ダンジョン・ドリフター ~退職金でキャンピングカーを買ったら、放置していたスキルが『SSSランク:完全複製(コピー)』だった件。最強スキルを拾い集めて全米横断の旅に出る~ 作:パラレル・ゲーマー
アイアンベイルのトレーラーの中で、朝のアラームが鳴り響いた。
数秒間、マットは自分がどこにいるのか思い出せなかった。
その時、外のどこかで重いディーゼルエンジンの唸り声が響いた。金属が金属を叩く音、フォークリフトがバックする時の電子的な警告音、そしてさらに遠く、アイアンベイル・ワークスのゲート付近から、低くリズミカルな衝撃音が聞こえてきた。
『ズドン』
『ズドン』
『ズドン』
マットは天井を見つめた。
「インディアナか」
そうだ。
シンダー・クロウはいない。
永遠のオレンジ色の果樹園もない。
殺人工場(マーダー・ファクトリー)だ。
彼はベッドから抜け出した。
まずはコーヒーだ。
マットは『完璧な温度』をスロットに入れ、マグカップを思い通りの温度に修正してから、2本の剣を前に置いて折りたたみテーブルに座った。
左側には:
初心者用ロングソード
要求レベル:1
物理ダメージ:4–9
右側には、昨日のアイアンベイルの偵察中に拾い、即座に使い始めたクリーンなファウンドリー・ロングソードがあった。
ファウンドリー・ロングソード
レアリティ:ノーマル
要求レベル:9
物理ダメージ:6–14
暗黙プロパティ:命中精度 +45
マットはコーヒーを一口飲んだ。
4から9。
6から14。
昨日、このクリーンなレベル9のベースに持ち替えただけで、スクラップ・ハウンドを倒すのに必要な基本攻撃の回数が3回から2回に減った。
その比較結果は、無視するにはあまりにも明白だった。
マットは額をこすった。
「お前が『レベルに見合わなくなった』だけじゃない」
彼は初心者用ロングソードを見た。
「俺が『定期メンテナンスをサボっていた』んだ」
そっちの方がタチが悪い。
元物流コーディネーターとして、マットは彼自身の「怠慢(ネグリジェンス)」によって個人的に攻撃されたような気分だった。
しかし、武器の問題を解決する前に、今朝の生産作業を片付けなければならない。
両方のクラフトスキルは、一晩明けてリセットされている。
マットは『完璧な温度』を外し、『生命の刻印』と『元素の守護』を装備した。
それから、「アイアンベイルが都合よく無限の使い捨てボス戦利品を床に吐き出してくれたフリ」をするのをやめ、現地の市場(ローカルマーケット)を開いた。
安価でクリーンな初心者用ベースはどこにでもあった。
ヘルメット。
手袋。
ブーツ。
ベルト。
プレミアムなものは何もない。
完璧な暗黙プロパティ(インプリシット)もない。
保存する価値のある異常なベース特性もない。
ただの「日用品(コモディティ)」。
まさにマットが求めていたものだ。
彼は10個の安価なクリーン・ベースと、そのバッチに見合うだけのコモン通貨を購入した。
実際に現金を支払う。
実際の原価(インプットコスト)。
実際の製造(マニュファクチャリング)。
「工場、始動」
今やそのプロセスはすっかりルーティン化し、マットは結果をいちいち自分自身に実況しなくなっていた。それぞれのベースを準備し、最大ライフを確定させ、適切な属性耐性を確定させ、ロール(数値)を記録し、次へ進む。
平凡なロールもあった。
良いロールもあった。
一つのライフの結果が、一瞬だけ「これを自分でキープしようか」と彼に考えさせた。
マットはそれを現在の自分の装備と比較した。
「……いや、いい」
市場行き(マーケット・パイル)だ。
コーヒーを半分飲み終える頃には、新しくクラフトされた10個の初心者用レアアイテムが、委託販売の準備を整えていた。
両方の1日のクラフト・プールは空っぽだ。
マットはそのバッチを見た。
「工場、閉鎖」
20分。
それが、一番奇妙(ビザール)な部分だった。
クラフトが利益を生むこと自体は奇妙ではない。マットは今やその経済構造を理解している。「有用な結果を確定させる能力」は希少であり、需要は莫大で、『COPY』は「元の所有者から奪うことなく」プロの特化能力を彼に与えてくれた。
奇妙なのは、その「馬鹿げた稼ぎのプロセス」が、あっという間に『朝食のルーティンの一部』になってしまったことだ。
彼はバッチの経済性を一度だけ確認した。
ベースの購入費用。
消費した通貨。
マーケットプレイスの手数料。
最近の類似取引(コンプス)。
市場が正常に機能すると仮定すれば、予測される付加価値(バリューアッド)は依然として数千ドルの範囲に収まる。
「今日の朝飯で、インディアナ滞在費が払えそうだな」
マットはその文章の響きを味わった。
依然として不健康だ。
彼は完成した装備を配送コンテナに詰め込み、アイアンベイルの『マーケットプレイス・ディスパッチ・カウンター』へと車を走らせた。
システムは、アッシュフィールドで使ったものとまったく同じように機能した。スタッフが各アイテムIDを確認し、所有権とモディファイアを照合し、装備を保険付きの委託販売(コンサインメント)として封印し、物理的なアイテムがマーケットプレイスの管理下に入ってから初めて出品情報を有効(ライブ)にした。
それが終われば、マットは「最終的な買い手がインディアナに住んでいるか、ケンタッキーか、カリフォルニアか」など気にする必要はなくなる。
マーケットプレイスの物流ネットワークが、保管、ルート選定、保険付き輸送、そして最終配送まですべて処理してくれる。
システムによるテレポートはない。
魔法のアイテム転送もない。
倉庫とトラック。
マットはプロとして、その仕組みを高く評価した。
最後のトレイが安全なカウンターの奥へと消えた。
10件の出品が有効(アクティブ)になりました
これで、ようやくもっと恥ずかしい問題に集中できる。
彼の剣だ。
◆
昨日、マットはバスティオンの動画をブックマークしていた。
『初心者向け武器:DPSだけがすべてではない』
彼はその上でカーソルをホバリングさせた。
そして、首を振った。
