本田セネト 作:アーマードコアの新作の次は遊戯王の新作
城之内と行動していると、明らかに不審なフードの男から勝負を挑まれた。
「君もバトルシティ参加者なんだろ? デュエルしてくれないか?」
「……自分の顔も見せない奴から勝負を受ける気はねーよ」
「そうかい。なら……」
「待ちな」
遊戯から改めてグールズの話を聞いていた城之内は、警戒の色を露わにする。しかし先方に諦める気配はない。相手は犯罪組織、こちらの条件を呑ませる手段を何かしら用意しているはずだ。となれば。
「参加者じゃねえが、こう見えてデュエリストだ。俺が受ける」
「本田!」
「良いじゃねえか城之内。どうせ観てばっかりで飽き飽きしてたんだ。そっちが顔を見せねえ以上、正式な参加者かは分かりはしねえんだ。なら良いだろう?」
一応デュエルディスクは、レアハンターとかいうやつから拝借させてもらった。偽造カード使ってた様な奴だし、大会が終わるまでなら別に良いだろう。
城之内は何か言いたげにしていたが、俺が視線を動かすと意図を察してくれた。小声で「戻ってくるまでやられんなよ」と呟いて、この場から離れていった。流石ダチ。
「本当なら城之内の方が都合が良かったんだけどねぇ……。でもショーの仕込みには十分か。力づくのつもりだったから手間が省けたよ」
物陰から何人か男が現れた。こりゃ大当たりを引いたか?
“相変わらず運が無い。……出来るだけ時間と情報が欲しい。優越感を引き出させるぐらいに程々で煽れるか”
「わかってるっつの」と『ネフェルタリ』に小声で返す。……まぁ。コイツがいるからこんな状況でも冷静でいられるのだが。
「それは結構なことで。んじゃ、デュエルといこうぜ。このままじゃ、あっさり行き過ぎてつまんねえだろ?」
「僕にはメリットが無いけどね……。良いよ。殊勝な羊にはご褒美をあげよう」
「マリク様っ!」
「心配するな。ウォーミングアップだよ」
“コイツら迂闊過ぎるぞ。ここまですんなりいくとワザとな気もしてくるな……。『千年ロッド』の特性を考えれば、あのマリクと呼ばれた男が本物かどうかも怪しい”
『ネフェルタリ』が難しい顔をしているが、こういった腹の探り合いは彼女の方が慣れている。任せよう。
……ただ、自分の根拠のない直感なのだが、深読みしすぎな気がする。多分コイツ等は、俺達みたいな不良に毛が生えた程度の組織だ。『ネフェルタリ』の生きた伏魔殿の如き謀略渦まく貴族社会と、チンピラどもの機密管理意識が同等とは思えない。
「では、デュエルといこうか。精々愉しませてくれよ」
「あぁ。同じ馬鹿なら踊らなきゃ損ってな」
「フフフ……。僕を愉しませている間はトドメは刺さないでおいてあげるよ。先攻と後攻、好きな方を選ぶと良い」
「じゃあ遠慮なく先攻をもらうぜ! ドロー!」
手札は……悪くははないが、凌ぐ、捌くタイプの手札か。
「『眠れる獅子』*1を守備表示。カードを2枚セットしてターンエンド」
「随分消極的だねぇ。なら僕のターン、ドロー!」
守備力1700は『ホーリー・エルフ』*2程じゃないが高い方だ。1ターン動けなくなってくれればありがたいが……。
「『ギル・ガース』*3を召喚! そのままその寝坊助に攻撃だ!」
「させるか! 召喚した時に『落とし穴』*4を発動、『ギル・ガース』を破壊!」
伏せていた1枚をオープン。直接破壊できるカードは貴重だから出来れば温存しておきたかったが、攻撃力1800を落とせたのは大きい。
「やるじゃないか。いつまで凌げるか見物させてもらうよ。カードを2枚伏せてターンエンド」
「どうかそのまま見てるだけでいて欲しいんだがな! ドロー!」
来たカードは悪くない。攻め手には欠けるし、安易には出せないが揃えば時間は稼げる。
相手の伏せは2枚。本当ならライフを削りに行きたいが返しが危険だ。
ここは耐えだ。
「……カードを追加で1枚伏せてターンエンド」
「怖気づいたかな? ドロー、『デーモン・ソルジャー』*5を召喚! 再び攻撃だ!」
「ッ速攻魔法、『月の書』*6! 『デーモン・ソルジャー』を裏側守備表示に!」
