異世界召喚された俺、魔王と共に元の世界へ戻る。 作:生焼け肉
ベルside
ベル「………ただいま。」
八幡「おぉ、おかえり。意外と早かったな?もっと時間かけるとばかり思ってたぞ。」
ベル「池に沈めてきたもの。ヒュドラの毒沼と命の聖水を混ぜたあそこ。」
八幡「うわぁ〜エゲツねぇ………」
僧侶「あの、今命の聖水と言いましたか?」
ベル「えぇ、言ったわよ?」
僧侶「この世界でも取れる量が極僅かなあの命の聖水が池程の量もあると?」
ベル「それは違うわ。正確にはヒュドラの毒沼と混ぜた生き地獄の池。触れれば猛毒に侵されて数分で死ぬ毒の沼に一滴垂らせば損傷箇所を秒で治せる聖なる水を合わせたの。」
八幡「そしたら両方の良いとこ取りをした池が誕生したってわけだ。まぁ地獄だけど。」
ベル「でも拷問には最適よね。だってあの3人……特にあの重戦士、八幡の事を馬鹿にしたんだもの。自分は盾役にしかなれない脳筋のくせに。あの魔法使いだってそうよ、魔法しか使えない一般人のくせにピーピー喚くんだもの。最後にあの勇者、最後なんて言ったと思う?『一緒に世界を平和にしようっ!!』って……こっちは何十年も前から隣国と仲良くしてるわよ。」
今回召喚された勇者がこんなにもお花畑だとは思わなかったわ……消し炭にしたらそれで済むんだけど、それだと私の気が収まらないもの。
八幡「そいつはご苦労さん。とりあえず座れよ、シュークリームまだあるし、紅茶も沸かし直すから。」
ベル「膝の上に座るわ、それとシュークリームも食べさせて。」
八幡「はいはい、仰せのままに。」
僧侶(これがソーブ王国で悪だとされていた魔王………私が教えられてきた魔王と全然違う。寧ろとても友好的に見えます。そしてもう1人は勇者葉山と同じくこの世界に召喚された勇者にして初めて魔王と対話を試みた勇者。)
八幡「ほい、あーん。」
ベル「あぁ〜ん……んぅ〜♪」
僧侶(そんな2人と一緒にお茶をしてるなんて、教皇様に言っても信じてもらえないでしょう。)
コンコンコンッ ガチャッ
メイド「失礼致します。ベルフィーノ様、第一、第二、第三砦の修復が完了致しました。全て元の状態になっております。」
ベル「そう……貴女、勇者と戦ったでしょう?どうだった?此処にちょうどその元仲間だった僧侶が居るから感想を聞かせてあげなさい。」
僧侶(この人は私達が倒した筆頭メイド!)
メイド「では率直なご感想を……毎回攻撃が効いているふりをするのが疲れました。呪文も効いているようにするのも疲れました。弱点でもないのにそう思われている事に呆れました。特に最後に勇者が放たれた必殺技?らしきスキルですが、やられる演技をするのが大変でした。」
僧侶(仲間の攻撃が全然効いていなかった!?アレって演技だったんですかっ!?)
ベル「やっぱりね。八幡がこの城に来てから他の子達が凄く強くなったもの。それこそ勇者の質がとんでもなく落ちたと感じるくらいには。」
僧侶「……全く効いていなかったのですね。」
メイド「あんな見た目だけの攻撃、効いていると思われるのも心外です。同じ技、同じ呪文であっても300年前の八幡様とは練度がまるで違います。同じだと思われるのも烏滸がましい程です。」
僧侶「……そんなに強かったのですか?」
八幡「ん?自分の事だから分かんねぇな……なぁベル、正直どうなんだ?」
ベル「1週間でこの城まで来れたんだから、それだけで証明出来てるでしょう?貴方は充分強いわよ、私とだって渡り合ってるじゃない。」
八幡「基準がお前だからな……この2人には分からんって。」
僧侶「……あの、貴方から見ても私達って弱いのでしょうか?」
八幡「お前達っていうかここ最近召喚されてる勇者は例外無く弱いと思ってる。俺の時は1人で魔王城まで行くのが当たり前だったし。そこんとこどうなんだベル?」
ベル「八幡みたいに1人で来る勇者も居たけど、数えるくらいね。他はパーティー組んで攻めて来てたけど、そうなると勇者の実力って大した事無いのよね。他のメンバーで補い合うって感じだからおざなりになってるのよ。私個人としてはパーティー組むよりも1人で来る勇者の方が強いイメージね。」
僧侶「……何と言いますか、正論を言われたので何も言い返せません。」
八幡「まぁ事実だしな、俺は1人だったから前衛に中衛、後衛の全部を1人でやんなくちゃならなかったから魔法とか覚えられるのは全部覚えたし、スキルだって攻撃系から補助系まで結構使えるぞ。」
僧侶「では、今代の勇者相手にどの程度の力で勝てるとお思いですか?」
八幡「1割の力も要らん。」
そうよね、八幡だもの。あんなレベルの低いパーティーだったら実力の半分どころか動くのすら馬鹿らしいもの。その証拠にあの重戦士、八幡の魔法に全く反応出来てなかったもの。
ベル「それはそうと八幡、その子と2人っきりでお話していたのよね?私があんな気持ち悪い勇者パーティーの相手をしている間ずっと。」
八幡「そりゃ2人だけだったからな。お前の居ない間にお前の事を話してた、本当は悪い魔王じゃなくて良い奴だってな。」
僧侶「っ!は、はい!色々と聞かせていただきました!」
八幡「絹のような触り心地の雪よりも白い白髪、皺1つも無い輝くような綺麗な肌、100人居たら100人振り向くくらい絶世の容姿にスタイル、ガラスや水晶よりも透き通った声、美しさと威厳を兼ね備えた魔王特有の魅力、俺がこの世で1人しか心を許してない唯一無二の女だってな。」
僧侶(………こんなに聞いてません。)
ベル「あら、そうなの?ふふふ、八幡ったらそんなに褒めなくていいのよ?もう、そんな風に私を見てくれていたのね?」
八幡「いや、見るだろ。お前みたいな完璧な女、今まで見た事ねぇし。」
ベル「そんなに言っても私しか出てこないわよ?貴方から唆したんだから、責任取ってちょうだいね?」
八幡「変なもんは混ぜるなよ?」
ベル「それじゃ貴方と交わる時間が減るじゃない。」
もうその気になっちゃったんだから、今夜は寝かせないわよ?