「いや」
バスティオンは「なぜそれが重要なのか」を説明することにかけては天才的だ。
だが今日、マットが求めているのは「数字」だ。
文字情報(テキスト)。
表(テーブル)。
範囲(レンジ)。
12分間の前置きを聞かずに、サッとスクロールして戻れるような何か。
彼は代わりに『初心者 物理ウォリアー 武器メカニクス』と検索した。
最初に出てきた有用な結果の一つは、大規模なコミュニティの参照サイトからのものだった。
【デルバー・フォージ(探索者の鍛冶場)】
物理ウォリアーの武器:本当に重要なことは何か
マットはクリックした。
「テキスト記事だ」
彼はコーヒーをもう一口飲んだ。
「神に感謝だな」
記事は警告ボックスから始まっていた。
【注意】
もしあなたがレベル20以下なら、「完璧な武器」を求めるのはやめなさい。
どうせすぐに交換することになります。
あなたの目標は「完璧」ではありません。
あなたの目標は「ゴミを持ち歩くのをやめること」です。
マットはゆっくりと『初心者用ロングソード』の方へ視線を動かした。
「……個人的に刺さるな」
序盤のセクションは、彼がすでに装備クラフトから学んだ概念——ベースタイプ、要求レベル、アイテムレベル、暗黙プロパティ、モディファイア——を網羅していた。
そして、はるかに大きな見出しが現れた。
【物理のコア・スリー(必須の3大要素)】
マットは画面に近づいた。
序盤の進行における物理ウォリアーの武器には、あなたが「賢ぶる(クレバーになる)」前に理解しておくべき3つのモディファイア・ファミリーがあります。
1. 追加の物理ダメージ(フラット・ダメージ)
例:『物理ダメージを 1~3 追加する』
説明はシンプルだった。
固定値の「追加の物理ダメージ(フラット・ダメージ)」は、武器『そのもの』の基礎物理ダメージ範囲を増加させる。
「6–14」の武器が「+1–3」を得ると、ローカル(武器自体の)パーセンテージ計算が入る前に「7–17」になる。
マットはファウンドリー・ロングソードを見た。
6から14。
わかりやすい。
次:
2. 物理ダメージ増加(ローカル・パーセンテージ)
例:『物理ダメージが 48% 増加する』
説明の中で最も重要な単語は『ローカル(武器限定)』だった。
このパーセンテージは、武器『自体』を修飾(モディファイ)する。
それは、マットのパッシブツリーやバフ、その他のキャラクター側の効果による「物理ダメージ増加」とは完全に異なるものだった。
警告ボックスがその違いを明確にしていた。
【ローカル武器モディファイア vs キャラクターモディファイア】
ローカルモディファイアは、武器の「表示ダメージ」そのものを変更します。
キャラクター側のモディファイアは、「完成した武器」を使って行われる攻撃を倍増(スケール)させます。
マットは一時停止した。
彼のパッシブツリーはすでに大幅な『物理攻撃ダメージ』の増加を提供しており、さらに『アリーナの達人』が『近接物理ダメージ』を追加している。
それらのボーナスは、ここ数日間ずっと、「武器自体のダメージがたったの『4–9』しかない攻撃」をスケールさせることに費やされていたのだ。
もし武器自体のダメージが「10–25」になれば、同じキャラクター側のボーナスの下に、突然はるかに強力な『土台(ファウンデーション)』が敷かれることになる。
マットは初心者用ロングソードを見た。
「お前、本当に俺のステータスにおんぶに抱っこ(キャリーされてた)だったんだな」
記事はその関係性を端的に要約していた。
パーセンテージ倍率(スケール)のない固定(フラット)ダメージは、本来の価値を引き出せていません。
十分な基礎ダメージのないパーセンテージ倍率(スケール)は、「弱い土台」をただ拡大しているだけです。
まともな物理武器には、通常「その両方」が必要です。
マットは頷いた。
良いベース。
固定(フラット)物理。
武器ローカルのパーセンテージ物理。
そして、その後にキャラクター側の倍率(スケール)が乗る。
3つ目:
3. 攻撃速度増加(アタック・スピード)
マットは即座にそのファミリーを認識した。
「出たな」
バスティオンは手袋での攻撃速度を推奨していた。
武器もそれを持つことができる。
記事はまず当たり前のことを指摘していた。一撃あたりのダメージ(ダメージ・パー・ヒット)は、時間あたりのダメージ(ダメージ・オーバー・タイム / DPS)ではない。同じ物理ダメージ範囲を持つ2つの武器でも、一方が大幅に速く攻撃できるなら、それは等価ではない。
そして、警告(カベアト)が続いた。
【警告】
DPSは有用です。
しかし、DPSはあなたの「宗教」ではありません。
マットは微笑んだ。
高い攻撃速度は、同じ攻撃枠(ウィンドウ)の中でより多くの攻撃ができることを意味する。
しかし同時に、マナ消費スキルを連発(スパム)した場合、マナの消費もより速くなることを意味する。
異なるスキルは、武器の速度と異なる相互作用(インタラクト)をする。
タイミング、位置取り、そしてリカバリーウィンドウ(硬直時間)は依然として重要だ。
どうやら、ベテランのウォリアーたちは皆、最終的に「イライラした教師」になる運命にあるらしい。
記事の終わりに、初心者向けのまとめがあった。
【初心者向け物理レア武器の基本形】
・追加の物理ダメージ
・物理ダメージ増加
・攻撃速度増加
何か「賢いロール」を引いたと自画自賛する前に、まずはまともなベースにこの3つを乗せることから始めなさい。
マットは見つめた。
「3つのコア・ファミリーか」
完璧な武器ではない。
すべての有用なモディファイアが揃っているわけでもない。
ただ、『筋の通った土台(コヒーレント・ファウンデーション)』。
それで十分だ。
記事はまた、ファウンドリー・ロングソードの『命中精度 +45』の暗黙プロパティ(インプリシット)についても説明していた。
命中精度(アキュラシー)は、直接的な「命中率パーセンテージ」ではない。敵の回避率やその他のシステム要素が依然として絡んでくる。
