異世界召喚された俺、魔王と共に元の世界へ戻る。 作:生焼け肉
ベルside
ベル「………静かね。」
玉座に座っているのだけど、今は八幡が居ないわ。だから1人こうして過ごしているのだけど、する事無いのよね。砦の修復は終わったし、勇者は池地獄に居るし、本当にする事が無いわ。
コンコンコンッ ガチャッ
メイド「失礼致します。ベルフィーノ様、八幡様がお戻りになられました。」
ベル「?何でそれをわざわざ貴女が報告しに来るの?いつもならそのまま入って来るのに。」
メイド「八幡様から言伝を預かっております。『ベル、久しぶりに研究しないか?』との事です。」
研究……すっかり抜けていたわ。八幡とは研究室で色んな実験をしていたわね。
ベル「ありがとう。じゃあ八幡は研究室に居るのかしら?」
メイド「はい、先に向かわれております。」
ベル「じゃあ私も行くわ。」
メイド「かしこまりました。お気を付けて。」
ーーー研究室ーーー
ベル「お待たせ八幡。」
八幡「おぉベル、来たか。」
ベル「研究をするって聞いたけど、どんな研究をするの?」
八幡「魔法の研究だ。より正確に言うなら転生魔法の研究。」
ベル「………八幡はこの世界が嫌になったの?私が居るのに?」
八幡「そんなんじゃない。俺にとってこの世界は別に退屈でも無ければ面白いってわけでも無い。けどこのままが良いかと言われると俺はそうは思わない。最初の目的はお前を討つ事だったが、それも今となっては無意味。そしたら俺がこの世界に居る意味だって無い事になる。楽しく過ごしてるからその分については割り切ってはいるが、この世界を生きて数百年……永遠に生きられるってのは人間の俺にとっては長過ぎる時間だ。」
ベル「………」
八幡「こっちでやれる事はもうやり尽くしたからな、お前を討伐する意味なんて無いし、だったら別の世界にって思ったんだよ。」
ベル「………そんなの絶対に嫌よ、貴方が居なくなるなんて絶対に嫌!貴方の居ない世界なんて大嫌い!貴方が居なくなるくらいなら私はこの世界を滅ぼして私も死ぬわ!そんな事なら研究なんて手伝わない!させない!」
八幡「………いや、何で自分は転生しない方向で話進めてんの?」
ベル「え?」
八幡「俺だってお前の居ない世界なんて嫌だっての。だから一緒に研究して、一緒に完成させて、一緒に別の世界に行こうって話なんだけど………」
ベル「………最初からそう言いなさいよ!」ダキッ!!
八幡「お、おぉう……悪い悪い。でも先に勘違いしたのはそっちだろ?」
ベル「勘違いさせたのはそっちでしょ!私を泣かせた罪は重いわよ!」
八幡「どうやったら許してくれるんだ?」
ベル「転生魔法を絶対に完成させて同じ世界に転生して再会するまで許さないわ。」
八幡「責任重大だなこりゃ……絶対に成功させないとな。その為には誰かさんの協力が必要不可欠なんだが、どうかなぁ?」
ベル「……いくらでも手伝うわよ。それからこれは契約よ、この世界では諦めてあげる。けど転生先では必ず私を嫁にもらう事。これが飲めないのなら何も手伝わないわ。」
八幡「転生先での再会と結婚が前提条件か……何だ、軽い条件だな。そのくらいなら受けてやるよ、契約成立だな。じゃあ早速なんだが、俺なりに魔法式を組んでみた。見てくれないか。」
その後、私は八幡と一緒に研究室で転生魔法の開発に没頭した。八幡の作った魔法式は最初からよく出来ていて、私の手直しはあまり必要無かったけれど、効率はあまり良く無かったからそこだけ改良を加えたわ。それでも色々やって何時間くらいかは経ったけど。
八幡「……大体こんなところか?」
ベル「そうね。でもこの魔法式で確実に転生出来るかどうかはまだ分からないわ、試す方法は無いからぶっつけ本番になるわね。」
八幡「だろうな。けどそうだな……もし転生するって時は一緒にやるか。その方が別々の世界に飛ばされるなんて事も無いだろうし。」
ベル「そうなる事を願うわ。もし別々の世界に転生したら、私すぐに自害する自信があるもの。」
八幡「いや、とりあえず探そう?居ないって分かるまでは全力で探そう?俺も探すから。」
ベル「それは当たり前として、貴方はどんな世界に転生する気なの?」
八幡「そうだな………俺の元居た世界?」
ベル「その世界には魔法とかってあるの?」
八幡「………無いな。」
ベル「それじゃあ探して見つけるなんて凄く難しいじゃない!」
八幡(それは完全に盲点。確かにこの世界みたいに探知を使えれば話は別だが、俺の世界にはそんなの存在しない。どうしたもんか………)
ベル「ねぇ、転生するのやめない?」
八幡「………転生先で確実に会える手段を見つけられるまで、この話は無しだな。」
ベル「このまま転生しても、生涯出会えないまま一生を終える未来しか見えないもの。」
八幡「誰かとは結婚するだろ。」
ベル「八幡は私が何処の馬の骨とも分からない男に取られてもいいの?」
八幡「それは嫌だな。無理にでも勇者の力引き出してソイツの事ぶった斬るかもしれん。」
ベル「でしょ?」
それに私は貴方としか添い遂げるつもりは無いもの。誰かからのプロポーズなんて虫唾が走るわ。八幡からのプロポーズなら、子宮が疼いて仕方なくなるでしょうね。きっと自制が効かなくなるわ。
八幡「じゃ、今日はここまでだな。今って何時だ?」
ベル「分からないわ。どのくらい作業していたのかしら?きっともう夜だと思うわ。」
八幡「とりあえず飯にしない?」
ベル「そうしましょう。分かっていると思うけれど、今日貴方は私の事を泣かせたのだから、料理を食べさせるのは当たり前、一緒にお風呂も当たり前、一緒に寝るのも当たり前、分かってるわよね?」
八幡「最初から分かってるって。(要らん事は言わないでおこう。もし口にでもしたら絶対搾り取られる。)」