ダンジョン・ドリフター ~退職金でキャンピングカーを買ったら、放置していたスキルが『SSSランク:完全複製(コピー)』だった件。最強スキルを拾い集めて全米横断の旅に出る~   作:パラレル・ゲーマー

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第25話 どうやら、ライフを積めば大抵のことは解決するらしい

 外のエンジン音、発電機、人々の声にもかかわらず、マットは十分に休息をとって目覚めた。安眠スキルは一晩中COPYスロットを占有していた。彼はコーヒーのためにそれを『完璧な温度』と入れ替え、その後最初のクラフト用ペアを装備した。

 

 この朝のルーティンは、怪しいほどプロフェッショナルになりつつあった。

 

【クラフト・コピー】

 生命の刻印 — 10 / 10

 元素の守護 — 10 / 10

 重き刃 — 10 / 10

 迅速なる鍛造 — 10 / 10

 

 マットは慣れ親しんだ生産ルーティンを効率的にこなしていった。

 

 ライフと耐性の生産ラインは相変わらずビジネスの信頼できる部分であり、丸一日稼働させれば、材料費、手数料、税金を差し引く前の総売上でおよそ4,000ドルを叩き出す。武器と攻撃速度のロールは、それよりは予測の難しいリターンをもたらした。

 

 彼はバッチを完成させ、販売用の品を発送カウンターに預け、装備を整えるために戻ってきた。

 

「さあ、ここからが本当の仕事だ」

 

 マットは間を置いた。クラフトのカウンターを見た。

 

「……二つ目の本当の仕事だな」

 

 彼はプランナーを開いた。昨日はほぼ偵察だった。初めての発火、初めてのパニック退却、マーカスからのアドバイス、逆の手が空っぽだったという恥ずかしい発見、ボッタクリ価格のバックウォーター・ウォール、そして自動回復がついに観測された燃焼を上回った二回目の探索。一日としてはそれで十分だった。今日は——本格的な探索がしたかった。

 

【シンダーフォール — 次回の探索】

 ・入り口のエリアを越えて奥へ

 ・新しいモンスターを識別する

 ・混合パックを観察する

 ・異なる発火のプレッシャーに注意する

 ・Eランクの戦利品をチェックする

 ・ボスの前で離脱する

 ・フォーチュンズ・ハーネスは装備しない

 

 マットはデスクの引き出しをちらりと見た。中には2万ドルのユニークベルトが眠っている。

 

「ノーだ」

 

 引き出しは沈黙したままだ。

 

「依然としてノーだ」

 

 彼は残りの装備を見直した。

 

【現在のロードアウト】

 メインハンド:レア・ファウンドリー・ロングソード

 オフハンド:バックウォーター・ウォール

 最大ライフ:555

 火耐性:75%(上限:75%)

 通常ライフ自動回復:47.6 / 秒

 

 クリーブには依然として攻撃速度増加サポートが入っている。マットは保管してあるマルチストライクを見た。彼はマルチストライクが好きだった。とても。1回の発動から繰り出される3回の攻撃は、アイアンベイルの通常の群れを工業的食品加工の実演に変えてしまった。だが、シンダーフォールはまだ馴染みがない。マットはまだエンバー・ハウンドしか見ていない。

 

「まずは一回、まともに走ってみてからだ」

 

 彼はクリーブに攻撃速度増加を入れたままにした。

 

 彼は不動の歩み、瞬動、過剰筋力を戻し、戦闘用装備を身につけ、エレメンタル・シールドを起動した。

 

 マットはゲートへ向かった。

 

 ◆

 彼はボス討伐済みのインスタンスを選択した。

 

 インスタンス94 — 26/64 — ボス討伐済

 

 偵察は終わった。だからといってボス・ラッシュをするわけではない。ポータル。転移。熱。シンダーフォール盆地が再び彼の周りに広がった。黒い玄武岩、燃える亀裂、灰、そしてあのありえない暗赤色の空。マットは左腕のバックウォーター・ウォールの位置を調整した。右手にはファウンドリー・ロングソード。

 

「ラウンド3だ」

 

 一回目の進入はパニックで終わった。二回目は盾のテストだった。今回、マットは実際にこのダンジョンを学ぶつもりだった。最初のエンバー・ハウンドが前方に現れる。マットの感情はほとんど揺らがなかった。それだけでも進歩だ。

 

 ハウンドの喉が光る。マットはその予備動作を認識し、瞬動でシフトして投射物をやり過ごしてから踏み込んだ。クリーブと基本攻撃が、クリーチャーを灰に変える。彼は魔石を拾った。

 

「既知だな」

 

 さらに奥で、もう一組のペアが現れた。一匹が飛びかかってくる。マットは最初の攻撃を避けた。二匹目が彼をかすめた。

 

 被弾

 発火

 35 ライフ / 秒

 

 昨日、このアイコンは彼の注意を完全に支配した。今日、マットはそれをちらりと見、自分の47.6の自動回復を確認し、燃焼にもかかわらずライフが上昇していくのを見守った。

 