しかし、武器のクラフト枠(モディファイア・スロット)を一つも占有することなく、ベースに直接「攻撃の信頼性」が組み込まれていることは、極めて有用だった。
マットは自分の新しい剣を見た。
「つまり、俺は偶然『良いベース』を拾ってたってわけだ」
『+45』をもう一度ちらりと見る。
「『非常に』良いベースをな」
ベースはある。
通貨もある。
どの3つのモディファイア・ファミリーが欲しいかもわかっている。
あとは、『クラフター』が必要だ。
◆
アイアンベイルの『クラフター通り(ロウ)』は、実際に営業している時に見るとはるかに壮観だった。
倉庫のシャッターは上げられ、人々が装備ケース、武器ラック、封印された通貨のコンテナ、そしてクリップボードを持って建物の中を行き交っていた。
マットは中に入った。
そして立ち止まった。
「……コストコかよ」
天井は異常に高かった。長いサービスレーンが、重厚な作業台(ワークベンチ)、待合エリア、資材カウンター、装備スキャナー、そして分厚い透明なパーティションの後ろにある見学ゾーン(オブザベーション・ゾーン)を分割していた。
クラフターのステーションは専門(スペシャライゼーション)ごとに分かれている。
防具。
アクセサリー(ジュエリー)。
武器。
属性(ステータス)。
ユーティリティ。
巨大なディスプレイが、その日の残りの確定サービス数を追跡していた。
マットは『武器クラフト』へ向かった。
【利用可能な武器サービス】
追加物理ダメージ — 残り 8 回
物理ダメージ増加 — 残り 3 回
攻撃速度 — 残り 10 回
マットは立ち止まった。
「……3つ全部あるのか?」
ほんの一瞬だけ、解決策が馬鹿げているほどシンプルに見えた。
3人のクラフターを見る。
3つのスキルをコピーする。
家に帰る。
適切なベースと通貨がある時はいつでも、これら3つのコア物理モディファイア・ファミリーをすべて『確定(ギャランティ)』させる。
数値ロールは依然としてランダムだ。
アイテムレベルの制限も依然としてある。
通貨のコストもかかる。
しかし、『カテゴリー・レベルの不確実性』は消滅する。
マットはスペシャリストの詳細を開いた。
追加物理ダメージ・スペシャリスト — C
攻撃速度・スペシャリスト — C
物理ダメージ増加・スペシャリスト — B
マットは目を閉じた。
「当然そうなるよな」
Bランク。
『鍛え抜かれた刃(テンパード・エッジ)』。
彼はすでにアッシュフィールドでそれに遭遇している。
そして『COPY』はそれを拒否した。
インディアナ州に到着したからといって、彼の現在の『Cランク』の上限が変わるわけではない。
それでも、マットはステーションへと近づいた。
肩幅の広いクラフターが、顧客から両手斧と適合する通貨を受け取っていた。
スキルが発動する。
マットのインターフェースが反応した。
【ユニークスキルを観測しました】
鍛え抜かれた刃 — B
【コピー失敗】 — 現在の最大コピー可能ランク:C
「……やっぱりBか」
クラフトの結果は、正しく『物理ダメージ増加』ファミリーに着地した。
数値ロールはランダムなままだった。
完全に予想通りだ。
この能力は完璧な武器を作り出すわけではない。
「一つの失敗の可能性(カテゴリー)」を取り除いてくれるだけだ。
それでも、莫大なアドバンテージだ。
ただ、マットが『まだ盗めない』というだけのこと。
「いいだろう」
彼は『追加物理ダメージ』のステーションに移動した。
若い女性が重いメイスに作業をしていた。
通貨が鋼鉄に触れる。
ユニークスキルが発動する。
マットのインターフェースがフラッシュした。
【重き刃(ウェイテッド・エッジ)】 — C
クラフト / アクティブ
効果
適合するクラフト通貨を使用する際、1日最大10回まで、結果のモディファイアを『追加の物理ダメージ』ファミリーに確定させる。
※追加される物理ダメージの最小値および最大値の正確な数値は、そのアイテムのモディファイア範囲に依存する。
【フレーバーテキスト】
鋼は賢く(クレバー)ある必要はない。
時に、ただ「己の質量を増して」届くだけで十分なのだ。
メイスが更新された。
物理ダメージを 2 から 4 追加する
マットは微笑んだ。
「コピー」
【コピー完了】 — 重き刃 — C
一つ目。
次は『攻撃速度』のステーションだ。
短剣(ダガー)が作業台の上に置かれ、所有者がそれを食い入るように見つめている。
クラフターが発動した。
【迅速なる鍛造(クイックンド・テンパー)】 — C
クラフト / アクティブ
効果
適合する装備にクラフト通貨を使用する際、1日最大10回まで、結果のモディファイアを『攻撃速度』ファミリーに確定させる。
※正確な数値は、そのアイテムのモディファイア範囲に依存する。
【フレーバーテキスト】
一撃目は、お前が傷を負わせられることを証明する。
二撃目は、敵がお前を止めるには遅すぎたことを証明する。
短剣が新しい能力を得た。
攻撃速度が 6% 増加する
マットは頷いた。
「……こいつはいいな」
その時、彼は説明文の表現に気づいた。
『適合する装備(対象)』。
武器(ウェポン)に限定されていない。
マットは共同組合の参照ページを確認した。
武器。
特定の手袋。
いくつかの特殊な装備ファミリー。
バスティオンの推奨が即座に蘇る。
『手袋 — 攻撃速度』。
マットは自分の手袋を見下ろした。
「……後でな」
まずは:
「コピー」
【コピー完了】 — 迅速なる鍛造 — C
新しくコピーされた両方のスキルは、それぞれ独自の手付かずの1日使用回数(キャパシティ)を持っていた。
『生命の刻印』と『元素の守護』は朝食の作業で使い果たされている。
『重き刃』と『迅速なる鍛造』は新鮮(フレッシュ)だ。
すべてのコピーしたスキルは、それぞれ独自のルール(使用回数)を維持する。
マットは『鍛え抜かれた刃』のステーションの方を見た。
武器のコア・ファミリー3つのうち、2つが今や彼にとって『確定的(デターミニスティック)』になった。
追加物理?
