STAR WARS: STAR DESTROYER 作:あーくわいてんず
停滞!
アンバラの奥深くへ降り立った共和国の空挺部隊は、首都へ通じる三つの要点を確保した。だが、ケノービ将軍の地上主力は頑強な抵抗に阻まれ、北の橋を守るベイラン・スコールたちとの合流を果たせずにいる。
別の攻撃軸では、スカイウォーカーに代わって指揮を執るポング・クレル将軍が、敵飛行場への進撃を続行。上空のヴァラリアン打撃群は、二つの戦場へ補給と支援射撃を送り続ける。
取った橋を渡る者は、まだ来ない。闇の中に残された兵たちは、再び敵の足音を聞いていた――
*
C.R.C. 7956.245 アンバラ地表、北の跨谷橋、南側管理所
ベイランは、空の箱を椅子にしていた。
弾薬が入っていた時には二人で運んだ箱だった。今は腰を下ろすたびに縁がたわみ、足の位置を変えなければならない。壁へ背を預けると、外から響く発電装置の振動が肩に伝わってきた。目を閉じていたはずなのに、眠った覚えがなかった。
テザーが戸口を通った。将軍が顔を上げると、コマンダーは手に持っていた容器を背中へ隠した。
「私の分か」
「私の分です」
「そうか」
ベイランは座り直した。テザーはその前を通り過ぎ、隣の箱へ腰を下ろした。蓋を開けると、煮た穀物が容器と同じ形に固まっていた。匙を差す角度を二度変えてから、コマンダーはようやく一口を取った。
「将軍の分も、同じです」
「聞いていない」
「食べる前に、知らせた方がいいかと」
ベイランは壁際の容器を取った。温めれば柔らかくなるのだろうが、加熱器は外の兵が使っている。蓋の裏に付いた分から食べ、奥の塊を匙で崩した。テザーの方が先に食べ終わり、空の容器へ水を入れている。
窓の外では、橋の上を二人の兵が戻ってきた。北側の交代を済ませた一人が歩きながら眠りかけ、もう一人に背中を押されている。管理所の壁へ着くと、押していた方もその隣へ座り込んだ。
「次の班は」
「出ています」
「橋の下も見せろ」
「先に出しました」
ベイランは匙を止めた。窓の縁へ置いた端末には、同じ報告が開かれていた。受領したのは自分だった。
テザーは容器を片づけ、何も付け加えずに立った。ベイランも食事を閉じたが、コマンダーは今度はそれを見ていた。
「あと三口です」
「大きさによる」
「なら、二口で」
ベイランが匙を取り直した時、北側から短い射撃音が来た。テザーは戸口へ向かい、受信器を押さえた。後ろで休んでいた兵も顔を上げたが、コマンダーが手を下げると、銃だけを膝へ寄せて座り続けた。
「橋脚の点検路です。北側から二人。後ろにもいます」
ベイランは容器を置いた。
昨日は道路から来た敵が、今度は橋の下へ回っていた。守備の隙を見つけたのか、元から知っている通路なのかは分からない。管理所にあった図には、保守用の細い線が一本、谷の縁に沿って引かれていた。
外へ出ると、欄干の下から光が上がった。南側の兵が身を伏せ、橋面を打った弾が削った破片を避けている。ベイランは刃を点け、その兵が遮蔽物へ戻るまで前へ出た。橙色の光に、欄干の細い支柱が浮かんだ。
テザーは橋の上へ増員を走らせなかった。南側の斜面へ一班を回し、点検路の出口を押さえている。北側の守備兵も、その通路へ入る敵の後続を撃っていた。
下からの射撃が止んだ時、ベイランは追って降りかけた。
「将軍。そこからは、こちらの班の前です」
テザーの声に、足を止めた。点検路の向こうに味方の識別が出ている。暗い斜面へ身体を入れてから気づけば、彼らの射撃まで止めるところだった。
ベイランは刃を消し、南側の兵へ手を挙げた。持ち場を移さず、そのまま待てと伝える。敵は通路の曲がり角の向こうへ退き、こちらの班も追わなかった。数分後には、最初と同じ位置でまた監視が始まった。
