明日からは、21時頃に1日1話ペースで更新していく予定です。
side 提督
『こちら加賀。鎮守府、応答してください』
執務室に通信が入ったのは、昼を少し過ぎた頃だった。提督は書類から顔を上げ、机上の受話器を取る。
「こちら鎮守府。加賀、状況を報告しろ」
僅かな雑音の向こうで、遠く砲声が聞こえた。
『敵艦隊と交戦しました。戦艦ル級flagshipを旗艦とする六隻。随伴艦にelite級を複数確認』
加賀の声は落ち着いている。だが、いつもより僅かに言葉が硬いように、提督には聞こえた。
「現在の状況は」
『交戦を中止。撤退中です』
「被害は」
一瞬、間があった。
『土佐、大破』
提督の表情が変わる。
『他艦は航行可能。土佐も自力航行は可能です。現在、時雨を随伴させています』
「分かった。帰投を最優先しろ。入渠設備はこちらで準備しておく」
『了解。お願いします』
通信が切れた。
受話器を置いた提督の目が、机上の編成表へ向く。
通常の哨戒任務。敵の活動状況を確認するために組んだ艦隊であり、主力艦隊との本格的な交戦を想定したものではなかった。
「……flagshipか」
先遣か、偶発的な遭遇か。あるいは、こちらが把握していない何かが海域で起きているのか。
今はまだ判断できない。
ただ、先にしなければならないことがある。
提督は椅子から立ち上がった。
◆◆◆
side 陸奥
「土佐が?」
陸奥の手が止まった。
「大破した」
提督から告げられた言葉を、すぐには飲み込めなかった。
「容態は?」
「意識はある。自力航行も可能だ。時雨が随伴している。加賀からの報告では、すでに戦闘海域から離脱した」
それを聞いて、陸奥はようやく息を吐いた。
「そう……」
帰ってくる。
それなら、大丈夫。
「帰投まで、もう少しかかる」
「ええ。分かったわ」
提督が部屋を出ていき、扉が閉じる。途端に部屋の静けさが耳についた。
陸奥は椅子へ腰を下ろし、机の上に置かれていた本へ手を伸ばした。開いて文字を追ってみるが、一行目を読んだはずなのに、次の行へ移る頃には内容を忘れている。
本を閉じ、時計を見る。
針は、まだほとんど進んでいなかった。
「もう……」
大破。
その二文字が頭から離れない。
意識はある。自力航行も可能。時雨がついていて、加賀もいる。何度そう言い聞かせても、胸の奥に残った硬いものは消えてくれなかった。
昨夜まで、いつも通りだった。
疲れたと言いながら自分の隣へ座り、頭を撫でれば素直に目を閉じた。
――姉さん。
そう呼ばれた声が蘇る。
「心配させるんだから……」
誰もいない部屋で呟き、陸奥はもう一度時計を見た。
針はひどくゆっくりと進んでいた。
◆◆◆
side 土佐
潮煙の向こうに、ようやく鎮守府の輪郭が見えた。
普段なら長いとは思わない距離が、今日はひどく遠く感じられる。損傷した艤装は波を越えるたびに低く軋み、右舷側にはほとんど力が入らない。
「土佐、大丈夫?」
横から時雨が顔を覗き込む。
「ああ」
「さっきから、そればっかりだよ」
「大丈夫だからな」
「そういうところだよ……」
何がだ、と聞こうとしたところで港が近づいた。
岸壁にはいくつもの人影が集まっている。提督、整備員、入渠設備の準備に走り回る妖精たち。
そして。
「陸奥……」
目が合った瞬間、陸奥がこちらへ歩き出した。普段より少し速い。
時雨に支えられながら岸壁へ上がると、整備員たちの視線が歪んだ装甲と焼け焦げた右舷艤装へ集まった。
「土佐」
「ただいま」
陸奥が私の前で止まる。
怒られる。
そう思った。
