異世界召喚された俺、魔王と共に元の世界へ戻る。 作:生焼け肉
八幡side
八幡「………」
ベル「………」ギュウウウ∼!!
八幡「おい、どうしたんだよ……登校する時も腕に引っ付いてたが、学校に来てからは抱き枕か?そろそろ何か言ってほしいんだが?」
ベル「……少し言いづらいの。」
八幡「そんなにヤバい事なのか?」
ベル「全然大した事じゃないの。でも、貴方に嘘をついてしまったから。」
八幡「嘘……でもそれって昨日までは知らなかったとか、知っていたけど話すタイミングが無かったとか色々あるだろ?それも込みで言いづらいとか?」
ベル「………知っていたけど話せなかったの。だって口にするのも嫌だもの。」
八幡「そんなレベルか……まぁ俺は気にしないから、話したくなったら話してくれて構わない。俺だって何が何でも知りたいってわけじゃないし、誰にだって言いたくない秘密はあるもんだ。」
ベル「……今年に入ってからの事よ。」
あ、言うんだ……
ベル「私の親戚が家に来たのよ……」
八幡「親戚?でも前に聞いた時には居ないって……いや、そもそも此処で話す事じゃないな。昼に部室で話さないか?」
ベル「えぇ、そうするわ……」
それからは授業の時間も短く感じる程、あっという間に昼休みの時間になった。話を始めたのは、昼食を食べてからだ。
ーーー部室ーーー
ベル「私の親戚の話だったわね。今年の1月の中旬頃だったかしら、家でゆっくりしていたら突然来たのよ。」
八幡「でもお前は顔も知らないんだろ?」
ベル「知らないわ。親が私を産んでからすぐに絶縁届を私の元祖父母や親族達に出したみたいなの。皆それにサインをして捺印もしているの。」
八幡「それならもうそれっきりだよな?何でお前の家に……」
ベル「おめでたい話なのだけど、絶縁届って法的な効力は無いみたいなの。加えて私の両親ってもう居ないでしょう?それをいい事に私の家に来てはお金を強請りに来ているのよ。勿論その事を知っているメイド達は追い払おうとしているんだけど、何でか分からないけど向こうは強気な態度なのよね。」
八幡「憶測でしか無いが、お前の事を迎え入れようとしているんじゃないか?絶縁っていうのは親の決めた事だからベルは関係無いとか言って、これからは家族で仲良くしよう的な甘い言葉で誘ってよ。」
ベル「八幡もそう思うわよね。だから魂胆が見え見えなのよ、その後に色々と楽をさせてもらおうっていうのがバレバレ。お金の工面に来てるのもそういう事でしょう?」
八幡「成る程な、確かにヘビーな内容だな。悪かったな、無理に聞いちまって。」
ベル「いいわよ、私が話すって決めたんだから。それに私もこのままで終わらせるつもりは無いわ。これ以上私の周りで騒がしくするつもりなら、私だって法的手段を取るつもりよ。」
八幡「裁判にかけるとか?」
ベル「それもだけど今後一切、私に関わらないようにするには徹底しないと。抜け穴があったら大変だもの。」
どうやらベルにとって元家族と呼べる存在ってのはこの上なく邪魔な存在みたいだ。
ベル「それに私のお見合いを勝手に決めたりする人達なんて信じたくもないわ。」
八幡「なぁベル、お前の親族とやらに俺も会いたくなってきた。誰が提案したんだ、お前に見合いとかふざけた事言いやがった奴……」
ベル「大丈夫よ八幡、私は行くつもりなんて無いし八幡しか愛していないもの。顔も中身も知らない男なんて愛せないわ。」
八幡「……けどもし俺が居る時にソイツ等が来たらハナシでもさせてくれ。」
ベル(久々に見るわね、八幡が怒っているところ……冷静に見えるけど、目がすっごく怒ってるし額に青筋も立ってる。)
ベル「その時が来たら、ね?」
八幡「あぁ、頼む。俺も早く会いたくなってきた。因みにだけどよ、お前はその元親族全員に会ってるのか?」
ベル「いいえ、私の父親の姉夫婦だけ。他は知らないわ。書面には祖父母とその姉夫婦の名前しか無かったから、きっとその4人だけだと思うわ。」
八幡「そうである事を願おう。」
ベル「でも、話したらスッキリしたわ。聞いてくれてありがとう八幡。それから嘘をついていてごめんなさい。」
八幡「こんなの嘘の内にも入らねぇよ。けどもし、嫌になってきたらいつでもウチに来いよ。きっと妹も母さんも父さんも断るなんて事しないから。」
ベル「えぇ、ありがとう。」
とりあえずは俺も様子見だな。でもベルの話では、父親の姉夫婦、つまり伯母夫婦は2週間に1回の頻度で来るらしい。暇人かよ、マジで。ベルの屋敷に来て金貰いに来るくらいなら働けよ。
ーーー1週間後・鳴神邸の東屋ーーー
八幡「やっと外でお茶出来るようになってきたな。」
ベル「今日は少し暖かいものね、5月になったらもっと外に出る機会が増えると思うわ。」
八幡「そうだなぁ~……今度久しぶりに道場に行って身体でも動かしてみるか。」
ベル「あら、良い考えね。それじゃあ次の土曜日に「鐘子様。」……何かしら?」
橘「ご歓談中に申しわけございません、その……例の方々がまた……」
八幡「?」
ベル「はぁ……八幡、この前会いたいって言っていた伯母夫婦が来ているみたいなのだけど、会いたい?」
八幡「来てるのか……分かった、俺も行く。どんな人達なのか気になっているしな。」
まさかこんなに早く機会が訪れるなんてな……どんな連中なのか。