「相変わらず機能してるな」

 

 彼は戦闘を終わらせた。発火が消える。ライフが満タンに戻る。

 

 アイコンを認識しつつ、それに注意を支配させないこと。それが、彼に次の敵を観察する自由を与えてくれた。マットは先へ進んだ。

 

 ◆

 入り口のエリアを越えて進むと、環境が変わった。比較的開けていた玄武岩の地形が、砕けた黒石の棚に変わった。柱が射線を遮り、光る亀裂が道を分断し、地形が死角や厄介な接近ルートを作り出している。マットは歩みを緩めた。頭上からかすかな擦過音がした。彼が見上げる。

 

 何かが岩棚から落ちてきた。灰色だ。

 

 アッシュ・ストーカー

 シンダーフォール盆地 — Eランク

 

 四足歩行で引き締まった体を持ち、エンバー・ハウンドのようなくすぶる炉のようなひび割れた表面ではなく、つや消しの灰色の皮膚を持っている。火の要素はほとんどない。音もほとんどしない。

 そして、それが動いた。速い。ストーカーは真っ直ぐに突撃してくるのではなく、横方向にダッシュした。マットはそれにつれて体の向きを変える。クリーチャーは動き続ける。彼の背後に回り込もうとしている。

 

「遊撃か」

 

 それが飛びかかってきた。マットは瞬動で調整する。剣。クリーンな一撃がそれを捉えた。ストーカーが崩れ落ちる。マットは見下ろした。

 

「速いな」

 

 それから、後に残された灰を見た。

 

「だが脆い」

 

 違う問題。良いことだ。それこそが彼が学びたかったことだ。彼は進み続けた。別の光る亀裂の近くで、今度は上方の動きが彼の目を引いた。一段高い岩の上に、小さな猫背の姿が立っていた。大まかに人型をしており、体は黒く、口と手の周りがオレンジ色に発光している。

 

 シンダー・スピッター

 シンダーフォール盆地 — Eランク

 

 クリーチャーが片腕を上げた。小さな火の投射物がマットに向かって飛んでくる。

 

「遠距離か」

 

 マットは横にステップした。それからファウンドリー・ロングソードを掲げる。ブレード・プロジェクション。マナで形成された剣のコピーが空間を横切る。命中。スピッターがよろめく。もう一発。クリーチャーが落ちた。マットは武器を下ろした。

 

「なるほど」

 

 これで三つの役割が揃った。エンバー・ハウンドが前衛を務めて発火を与え、アッシュ・ストーカーが側面に回り、シンダー・スピッターが遠距離からのプレッシャーを提供する。個別に見れば、彼にはその三つすべてに対する回答がある。

 

「これなら大丈夫だ」

 

 彼は立ち止まった。

 

「……今のはフラグに聞こえたな」

 

 彼は構わず進み続けた。

 

 ◆

 次の遭遇が、なぜそれがフラグだったのかを説明してくれた。マットは一段高い岩の上のスピッターに向けて剣を掲げ、まさにその瞬間、片側からアッシュ・ストーカーが近づいてくる音と、前方からエンバー・ハウンドが接近する音を聞いた。

 

「おお」

 

 彼らは陣形を組んで行進しているわけではない。彼らの自然な行動パターンが、ただ単に噛み合っているのだ。ハウンドが前線に圧力をかけ、ストーカーが旋回し、スピッターが撃ち続ける。

 

「……連係してきやがる」

 

 ハウンドが突撃してくる。マットは横に移動する。完全に予想通りだ。その結果、彼は先ほどまで見ていたが、ハウンドを避けるために目を離した火の投射物の軌道に自分から入り込んでしまった。

 

 被弾

 

 ライフが落ちる。

 

 発火

 35 ライフ / 秒

 

 マットは、馴染みのある減少レートを自身の自動回復と照らし合わせた。通常の燃焼は処理できている。

 

「よし」

 

 アッシュ・ストーカーが側面から来る。マットは瞬動で体を捻ってかわす。爪がかすめる。ハウンドが向きを変える。スピッターが次の投射物を準備する。マットは後退した。問題が明白になった。どれか一つの敵が突然圧倒的に強くなったわけではないのだ。一つの回答が、彼を別の脅威に晒すのだ。

 

 ハウンドを避ければ、スピッターが射線を得る。スピッターに向き直れば、ストーカーが側面を見つける。どちらかに集中しすぎれば、ハウンドが近接距離に戻ってくる。

 

 Fランクの戦闘は、彼に問題を一つずつ解決することを許してくれた。シンダーフォールは、複数を同時に回答することを要求してくる。

 

「なるほど」

 

 マットの声は落ち着いていた。敵の優先順位。まずは遠距離だ。彼は剣を掲げた。ブレード・プロジェクション。スピッターに命中。生き残る。ハウンドが距離を詰める。マットはクリーブを使ってそれを押し返す。ストーカーが反対側から攻撃してくる。彼は動く。速さが足りない。

 

 被弾

 

 再びライフが落ちる。マットはパニックにならなかった。彼が見上げる。スピッター。まだ生きている。

 