ファミリー確定。
攻撃速度?
ファミリー確定。
物理ダメージ増加?
依然としてギャンブル。
「つまり、俺は剣の『3分の2』を確実に製造できるってわけか」
彼は間を置いた。
「残りの真ん中を『ギャンブル』しながら」
妥当なところだろう。
◆
もちろん、正気(セイン)な解決策は存在した。
マットは『鍛え抜かれた刃』のサービスボードを確認した。
【確定:物理ダメージ増加】
サービス料:$300〜
300ドル。
もはやマットの財政を少しも脅かす金額ではない。
ファウンドリー・ロングソードを渡し、スペシャリストに金を払い、正しいモディファイア・ファミリーを確定させ、その後に自分のコピースキルを使って『追加物理』と『攻撃速度』をつければいい。
シンプル。
正解(コレクト)。
もしベースが高価なものなら、間違いなくそうしていただろう。
マットは、クリーンな『ファウンドリー・ロングソード』を売っている近くの商人の方を見た。
そのベースはアイアンベイルではありふれたドロップ品だ。
安い。
何度か実験に失敗し、通常の通貨を消費したとしても、立派な完成品の武器を買うよりはるかに安く済む。
それは質問(クエスチョン)の意味を変えた。
マットは「300ドルが払えるかどうか」を決定しようとしているのではない。
払える。
彼は、「『教訓(レッスン)』がまだ安いうちに、誰かに金を払ってその教訓をスキップしたいかどうか」を決定しようとしているのだ。
マットは追加でクリーンなファウンドリー・ロングソードを2本買った。
これで3本になった。
彼が実際にフィールドでテストしたオリジナルのドロップ品が1本。
市場で買った使い捨てのベースが2本。
「300ドル払えば、即座に正解をもらえる」
彼は剣を見た。
「あるいは、その300ドルが『俺を一体何から守ってくれるのか』を、正確に知ることもできる」
勝負にならなかった。
残念なことに。
◆
トレーラーに戻ると、マットはテーブルの上を片付けた。
3本のクリーンなファウンドリー・ロングソードが目の前に並んでいる。
ファウンドリー・ロングソード
レアリティ:ノーマル
要求レベル:9
物理ダメージ:6–14
暗黙プロパティ:命中精度 +45
マットは新しいスプレッドシートを開いた。
【ターゲット:コア・スリー】
・追加物理ダメージ
・物理ダメージ増加
・攻撃速度
絶対ではない。
完璧でもない。
ただ、ガイドが推奨した『筋の通った物理武器の構造(ストラクチャー)』だ。
マットは『重き刃』と『迅速なる鍛造』を装備した。
プロトタイプ1は、購入したベースの1つだ。
『重き刃』が即座に仕事をした。
物理ダメージを 1から2 追加する
ファミリーは正解。
数値ロールは平凡(メディオカー)。
問題ない。
次に、コントロールされていない(ギャンブルの)工程が来た。
『物理ダメージ増加』。
コピーによる確定はない。
マットは適合する汎用のクラフト通貨を適用した。
結果が現れる。
クリティカル率が 9% 増加する
マットは見つめた。
「……ノー」
他の誰かのビルドにとっては?
有用かもしれない。
マットが目指すターゲット構造にとっては?
完全にコースアウトだ。
プロトタイプ1は脇に退けられた。
プロトタイプ1 — 目標外(オフ・ターゲット)
これこそが、300ドルのサービス料が「守ってくれるもの」の正体だ。
有用なデータだ。
プロトタイプ2の滑り出しはもっと良かった。
『重き刃』の結果:
物理ダメージを 2から3 追加する
マットの眉が上がった。
「マシになった」
彼はコントロールされていない2つ目のクラフトを適用した。
結果:
物理ダメージが 19% 増加する
マットは動きを止めた。
ファミリーは正解。
実際に有用だ。
それから彼は、付与可能な数値の範囲(レンジ)を確認した。
『18% — 50%』。
19。
マットはそれを見つめた。
「……限りなく底辺(ボトム)に近いな」
腹立たしいのは、この時点でこの剣が『すでに良い武器』になってしまっていることだった。
客観的に見て。
基礎ダメージ6–14のベースに、フラット物理+2–3とローカル物理+19%が乗った剣は、攻撃速度がつく前から、彼の古いレベル1の武器を余裕で凌駕している。
合理的な行動は明白だ。
『迅速なる鍛造』を使う。
完成させる。
装備する。
ロボットどもを殺しに行く。
マットは3本目のクリーンなファウンドリー・ロングソードを見た。
それから、19%の文字を見直した。
「……こうやって始まっちまうんだな」
パーフェクトロール病。
昨日、彼はなぜ『+8% 移動速度』の暗黙プロパティが『+7%』よりもはるかに高く売れるのかを学んだ。
今日、システムは彼に「18から50」の範囲を提示し、ドヤ顔で『19』を渡してきた。
マットは目を閉じた。
「俺はあんな狂った連中の仲間入りはしないって決めたはずなんだが」
彼は目を開けた。
プロトタイプ3。
彼がアイアンベイルで自力でドロップしたオリジナルのベースだ。
もしこれが失敗(フェイル)しても、プロトタイプ2という完全に実用的な予備(フォールバック)がある。
正当化(ジャスティフィケーション)の理由としては十分だ。
たぶん。
◆
『重き刃』が追加した:
物理ダメージを 1から3 追加する
最小値はプロトタイプ2より悪い。
最大値は良い。
許容範囲(アクセプタブル)。
さて、コントロールされていないクラフトだ。
プロにお金を払っていれば、完全に排除(リムーブ)できた工程。
だからこそ、ベースが安いうちにこの『分散(バリアンス)』を肌で感じておきたかったのだ。
彼は通貨を適用した。
刃の上を光が走る。
モディファイアが確定(リゾルブ)する。
物理ダメージが 48% 増加する
マットは凍りついた。
トレーラーの外で:
『ズドン』。
『ズドン』。
遠くのアイアンベイルの機械が働き続けている。
マットは働かなかった。
彼はその数字を見つめた。
