私の名前はザンダー・カイタ・クワバラ、どうぞ気軽にザンタクとお呼び下さい   作:ザンダー・カイタ・クワバラ

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またお会いしましたね天外の読み手よ。
今日は少しだけ昔話をしたいのです、年寄りのわがままをどうかお許し下さい。

私は歴代のどのナビゲーターにも敬意を持っていますが、シケン殿がナビゲーターであった時代は流石の私でも幾度かの苦情を禁じえませんでした。
いえ、彼のサイコロが導く波乱万丈な航路に文句があったのではありません。概ね満足な旅でしたから、ええ概(・)ね(・)は。限度はありましたがね。
私がサイコロを振る時は何故か当たり障りのない結果を引いてしまう事が多かったです、今思うと逆に運が良くなかったのでしょうね。

アレが何度目かの巻き込みだったかを語るつもりはありませんが……兎に角その一回は特に酷いものでした。
星穹列車の各車両が突如としてバラバラになり、とある星へと墜落したのです。その原因は語るまでもなくシケン殿のサイコロでした。
日常は勿論どんな危険な時でもウィットに飛んだジョークを欠かさない方でしたが、あの時ほどその発言が苛立たしいと思った事はありません。
私を始め何人ものナナシビトが代わる代わる彼を殴りました、それでも尚反省することなく「さぁ次にサイコロを振るやつはいないのか?」と笑っていた彼の事を、何故だか最近よく思い出すのです。

いけませんね、ついセンチな気分になってしまいました。昨夜シケンフリークの姫子殿にせがまれて長話をしてしまいましたからその影響でしょうか。
彼がナビゲーター在任中に起こした数々の罪過にご興味があれば、また今度お話しましょう。




造物エンジンに殴られた時は流石の私でも死を覚悟しましたね

・ヤリーロVI ベロブルグにて

 

 この星は寒かった。

 ある程度の寒波は開拓の加護で護られこそするものの寒いものはそもそも寒いのだ、だがザンタクの能力(力)があればこの状況すら簡単に打破出来るとしたらどうだろうか?

 人はその誘惑に抗えると言えるだろうか?

 それは無理だ。彼の真の思惑を何も知らぬ者たちが哀れにも彼の術中に陥る様を、傍観者でしかない我々はただ見届けるしかない。

 

「フフフ。如何でしょう皆様、この私の力を身をもって味わっておられますか……?」

 

「くっ! 最高だよ!」ぽかぽかぁ

 

「ああ、助かる」あったかぁ

 

「ふ〜♪ありがとザンちゃん」ぬくぬくぅ

 

 三者三様に返答をするナナシビト達、この極寒の地で一時の救いを齎してくれるというのなら例えその相手が神でも悪魔でもその手を伸ばす事をやめられるだろうか?

 否。その誘惑の手を払うのは不可能と言える。

 

「良い返事です、それでこそ身を張った甲斐があるというもの」

 

 ザンタクはその身体から迸る程の熱を発していた、極寒の地に於いてこれが有機生命体に対してどれだけの優位性を持っているかは語る必要も無いだろう。

 コアを露出し歩くヒーターと化したザンタク、尤もこれは彼の身体に隠された幾つもの秘密のうちの一つに過ぎない……しかしこの場でその全てを語るのは時期尚早というもの。

 またの機会にさせて頂く。

 何せこれは彼の真の目的にとっての伏せ札ですらなく、見せ札でしかないのだから。

 ザンタクの真の目的……それは若きナナシビト達を後ろから支え、彼(彼女)らの開拓の道を陰ながら援助するという壮大な叙事詩とも言える展望なのだから。

 

(シケン殿の導きを生き延びた私に、対応できない想定外など……もはや存在しないのですよ)

 

 ポカポカするザンタクを中心に円陣を組んで移動するナナシビト達、目指す開拓地は未だ遠い。

 遠い? いや違う既にこの星の災いの根源である星核の元に辿り着いて居た筈。 

 何かがおかしい。

 

(……これは走馬灯?)