管理所へ戻ると、食事はさらに硬くなっていた。
ベイランは今度こそ加熱器を借りた。温まるのを待つ間、点検路の線を端末へ足した。橋面は昨日直したまま使える。橋を守る場所だけが、昨日より増えていた。
*
アンバラ上空、《ハービンジャー》、戦闘指揮所
「橋は?」
『ある』
ベイランの投影像の後ろに、その橋が見えていた。シーアは画面を拡大しかけ、指を止めた。
「それは、見れば分かります。交代は」
『まだだ』
卓のもう一辺に、ケノービとコーディがいた。こちらの背景には装甲車の側面がある。昨日動いていた車と同じかどうかは分からなかった。車体の下へ入った工兵の脚だけが、投影の端から出ていた。
『分岐までの道路を、歩兵が両側から開いている』
ケノービは最新の位置を示した。先頭が通った所へ敵が戻り、後ろの車を撃っている。そこを片づけるために歩兵を止めれば、先頭へ渡す交代要員も減った。
『重い車を一台ずつ通す所までは来た。ただ、燃料車を後ろへ置いたまま先頭だけ北へ送っても、次の区間で止まる』
「分岐の守備は、引き継げますか」
『橋より先に、そこを交代する。コーディが部隊を分けている』
シーアは頷いた。迂回候補の一つには、昨夜より大きな通行不能の印が付いている。工兵が実際に車を入れ、戻した結果だった。
橋から、新しい射撃制限が届いた。
地上観測班は橋脚の近くを除外していた。シーアがそこを開くと、ベイランが点検路へ敵が入ったと説明した。撃てば追い払えるかもしれないが、橋脚と、その出口を守る兵にも近すぎる。
「受け取りました。南西の砲座の方は」
『まだ撃ってくる。あれは遠い。こちらの観測を待ってくれ』
シーアは支援を担当する34へ渡した。ヘイグはすでに観測班と連絡を取っていた。実行の報告が来た時、三者の通信では次の補給艇の話をしていた。
ベイランの背後にいる兵が、音に振り向いた。遅れて、地上の投影が白くなった。
『止まった』
彼が告げた。シーアには、その短い言葉が嬉しかった。朝から一つも動かせていないように感じていたものが、ようやく動いた気がした。
「次の便を通せますね」
『今の方向からなら。艇を下ろす間、北側は我々で持つ』
ケノービは補給の到着を確認し、地上の交代部隊の配置へ戻った。ベイランもテザーに呼ばれ、像が消えた。卓には三つの要点と、その間で止まっている車列が残った。
セルトが橋への輸送便を更新した。弾薬と水、医療用の電源が積まれている。シーアは一つずつ開き、画面を閉じてから、もう一度最初の便を選んだ。
「この艇の受入先は、北の橋ですね」
「はい。先ほどと同じです」
セルトは表を動かさずに答えた。シーアは指を離した。
「変更が来たら、知らせてください」
「そのようにしています」
通信主任は次の便へ視線を移した。シーアも、同じ艇を三度開く代わりに、分岐の更新へ手を伸ばした。そこへ、別の部隊から負傷者を運ぶ車が来始めていた。
*
アンバラ地表、林間分岐
リブが靴下を替え終わる前に、車の音がした。
右足だけが乾いていた。左の靴を履き直し、膝に置いた袋を装備の奥へ押し込む。小屋の裏の壁には、外した靴下を掛ける場所がなかった。丸めて別の袋へ入れた時、その匂いにフォイルが顔をしかめた。
「そっちは、閉めてくれ」
「閉めている」
「早く」
リブは袋の口をきつく巻いた。二人とも笑わなかったが、フォイルは彼の右の靴を足で寄せてくれた。
東側の小道から出てきたのは、青い塗装をした兵の乗る小型運搬車だった。別の攻撃軸を進む五〇一の受渡し地点と、この分岐をつなぐ横道を使ってきた車だった。向こうの着陸候補地が射撃を受け、運べる負傷者をこちらの便へ載せる手配になっていた。
「150Rで合っているか」