だが、伸びてきた手は私の頬へ触れた。傷がないことを確かめるように、指先がそっと肌を撫でる。
「ちゃんと帰ってきたわね」
「ん?」
「ちゃんと帰ってきたわね、って言ったの」
「ああ。帰ってきた」
陸奥は目を閉じ、胸の奥に溜めていたものを吐き出すように息をついた。
「おかえり」
「ああ。ただいま」
頬から手が離れる。
その直後だった。
「で」
声が変わった。
「どうして大破しているのかしら?」
「敵に撃たれた」
「そういうことを聞いているんじゃないのよ」
「陸奥。今、帰ってきたばかりなんだが」
「だから?」
「……後にしないか?」
「しません」
駄目らしい。
横で時雨が小さく笑った。
「それじゃあ、僕はここまでかな」
「時雨」
「ん?」
「ありがとう。助かった」
時雨は目を瞬き、少しだけ俯いた。それから顔を上げる。
「じゃあ今度は、大破しないで帰ってきてね」
「善処する」
「そこは約束してよ」
「……努力する」
「もう」
困ったように笑ったあと、時雨の表情が僅かに柔らかくなる。
「でも、また一緒に帰れてよかった」
「ああ」
今度は迷わず答えた。
「私もだ」
◆◆◆
入渠設備へ向かう途中には、鳳翔さんと神通、足柄も待っていた。
「土佐さん」
鳳翔さんが近づいてくる。その視線が一度だけ損傷した艤装へ向かい、指先が僅かに強張った。
だが、すぐに私の顔へ視線を戻す。
「お疲れさまでした」
「ああ。鳳翔さんも」
「今は、無理にお話ししなくても大丈夫ですよ」
「いや、平気だ」
「そうですか……」
浮かんだ笑みはいつもと変わらず穏やかだったが、声は普段より少しだけ静かだった。
「では、ゆっくり休んでくださいね」
「ああ」
神通も一歩前へ出る。
「土佐さん。出撃前のお話ですが」
一瞬、何のことか分からなかった。
すぐに思い出す。
――帰ったら、ゆっくり話そう。
「ああ」
「また、今度にしましょう」
「そうだな」
「ですから、きちんと治してきてください」
神通は微笑んでいたが、こちらを見る目は真剣だった。
「ああ。約束する」
「はい」
その返事を聞いて、神通の肩から僅かに力が抜ける。
隣では足柄が腕を組んでいる。いつもの勢いはなかった。
「土佐……」
「何だ?」
「私が、あの重巡をもう少し早く押さえていれば――」
「足柄」
加賀の声がした。
「あなたの責任ではありません。あなたが重巡を抑えていたから、あの程度で済んだのよ」
「でも」
「自分の働きを過小評価しないで」
足柄は唇を引き結び、しばらく加賀を見ていた。
「……分かったわよ」
私は足柄へ視線を向ける。
「加賀の言う通りだ。あれは私が突っ込んだ。だから、気にするな」
「土佐まで……」
足柄は何か言いたそうに口を開いたが、やがて諦めたように息を吐いた。
「次は、ちゃんと避けなさいよ」
「ああ」
「絶対よ」
「努力する」
「そこは約束しなさい!」
今日はよく言われる。
◆◆◆
医務担当による身体状態と判断力の確認を終え、妖精さんによる艤装と接続状態の診断も受けた。
入渠時間は十二時間。
告げられた数字を頭の中でもう一度確認しながら、湯へ身体を沈める。温かさが傷んだ身体へゆっくりと染み込み、張り詰めていた力が抜けていった。
白い湯気の向こうにある天井を見上げる。
「……十二時間かぁ」
長い。
「長いなぁ」
「長いなぁ、じゃないでしょう?」
横から声がした。
顔を向けると、陸奥が呆れたようにこちらを見ていた。
「大破したのよ?」
「分かってる」
「分かっている人の反応じゃないのよ」
「でも、十二時間だぞ」