「へぇ、まだ守れるか。一気に押しつぶすのもいいけど、こう健気だとつい付き合ってあげたくなるよ」
攻撃力1800の次は攻撃力1900。危険だが、まだギリギリ対処出来る。ならライフを取りに行かなかったのは正解か。他の弱小モンスターに使っていたら苦しい展開になっていた。
どうも相手にはまだ余裕がありそうだ。『落とし穴』のような直接破壊できるカードが、もう少し引けていたらまた変わっていたのだろうが。
“……妙だな。先程から攻撃力の高いモンスターばかり。てっきり『オシリス』の時の様に防御を固めて神の最速召喚を狙うかと思ったのだが”
「あれが本気ってことじゃねえのか?」
“いや。仮にヤツがマリクだとして、マリクは神のカードに絶対の自信を持っておる。なら『オシリス』を出した時のデッキの方が安定感があるはず。……何か理由があるやもしれん。出方を見る意味でも、少々怖いが『デーモン・ソルジャー』は倒しに行くべきだ”
「何をぶつぶつ言っているんだい? 早くカードを引くといい。それともサレンダーかい?」
「へっ。テメエを倒す算段を立ててた所だ。ドロー、おっと」
ここで揃ったか。防御的だが悪くない が、まずは
「『眠れる獅子』を攻撃表示、さらに手札から『猛獣の歯』*7を装備、バトルだ! 裏守備の『デーモン・ソルジャー』に攻撃!」
「このままだと反射ダメージを受けるだけ、ならまだあるんだろ?」
「当然だ! 速攻魔法『突進』*8、『眠れる獅子』の攻撃力を更に700アップ!」
通れば『デーモン・ソルジャー』は倒せるが。
「そうはいかない。カウンター罠『八式対魔法多重結界』*9を発動! その『突進』は無効だ!」
「なにっ!? ぐっ」
反射ダメージで600のダメージ。簡単には通らないとは思ったが、想像以上にキツイ対応、あの余裕も納得だ。
「こりゃ完全に格上だな……」
「おや。もう終わりかい?」
「いーや。もうちょい付き合ってもらうぜ? 手札より『切り込み隊長』を召喚」
攻撃力は1200、守備力400。ステータスは決して高くない。
「『切り込み隊長』は文字通り切り込み役でな! 手札からレベル4以下の戦士族モンスターを連れてくる。おれは手札の2枚目の『切り込み隊長』を特殊召喚! ターンエンドだ」
「モンスターが3体並ぶか……。僕のターン、ドロー。けど並ぶのがこうも雑魚モンスターばかりじゃねぇ? 『デーモン・ソルジャー』で『切り込み隊長』に攻撃! ……なにっ?」
『デーモン・ソルジャー』は『切り込み隊長』二人の連携に明らかに刃を鈍らせ、空を切った。
「『切り込み隊長』は相手モンスターをかく乱し、戦士族モンスターへの攻撃を自身に引き付ける効果を持つ! 二人並べばどっちにも攻撃できないって寸法よ!」
「なるほどね……。だがそれは戦士族だけの話だろう? 『デーモン・ソルジャー』で『眠れる獅子』に攻撃!」
「ちっ、気付かれたか。そっちは何もない。900ダメージか……」
「戦闘後にリバイバル・スライムを召喚。コイツの効果は分かっているだろう? だが雑魚なりに頭を回すじゃないか。もう少し付き合ってあげるよ。ターンエンドだ」
自分のドローだが……。
(『バーバリアン2号』……)
“生憎有効打たりえんな。そもそもあの伏せが『ミラーフォース』のようなカードだったら負けに直結する。我慢のしどころだ。あるじ殿。”
『ネフェルタリ』の言葉に相手の状況を確認する。
手札は3枚、高ステータスのモンスターが2体。リバースカードが1枚、そしてライフは4000。まだ手は残しているだろう。
こちらはロックこそかけているが、リバースカード1枚に手札は1枚、ライフは2500で、最上級モンスターの直接攻撃1回でライフが0になるライン。
「『切り込み隊長』2体を守備表示にしてターンエンドだ」
「どうやら手詰まりの様だねぇ。僕のターンだ。ドロー」
引いたカードを見て、マリクの口元が笑みの形に歪んだ。
「僕としてはもう少し遊んであげても良かったんだけど……、どうやら『神』はキサマに飽きたらしい! マジックカード発動『死者蘇生』! 蘇るのは『ギル・ガース』!」
“モンスターが3体。来るぞ、あるじ殿!”