運転席から降りた男が訊いた。リブが頷くと、男は後部を開けた。二人の負傷兵が、弾薬を押さえていた紐へ寄りかかっている。
「ヘムだ。車の分を渡して、弾を持って戻る」
「負傷者はフォイルへ。荷は、あの小屋の向こうだ」
ヘムが兵を降ろすため腕を伸ばすと、肘の内側に青い線が見えた。装甲を留める帯を、太い糸で縫い直してあった。
「そこは、光らせておくのか」
リブが言うと、ヘムは自分の腕を曲げた。
「直した時には、光らなかった」
「他の糸は」
「あったら、それを使ってる」
今度はリブも笑った。ヘムは留め具の下へ黒い布を挟み、弾薬の箱を受け取った。仲間の装備まで直して回るうちに、この呼び名になったのだと言った。
「次も、ここへ戻ればいいんだな」
「移る時は知らせる。車の番号を残していけ」
ヘムは端末を渡してから、着陸帯の壊れた照明を見た。
「帰りの方が、迷う。来た時には燃えていたものが、帰る時には消えている」
リブは東側の入口を振り返った。艇へ向けた標識は生きていたが、木の陰を来る車からは見えない。ヘムが出ていった後、同じ道を歩いて確かめ、低い位置へ誘導灯を移した。
小屋へ戻ると、タックが新しい中継器を開梱していた。
昨日、クラスプの工具へ手を伸ばした兵だった。リブが近づくと、彼は器具を置き、両手を装甲の膝へ乗せた。
「ブラケット大尉からです。受取人が、軍曹になっています」
「分かっている」
リブの声は、思ったより短かった。タックは箱をこちらへ寄せた。設置の説明も、同じ箱の端末に入っている。普段なら二人で開いて済む仕事だった。
軍曹は受領し、端末を読んだ。支持具の向きを直そうとして、手袋の指が隙間へ入らないことに気づいた。タックの腰には適合する工具があった。リブが目をやると、彼はすぐに抜き、床へ置いた。
「それは、お前のだろう」
「はい」
リブは拾った。借りる、と言う声が出るまでに、余計な間があった。タックは頷くだけで、外の警戒へ戻った。
中継器は動いた。北の橋からテザーの声が返り、軍曹は出力を一段下げた。自分の送信器を肩から外せたのが、ほとんど一晩ぶりだった。
その後も分岐へ車が来た。荷を降ろし、人を載せ、道の具合を伝えて出ていった。守備の班は交代しながら小屋の外に残った。次に飛ぶために揃えた装備は、まだ背嚢へ戻せない。
ヘムの車が再び現れたのは、外周で一度撃ち合いがあった後だった。
今度は、車を止めてもすぐに降りなかった。リブが近づくと、ヘムは運転席の縁を両手で掴み、片脚を外へ出した。靴の上に、裂けた装甲が掛かっている。
「後ろを先に頼む」
後部には負傷者がいた。ヘムが運んでいった弾薬の空箱を台にして、横たえられている。リブが車体へ手を掛けた時、運転席から血が垂れた。
「フォイル!」
「見えている。そいつを座らせろ」
ヘムは、もう後部へ回ろうとしていた。リブが肩を掴むと、払いのけた。二歩目で膝が折れ、軍曹の腕へ身体が落ちてきた。
「座れと言った」
「座ったら、車は誰が戻す」
ヘムはリブの胸を押した。そこから離れようとした力が抜け、結局、置かれた箱へ座った。フォイルは別の衛生要員に後部を任せ、ヘムの脚の装甲を外した。
傷は小さく見えた。血だけが、その見た目より多かった。
「運転はできる」
「足を見ろ」
「ペダルを踏む方じゃない」
「その足だけを、車に置いていくのか」
フォイルは包帯を押さえ、手伝う兵へ圧迫する位置を示した。ヘムは口を開きかけたが、隣へ運ばれてきた担架を見て閉じた。
キックスからの連絡が、フォイルの受信器に入った。五〇一の搬送地点が変わっていた。予定の場所へ敵が迫り、レックスの部隊は、負傷者を一つ手前へ集め直しているという。
『車を返せるか』