「お前が先だ」

 

 もう一発のブレード・プロジェクション。スピッターが落ちた。よし。一つの問題が消えた。その注意を割いた一瞬が代償を要求した。ハウンド。被弾。ストーカー。また被弾。マットが完全に体勢を立て直す前に、残りの敵がプレッシャーをかけてくる。彼のライフが大きく落ちた。そして、さらに落ちた。ゼロではない。足元にも及ばない。しかし、バーが半分を割り込んだ。インターフェースが変化する。

 

 ローライフ

 

 マットの目が見開かれた。

 

「おお」

 

 バックウォーター・ウォールが即座に反応した。

 

 バックウォーター・ウォール — ローライフ

 通常ライフ自動回復:47.6 / 秒

 ライフ半減以下の追加自動回復:+100 / 秒

 合計:147.6 / 秒

 

 ライフバーが急激に跳ね上がった。速い。とてつもなく速い。マットはそれを1秒未満だけ見つめ、そして強引に意識を敵に戻した。

 

「オッケー」

 

 昨日、ライフバーの予期せぬ動きはパニックを生み出した。今日、彼はそのトリガーとレスポンスの両方を認識していた。数値が半分を上回った瞬間に、追加の100の自動回復が停止した。

 

 ライフ自動回復:47.6 / 秒

 

「そこまでか」

 

 追加の回復が彼を半分より上に押し戻し、説明通りに正確にオフになったのだ。それは行動するための余裕を買ってくれた。

 

 ハウンドが再び飛びかかってくる。マットは動く。ストーカーが続く。

 

 マットはその余裕を使って位置取りを直し、ライフ・フラスコから飲んだ。回復が続く中、彼はストーカーが深く踏み込んでくるのを待ち、ヘビーストライクでそれを殺し、それからハウンドに向き直った。クリーブ、サイドステップ、そして追撃の一振りでエンカウントを終わらせる。

 

 マットは空き地に一人で立っていた。彼のライフは回復し続けている。彼はそれが満タンに到達するまで見守った。それから、ゆっくりと息を吐き出した。

 

「よし」

 

 彼の防御は、ついに総合的に試された。耐性が属性ダメージを減らし、ライフが貫通してきたダメージを吸収し、彼の回復が戦闘を修正するための時間を買ってくれた。

 

「これは非常に良い」

 

 彼は盾から、散らばった灰へと視線を移した。

 

「それに、ダンジョン側も敵を組み合わせることが上手くなってきている」

 

 モンスターが軍事戦術家になったわけではない。彼らの異なる役割が、マットがそれぞれの脅威に孤立した状態で答えることを阻止しただけだ。次回は:スピッターが先、ストーカーが側面を取る前に処理、それからハウンドだ。

 

 彼は再び自分のライフを見た。満タンだ。

 

「ライフは偉大だな」

 

 ◆

 マットは安全な玄武岩の区間に少しの間座り、スキルのインターフェースを開いた。

 

 クリーブ

 サポート:攻撃速度増加

 

 攻撃速度増加は彼の攻撃リズムを柔軟に保ってくれた。しかし、敵の性質を理解した今、マットは彼らのプレッシャーをより早く排除したいと思った。

 

 彼はライフ吸収とヒット時ライフ回復を検討した。どちらも混合パックの中で役に立つだろう。特にクリーブが複数のターゲットを捉えた時には。しかし、バックウォーター・ウォールとフラスコはすでに回復を提供してくれている。差し迫った問題は「三つの方向にいる三体の敵が生き残っていること」だったのだ。

 

 彼は別の回答を選択した。

 

【マルチストライク サポート】

 効果

 サポートされた攻撃は、最初の攻撃の後、2回連続で反復する。

 合計:1回の発動につき3回の攻撃。

 

 攻撃速度増加は彼にわかりやすいリズムを与えた。マルチストライクはより長い硬直を要求するが、その代償として——三回の攻撃が得られる。そして、シンダーフォールの基本的なモンスターはもはや完全に未知ではない。彼はハウンドの主な予備動作を知っている。ストーカーの行動パターンも見た。スピッターの投射物のプレッシャーも理解している。バックウォーター・ウォールは、最初の進入時よりも大きな防御の余裕を与えてくれている。

 

「やってみるか」

 

 マットは前を見た。それから、微かに微笑んだ。

 

「よし」

 

 彼は攻撃速度増加サポートを外した。マルチストライクをソケットにはめる。

 

 クリーブ

 サポート:マルチストライク

 

「もう一つの回答を試してみよう」

 

 ◆

 次のエンバー・ハウンドが彼に真っ直ぐ突撃してきた。マットは射程に踏み込み、クリーブを起動した。ハウンドは最初の薙ぎ払いを生き延び、二回目でよろめき、最後の反復で灰となって消滅した。

 

 別のハウンドも同じ結果になった。

 

 このシークエンスは、彼が使っていた慎重な単発攻撃のリズムよりもはるかに速く、敵の残りのライフを引き裂いた。

 