「キサマに神を見せてやろう!」
分かってるっつの。分かってたってどうしようもないのは、お前も知ってるだろうが。
「伏せていた『ディフェンド・スライム』を使うまでもなかったよ! 3体のモンスターを生け贄に捧げる!」
イウ アーク イル フェスイ ウレル ペフティー イル ヘクア セトゥ ネプ ケティ ネウ アンク ネウ プア ヘヌア ネフェリ トゥ エル ネウ クアトウ
“ヒエラティックテキスト、『オシリス』は確か英語だったはず。……何か理由があるのか?”
「生け贄の力を束ね、出でよ!
太陽が目の前に落ちてきた。
そうとしか言えないモンスターが目の前にいる。
「……」
「言葉も出ないかい? これが神だよ、本田ヒロト! 特別に教えてあげよう。『ラー』は生け贄に捧げたモンスターの攻守の合計値の力を得る。よって現在の攻撃力は5200! 燃やし尽くせ! ゴッド・ブレイズ・キャノン!」
ソリッドビジョンとは思えない熱量を感じて、寸前で意識を取り戻せた。
「攻撃力が高いモンスターが多かったのはそういう事かよ。だが『切り込み隊長』には攻撃できない!」
「無駄だ! 神にはそんな小細工など通用しない!」
なす術なく『切り込み隊長』はあっけなく灼かれた。
「ぐっ! 何だこりゃ!」
「ソリッドビジョンとは言え神の火だ。もしダイレクトアタックが決まったらどうなるだろうね?」
光から顔を庇った両腕が熱い。まるで本当の爆風を受けたように。
弱気が顔に出ていたのだろう。マリクがフードの奥で鼻を鳴らす。
「ここから逆転する術があるのかな? 本田ヒロト」
それはこの場に似つかわしくない、酷く優しい声だった。
「今サレンダーするのなら、特別に僕の配下に加えてやってもいい」
とは言っても、やっていることは力を背景にした脅迫だったが。
「意外とお優しいんだな? グールズってのは」
「そうでもないさ。ただ、存外楽しめたからね。グールズの所有するカードで君のデッキを強化すれば、それなりに使えそうだ。どうだい?」
“あるじ殿。ご学友を裏切る覚悟あるのなら、儂は止めはせんよ”
あまりに分かり切ったことを聞く『ネフェルタリ』を横目で睨んだ。
コイツ、分かった上で焚き付けてるだろう。
「へっ。アイツらを裏切る位なら死んだ方がマシだね! ごたくが済んだのならさっさとターンを寄こしてもらおうか?」
「アハハ! そう来なくっちゃ。楽しみだよ。神の業火に灼かれた君をファラオの前に晒し上げるのは!」
口に出した言葉は真実だ。けれど
(よく分かんねえけど、神のカードには大抵のカードの効果が効かなかったよな。何引いても……)
“あるじ殿。仮にラーの攻撃を直接受けても儂がなんとかできるぞ”
ヒトの決意に何てことしやがると思った。
“『ラー』も儂を認識しているようでな。背景が背景だから加減してくれる気はあるようだ。儂自身その手のものから身を守る術はたしなんでおるから、気絶するということはないだろう。バトルシティ規定外のデュエルである以上、ライフが0になった瞬間逃げ出せば何とかなる。……まぁ。熱いものは熱いが。だから”
『ネフェルタリ』が顔の正面に来た。いつもの茶化した調子は鳴りを潜めている。
“仮にどうにかなるカードを引いても、変に動かない方がいいわ。別に良いでしょ。この場を凌いで、ファ……武藤くんに託した方が得策よ”
本気の忠告だった。
「……悪いな。俺はデュエリストってガラじゃねえけど。どう転ぶか分からないなら、ダチのためには出来るだけのことはしてやりたいんだ。ドロー」
勝ってどうにかなるもんでもないし、負けても絶対にどうにか出来る訳でもない。ただ出来るだけタネが割れればいい。あとシンプルにマリクをぶちのめしたいだけで。
そんな思いで引いたカードは
“そう……。相変わらず素晴らしく運が無いな。あるじ殿は”
『セネトの啓示者 ネフェルタリ』
『ネフェルタリ』がため息をついた。
“……儂を召喚しろ。きっとこれからロクなことにならんがな。すまんが道連れだ。あるじ殿”
「俺は『セネトの啓示者 ネフェルタリ』を召喚!」
ソリッドビジョンでフワリと現れた彼女は、悔しいが恐ろしいくらい綺麗だった。
“問おう。貴方が私のマスターか。……なんて”
少なくとも、振り向かれた時に、一瞬言葉が出なくなるくらいには。
「――そのまま墓地へ送り効果発動!」
「セネト……? ネフェルタリ、なぜそんなカードを本田ヒロトが……」
マリクにも衝撃だったらしい。顔が見えずとも、このデュエルで初めて、動揺したのが分かった。