「運転する者を替える。いま来たヘムは、後送する」
『分かった。戻す道を送る』
キックスの返事の途中に、別の兵を呼ぶ声が入った。フォイルは聞き返さず、送られた位置をリブへ見せた。横道の入口まで、短い区間が残っている。こちらの外周を動かさずに迎えを出せる場所だった。
リブはテザーへ連絡し、空荷で戻る予定の二台をそちらへ回す確認を取った。荷役を終えた運転要員がヘムの車へ入る。新しい運転手が座席を直しているのを、ヘムは黙って見ていた。
「道は、俺が知っている」
「こっちへ教えてくれ」
リブは端末を彼の前へ置いた。ヘムは受け取ったが、すぐには触らなかった。
軍曹は急かしかけ、やめた。昨日、自分も同じように物を渡せなかった。そう気づいたからといって、ヘムへ何かうまいことが言えるわけではなかった。
やがて、青い糸のある腕が動いた。
「ここで、灯りの方へ曲がるな。そっちは敵の道だ」
リブはその場所へ印を付けた。ヘムの指は次へ進み、一つずつ、来た道を他の者へ渡していった。
艇が降りた時には、二台の車が戻っていた。
ヘムは担架を断り、兵の肩を借りて扉へ歩いた。フォイルはそこで止めなかったが、乗せた後には座席へ脚を上げさせた。運転する許可を得たわけではないと、最後にもう一度言った。
リブは搭乗者の識別を受け取り、中継器から母艦へ送った。帰ってきた画面には、別軸の受渡し所からの記録も入っていた。同じ名前が、前の便にもある。
「こいつは、二度乗ったのか」
フォイルが覗き込み、首を振った。
「前のは、森から出した時だ。そっちでは『収容済み』と書いている」
「いま乗せた方も、そうなっている」
「両方を送れ。消すな。どこで受け取ったかを書けばいい」
リブは二つの時刻へ場所を足し、送り直した。艇が灯りの上を越えていくと、中継器は母艦からの受領を待つ表示へ変わった。
*
《フォワード・ライト》、医務区画前
ヘムの手には、運転席から外した握り布があった。
洗えばまた使える、と言ったので、衛生要員が袋へ入れて渡してくれたものだった。シーアが目を向けると、彼はそれを膝の下へ隠そうとした。固定された脚が動かず、袋だけが床へ落ちた。
シーアが拾う方が早かった。
「捨てられたら、困る物ですか」
「濡れても、滑らないんです」
ヘムは受け取り、今度は寝台の内側へ置いた。敬礼しようとした腕を、シーアが先に止めた。
分岐から上がった報告は、母艦の医務部から第3合同任務群にも渡っていた。生存者の数は合うのに、どこまで搬送が済んだかを表す数が合わなかった。確認を始めたセルトは、現地の区分と、航空隊の区分を同じ欄へ取り込んでいると突き止めた。
シーアは照合を任せ、輸送の引継ぎに合わせてこちらの艦へ渡った。群の指揮は《エンヴォイ》のソーンに預けてある。橋へ向かう便は、その間も止まらなかった。
ここへ来る前、シーアは歩いて乗った者の数を見ていた。その分だけ担架を置く場所を別の兵へ回せる。それは正しかった。だが、目の前の兵は、次に歩いて降りることさえ許可されていなかった。
「車は、戻ったと聞きました」
シーアが言うと、ヘムは顔を上げた。
「俺の車ですか」
「あなたが分岐へ乗ってきた車です。別の運転手で、次の人たちを迎えに行ったと」
「戻ったんですね」
その声に、シーアはもう一度頷いた。ヘムが訊きたかったのは、車両が残っているかだけではなかったらしい。握り布の袋から手が離れた。
医務区画の奥で、誰かが水を求めた。ケレンが運んできた保温容器は、まだ通路脇の車に載っていた。彼は医療担当へ確認し、小さな容器を受け取ってからそちらへ行った。シーアも道を空け、壁の端末へ向き直った。
フォイルは、地上の小屋からつながっていた。背後には新しい中継器の灯りが見える。