「……おお」
48。
付与可能範囲:
18から50。
完璧(パーフェクト)ではない。
しかしマットに文句を言わせない程度には、限りなく完璧に近い。
「48」
彼の脳の奥底で、深く非合理的(イラショナル)な何かが点灯した。
これだ。
ホワイトベースが「ギャンブルするな」と人々に怒鳴り散らすことを仕事(キャリア)にしている理由は、まさにこれなのだ。
ランダムなクラフト。
正しいファミリー。
高い数値(ハイロール)。
ドーパミン。
マットは微笑んだ。
「お出ましだな」
3つ目のコア・モディファイアにギャンブルは必要ない。
マットは『迅速なる鍛造』を使った。
結果:
攻撃速度が 7% 増加する
システムが完成した武器の数値を再計算した。
【レア・ファウンドリー・ロングソード】
要求レベル:9
暗黙プロパティ:命中精度 +45
物理ダメージ:10–25
モディファイア:
物理ダメージを 1から3 追加
物理ダメージが 48% 増加
攻撃速度が 7% 増加
マットは数秒間、黙ったままだった。
「……なるほどな」
今回は計算機は必要なかった。
その関係性は目に見えて明らかだ。
オリジナルの「6–14」のベースが、フラット物理「+1–3」を得て、パーセンテージによる倍率がかかる前に「7–17」になった。その後、ローカルの「+48%」モディファイアが武器自体をスケールさせ、表示ダメージが「10–25」に落ち着いたのだ。
武器のカードの情報はそこで止まっている。
マット自身のSTR(筋力)はこの数字の中には含まれていない。
彼のパッシブのダメージボーナスも含まれていない。
ヘビーストライクやクリーブの倍率も含まれていない。
それらのシステムは、マットがこの「完成した武器」を使って攻撃した時に初めて適用(アプライ)されるのだ。
彼はレア・ファウンドリー・ロングソードを見た。
「これが『土台(ファウンデーション)』か」
それから、彼は初心者用ロングソードを見た。
4–9。
新しい剣に目を戻す。
10–25。
マットは動きを止めた。
新しい剣の「最低(ボトム)」ダメージ結果は、古い剣の「最大(マックス)」よりも高い。
最高(トップ)ダメージは、ほぼ2.8倍に跳ね上がっている。
さらに、新しい武器は7パーセント速く攻撃できる。
おまけに+45の命中精度もついている。
そして、この『はるかに強くなった土台』の上から、これまでと同じキャラクター側の倍率がすべて乗るのだ。
マットは古い剣を見た。
「俺、バターナイフでロボットと戦ってたんだな」
それは少しアンフェアな評価だった。
初心者用ロングソードは、その役割を完全に果たしていた。
『レベル1』においては。
ブラックホロウには適切だった。
STRとパッシブが、その有用な寿命を延ばしてくれていた。
アッシュフィールドの脆いウサギやカラスが、本来ならもっと早く露呈すべきだった問題を隠してしまっていたのだ。
レベル1の武器がレベル9で弱くなることに、何もおかしなことはない。
マットはそれを拾い上げた。
「お前が悪かったわけじゃない」
彼はそれをそっと置いた。
「俺が『8レベル分、遅れてた(レイト)』だけだ」
その部分については、完全に彼自身の責任だ。
◆
マットは再び失敗したプロトタイプを確認した。
プロトタイプ1は有用なフラット物理を持っていたが、クリティカルという的外れなモディファイアがついていた。
プロトタイプ2は良いフラット物理を持っていたが、ひどく低い(しかし機能はする)+19%のローカル物理ロールがついていた。
どちらも「無価値(ワースレス)」ではない。
それが重要だ。
ランダムな工程がどこへ彷徨い出ようとも、『重き刃』はすでに「両方の実験体に少なくとも1つの関連する物理モディファイアが含まれること」を確定(ギャランティ)させてくれていた。
『COPY』はクラフトのランダム性を完全に排除(エリミネイト)するわけではない。
『失敗の幅(フェイラー・スペース)』を縮小させてくれるのだ。
3つのプロトタイプ。
マットが本当に望んだ結果は1つ。
マットは『33%』と書きかけた。
そして止めた。
サンプル数3。
絶対にダメだ。
彼はそれを消し、こう書いた。
1 / 3 成功(ターゲット結果) — 確率と呼ぶにはサンプル数が少なすぎる
「よし」
3本目の剣がドーパミンをくれたからといって、「最悪の統計学者」に成り下がるわけにはいかない。
『重き刃』にはまだ7回の使用可能回数が残っている。
『迅速なる鍛造』にはまだ9回。
マットの視線が自分の手袋へと彷徨った。
良いライフ。
良い耐性。
攻撃速度は『なし』。
『迅速なる鍛造』は適合する手袋にも機能する。
マットは数秒間見つめた。
それから、目を逸らした。
「後でだ」
彼は今、自分が依存している装備を衝動的(インパルシブ)に改造することがどれほど愚かであるかを理解できる程度には、クラフトについて知識を得ていた。
アフィックスの空き容量(キャパシティ)の問題がある。
ベースの選択の問題がある。
もしかしたら、その手袋は彼が長期的に投資したいペアではないかもしれない。
今日の目的は、「クリックする前に理解すること」だ。
マットはアイアンベイルでの通常の戦闘セットアップに切り替えた。
立ち上がり、新しい剣を抜く。
基本の素振りを一回。
劇的な違いはない。
7パーセントの攻撃速度が、マットを突然「ブレンダー(ミキサー)」に変えたわけではない。
しかし、彼は古い武器を何百回と振ってきたのだ。
新しい武器は、彼の手が予想するよりも『ほんのわずかに早く』攻撃サイクルを完了した。
マットはもう一度振った。
「……ほう」
ウィンドランナー・ブーツの時とまったく同じだ。
小さなパーセンテージ。
だが、常に(コンスタントに)影響を与える。
彼は剣を鞘に収めた。
「実地テスト(フィールド・テスト)だ」
◆
マットは、すでにボスが討伐されている別のアイアンベイルのインスタンスを選択した。