「十二時間で済むことを喜びなさい」
「……長いものは長い」
「土佐?」
「分かった。黙る」
陸奥が深く息を吐く。
「本当にもう……」
怒っている。
だが、さっきからずっと近くにいる。
「陸奥」
「何?」
「心配したか?」
「したわよ。ものすごく」
即答だった。
「そうか」
「そうか、じゃないの」
伸びてきた手に頭を撫でられる。
今日は、それを止めようとは思わなかった。
「無事に帰ってきたからいいけど、次からはもう少し自分のことも考えなさい」
「分かった」
今度は少し真面目に答えた。
陸奥は私の顔を見つめ、嘘ではないと判断したのか、もう一度ゆっくりと髪を撫でた。
◆◆◆
side 加賀
艤装を外したあと、加賀は一度自室へ戻った。
鏡の前に立ち、自分の姿を見る。大きな損傷はなく、戦闘中に受けた傷も軽い。
旗艦として必要な判断はした。
敵戦力を確認し、交戦した。土佐を後退させ、追加の敵戦力を発見した時点で撤退を決めた。
全艦を帰投させた。
判断は間違っていない。
「…………」
それでも、目を閉じれば浮かんでくる。
砲撃と爆炎。その向こうで片膝をつき、刀を握ったまま、まだやれると言った土佐。
通信で告げた自分の声まで蘇る。
――土佐、大破。
加賀の指先が、僅かに震えた。
そのとき、扉が叩かれる。
「加賀さん」
聞き慣れた声だった。
扉を開ける。
「赤城さん」
「お帰りなさい」
「ええ」
赤城は加賀の姿を一度見て、大きな怪我がないことを確かめる。それから少し間を置いた。
「土佐さんは?」
「入渠しています」
「大破したと聞きました」
「ええ」
それだけ答える。
赤城は何も言わず、しばらく加賀を見ていた。
「会いに行きますか?」
「…………」
答えが遅れた。
ほんの少し。
それだけだった。
「私も行きます」
「赤城さん」
「心配ですから」
赤城が柔らかく笑う。
「一緒に行きましょう」
加賀は目を伏せた。
「そう……ね」
◆◆◆
side 土佐
「でも、十二時間だぞ」
「まだ言うの!?」
入渠室へ入った瞬間、赤城さんが口元を押さえた。
「ふふっ」
陸奥が振り返る。
「あら、赤城さん」
「お邪魔します」
その隣には、加賀もいた。
「赤城さん。加賀も、来たのか」
一瞬、加賀の足が止まったように見えた。
「ええ」
「そうか」
少し嬉しい。
「ありがとう」
加賀が黙る。
「…………」
「加賀?」
「何でもないわ」
そう言って、陸奥の近くへ来た。赤城さんも椅子へ腰を下ろす。
「土佐さん、具合はいかがですか?」
「悪くない」
「大破した方が言う台詞ではありませんね」
「でも実際、今はそんなに痛くない」
「入渠していますからね」
「そうなのか」
「そうですよ」
赤城さんが笑う。
陸奥はまだ納得していない顔をしていた。
「この子、さっきから十二時間が長いって、そればっかりなのよ」
「長いだろ」
「土佐さん。十二時間くらい、大人しくしていましょう」
「赤城さんまで」
「大破したんですから」
味方がいない。
「分かった。大人しくする」
「よろしい」
赤城さんが満足そうに頷いた。
しばらく他愛のない話をした。
やがて、自分の手へ視線を落とす。握って、開く。問題なく動く指を見ていると、戦闘中の感覚が蘇ってきた。
「……悔しいな」
三人の視線が集まる。
「土佐?」
「もう少し、上手くやれたと思うんだ。重巡に意識を取られなければ、届いてた」
「土佐さん」
赤城さんが僅かに眉を下げる。
「もう次の戦いのことですか?」
「ああ」
陸奥が額を押さえた。
「もう……」
「でも」