『うちでは、ここを別の欄にしています』
彼が示したのは、前線から出した時、受渡し地点へ着いた時、艇へ乗せた時、艦へ入った時の四つだった。どの段階にも、終わった仕事と、これから別の者が受け持つ仕事があった。
『森から運び出しただけなら、まだ迎えに行く者です。こちらの艇へ乗せた時刻に、前の時刻を上書きしないでください』
「分けます。そちらから送った時点で、まだ着いていなかった人は」
『受入先の記録と合わせれば分かります。私の方では、乗せた所までです』
医務部の端末が、隣に置かれた。少なくとも今朝、この受入路を通って艦へ入った生存者は三十六人だった。そのうち二十三人が、歩いて艇へ乗ったと記録されている。ヘムもそこに含まれていた。
三十六人は、五〇一全体の負傷者数ではない。他の道や他の艦へ運ばれた者もいる。シーアはその範囲を明記してから、原隊へ戻せる見込みの欄を加えてもらった。
歩いていた二十三人の横に、同じ数は現れなかった。
判定を待つ者、処置の後も休ませる者、別の設備へ移す者。傷のある場所も、そこへ至るまで歩かされた距離も違っていた。
「歩けると書いたせいで、戻せると思われましたか」
フォイルが訊いた。
「僕は、最初にそう読みかけました」
シーアは答えた。後ろで待つセレナへ、手に持っていた端末を渡した。何を見せるつもりだったのか、自分でも分からなくなっていた。彼女は画面を閉じず、そのまま持った。
「医務部の判断を、別に載せてください。こちらで補わないようにします」
フォイルは頷いた。地上で呼ばれ、通信を終えた。シーアは残った一覧をセルトへ送り、実際に出撃した部隊の人数と、交代に使える兵を同じ時刻で照合するよう頼んだ。
ヘムが寝台からこちらを見ていた。
「五〇一は、まだ進んでいますか」
「進んでいます」
「なら、弾を頼みます。あの車、帰りは空だったので」
シーアは輸送の予定を開きかけた。目の前で全部を確かめ、もう大丈夫だと言いたくなったが、ヘムの仲間のいる場所まで自分は知らなかった。
「担当へ伝えます。車の番号も、一緒に」
ヘムは頷いた。休めと言われるより、その方が納得できた顔だった。
区画を出る時、シーアは袖を何かに引かれた。セレナだった。外すよう頼まれて胸の留め具を開いていた外套が、運搬車の角へ掛かっている。彼女は布をほどき、脇へ寄せてから手を離した。
「見ていました」
「何をですか」
「前を」
「では、袖は私が見ます」
セレナは先へ歩かなかった。シーアは言い返す言葉を探し、結局、自分で外套を畳んだ。セレナがそれを受け取り、端末を返す。シーアは端末を両手で持ち直した。
連絡艇へ戻る前に、彼はセレナの抱えている外套へ手を伸ばした。
「自分で持てます」
「はい」
彼女は渡した。優しい声だったので、シーアはなおさら、自分の返事を持て余した。
*
《ハービンジャー》、会議区画
クレルへの照会がつながるまでに、シーアは一つの比較を消した。
150連隊の損害と、五〇一の損害をそのまま並べたものだった。片方は取った要点を守り、もう片方は新しい陣地を攻めている。軍団の定数を分母に置けば、実際に前へ出た兵の減り方さえ見えなくなった。
代わりに、同じ時間帯にその攻撃軸へ投入された部隊を追った。離脱した者、後送された者、補充された者。全てが揃うまで待てば、次の攻撃が始まってしまう。確認できた分と、まだ返事のない分を分けて置いた。
「この中隊の担当幅は、変わっていませんか」
シーアが訊くと、セルトは直近の命令図を重ねた。
「報告にある限りでは、同じです。現場での変更は照会中です」
減った分を、まだ戻っていない交代要員で埋める予定になっていた。その者たちが到着する前に、部隊は次の位置へ進む。先端の印だけを見ていれば、距離は縮んでいた。
