ道中お気を付けて行ってらっしゃいませ。」
このように外部の方のお相手をするのは、この屋敷に勤めて長いメイドが対応する事が多いです。私の他には3~4人程でしょうか……先程の方ですが、為人は好印象でしたが、提携となると鐘子様は首を横に振るでしょう。
何せ鐘子様が契約する時は、決まって自身に決定権や所有権がある時にしかしませんから。所謂オーナーという立場になる場合ですね。
「お疲れ様です、飛鳥さん。どうでしたか、今日の方は?」
飛鳥「今回は無いと思うわ。あくまでも提携だから。」
「そうですか、やっぱり鐘子様自身が手をかけられないとっていう部分が大きいんでしょうか?」
飛鳥「去年の夏から思っていたけど、急に人が変わったじゃない?その頃から外部の人への態度が変わったのも同じころだったから、何かが変わったのは確かだと思うわ。」
「それにしても驚きましたよ。これまで来てもらっていた外商の人とも契約切っちゃいましたし、色んなところからお買い物するようにもなりましたし……本当にお変わりになりましたよね。」
飛鳥「そうね、中身がそのまま誰かに乗っ取られたかのような変貌よね。」
鐘子様の変わり様はこの屋敷で働いているメイドであれば、全員が共有しているところ。変わったのは鐘子様だけでなく、橘も変わりましたね。ですが、鐘子様に比べたら微々たるものです。
ピンポーンッ!
飛鳥「?どちら様で『鐘子、出てきなさい!伯母さんが来てあげたよ!』………」
お相手をしたくない方がいらっしゃったみたいですね……今モニターで確認しましたが、玄関前にいらっしゃるのは、鐘子様のお父様の姉にあたる人物で、正真正銘のご親族の方なのです。しかし、この屋敷に来ては金銭をせびりに来る事が殆どであり、今日もきっとそれが目的で来たのでしょう。鐘子様から『もう来ないで。』と言われていた筈なのですが……
「あの、どうしましょうか?」
飛鳥「私が対応するわ、お茶の準備はしなくて大丈夫よ。」
ベル『そこで何をしているの?』
っ!!鐘子様っ!!
飛鳥sideout
ベルside
伯母「おや、出かけていたのかい?私はてっきり「来ないでと言った筈よ、何しに此処に来たのかしら?」鐘子、何だいその態度はっ!?私はアンタの伯母だよっ!」
ベル「関係無いわ。それに貴女達も知ってるでしょう、私の両親が祖父母及びその親族達に向けて絶縁届を書いて、それに全員が納得して書面に名前を書いて捺印までした。その書面は今でも屋敷にあるわ、その上で聞くけど何の用?何処の誰とも知らない赤の他人のおばあさん?」
伯父「何だその態度はっ!?俺達はお前の家z「関係無いって言ったでしょう?私達一家は既に貴方達とは関係無いの。私達の方から貴方達の家族と縁を切ったのだから当然でしょう?これ以上騒ぐのなら近所迷惑で警察を呼ぶわよ。」お、お前狂ったのかっ!?」
飛鳥「鐘子様っ!!」
ベル「あら飛鳥、どうしたの?」
飛鳥「いえ、玄関前で鐘子様がこの方達とお話されているのがモニター越しで見えましたので、馳せ参じた次第です。」
ベル「そう、ご苦労様。でも大丈夫よ、これは貴女とは関係の無い事……私にとっても関係の無い事だけど、最近やっと暖かくなってきたでしょう?だからこういう虫がうるさくなってくるもの、仕方ないわ。」
伯母「鐘子!!アンタ伯母の私に向かって「これで2回目……これ以上騒ぐのなら警察を呼ぶわ。」なっ!?アンタ何様のつもりだいっ!?」
伯父「まぁ落ち着け。鐘子、お互い冷静になろう。今日はお前に良い話があってきたんだ、俺達家族で話してお前の見合いの場を設けたんだ。相手は大手企業の社長の息子だ、その相手と結婚すればお前も安泰だ。付き合ってない男の居ないお前なら「飛鳥、警察に連絡してちょうだい。赤の他人が家に押しかけた挙句、私の見合いを勝手に組んだって。」ふ、ふざけるなっ!!どういう事だっ!!?」
ベル「当たり前でしょう?何が見合いよ、もう家族でも何でもない他人同士なのに勝手にお見合いなんてふざけてるのはどっち?警察を呼ばれても文句言えないでしょう?それでどうするの?警察のお世話になるか、このまま帰るか、貴方達に選ばせてあげる。」
伯父「くそ……行くぞっ!」
伯母「鐘子、覚えてなっ!!」
ベル「……はぁ、やっと行ったわ。飛鳥、塩を……撒いたら勿体ないわね。」
飛鳥「申しわけございません。お手を煩わせてしまいました……」
ベル「いいのよ気にしないで。さっ、もうあの人達の事は忘れてお茶にしましょう?出来れば面白そうな話か楽しい話だったら嬉しいわね。」