インスタンス91 — 34/64 — ボス討伐済
同じダンジョン。
同じ敵のファミリー。
より良い武器。
有意義な比較(コンパリソン)ができる。
彼は入った。
『ガァン』
『シューッ』
『ズドン』
アイアンベイルの喧噪は、もはやマットを立ち止まらせることはなかった。
進歩(プログレス)だ。
ルートに入って数分後、頭上の構造物からスクラップ・ハウンドが落ちてきた。
昨日、初心者用ロングソードでは基本攻撃が3発必要だった。
無改造のファウンドリー・ベースに持ち替えた時点で、それは約2発に改善されていた。
マットはクラフトされたレア剣を抜いた。
ハウンドが突撃してくる。
彼は振った。
『ガァン!!』
新しい刃は装甲板に深く食い込み、コンストラクトを捻って横の手すりに叩きつけた。
まだ動いている(アクティブ)。
辛うじてだが。
マットは、ハウンドが反撃を完了する前に、2回目のスイングでそれを仕留めた。
今回も2発だ。
しかし、1発目が明らかに「はるかに多くの仕事(ワーク)」をこなしていた。
「いいぞ」
さらに重要なことに、最初のスキル比較は数瞬後にやってきた。
別のスクラップ・ハウンド。
マットはクリーブを使った。
赤い弧が激突する。
金属が弾け飛ぶ。
ハウンドは即座に崩れ落ちた。
マットは剣を下ろした。
「……おお」
昨日、弱いセットアップでは、同じ敵が最初のクリーブを生き延びていた。
今日:
1発。
これは単なる「ダメージの数字が大きくなった」という話ではない。
そのターゲットに対する『クリーブの発動回数が半分になった』ことを意味する。
マナ消費が半分。
時間が半分。
ハウンドの「2回目の攻撃機会(アタックウィンドウ)」がゼロになる。
マットは進み続けた。
◆
最初の混合パックは積み込み用の広間(ローディング・ホール)で現れた。
スクラップ・ハウンド3匹。
リベット・ドローン2機。
昨日とほぼ同じ課題(プロブレム)だ。
マットは『瞬動』を起動し、まずは地上のハウンドを迎え撃った。
クリーブが3匹すべてを薙ぎ払う。
2体のコンストラクトが即座に死んだ。
3体目は、装甲がひどく損傷した状態で生き残った。
通常のスイング1回でそれを仕留める。
頭上でリベット・ドローンが撃ってきた。
マットは横にステップし、ブレード・プロジェクションで応える。
新しいファウンドリー・ソードのマナのコピーが広間を横切る。
命中。
ドローンが墜落した。
1発(ワンショット)。
2機目のドローン。
ブレード・プロジェクション。
死んだ。
静寂が戻った。
マットはマナを確認した。
バーは下がっている。
当然だ。
スキルは依然としてマナを消費する。
しかし昨日、ほぼ同じパックを処理するのに、クリーブを繰り返し、ブレード・プロジェクションを繰り返し、敵の攻撃パターンの内側でより多くの時間を過ごし、戦闘後にマナ・フラスコを消費していた。
今日、パックは単に『消え去った』。
マットは残りのマナを見た。
「……これこそが本当のアップグレードだな」
武器は単にダメージを増やしただけではない。
同じエンカウントを解決(ソルブ)するために必要な「アクションの数」を減らしたのだ。
スキルの発動回数が減るということは、マナ消費が減るということだ。
戦闘が短くなるということは、受ける攻撃の数が減るということだ。
回避(エバジョン)への持続的なプレッシャーが減る。
アーマーと自動回復が対処しなければならないダメージが減る。
死んだスクラップ・ハウンドは、彼に噛みつくことはできない。
極めて高度な理論だ。
「ダメージは防御(ディフェンス)だ」
常にそうとは限らない。
しかし、ここでは?
絶対的にそうだ。
◆
プレス・ウォーカーが、次の比較対象を提供してくれた。
プレス機の後ろから、油圧式の腕を振り上げたコンストラクトがのっそりと現れる。
マットは最初の一振りの内側に踏み込んだ。
ヘビーストライク。
『ドガァン!!』
レア・ファウンドリー・ロングソードがウォーカーの胸に深々と突き刺さった。
装甲が内側に折れ曲がる。
黄色のマナの光が明滅し——
そして、暗転した。
コンストラクト全体が崩れ落ちた。
マットは見つめた。
「……これだよ、これ」
ヘビーストライク1発。
すべてのプレス・ウォーカーが必ず同じ結果(リゾルブ)になるわけではない。ダメージには振れ幅(レンジ)がある。敵にも個体差がある。位置取りも影響する。
だが、結果は今や、マットが望む「範囲(レンジ)内」に収まっていた。
広間の奥にリベット・ドローンが現れた。
ブレード・プロジェクション。
1発。
死んだ。
「よし」
+7%の攻撃速度は、戦闘が重なるにつれてより明確に感じられるようになった。
マットの目に「7パーセント」という文字が見えるからではない。
馴染みのある『一連の動作(シークエンス)』が圧縮されたからだ。
振る。
硬直。
ステップ。
また振る。
2回目の攻撃が、以前よりほんの少し早く可能になる。
あるハウンドとの戦いでは、そのわずかなタイミングの違いのおかげで、コンストラクトが追撃の噛みつきを完了する前に、マットがもう一度攻撃を叩き込むことができた。
暗黙プロパティの『命中精度』の効果はもっと静かだった。
+45の命中精度が役立った瞬間、ドラマチックな通知が出るわけではない。
ただ、アイアンベイルの素早いターゲットに対して、彼の攻撃が「より確実に当たる(リライアブル)」ようになったと感じるだけだ。
必中(ギャランティ)ではない。
魔法(マジカル)でもない。
有用(ユースフル)なのだ。
「やっぱりベースは重要だな」
またしてもだ。
すべては『土台(ファウンデーション)』に帰結する。
◆
20分後、マットはより大きなグループに遭遇した。
スクラップ・ハウンド4匹。
プレス・ウォーカー1体。
リベット・ドローン2機。
昨日なら、彼は慎重に(コーシャスに)アプローチしていただろう。
今日は?