 

 一時的な休眠状態に入っていた身体が再起動する、ゆっくりと目を開けたザンタクの視界一杯に広がるのは超大型の重機・造物エンジンを手にした槍で操る星と、星核と融合し化け物と化したカカリアが対峙している姿であった。

 

 瀕死の重傷を負った星だったが存護の星神からの一瞥を受け槍を継承し復活した。その頃、ザンタクは地面に物理的に埋められていた。

 造物エンジンの一撃から仲間を守る為に咄嗟に受け止めた彼は、そのまま大地から頭だけを生やしたゆっくりザンタクとして前衛的な観光オブジェクトと成り果てていたのだ。

 

「失敗してしまいましたね、そしてどうやら星殿がかの星神の一瞥を受けた以上はあの巨大重機(造物エンジン)がこちらを攻撃する事はもはや無いでしょうが……ふむ」

 

 ザンタクが独力で地面から這い出るのには残念ながら1システム時間以上は掛かってしまうだろう、対応できない想定外の事態だ。若きナナシビトたちを身を挺して驚異から守り通す盾となりたかったのだが……ままならないものだ。

 もはやこの星の危機に残された時間をゆっくりザンタクとして、仲間達とカカリアとの戦いを生首として見届けるしかない。

 酷く無念であった。

 

(しかし、星殿(星核)から流れているこの音楽は何なのでしょうか……心を奮い立たせる良い曲ではあるのですが……いったい?)

 

→:ザンタク、今助けるからね

 :大丈夫?まだ戦えそう?

 :ゆっくりしていってね!

 

「ザンタク大丈夫!? 今助けるからね!」

 

「おや?」

 

 星が纏う存護の槍の力に導かれた造物エンジンの腕がゆっくりザンタクの頭部を雑に摘んで、そのまま勢い良くスポーンと地面から引き抜く事に成功した。

 無事(?)に戦線へと復帰する事が出来たザンタクのボディは破損が目立っていたが、動く事に支障は来たしていなかった。

 

「感謝します星殿、あのまま埋められたままでいたら最悪の場合この戦闘に巻き込まれ死んでいたかもしれません」

 

「話は後だよザンちゃん、私たちの友情パワーを見せてやろう!」

 

「ちょっと星ー! ウチらもうピンチなの、早く戻って来てー!」

 

「俺の後ろに隠れていろ三月!」

 

「あたし達が抑えてる間になんとか立て直しなさいよ! 行くわよブローニャ!」

 

「ええ、行きましょうゼーレ!」

 

 壊滅に加えて存護の一瞥を受けた星は、初めて会った時とは別次元の力を持って存護の槍を巧みに操り、造物エンジンと共に禍いの元凶へと立ち向かっていく。それに続く様になのかや丹恒と、この星で出会い友誼を結んだゼーレとブローニャたちと共にカカリアを止める為に懸命に足掻く。

 いや彼女たちだけではない、ここに辿りつくまでに協力してくれた仲間達と共に未来を掴む為に懸命に抗う。誰もがその命を輝かせていた。

 

 嗚呼……この光景こそまさに開拓の真骨頂と言えるだろう。

 早くも開拓の運命を歩むナナシビトとして頭角を表し始めた後輩たちの姿に感無量な気持ちになったザンタクは、以前からの約束通り彼女らの開拓を見届ける為……この戦いに出演する!

 

「この期に及んで出し惜しみは致しません。開拓の行人として嘗ての力の一端(始まりの天才の一欠片)を星殿、貴方がたの為に奮うとしましょう」

 

 ガションガションと変形してコアを露出していくザンタク、何を隠そうヒーターになるだけが脳ではないのだ。その力は他者への支援に特化(知恵・量子)しており、彼が示す開拓は若者たちが進む道行を照らす灯りでもある。

 

「さあ、私に見せてください。貴方がたの開拓を」

 

 

 

 

 

・星穹列車 保護者会

 

 カカリアとの激闘を終えヤリーロVIに仮初の平和が戻った。開拓は成されたのだ。

 これからこの星は近い将来カンパニーの支援を受け入れ、いずれは銀河の一員として正式に宇宙へと羽ばたいていく事になるだろう。

 それは開拓とは違うまた別のお話だ。

 

「あんたもお疲れ様ザンタク、私とヴェルトは直接サポート出来なかったけどあの子達の傍にあんたが居てくれて助かったわ。はいコーヒー」

 

「感謝します姫子殿」

 

 何時もの様にコーヒーを飲み干し(隔離パックに封印し)一息ついたザンタクを労う姫子は、嬉しそうに若き開拓者達の映像を眺めていた。

 

「あんたから見てあの子達はどうだった?」

 

「そうですね、若々しく瑞々しい開拓の息吹を一身に浴びた様な気分です。初めて会った頃の姫子殿を思い起こしますね」

 

「あらやだ、それって褒めてるのよね?」

 

「フフフ……どうでしょうか?」

 

 クスクスと笑う姫子に対し、肩をすくめて(ご想像にお任せします)というサインを送るザンタク。ナビゲーターに就任してから15年の時を共に過ごした2人には、互いにだけしか伝わらない独自の距離感があった。