「アイアンベイルのフードプロセッサーがオンラインに戻ったな」

 

 アッシュ・ストーカーが現れた時、彼はその横方向の動きが終わるまで待った。クリーチャーが踏み込んできた瞬間にのみ、彼は3ヒットのシークエンスを起動した。クリーチャーは反復が終わる前に死んだ。

 

「よし」

 

 マルチストライクには依然として隙が必要だ。彼はそれを見極めるのが上手くなってきている。

 

 次のエンカウント。遠くにシンダー・スピッター。マットは、残りの群れが近づいてくるのを待ちながらブレード・プロジェクションを撃ち合うような無駄な時間は過ごさなかった。リープ・スラム。彼は開けた空間を飛び越え、遠距離モンスターの横に着地した。移動完了。それから——クリーブ。三回の高速攻撃。スピッターが倒れる。マットは即座に、近づいてくるハウンドに向き直った。

 

「ずっと良い」

 

 死んだ敵は、連係に貢献できない。スピッターが灰になれば、遠距離からのプレッシャーは作れない。ハウンドを排除すれば前線のプレッシャーが減り、群れの残りがすでに死んでいれば、ストーカーが利用できる隙も少なくなる。マットはニヤリとした。

 

「ダメージは防御だ」

 

 技術的には単純化しすぎている。だが、感情的には完全に正しい。

 

 ◆

 次の混合パックで、マットはリープ・スラムを使ってスピッターに到達し、マルチストライクでそれを殺した。旋回するストーカーが踏み込んでくるまで待ってから攻撃し、それからハウンドに向き直った。この順番が、それぞれの回答が機能する余裕を作ってくれた。

 

 一匹のハウンドが火の攻撃を当てることに成功した。

 

 発火

 35 ライフ / 秒

 

 マットはそれを見て、戦い続けた。彼の自動回復は依然として燃焼を上回っている。最後のモンスターが灰に変わる頃には、発火は消え、彼のライフは回復し始めていた。

 

「いい感じだ」

 

 もう一つのエンカウントを成功させた後。

 

「マジで最高だな」

 

 彼のライフはすでに満タンに向かって上昇している。アーマー、回避、耐性は重要だ。しかし、555ポイントの緩衝材は、それらの複合的な防御だけでは不十分だった時に彼を生き残らせてくれたのだ。

 

「ウォリアーたちがなぜライフを好むのか、今なら理解できる」

 

 より強力な攻撃や異なる状態異常は、依然として問題を引き起こす可能性がある。彼はそれらを認識する時間を買ったのだ。

 

 ◆

 マットは盆地の比較的安全な部分を進み続けた。新しい地形、さらに多くの混合パック、Eランクの魔石、ベース装備、通常の戦利品。目を見張るようなものはない。ジャックポットも、ユニークも、腰から心理的なたわごとを囁いてくるフォーチュンズ・ハーネスもない。良いことだ。彼は意図的にボスに向かって進むのを避けた。今日はすでに十分な質問に答えた。やがてマットはライフ、フラスコ、インベントリを確認した。

 

 依然として快適だ。それはつまり、快適じゃなくなるまで待つのではなく、今が離脱するのに良いタイミングだということだ。

 

「昼飯だな」

 

 彼はポータルを起動した。中へ足を踏み入れる。パニックはない。ただの空腹だ。

 

 ◆

 ダンジョンの後では、シンダーフォールのキャンプはほとんど涼しく感じられた。ほとんど。マットはまずトレーラーに戻った。戦利品をしまい、身だしなみを整え、キャンプのフードエリアに向かって歩いた。食べるものを買い、長いピクニックテーブルの一つに席を見つけた。マットはバックウォーター・ウォールを自分の脚の横に置いた。

 

 その時、近くに重いものが置かれる音がした。彼はちらりと見た。別のウォリアーが座ったところだった。防具、食事、そしてベンチの横に立てかけられた——暗い鉄のカイトシールド。マットはそれを見つめた。それから自分の盾を見下ろした。それからもう一度見返した。同じ形。同じ金属。同じユニーク。

 

 バックウォーター・ウォール

 

 マットは瞬きした。

 

「……マジで?」

 

 別のウォリアーが、マットの視線に気づいた。彼の目が、マット自身の盾に落ちる。彼は微笑んだ。

 

「バックウォーター?」

 

 マットはため息をついた。

 

「バックウォーター」

 

 男の笑顔が広がった。

 

「地元の店か?」

 

「……ああ」

 

「2,000ドル?」

 

 マットは見つめた。

 

「2,000ドル」

 

 男は笑った。

 

「同じだ」

 

 マットも笑い出した。

 

「じゃあ、みんな本当にこれをやってるのか」

 

「シンダーフォールで火ダルマにされた後、自分の左手が空っぽだと気づいたすべての新米ウォリアーがな」

 

「それは、店員に言われたのとほぼ同じセリフだ」

 

「真実だからな」

 

 男は手を差し出した。

 

「ダンだ」

 

「マット」

 