言葉を止める。
違う。
次に勝ちたい。
それだけではない。
「……強くなりたいんだ」
陸奥の手が止まり、赤城さんも黙る。加賀は何も言わず、こちらを見ていた。
「今までは、戦えるようになりたかった」
艦娘になり、戦艦土佐になった。
海へ出られなかった艦。
戦えなかった艦。
せっかくこうなったのだから、今度こそきちんと戦いたいと思っていた。その気持ちは今も変わらない。
「でも、最近はそれだけじゃない」
陸奥を見る。
赤城さんを見る。
最後に、加賀を見る。
「私のことを気にしてくれる人がいるから」
自分で言って、少し照れ臭くなった。視線を落とし、湯の中で手を握る。
「だから、なんでも守れるくらい強くなるよ」
静かになった。
顔を上げると、陸奥が額へ手を当てていた。
「本当に……」
「何だ?」
「そういうところよ」
「何が?」
「分からなくていいわ」
赤城さんも、いつもより少しだけ柔らかく笑っている。
「それは、私たちのこと?」
陸奥が尋ねた。
「ああ。陸奥も、赤城さんも」
二人の目が僅かに見開かれる。
そして。
「加賀も」
加賀を見る。
「…………」
「加賀?」
「あなたは、私を守るつもりなの?」
「ああ」
「私も艦娘よ。あなたより戦闘経験も多いわ」
「知ってる」
「それなのに?」
少し考える。
それでも答えは変わらなかった。
「それでも、守れるくらい強くなりたい」
加賀は長い間、何も言わなかった。
「そう」
やがて目を伏せ、ほんの少しだけ表情を緩める。
「期待しているわ」
「ああ。任せろ」
陸奥が深く息を吐いた。
「……駄目だわ、この子」
「何が?」
「何でもない」
赤城さんは私と加賀を交互に見たあと、静かに立ち上がった。
「では、私はそろそろ。土佐さんも休まないといけませんから」
「もう帰るのか?」
「ええ。陸奥さんも行きましょうか」
「え? 私も?」
赤城さんがにこりと笑う。
陸奥は赤城さんを見て、次に加賀を見た。
「ああ……そういうこと」
「?」
何がだ。
陸奥がこちらへ来て、頭へ手を置く。
「ちゃんと休むのよ」
「分かってる」
「本当に?」
「たぶん」
「土佐?」
「分かった。休む」
「よろしい」
頭を一度撫でられる。
「じゃあね」
「ああ」
赤城さんにも視線を向けた。
「赤城さんも、ありがとう」
赤城さんが一瞬、目を瞬く。
「はい。お大事に、土佐さん」
「ありがとう」
扉の前まで歩いた赤城さんが振り返る。
「では、加賀さん。ごゆっくり」
「赤城さん」
扉が閉じた。
◆◆◆
さっきまで三人いたからか、入渠室が妙に広く感じられた。
湯気が静かに立ち上り、湯の揺れる音だけが聞こえる。
「二人とも帰ったな」
「ええ」
「加賀は帰らないのか?」
少し間があった。
「もう少し、ここにいるわ」
「そうか」
それなら。
「じゃあ、いてくれ」
加賀が黙る。
「?」
「ええ。いるわ」
しばらく何も話さなかった。
先に口を開いたのは加賀だった。
「土佐。一つ、約束して」
「何を?」
「今日のような無茶は、もうしないで」
すぐには答えられなかった。
「でも、必要なら――」
「必要でも駄目よ」
言葉を遮られる。
加賀はいつもと変わらない顔をしていたが、こちらを見る目だけが少し違っていた。
「私は今日、あなたを守れなかったと思った」
思わず眉を寄せる。
「何言ってるんだ。守ってくれただろ」
加賀の目が僅かに見開かれた。
「あのとき、私一人だったら多分そのまま行ってた。まだ戦えると思ってたからな」
実際、戦えた。
だからこそ止まれなかった。