 ヴェルトも長い付き合いでこそあるが、やはりどうしても姫子を見守る様な立場でしか付き合えず、2人の距離感の近さには微笑ましさを覚えてしまう。

 

「彼女たちにとっても特別な開拓になったようだし、サポートしていた俺たちにとっても意義のある開拓になったな。しかし造物エンジンか……出来れば俺も生で見たかったな」

 

「ヤリーロVIの存護の意思を凝縮した素晴らしい重機でしたよ、私はもう懲り懲りですが」

 

「あんたが埋まっちゃったのを見た時は……ごめんなさい、思わず笑っちゃったわ。あんたが身を挺してくれたからあの子達は助かったっていうのに失礼な話よね」

 

「いえ、アレは私の落ち度ですので。出来る限り手を出さないよう自重していたのですが、その所為で初動が遅れてしまいました」

 

 現地では己自身の開拓よりも星達のサポートや現地の住民との交流を優先していたザンタクが初めて積極的な開拓を行い、その結果ゆっくりザンタクとなってしまったのは明確に失態であった。

 モグラ党名誉顧問の名折れである。

 

 その後も報告&反省会は和気あいあいと続き、話の焦点は今後の星穹列車の航路の話題へ。

 

「そういえばザンタク、今更だけどミス・ヘルタからあんたに用があるからもう一度宇宙ステーションヘルタに来ないか(来なさい)って誘いがあったわよ。何かしたの?」

 

「さて……ヘルタ殿とはお会いしてもいない(ボロは出していない)筈ですが、因みにどの様なご要件でしょうか?」

 

「さあ……会って確信したい、みたいな事を聞いたけど。どうする? 今回の開拓で余剰エネルギーはあるから寄港しても問題は無いけれど。ねえパム?」

 

「ウム! あまり無駄には出来んが今回の開拓は素晴らしいものだった様じゃからな、オレは構わんぞ!」

 

「ふむ」

 

 ザンタクにとって天才クラブのメンバーに顔を見せるのは断頭台に登る心持ちだ。

 自身の罪の象徴であり筆頭被害者である彼らと胸を張って会える日が来るとすれば、それは贖罪を果たした時である。それはそうとポルカ・カカムとは絶対に会いたくない。

 彼女と会うぐらいなら原始博士と24システム時間バナナについて徹底討論した方が遥かにマシである。

 

「いえ、その必要は無いでしょう。私たちが進む開拓のレイルの道中にヘルタ殿との道が交わるとき(オンパロス)があるのなら、その時にお会い出来るでしょうから」

 

 なにか良い感じの事を言っているように聞こえるが要は「会うの気まずいぴえん」という事である。

 

「あら、気が乗らないならサイコロを回しても良いのよ? もしかしたら楽しい結果が待っているかもしれないわ」

 

「おっと、姫子殿……それはご勘弁を」

 

 両手を上げて降参のポーズを取るザンタクと、サイコロを振る動作で揶揄う姫子。共にシケンフリークだからこそ通じるジョークに場が和んだ頃、底抜けに明るい少女の声が響いた。

 

「あーこんなところに居たー! ちょっとちょっと、ウチらだけ除け者はずるいじゃん」

 

「よせ三月、大切な話をしていたかも知れないだろう」

 

「いや、大丈夫さ。俺たちもそろそろ解散しようと思ってた頃だからな」

 

 :無事に開拓の旅を終えてきたよ

→:私達の開拓はどうだった?

 :保護者役も楽じゃなかったよ

 

「どうだった、私達の開拓は?」

 

 ドヤ顔でそう訊ねる星に対し、それぞれの顔を見渡してザンタク達は声を合わせこう答えた。

 

「素晴らしい開拓だったわ(ぞ)(でした)」

 

 

 

 

 

・ボーナス・トラック

 

【ゆっくり】ザンタクとかいうサービス開始からずっと恒常サポート枠最強の男について語ろう【していってね!】

 

56:攻略ナナシビト ID:H9Scv+auo

味方全員の会心率・会心ダメージを上げます←分かる

2ターン継続します←まだ分かる

2凸したらバフ量が更に増えます←ギリ分かる

必殺で味方の回復とバリアを張ってバフを更に1ターン伸ばします←なんて??

完凸したら更に攻撃力アップも付いてついでにデバフ解除します←加減というものをご存知でない?!

 

 

58:攻略ナナシビト ID:EtzsAsWLP

星穹列車メンバーの場合バフ倍率が更に1.5倍になるのを忘れてるぞ

 

 

59:攻略ナナシビト ID:fB+vIYE3x

>>56

>>58

頭おかしい

 

 

62:攻略ナナシビト ID:gm6X/b1TL

ナナシビト大好きオムニックくん

キミはなんで裸なんだい?スクリューガムと同じ服を着ようぜ!