「『ネフェルタリ』は召喚、特殊召喚時に墓地へ送ることで、デッキから『セネト』と名の付く魔法カードを自分フィールドにセットする! 俺は『光帰への契り』、『光帰葬魂の儀』をセット!」
「1体のモンスターが魔法カード2枚になる……だと?」
俺もあれ? となる効果だがそう書いてあるから仕方ない。何度テキストを読んでも2枚までセット出来ると書いてある。
加えて『ネフェルタリ』はもちろん『セネト』は全てのテキストが細かいせいで、途中で読む気が失せたせいで今でもちゃんと効果が分かっていない。
あの遊戯ですら、初めて『セネト』の魔法カードを見た時、効果を正確に把握できていなかった。
「セットした『光帰への契り』をそのまま発動。『セネト』モンスターを1枚手札に加える。俺が加えるのは『セネトメス・ネクベト』。もう1枚のセットされていたフィールド魔法『光帰葬魂の儀』を発動」
「儀式か。精々好きなモンスターを呼ぶと良いよ。壁が減るだけだと思うけどね?」
「ところがコイツはちょいと違うんだな! 『光帰葬魂の儀』は通常モンスターに限り手札、フィールド、デッキからモンスターを墓地へ送れるんだよ!」
「デッキからだと……!」
遊戯に改めて見せた時、「えっ。これ出来て良いの? 出来て良いね。これ」と遊戯が真顔になった効果である。手札2枚で出すと考えれば普通の生贄召喚だから、大して変わらないと思うのだが。何があの遊戯を真顔にさせたのだろう。
「デッキから『ランチャー・スパイダー』を墓地に送って『セネトメス・ネクベト』を儀式召喚!」
攻撃力2800のレベル6儀式モンスター。ただ、これだと
「驚かされたけど、攻撃力2800じゃ『ラー』には到底届かない! 残念だったね?」
そうなんだよな。効果を使うにしても、どうやって通常モンスターを装備するんだ?
“……あるじ殿。『光帰葬魂の儀』の効果処理の途中だ。墓地から『ランチャー・スパイダー』を装備せい”
「……えっ? さ、更に『光帰葬魂の儀』の効果で『ランチャー・スパイダー』を『セネトメス・ネクベト』に装備」
特にデュエルディスクがエラーを吐くことなく、処理が行われる。『ネクベト』自身に装備効果無いなと思ったら、こうやって装備するのか。なるほど。
……あれ。これって。
「面白い効果だね? けどそれで何が出来るっていうんだい!」
「……うん。出来るよな。これ。『ネクベト』の効果を発動。装備している『ランチャー・スパイダー』を特殊召喚し、自身を攻撃力を2500アップさせる装備魔法として『ランチャー・スパイダー』を強化できる。よって『ランチャー・スパイダー』の攻撃力は4700だ!」
“あるじ殿。フィールド魔法にはまだ効果があるぞ”
「あと条件を満たしたから、『光帰葬魂の儀』の効果で1ドロー」
墓地に送られた途端に、いつもの大きさに戻っていた『ネフェルタリ』がそっと耳打ちしてくれた。
遊戯が顔を歪めていたのはもしかしてこっちの効果か? 手札1枚で攻撃力4700って良いのか? 間違ってないよな?
「なんだって!? だが『ラー』の前では……」
「バトル! 『ラー』に攻撃だ。『ランチャー・スパイダー』!」
「自爆か? いや。まさか」
ステータス差と引きが酷くて使いどころが無かったが、やっと最後のリバースが使える。
「ご明察だ! トラップ発動『援軍』! 『ランチャー・スパイダー』の攻撃力を更に500アップ! つまり相討ちって訳よ!」
「神が落ちるだと……、そんなことあり得るはずがない! 『ラー』よ。迎撃しろ!」
強烈な光と熱波。それが収まった後には『切り込み隊長』1体がポツンと残っていた。
戦闘破壊は出来るのか。何というか、パワーはあるけどルール違反をする訳じゃないんだな。
“なるほど。書いてないことに関しては、神と言えど通常のルールに従うのだな。……そう考えると
『ネフェルタリ』も何か考察しているようだが、俺としては戦闘破壊可能という事が分かっただけでも儲けものだ。こうなると参加してなかったのが悔やまれる。つーか『ネフェルタリ』クソ強えじゃねえか。
なにが運が無い、だ。
“別に、これだけの話では無いのだ。あるじ殿。これで完全に縁が結ばれてしまった。儂がこの時代に目覚めた時点で、面倒ごとが起きるのは間違いない。我々の因果に無辜の民を巻き込むのは気が進まんかっただけよ。まぁ、あるじ殿の場合は自分から首を突っ込みに行きそうだし、かえって良かったのか……?”