依然として慎重にアプローチする。
ただ、『速く』処理するだけだ。
マットはブレード・プロジェクションで開戦(オープン)し、1機目のドローンを排除した。
2機目が横へシフトし、彼の次のショットを外させた。
「やっぱり狙う必要はあるか」
よし。
装備が良くなったからといって、「ミス(間違っていること)」まで解決してくれるわけではない。
ハウンドたちが突撃してくる。
クリーブ。
2匹が死んだ。
2匹が生き残り、そのうち1匹は重傷だ。
マットは『瞬動』で体を回し、2発目のクリーブを使い、残りの地上のゴミを一掃した。
プレス・ウォーカーはすでに近づいていた。
マットは油圧アームをすり抜け、ヘビーストライクを使った。
ウォーカーは生き残った。
辛うじて。
マットは微笑んだ。
「……やっぱり硬いな」
基本的な追撃でそれを仕留めた。
生き残っていたドローンが撃ってくる。
マットは動いた。
ブレード・プロジェクション。
死んだ。
彼は戦場を確認した。
アイアンベイルが魔法のようにアッシュフィールドに変わったわけではない。
依然として複数のアクションを要求してくる敵もいる。
コンストラクトの耐久力は健在だ。
しかし、その「摩擦(フリクション)」は、今や「よりタフな初心者ダンジョン」にふさわしい適切なものに感じられた。マットが時代遅れの装備を引きずり回している証拠(エビデンス)ではなくなったのだ。
昨日のクロエのメッセージが蘇る。
『両方とも真実であり得るわ』
アイアンベイルは硬い。
彼の古い武器も最悪だった。
「なるほど」
彼は両方を受け入れることができた。
◆
マットは意図的に、初心者用ロングソードを最後に一度だけテストした。
科学のために。
1匹のスクラップ・ハウンドが、停止したコンベアの近くをうろついていた。
マットは古い武器を抜いた。
それは即座に「間違っている(ロング)」と感じられた。
馴染み深すぎる。
弱すぎる。
ハウンドが突撃してくる。
マットは振った。
『ガァン』。
まだ動いている。
もう一度。
『ガァン』。
まだ動いている。
3回目。
『ガァン』。
死んだ。
マットは剣を見つめた。
「……ダメだな」
彼は即座にレアのファウンドリー・ソードに戻した。
「お前は引退だ」
実験終了。
◆
マットはアイアンベイルの中に1時間少し留まった。
ルートは昨日と似ている。
モンスターも似ている。
彼の『ペース』は違った。
新しい武器は、必要なスキルの繰り返し詠唱(リピートキャスト)の回数を減らした。それはつまり、マナ・フラスコを飲むための割り込み(インタラプション)が減り、戦闘が長引くことが減ったということだ。
それは、単なる生のDPSの数字以上に重要なことだった。
「秒」の短縮が何百回も繰り返されれば「分」になる。
「分」の余裕は「追加のパック(群れ)」に変わる。
追加のパックは「より多くの戦利品」に変わる。
マットはため息をついた。
「結局、すべては金になるのか」
どうやら逃げ道はないらしい。
アイアンベイルは、少なくともマットの現在のルート沿いでは、アッシュフィールドよりもはるかに多くの武器ベースをドロップした。
彼はすでに「すべての白いアイテムを拾うべきではない」ことを学んでいる。
だから、彼はチェック(確認)した。
白い剣。
貧弱な暗黙プロパティ。
放置(リーブ)。
白い斧。
要求レベル10。
高い基礎(ベース)ダメージ。
クリーン(無改造)。
マットはそれを戦利品バッグの武器ループに固定し、後で鑑定することにした。
別のファウンドリー・ロングソードがドロップした。
命中精度 +41。
マットは自分の+45と比較した。
「こっちよりは劣るな」
彼はそれを置いていこうとした。
それから、最近の市場価値をチェックした。
持ち帰るだけの価値は十分にあった。
戦利品バッグへ。
マットはため息をついた。
「俺、『白い剣をいちいちチェックするヤツ』になっちまったな」
自分が何を見ているのかを理解したことで、ダンジョン全体がより面白くなっていた。
昨日:
『ロボットだ』。
今日:
『潜在的な製造原材料(マニュファクチャリング・インプット)を内包したロボットだ』。
「これは間違いなく病気だな」
◆
アイアンベイル・キャンプに戻ると、マットは普通の金属素材と魔石を売却した。
有用そうなベースは、価格をきちんと確認できるまでキープだ。
それからトレーラーに戻り、ブラックホロウ・グループを開いた。
**マット:**武器をアップデートしたぞ。
**クロエ:**数字は?
**マット:**前が4-9
**マット:**新しいのが10-25
間を置く。
**イーサン:**はあ!?
**クロエ:**マット。
**マット:**何だ?
**クロエ:**あなたの新しい武器の『最低(ミニマム)』ダメージが、前の武器の『最大(マックス)』ダメージより高いんだけど。
**マット:**ああ。
**イーサン:**会計士がダメージの計算を忘れてたぞ!!!
**マット:**お前そのジョークすでに使っただろ。
**イーサン:**事態がさらに悪化(ワース)してんだよ!!!
マットは笑った。
**クロエ:**アイアンベイルの感触はどう?
マットはその質問を考えた。
**マット:**アッシュフィールドよりは硬い(タンキー)。
**マット:**でも『普通に硬い』ってレベルに落ち着いた。
返信は即座に来た。
**クロエ:**ほらね。
それから:
**クロエ:**誰にクラフトしてもらったの?
マットは動きを止めた。
「マズい答え方」がいくつか存在している。
彼は『COPY』の仕組みを彼らに教えるつもりはない。
まだ(Not yet)。
**マット:**クラフター通り(ロウ)の連中に少し助けてもらった。
事実(トゥルー)だ。
クラフター通りは彼に「スキルを見せて」くれた。
その後、彼自身のアーカイブの中で何が起きたかは『省略された部分(オミッティド・ポーション)』だ。
**クロエ:**良い判断ね。
**クロエ:**やっとあなたの武器がレベルに追いついてくれて安心したわ。
**イーサン:**来週あたりには「ヘルメット」っていう防具の存在を発見しそうだな!!
**マット:**もう持ってる。
**イーサン:**俺たちはお前を心から誇りに思うよ。
マットはチャットを閉じた。
◆
『重き刃』と『迅速なる鍛造』が今やアーカイブに収まっている。
『鍛え抜かれた刃』は、依然としてBランクの壁の後ろだ。
つまり、マットは初心者用物理武器のコアである3つの要素のうち、2つを自分自身で確定(ギャランティ)できるということだ。
追加物理(フラット物理)。
攻撃速度。
中間ステージ——ローカルの物理ダメージ増加——は、Bランクのスペシャリストに金を払わない限り、依然としてランダムだ。
今のところは(For now)。
いずれ、『COPY』のランク上限がBに上がれば、そのカテゴリーレベルのギャンブルもすべて消え去るかもしれない。
数値ロールは別だ。
数値ロールが自動的に最大になることは決してない。
良いベースは依然として重要だ。
アイテムレベルも依然として重要だ。
通貨も重要だ。
低いロールは依然として低いロールだ。
だが、「物理ダメージを求めて、クリティカル率を渡される」?
その失敗モード(フェイラー・モード)は消滅する可能性がある。
マットは微笑んだ。
「……いずれな」
適切に危険な響きだ。
テーブルの上には、2本の失敗したプロトタイプがまだ置かれている。
プロトタイプ1は目標から完全に外れた。
プロトタイプ2は実際にはまともなものだ。良いフラット物理と、低いが有効な『+19% ローカル物理ロール』を持っている。
マットはこれに『攻撃速度』をつけて完成させ、売ることもできる。
おそらくそうするべきだ。
『迅速なる鍛造』にはまだ使用回数がたっぷり残っている。
1日のクラフト・キャパシティには経済的価値があるのだ。
彼の視線が、再び自分の手袋へとさまよった。
攻撃速度。
またしても。
マットは目を逸らした。
「明日にしよう」
2つのパッシブポイントもまだ待機したままだ。
それも明日だ。
この『自制心(レストレイント)』を維持するのは、だんだん疲れてきた。
彼がアイアンベイルの中にいる間に、朝のバッチからのマーケットプレイスの通知が溜まっていた。
いくつかの販売がすでに完了している。
マットは帳簿を一度だけ確認した。
売上が入っている。
燃料代カバー。
キャンプ代カバー。
クラフトのルーティンは彼が望んだ通りのことをしている。彼が別のことをしている間に、静かに現金を生産しているのだ。
だからといって、「ミスがもはや無意味になった」わけではない。
それは、「今の段階なら、マットにはアグレッシブに実験するだけの余裕がある」ということを意味しているのだ。
後になれば、数字は大きくなる。
より高価なベース。
より高価な通貨。
より高価な完成品。
そして、彼の進行(プログレッション)が続けば、より多くの収入も。
教訓は、「高価なクラフトを恐れるようになること」ではない。
「すべてのゼロがまだ小さいうちに、システムを理解しておくこと」なのだ。
マットはノートに一行書き加えた。
『教訓が安いうちに、安いミスをしておけ』
ホワイトベースならおそらく承認(アプルーブ)してくれるだろう。
たぶん、一通り彼を罵倒した後に。
◆
最後に、マットは『初心者用ロングソード』を手に取った。
レベル1。
物理ダメージ 4–9。
これを使い続ける理由はもう何もない。
再販価値(リセール・バリュー)はほぼゼロだ。
それでも売ってしまおうかと考えた。
そして、やめた。
ブラックホロウ。
最初のダンジョン。
最初の本当のモンスター。
オールド・フォアマン。
アッシュフィールド。
シンダー・クロウ。
ブライアー・ハスク。
アイアンベイル(短時間だが、酷い目に遭った)。
この剣は、彼の新しい人生の最初の区間(ストレッチ)のすべてを共に過ごしてきたのだ。
マットはそれを見つめた。
「引退(リタイアメント)だな」
センチメンタルな理由ではない。
……ほとんどは。
彼はベッドの下の収納コンパートメントを開け、『初心者用ロングソード』をその中に置いた。
そして閉じた。
新しい『レア・ファウンドリー・ロングソード』がテーブルの上で待っている。
マットはそれを手に取った。
10から25。
7パーセント速い。
より高い命中精度。
引退の時期を8レベルも過ぎて引きずり回されたスターター・ベースではなく、筋の通った(コヒーレントな)物理武器。
マットは収納コンパートメントの方を見た。
「お前の名誉のために言っておくが、お前は立派な『レベル1装備』だったよ」
返事はない。
「そして、俺の名誉のために言っておくと……」
マットは言葉を詰まらせた。
弁解の余地は本当に何もない。
外では、アイアンベイルの遠くの機械が、終わりのないリズムを刻み続けていた。
『ズドン』
『ズドン』
『ズドン』
マットは新しい剣を膝の上に乗せた。
「どうやら、俺の剣はゴミだったらしい」