 二人は握手した。ダンは自分の食事を手に取った。

 

「初めてのシンダーフォールか?」

 

「初めてのEランクだ」

 

 ダンは間を置いた。

 

「ああ」

 

 マットは目を細めた。

 

「またその反応か」

 

 ダンは微笑んだ。

 

「どうだった?」

 

「最初にもらった発火の直後にポータルで逃げ帰ったよ」

 

 短い笑い声。

 

「そして盾を買ったと」

 

「即座に」

 

「正しい手順だ」

 

 マットはバックウォーター・ウォールをトントンと叩いた。

 

「マーカスって男が教えてくれたんだ」

 

 ダンは頷いた。

 

「なら、あの講義もすでに受けたわけだ」

 

「俺の空っぽの手についてのやつか?」

 

「それだ」

 

 マットは再び盾を叩いた。

 

「昨日入り直した。今日は混合グループに半分以下まで減らされたよ」

 

 ダンの表情がわずかに変わった。

 

「ローライフが発動したか?」

 

「ああ」

 

「どうだった?」

 

 マットは、ライフバーが突然急上昇した時のことを思い出した。

 

「チートみたいだった」

 

 ダンは笑った。

 

「良いロールだったか?」

 

「42だ」

 

「いいね」

 

 ダンは自分の盾を叩いたが、わざわざロールの数値を見せようとはしなかった。

 

「バックウォーターは初心者を『生かしておく』んだ」

 

 マットはもう一口食べた。

 

「じゃあ、発火は簡単な状態異常ってことか?」

 

 ダンは考えた。

 

「ライフ重視のウォリアーにとっては?」

 

「ああ」

 

「たぶんな」

 

 それはマットを少し驚かせた。

 

「感電はどうなんだ?」

 

「正直に言うか?」

 

 ダンは肩をすくめた。

 

「俺はそこまで怖くないね」

 

「マジで?」

 

 マットは感電について、それが何をするのかを知る程度には読んでいた。受けるダメージが増加する。次の一撃がよりひどいことになる。

 

 ダンは頷いた。

 

「十分なライフがあれば、自分が感電しているのを見て、単にバカな真似をするのをやめるだけだ」

 

 マットは笑った。

 

「それが対策か?」

 

 ダンは彼にフォークを向けた。

 

「危険だぞ。ただ、俺が嫌いなやつじゃないってだけだ」

 

 マットはすでに答えを知っていた。

 

「冷却か?」

 

 ダンの表情が即座に暗くなった。

 

「冷却はクソだ」

 

 マットは笑った。

 

「……そんなに即答か」

 

「ああ」

 

「なんでだ?」

 

「ダメージは理屈が通る。ライフを失うから、フラスコを飲み、自動回復に任せ、後退し、あるいは耐性を構築する」

 

 彼は漠然と手振りを交えた。

 

「感電? ステータスを見る。より多くのダメージを受けることがわかる。消えるまで被弾を避ける」

 

 それから、彼は顔をしかめた。

 

「だが冷却は、自分のキャラクターの操作感を変えてくるんだ。移動が遅くなる。剣を振るのが遅くなる。あんたが訓練して体に染み込ませたすべてのタイミングが、突然間違っているように感じるんだよ」

 

 マットはフロストメアの動画を思い出した。

 

「回避のタイミングを知っていて、回避の操作をしたのに、ダンジョンがお前の体は遅かったぞと告げてくるんだ」

 

 マットはゆっくりと食事を置いた。

 

「……俺、もうフロストメアには行きたくなくなったわ」

 

 ダンはニヤリとした。

 

「初めて行く時、誰も行きたがらないさ」

 

 マットはバックウォーター・ウォールを叩いた。

 

「少なくともこいつには凍結軽減がついてる」

 

「凍結はな」

 

 ダンは頷いた。

 

「冷却は冷却のままだ」

 

「最高だな」

 

 フロストメアは、「後回し」のカテゴリーにしっかりと固定された。

 

 ◆

「じゃあ、これがEランクの通過儀礼ってわけか?」

 

 マットは尋ねた。

 

「状態異常、混合パック、装備、サポート、敵の優先順位?」

 

「多くのことが同時に重要になる」

 

 ダンはゲートの方を指差した。

 

「Fランクは、それらを別々に学ぶための余裕を与えてくれる。Eランクは、それらを重ねてくるんだ」

 

 それは今朝の教訓と一致していた。

 

「だが、秘密を教えてやろう」

 

 ダンが少し身を乗り出した。マットは待った。ダンはバックウォーター・ウォールを叩いた。

 

「ライフだ」

 

 マットは微笑んだ。

 

「ライフ?」

 

「ライフが問題を解決する」

 

 それは怪しいほど宗教的な宣言のように聞こえた。ダンは気にしなかった。

 

「アーマー、回避、耐性、エナジーシールド——あんたが何を構築していようと、最終的には何かが貫通してくる」

 

 ダンは肩をすくめた。

 

「回避のタイミングを間違えたり、投射物を見落としたりする。ライフがそのミスのための時間を買ってくれるんだ」

 