 

 

63:攻略ナナシビト ID:pzg79e8q7

直接殴る以外何でも出来る男

 

 

65:攻略ナナシビト ID:NcUWMFcW8

ゼーレ最強時代の名脇役

尚Ver.2.3現在でも未だに最強バッファーの1人の模様

 

 

66:攻略ナナシビト ID:eCNxlhQHL

こいつ居れば上方修正要らんやろ……って雑に初期メン冷遇されてるから嫌い

 

 

70:攻略ナナシビト ID:lzQQtJ3TE

流石に開拓組縛りだとキツイものがあるけど、それ以外なら何にでも合うよね

 

 

74:攻略ナナシビト ID:kOAH73NuR

強いことしか書いてないからな

 

 

76:攻略ナナシビト ID:NYnxs87T/

しょうがねぇだろザンタクは初の調和キャラだからな

 

 

77:攻略ナナシビト ID:FVORdyjQS

>>76知恵なんですがそれは……

 

 

79:攻略ナナシビト ID:o0QJerOrg

良いバフ量してんな、調和キャラだろ?

 

 

83:攻略ナナシビト ID:XboNjXB2j

調和です……

 

 

86:攻略ナナシビト ID:kg2Ti+DKY

ザンタクの頭部芸はいつ見てもオモロい

 

 

87:攻略ナナシビト ID:9SokcoACP

ゆっくりザンタク「ゆっくりして行きましょうか開拓者殿」

 

 

91:攻略ナナシビト ID:5wrdxiU5Y

地面に埋められたりベニヤ板を突き破って頭部が露出したりフック様に顔以外箱に入れられてるだけで生首じゃない定期

 

 

94:攻略ナナシビト ID:IDVXeZ0gQ

寧ろ頸部ユニットは最重要に強化されてるって本人言ってただろ

 

 

95:攻略ナナシビト ID:1hcyE+Zeb

あんだけ首にばかりダメージ食らうほど呪われてれば頭部破損を警戒すんのも仕方ねぇわ

 

 

98:攻略ナナシビト ID:dac68ubdC

見た目からして機械だからお堅いと思ってたけど意外とノリが良いの好き

ウソ、大好き♡

 

 

100:攻略ナナシビト ID:1lKJCzk53

開拓者とゼレブロかブロゼレのどちらが正義かで真面目に討論してたの良いよな

俺はゼレブロ派です!

 

 

103:攻略ナナシビト ID:y07Ko93Sa

頭良いのにアホシナリオしかないんだよな

ブロゼレが真理だから黙っとこうな?

 

 

105:攻略ナナシビト ID:ZrUF8qWYg

星槎パズルしてたら中から出てきた時腹抱えて笑ったわw

 

 

109:攻略ナナシビト ID:Jo/Y5d1Pf

良いだろ?ヒーター機能で俺たちや下層の住民を暖めてくれるんだぜ?

俺はゼレブロの間に入りたい派w

 

 

113:攻略ナナシビト ID:mwCPDipBR

スヴァローグと一緒にクラーラを守るミニゲームもう一回やりたい

 

>>109

〇ね

 

 

117:攻略ナナシビト ID:CPolunRf2

なんでこの人この性能で恒常なんですか?

あとゼレブロが正義って教科書で習ったろ?

 

 

119:攻略ナナシビト ID:lsLJ7XrKB

分からん

 

 

123:攻略ナナシビト ID:dYnir5nNl

ミホヨゲーの良心やぞ

 

 

 

 

 

 




私たちの次の目的地、千舟で交わした縁を語るのはまたの機会にしましょう。

しかしヘルタ殿は随分と勘が鋭い。
まだ推測の段階に過ぎないようですが僅かな違和感と限られた情報から私の正体(謎)へと辿り着かんとする様は才気煥発と表現する他ないでしょう。
生憎と私は最早ザンダー本人とは何もかもが変質してしまっていますので、彼女が求めるであろうザンダー・ワン・クワバラ(始まりの天才)としての答えは与えられないでしょう。

私の名はザンダー・カイタ・クワバラ。
ザンダー本人がこの世界に遺した知恵に対する9つの慙愧の念の1つにして、開拓の運命に未来を託した夢追い人。
知恵の使令(囚人)としての力は全て他の分体へと捧げて(押し付けて)いる以上、この身はどこまで行っても開拓の行人であり一介のナナシビトに過ぎないのですから。

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