異世界召喚された俺、魔王と共に元の世界へ戻る。 作:生焼け肉
八幡side
ベルの屋敷から歩いて帰り、やっと家に辿り着いた。途中から少しだけ走ったのだが、手加減しないと衝撃波が出てしまうから学校でも苦労している。まぁその手加減の練習をしているおかげで、コンクリートを砕く事も無くなった。最初の頃は酷かったものだ………
小町「お兄ちゃ~ん、ご飯出来たよ~。」
八幡「あぁ、今行く。」
とりあえずこの話はまた今度だな。
ーーー居間ーーー
今日は珍しく父親と母親も帰ってきていて、家族全員で食卓を囲んでいる。いつもは俺と妹の2人だから変な感じだ。
尚人「……んんっ!あぁ~八幡、1つ聞いてもいいか?」
八幡「ん?」
尚人「あまり聞けてなかったが、彼女さんとは順調なのか?」
八幡「ベルと?まぁ、いつも通りだが……何でだ?」
尚人「いや、付き合っているのは聞いていたが、その後の事は聞いていなかったからな。少し気になっていただけだ。」
八幡「年末に家に来ただろ、その時の様子とか見てなかったか?」
小町「あぁ~家に来た時の事なら覚えてる……すっごいベッタリだったもんね~。」
凛「2人の今後の心配をする必要をする必要は無いわね。見ているだけで胸焼けしそうなくらいだったもの。」
八幡「散々な言われようだな……まぁ事実だから否定はしないけどよ。」
……そうだな、2人に聞いてみるか。
八幡「なぁ父さん、母さん。俺からも聞きたいんだが、2人の家族は仲が良いのか?」
凛「私達の?何でそんな事が気になるの?」
八幡「(ベルの親戚の事は話せない、ここは……)ベルの両親が他界している事は知ってるだろ?親戚は居るみたいなんだが見た事が無いらしくてな、俺の憶測でしか無いが、ベルの父親と母親、そしてその親戚は仲が悪いのかと思ってな。」
尚人「そういう事か。俺と母さんの親の仲は至って普通だぞ。親戚達の仲も別に悪い事も無いぞ?偶に会っているしな、その時だって世間話くらいはするぞ。」
凛「私は1人っ子だからそういうのは無いわね。だからお父さんの親戚と会うと楽しいのよね。」
父さんと母さんはこんな感じか……ベルの親戚連中とはエラい違いだな。
尚人「八幡、一応言っておくがお前と鳴神さんがお付き合いする事も将来結婚する事も俺は賛成だからな。」
凛「私もよ八幡、安心しなさい。」
小町「小町も美人なお義姉ちゃんが出来るのは大歓迎だからね~!」
八幡「……あぁ、ありがとう。」
とりあえずウチの家族はベルの味方になってくれそうだな。ベルの親戚の事を話したら、きっとベルに同情してくれると思うが、まだ話せない……俺も知ったばかりの事だ、家族とはいえすぐ教えようとは流石に思えない。
ーーー自室ーーー
八幡「さて、どうしようか……と言っても俺に出来る事なんて殆ど無いが。出来る事と言えば証言をするとかくらいしか無いけど。」
それとベルのご機嫌取り。
八幡「ご機嫌取りって言っても色々あるが、何が良いだろうか……やっぱハグとか?ベルは不機嫌になったり嫌な事があるとよくそうしてくるからな。前の世界ではそんなんじゃ済まなかったけど。」
コンコンコンッ
八幡「ん?誰だ?」
ガチャッ
凛「入るわよ八幡。」
八幡「母さん……どうかしたのか?」
凛「別に用ってわけじゃないけど、食卓であんな質問をしてくるから気になったのよ。何かあったんでしょう?」
八幡「………」
凛「言いたくないのならそれでも構わないわ、きっと鐘子ちゃん絡みなんでしょう?」
流石は母親ってところなのか……こうも簡単に見破れるとはな。
八幡「……まだ言うつもりは無かったんだが、仕方ない。これじゃ俺がも持ちそうに無いしな。」
凛「別にいいのよ?無理に話さなくても。」
八幡「隠し事をするのが気持ち悪いと思っただけだ。事実もうやっちまってるしな。一応母さんには話すが、父さんと小町には話さないでくれよ。だから……」
俺は扉を開けて誰も居ないか確認をした。
八幡「この話は俺と母さんだけが知っている話だ、今はな。」
凛「えぇ、分かったわ。」
俺はベルの親族の事を母さんに話した。悪いなベル、こうも早く他の人に話すとは思ってなかった……けど、母さんは味方みたいだ。表情で分かる。
凛「そう、そういう事だったのね……他の家族の事を悪く言いたくはないけど、随分と良い性格をしているみたいね、鐘子ちゃんの親戚って。」
八幡「あぁ、ベルの祖父母もな。顔は見た事無いがベルの両親が出した絶縁届にサインするくらいだ、伯母夫婦と似たような思考だと思う。」
凛「でも鐘子ちゃんはその祖父母と養子縁組は組んでいないんでしょう?それに関しては良かったと思うわ。仮にその祖父母が養子縁組を望んでいたとしても、鐘子ちゃんが同意しない限りはなる事は無いから。」
そうか、そっちの心配もあったのか……けど安心は出来たな。
八幡「とりあえず俺の知ってる事は全部話した。最初にも言ったが、父さんや小町には話さないでくれよ。」
凛「えぇ、勿論よ。それに他所の家の事を話そうなんて思わないわよ。」
八幡「あぁ、済まないな。」
……少しだけ、肩の荷が下りた気がする。でも、ベルにも隠し事が出来ちまったな。