 マットは混合パックのことを思い出した。バックウォーター・ウォールが発動した時、彼はすでにミスを犯していた。ライフのプールが、彼がそれに対して何かをするのに十分な時間、彼を生き残らせてくれたのだ。

 

「ああ」

 

 ダンは彼を見た。

 

「あんたのライフはいくつだ?」

 

「555」

 

 ダンの眉が上がった。

 

「レベル11で?」

 

「ああ」

 

「それは良いな」

 

 マットは不合理なほどの誇りを感じた。

 

「実際に良い、って意味か?」

 

「イエスだ」

 

「初心者にしては良い、じゃなくて?」

 

「マット」

 

 ダンは面白そうに見た。

 

「あんたは初心者だ」

 

「……妥当だな」

 

「だが、そうだ。レベル11で555は良い数字だ」

 

 マットは飲み物を一口飲んだ。それから、好奇心が勝った。

 

「本格的な高レベルのウォリアーのライフはどれくらいなんだ?」

 

「ライフ重視か?」

 

「ああ」

 

 ダンは考えた。

 

「4,000くらいなら、そこまで狂ってないな」

 

 マットは凍りついた。

 

「……4,000」

 

「ああ」

 

 マットは自分のライフバーを見た。それから4,000を想像した。

 

「一気に跳ね上がったな」

 

「レベルがそうさせるんだ」

 

 マットはまだ終わらなかった。

 

「トップはどうなんだ?」

 

「何のトップだ?」

 

「一番有名なライフ・ビルドだよ」

 

 ダンは微笑んだ。

 

「ああ」

 

 彼は一人知っていた。

 

「みんながよく持ち出すSランクの奴がいる。最大ライフは1万5,000くらいだ」

 

 マットは咀嚼するのをやめた。

 

「……1万5,000」

 

「そのあたりだな」

 

 マットは傷ついたような顔をした。

 

「俺、たった今555で誇りを感じたばっかりだったのに」

 

 ダンは笑った。

 

「誇りに思うべきさ。あんたはレベル11なんだから」

 

「それでもだ」

 

「初心者ウォリアーを、Sランクのライフ・スペシャリストと比較するなよ」

 

 マットもそれはわかっていた。感情的には——それでも。1万5,000。マットから50を奪ったあの火の攻撃も、そのレベルのライフプールの前ではほとんど可視化すらされないだろう。Sランクのダンジョンは、おそらくそれに釣り合う数字を出してくるのだろうが。それでも。そのスケールは驚異的だった。ダンは肩をすくめた。

 

「それが探索だ。レベル100。Sランク。SSS。アーティファクト」

 

 彼は飲み物を手に取った。

 

「上を見上げ続ければ、いずれ普通の数字は普通の意味を持たなくなるのさ」

 

 ダンのスマホが振動した。彼はそれをちらりと見た。

 

「おや」

 

 マットは覗き込んだ。

 

「どうした?」

 

 ダンは画面に向かって少し顔をしかめた。

 

「今月はまだ若返りの薬が出てないみたいだな」

 

 マットは間を置いた。

 

「……何だって?」

 

 ダンは顔を上げた。

 

「若返りの薬」

 

「いや、言葉は聞こえた」

 

 マットはスマホを指差した。

 

「それは何だ?」

 

 ダンは動きを止めた。それから見つめた。

 

「待て」

 

「あんた、Eランクにいて若返りの薬のことを知らないのか?」

 

「知っておくべきなのか?」

 

「あんた、探索者を始めてどれくらいだ?」

 

「2週間くらい」

 

 ダンの飲み物が、口に運ばれる途中で止まった。彼はマットをもう一度値踏みするように見た。

 

「2週間。レベル11。どうやって?」

 

 マットは準備していた説明を提供した。

 

「退職金だ。まともな装備を即座に買えるだけの金を持って物流を辞めた。それから、毎日金になるクラフトのツテを運良く手に入れた。そして、ガイドを山ほど読んだ」

 

 すべて真実だ。ダンは明らかにそれが説明のすべてではないと疑っていたが、それもまた真実だ。しかし、お金と適切な準備は、質問を終わらせるには十分に妥当だった。

 

「なるほど」

 

 ダンは食事を置いた。

 

「あんた、マジでド素人なんだな」

 

「極めて」

 

「なら、最初から説明しよう」

 

 マットは頷いた。ダンはスマホを掲げた。

 

「Sランクのダンジョンは、アーティファクトをドロップすることがある」

 

「ユニークアイテムみたいなものか?」

 

「別カテゴリーだ」

 

 ダンはバックウォーター・ウォールを叩いた。

 

「ユニーク装備は装備だ。強力で、時々奇妙だが、毎日取引されている。アーティファクトはニュースになる。中には、誰かが人類に一番欲しいものを尋ねて、ダンジョンがそれに答えたように感じるものもある」

 

 マットは見つめた。

 

「それは不吉に聞こえるな」

 

「時々はな」

 

 ダンはスマホのロックを解除し、いくつかの画面をタップしてから、テーブル越しにそれを滑らせた。

 