……っと。まだバトルフェイズは続いていたか。
「更に『切り込み隊長』でダイレクトアタックだ!」
「ぐぅっ、バカな。バカなバカなバカなっ!」
そう言えば『光帰葬魂の儀』で引いたカードは……『サンダー・ブレイク』か。手札コストを要求するとは言え、貴重な除去だ。
これは生け贄召喚せずに、コストとして手札を温存した方がいいかもしれない。
「リバースカードをセットしてターンエンドだ」
もしこのターンにやられなかったら、返しで王手まで行けそうだが、どうだ?
明らかに驚いているし、このまま押し切れる雰囲気はある。
そう思っていると、グールズの一人がマリクに駆け寄っていった。
「マリク様! あちらの事は済んだようです! これ以上戯れる意味はないかと」
「……チッ。そうだな」
心底面白くなさそうなに舌打ちした後、あきらかに狼狽していたマリクが平静を取り戻した。フードの下では恐らく笑っているのだろう。
「本田ヒロト、キサマの時間稼ぎは無駄に終わったよ。お仲間は我々の手の内にある」
「なんだって!?」
「助けたければ武藤遊戯と共に来ると良い。ちょっとしたショーさ。期待してくれていい。キサマとの勝負はそれが終わった後だ……」
「待ちやがれ! てめーら……」
「いい。手荒なマネはよせ。もっとも本田ヒロトから手を出してきたら、その限りじゃないが……」
立ち去ろうとするマリクに駆け寄ろうとすると、ガタイの良い男数人が立ちふさがった。退かそうとすると、そのまま地面に倒されて背中から押さえつけられる。
「ガぁッ!」
「焦るなよ? 本田ヒロト。存外楽しい時間だったから、今回は見逃してやるって言うんだ。フフフ……、全てが終わったら一度話そうじゃないか。君の持つ『セネト』、どうもファラオと因縁がありそうだ」
アハハハハ!
マリクが去っていくのを黙って見送るしかなかった。
マリクの姿が見えなくなった頃にやっと解放された。その時押さえつけていた一人に、「場所は武藤遊戯に伝えている」と告げられた。
男たちは路地裏に散っていく。
“まずは合流すべきだ。あるじ殿。収穫はあった”
「……あぁ。とっとと城之内のヤツを助けなくっちゃな」
ご期待のものか分かりませんが、デュエル1回位は書こうと。評価貰っててびっくりしたんですよね。
あとは基本原作通りです。社長に目はつけられますが。
ネフェルタリ
今回の召喚で正式に縁が結ばれてしまったため、昔の相方の真似をした。
本人としては一般人の若者を巻き込む気は無かったが、横で見ていて「これ絶対、首突っ込むわ」と判断したこともあり改めて主と認める。
本人の因縁もそうだが、海馬が神と相打ちしたカードと報告受けて面倒なことに。
神のカードに関しては効果は知らないが、存在は何となく予想していた。ラーに関しては他の二つの能力は分かっていないが、他にも能力はあるはずと警戒中。少なくともオシリスと比べて特殊召喚時に攻守が0で特殊召喚される都合上、もう1つ位ステータスを上げる能力はあるのでは? 程度の考察している。
犯罪組織ならもっと秘密主義で動くと考えているため、マリクを本当のマリクだとは思っていない。この辺は復讐のチャンスで通常時よりアグレッシブに動くマリクの心情を理解していないのが主な要因。千年ロッドで洗脳して、自分にまつわる記憶をある程度弄れる人間の行動に対する想定が甘いと言われればそう。
ラーから一方的に認識されているのは、石板に封じられて以降、エジプトの王権を守ったものとしてアメンホテプがモンスター達の石板が存在する一室に奉納したのが原因。だからカード化している。このことを知ったら、余計な事しやがってとブチ切れる。なお、後にアメンホテプ自身も、この世界のエジプト王朝を終わらせたが故に王としての埋葬こそ拒んだが、彼を偲んだ民によって石板が作成。いつの間にかネフェルタリ達の隣に相方達と共に祀られていた。よって無事こっちもカード化している。三幻神にとっては自分達の子供に振り回された孫感覚。だから所々甘め。
多分記憶編で本田だけ別な時代に飛ばされて、当時のネフェルタリとスフィンクス達に合ってから遊戯達に合流するんじゃないでしょうか。