「でも、加賀が止めてくれた」
自分の手を見る。
あの手で刀を納めた。
「私が刀を納められたのは、加賀がいたからだ。だから、ありがとう」
「…………」
加賀の手が動いた。
少し迷うように宙で止まり、それから私の髪へ触れる。
「加賀?」
指が優しく髪を梳く。
「……強くなるのは構わないわ。あなたなら、もっと強くなるでしょう」
「ああ。任せろ」
「でも、私を守ることより、自分を大切にしなさい」
髪を撫でる手が止まる。
「あなたが傷つけば、心配する人がいるのよ」
陸奥。
赤城さん。
時雨。
鳳翔さん。
神通。
足柄。
今日、何度も言われた。
「そうみたいだな」
「そうみたい、ではありません」
加賀の声が少しだけ強くなる。
「そうなのよ」
「分かった」
「本当に?」
「今日はよく聞かれるな、それ」
「普段の行いでしょう」
「そんなに信用がないか?」
「そういう意味ではないわ」
加賀の手が、また髪を撫で始める。
「私は、あなたに守ってもらうことより」
言葉が一度止まった。
「あなたが隣にいてくれる方がいい」
「…………」
何も言えなかった。
「それは、ずるいな」
「そう?」
「そうだ」
加賀の口元が、ほんの少しだけ柔らかくなった。
「なら、今日は大人しくしていなさい」
「分かった」
「十二時間」
「…………」
「長くないでしょう?」
「それは長い」
「土佐」
「そこだけは譲れない」
加賀は呆れたように息をついたが、少しだけ笑っていた。
「まったく……」
「加賀」
「何?」
「もう少しいるんだろ?」
「ええ」
「そうか」
目を閉じ、身体から力を抜く。思っていたよりも疲れていたらしく、すぐに眠気が訪れた。
「じゃあ、少し寝る」
「ええ。そうしなさい」
意識がゆっくりと落ちていく。
髪に、もう一度柔らかな感触があった。
「おやすみなさい、土佐」
「あぁ、姉さん」
「――」
髪に触れていた指が止まった。
ほんの一瞬。
加賀の手が、完全に動きを止める。
けれど、私はもう目を開けなかった。
眠かった。
安心していた。
だから、自分が今、何と呼んだのかさえ深く考えなかった。
返事がないことを不思議に思うより先に、意識が沈んだ。
◆◆◆
side 加賀
規則正しい寝息が聞こえる。
加賀は動けなかった。
髪へ触れたまま、眠ってしまった土佐を見つめている。
「…………」
聞き間違いではない。
確かに今。
――姉さん。
そう呼ばれた。
ずっと待っていた。
無理に呼ばせるつもりはなかった。土佐が自分からそう呼びたいと思うまで、そのときが来るまで待つつもりだった。
そして、その言葉は。
あまりにも自然に。
あまりにも無防備に。
土佐の口から零れた。
「そう……」
誰に言うでもなく、小さく呟く。
眠っている土佐は答えない。
加賀の指が、もう一度ゆっくりと髪を梳いた。
「おやすみなさい」
ほんの少しだけ、声が柔らかくなる。
「……私の妹」
土佐の寝息は変わらない。
大破した。
その報告を、自分の口で告げた。
守れなかった。
そう思っていた。
けれど。
――守ってくれただろ。
土佐はそう言った。
――私が刀を納められたのは、加賀がいたからだ。
そして、自分を守れるほど強くなりたいと、この子は言った。
「……期待しているわ」
今度は、誰にも聞こえない声で言う。
けれど。
強くなることより。
勝つことより。
「無事に帰ってきなさい」
指先で、乱れていた前髪を整える。
「それで十分よ」
加賀はもう一度だけ、土佐の髪を撫でた。
そして、眠る妹の隣に。
もうしばらく。
座っていることにした。