「これが有名なやつだ」

 

 マットは見た。

 

 ◆

【退潮の時、若返りの薬】

 レアリティ:ミシック

 タイプ:エリクサー / アーティファクト

 

 効果

 このエリクサーをすべて飲み干した者は、記憶と人格を完全に保ったまま、肉体の物理的時間が正確に10年巻き戻される。

 このアーティファクトは世界そのものの法則から凝縮された奇跡である。魔法やテクノロジーによって模倣・複製することはできない。

 

 フレーバーテキスト

 王は黄金で城を築き、英雄は力で伝説を築いた。

 しかし時間は、無慈悲に彼らのすべてを砂に変える。

 彼らは10年を買うために、財産の半分を喜んで差し出すだろう。

 彼らが本当に買うのは「若さ」ではない。

 それは、「もう10年、自らの帝国に君臨する権利」なのだ。

 

 マットはその効果を二度読んだ。表面的な変化でも、寿命が延びるという曖昧な約束でもない。肉体が10年戻り、記憶はそのまま。

 

「実際に若返るのか?」

 

「物理的にな」

 

 魔法の薬はすでに医療を変革していた。これは年齢の逆転だ。マットはミシックという言葉を見続けた。

 

「どれくらいの頻度でドロップするんだ?」

 

「全世界で、大体月に1回だな。平均であって、スケジュールじゃない」

 

 ダンはスマホを指差した。

 

「だから、月末近くになっても一つもドロップが確認されないと、みんな注目し始めるんだ」

 

 一つのアーティファクト。全世界で月に約1回。10年間の物理的時間。マットの物流の脳が、即座に希少性へと直結した。

 

「……つまり、こいつがドロップするたびに、金持ちたちが銀行口座で殴り合いを始めるってわけか」

 

 ダンは笑った。

 

「大体そんな感じだ」

 

 販売は通常、世界規模のオークションになる。通常の医療には事実上無制限にアクセスできる人々が、医療では与えられないものを与えてくれる1本のボトルのために競争するのだ。

 

 マットはもう一度フレーバーテキストを見た。

 

「いくらだ?」

 

 ダンはもう一口食べた。考えた。それから何気なく答えた。

 

「大体、800億ドル(約12兆5000億円)くらいかな」

 

 マットはコーヒーを気管に詰まらせた。彼が激しく咳き込んだので、ダンは自分の食事を少し遠ざけた。

 

「800億? B(ビリオン)で?」

 

 ダンは笑った。

 

「最近の価格はそこまで行ってるな。ああ」

 

 マットは虚空を見つめた。バックウォーター・ウォールは全米で約1,000ドル、地元で2,000ドルだった。フォーチュンズ・ハーネスは2万ドルした。彼の空間拡張ピックアップの目標は約30万ドルだ。これは——

 

 $80,000,000,000

 

 マットはゆっくりとコーヒーを置いた。

 

「同じ経済圏の話じゃないな」

 

「ああ」

 

 ダンはマットの反応を楽しんでいるようだった。

 

「10年のために800億ドルも払う奴がいるのか?」

 

 マットは尋ねた。

 

「それができる奴で、かつ死にたくない奴らさ」

 

 ウザいほど十分な答えだった。

 

 マットは再びアーティファクトを見た。彼は年老いた誰かを想像した。創業者、投資家、企業の支配者——一生をかけて権力を蓄積してきた誰か。その人物にとって、物理的な10年は単なる若さではない。それは自分が築き上げたすべてを、さらに10年間積極的にコントロールできることを意味するかもしれないのだ。ダンがフレーバーテキストを叩いた。

 

「だからこの一文が有名なんだよ」

 

 マットはそれを読んだ。それは、もう10年、自らの帝国に君臨する権利なのだ。彼は生唾を飲み込んだ。

 

「とんでもなく高くつく10年だな」

 

「一部の人にとっては、それ以上の価値がある」

 

 マットは背もたれに寄りかかった。

 

「なるほど」

 

 彼はシンダーフォールのゲートの方をちらりと見た。それから、自分の横にある盾を見た。

 

「探索者のトップ層がなんであんなに金持ちなのか、やっと理解できた気がするよ」

 

 低ランクの探索者は魔石、装備、ベース、クラフト通貨を売る。高ランクになれば、個々のドロップが財産になり得る。そして頂点においては、ダンジョンは地球上で最も裕福な人々に、彼ら自身の肉体の10年間を賭けて競争させる何かを生み出すことができるのだ。

 

「俺、今朝は盾をゲットして喜んでたんだけどな」

 

「喜ぶべきさ」

 

「2,000ドルだった」

 

 ダンは厳粛に頷いた。

 

「あんた、ボラれてるぞ」

 

「ありがとう」

 

「どういたしまして」

 

 マットは笑った。

 

 ◆

 ダンはスマホを取り返した。

 

「でも、真面目な話」

 

「ああ?」

 

「もしこれからも探索を続けるつもりなら、ダンジョンニュースを読むようにしな」

 

