手合わせから暫くの時が流れて、今日から高校生、呪術高専へと入学する事になった。
「剣生〜!!」
校門前で立ち止まる俺の後ろから悟が走ってくる。凄い笑顔だな…初対面の時とは大違いだ。
それほど無下限を破ったことが気に入ったのか?
「悟、この間ぶりだな」
悟はあの手合わせの後、しばしば五条家を抜け出して俺に会いに来ていた。その度に戦闘になるから生傷が絶えなかったな…
「剣生も同じ時間に着くとはな!よっし!教室行こうぜ〜!」
肩を組んでくる悟にされるがまま、俺は1年生の教室へと向かった。
長い廊下を歩き、1年生の教室の前で立ち止まる。俺が開けずとも悟がガラリと勢いよく扉を開けた。
「オマエ等が残りの同級生?」
あくまで上から目線で二人の同級生に話しかける五条。
コイツ…マジで箱入りだな
「やあ、君が五条悟君だね?私は夏油傑。これから四年間よろしく頼むよ」
手を差し出す夏油を見て悟は顔を顰めてとんでもないことを言い放った。
「ダセェ前髪!」
瞬間、空間が凍りついたかのような錯覚を覚える。
「……五条君?もう一度聞いてもいいかな?」
「あ゛ぁ?だからオマエの前髪がダセェつったんだよ、なんだその前髪?オマケに耳まで悪いのかよ」
青筋を立てた夏油は背後から呪霊を召喚して話す。
「表に出なよ」
「ハッ!やだね」
その言葉を最後に、教室が爆発した。
ーーーーー
俺は咄嗟にもう一人の同級生、家入硝子を抱えて着地する。
「ありがとー。よく避けれたね?」
「ああ、悟のやる事だ、大体こうなるだろうと予想はしていた。初対面で触れてしまってすまないな」
「良いよ、結構イケメンだし。名前は?」
「小鷹剣生、よろしく」
「私は家入硝子。よろしく〜」
そんなやり取りを交わしながら校庭で戦闘を行う夏油と悟を見学する。
あ、悟がぶん殴られた。雑魚だと思って無下限張ってなかったな?
…?なんか話してる…あ、握手した。肩組んでる…
もしかして悟……チョロいのか?
その後やってきた夜蛾先生が教室の惨状を目の当たりにし、悟と夏油に思い切り拳骨を食らわせたあと、空き教室でホームルームが始まった。
たんこぶって本当に重なるんだな…
ーーーーー
「いってぇ…酷い目にあった…」
「悟が初対面で喧嘩を売るからだろう?」
「傑だって悪いでぇ〜す」
「お前達仲良いな?そういえばオマエも呪術師だとは思わなかったぞ夏油君」
「もう同僚なんだから、傑で良いよ。堅苦しい…
そしてそれは此方のセリフだよ、なんで黙っていたんだい?」
「お前は中学だと真面目だったからな、急に呪霊云々の話をしても頭がおかしいと思われると思っていた」
「それは確かに、非術師だったら確実に言ってる」
「だろ?」
「私も混ぜろよ〜」
「女の子が肩に乗ってくるな、危ないぞ」
「それは男女差別だよ〜小鷹」
ワイワイと盛り上がりながら午後の休憩を取る。
漫画の知識では知っていたが、やはりちゃんとこの世界に息づく人間。
俺も漫画のキャラとして見るのは辞めて、ちゃんと向き合おう。姉さんにもそうしてきたしな。
「それにしても、やはり呪術師ってのは少ないな…マイノリティ過ぎる」
「確かにね、私も剣生と同じ一般家庭出身だから最初は驚いたよ」
「パンピーに呪霊が見えたらそれはそれで大変な事になりそうだけどな」
「呪霊に対する恐怖が凄いことになって化け物みたいな強さの呪霊とか現れそうだよね〜」
「怖ッwww」
prrr…
そんな話の中、俺の携帯電話が鳴る。
「悪い、少し出る」
「おう、いってら〜」
手を振る悟に軽く俺も手を上げて、外に出た。
ーーーーー
『Hello, Kensei. So, you’ve finally begun the student life you’ve long desired, haven’t you? I wonder—did you like my gift? ...That device I gave you utilizes technology from "Code," an organization jointly established by the upper echelons of the sorcery world and the United Nations.』
「またお前か、なんで英語なんだ?聞き取れるから別にいいが…Code?その組織とやらが開発したこのデバイスがどうかしたか?」
『Oh, my apologies... I’m simply more accustomed to using English. Please forgive me. But to get back to the point: the moment you accepted that device, you became a member of "Code." I’m afraid the decision is final. From now on, as "Code No. 4," you are tasked with eliminating the evils of this world—specifically, Cursed Spirits and Curse Users. I’m counting on you.』
その言葉を最後に一方的に電話が切られる。
「俺がCodeNo.4?何勝手なことを言ってるんだ…!?クソっ!切りやがった!!」
Codeとは何だ…?俺が一員…?クソ…分からないことだらけだ。
Codeの立ち位置が分からない今、悟達には伝えられない…自分で調べなければ。
分からない事だらけの俺の頭の中で、確かな事が一つだけあった。
どうもCodeとやらは…きな臭い…!!
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