「ガイドなら読んでるぞ」

 

「それは同じじゃない」

 

 ダンは指を折って数えた。

 

「アーティファクトのドロップ。主要な初クリア。重要な高ランクのドロップ。新しい発見。市場の変化。ダンジョン経済を実際に動かしているものだ」

 

 マットは自分の情報摂取について考えた。ロードトリップの探索者動画、ビルドガイド、DelverForge、マーケットプレイスの出品リスト、フォーラム、ダンジョン攻略情報。彼は、自分のビルドに直接関係する世界の一切れには莫大な注意を払ってきた。その上にあるすべてのものには、ほとんど注意を払っていなかった。

 

 数日前、アイアンベイルで、彼はようやく立ち止まって自分の周りに住んでいる人々に気づいた。今、彼は彼らの上に広がる産業のどれだけを無視してきたかを発見しているのだ。

 

「俺はずっと、目の前の棚しか見てなかったみたいだな」

 

 マットは言った。彼はダンに向かって頷いた。

 

「妥当な指摘だ」

 

 彼はダンのスマホを指差した。

 

「つまり、あんたが今月はまだ出てないって言ったのは……」

 

「みんな注目してる」

 

「金持ちたちが神経をすり減らしてるわけか」

 

「『超』金持ちたちが、な」

 

 マットは微笑んだ。それから、彼らの会話が辿った馬鹿げた道筋に気づいた。

 

「俺たち、ライフの話から始めたはずなんだけどな」

 

 ダンは間髪入れずに答えた。

 

「今でもそうさ」

 

 マットは笑った。

 

「ライフバーから寿命へ、か」

 

 ダンは飲み物を掲げた。

 

「同じ種さ。市場が違うだけでな」

 

 マットは危うくまたむせるところだった。

 

 ◆

 ダンは食事を終えた。彼は立ち上がり、バックウォーター・ウォールを手に取った。マットはその盾を見た。それから自分自身の盾を見た。同じクラブの、ボッタクリ価格の二人のメンバー。

 

「シンダーフォールでの幸運を」

 

 ダンが言った。

 

「あんたもな」

 

「盾はキープしとけよ」

 

「絶対にな」

 

 ダンは一歩歩き出し、立ち止まった。

 

「あと、意図的にローライフをテストしようとするなよ」

 

 マットは微笑んだ。

 

「イーサンは反対するだろうな」

 

 ダンは振り返った。

 

「そのイーサンってのはバカみたいだな」

 

「時々はな」

 

 ダンは満足したように頷いた。それから。

 

「ああ、あとマット?」

 

「何だ?」

 

「2週間でEランクってのは速いぞ」

 

 マットはそれを考慮した。

 

「良い速さか? 悪い速さか?」

 

 ダンは微笑んだ。

 

「あんたがCランクで生きてたら、もう一度聞いてくれ」

 

 マットは笑った。

 

「妥当だな」

 

 彼らは別れた。

 

 ◆

 トレーラーに戻ると、マットはノートPCを開いた。今回は珍しく、ウォリアーのパッシブや、剣のベースや、ボスのガイドを検索しなかった。彼は全米探索者ニュースを検索した。一つの見出しが即座に彼の注意を引いた。

 

『今月の退潮の時はどこへ?』

 — 月末が近づく中、若返りの薬への警戒が続く

 

 マットはクリックした。記事は、過去の出現記録、オークションの競争、そして世界的な需要について報じていた。供給量は平均して月1本程度だが、確定したスケジュールはない。今月はまだ1本も確認されていなかった。

 

 彼は価格のセクションを見つけた。

 

 最近の取引

 約 800億ドル

 

 マットは見つめた。

 

「やっぱり狂ってる」

 

 ダンが説明してくれたからといって、その不条理さが薄れるわけではなかった。彼は記事を閉じた。それからステータスを開いた。

 

 最大ライフ:555

 

 マットは微笑んだ。今日の少し前まで、555という数字は莫大なものに感じられていた。シンダーフォールの混合エンカウントが彼を半分以下に追い込んだが、ライフがミスを吸収し、バックウォーター・ウォールが反応し、マットは回復するために必要な時間を得た。ダンは正しかった。ライフがミスの時間を買ってくれる。555は良い数字だ。

 

 マットにとっては。今の。レベル11の段階では。彼の上には、数千単位のライフプールを持つウォリアーたちがいる。そのさらに上には、ダンジョンが人間の10年分の寿命を産み出し、億万長者たちを800億ドルのオークションに送り込む世界があるのだ。マットは、ファウンドリー・ロングソードの隣に置かれたバックウォーター・ウォールを見た。2,000ドル。

 

 全米市場価格の2倍。それでも価値はあった。

 

「そろそろニュースを読む習慣をつけた方がいいかもな」

 

 スマホが振動した。マットは視線を落とした。

 

 **イーサン:**ローライフのテストはしたか!? 

 

 マットはそのメッセージを見つめた。それから、会話をミュートした。どうやら、ライフを積めば大抵のことは解決するらしい。




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