会議卓に、ポング・クレルの像が現れた。
二組の腕のうち、上の二本を胸の前で組んでいる。下の片手には地上の図を開いた端末があり、シーアの送った資料もそこへ入っていた。
『要点を聞こう』
「第501軍団の、この攻撃部隊についてです。医療側と輸送側の記録を照合しました。後送した者に対して、補充が追いついていません。次の任務へ進める人数を、改めて確認していただきたい」
『出せる兵は、こちらで把握している』
「その更新を、輸送側にもお願いします。歩いて乗った兵も、すぐ原隊へは戻せません」
クレルは下の手で画面を動かした。記録の対象が一つの搬送路に限られていることを指摘し、他の方面の収容地点も図へ加えた。
『君の艦へ来た者だけで、全体を量ることはできん』
「はい。なので、残っている者の数も合わせたいんです」
シーアは、前線へ向かう道を表示した。
「前へ出た位置だけではなく、そこまで補給と後送がつながっているかを見ています。今の幅を持たせるなら、交代か、休止が必要ではありませんか」
『休止すれば、敵も休むと?』
クレルが別の図を送った。飛行場から出る敵機と、首都の守備へつながる道路が重なっていた。共和国側の攻撃軸は一つではない。ここで圧力を失えば、向こうは別の正面へ兵を回せる。
『迂回すれば、隣との間が開く。停止すれば、そこへ敵が入る。飛行場を押さえねば、君たちの輸送艇もいつまでも撃たれ続ける』
シーアは、前日に使えなくなった二機を思い出した。一機は降下中に落ち、もう一機は負傷者を載せる時に撃たれた。クレルが挙げた危険は、すでに起きていた。
『一方面の数字で、作戦全体を止めるわけにはいかん』
「止めた場合の不利益は、分かりました。続けた場合の損耗も、同じ所へ載せてください」
シーアは端末を押さえた。机へ置いた指先に力が入っていた。
「いま残っている者で次の任務を続けられるか、その判断を聞きたいんです」
『私は続行できると判断している。後方の記録が追いつくまで、前線を待たせるつもりはない』
「記録を待つためではありません」
『分かっている。負傷者の輸送は続けてくれ。追加の弾薬も必要だ。こちらから更新を送る』
クレルは次の通信へ目を向けた。シーアが返事をした時には、相手の手は切断の表示へ動いていた。
投影が消えた。
シーアはすぐに次をつながせようとした。だが、何をもう一度訊くのかを考えると、同じ文しか出てこなかった。最後に送られてきた判断は、続行可能となっていた。シーアはその文の頭まで戻り、指で追って読み直した。
「記録は残っていますか」
「はい」
セルトの返事を聞き、シーアは頷いた。いつも残している。それも、いま訊き直す必要のないことだった。
ケノービ側とオープン・サークルの調整窓口へ、同じ資料を渡した。補給船から降ろす弾薬の便は変えなかった。兵を休ませたいからといって、その兵へ届く弾を止める理由にはならない。
ケノービからの返答は、予想より早かった。
投影の中で、彼はコーディの端末を覗いていた。シーアの資料を読んだ上で、五〇一側へ現在員と交代予定を求めている。隣の軸から回せる部隊も調べていたが、その部隊自身が側面を押さえていた。
『飛行場を取る必要はある。だが、取った後に同じ部隊をそのまま進められるかは、別に確かめよう』
「その確認が来る前に、次の命令が出ませんか」
シーアが言うと、ケノービは顔を上げた。
『可能性はある。だから、こちらからも急がせている』
彼は曖昧に慰めなかった。コーディが地上主力の配置を示し、分岐への守備交代を先に通すと告げた。150連隊をそこから離せれば、少なくとも空中機動の一部を再び使える。
予備部隊への照会が、ケノービの司令部から送られていった。シーアの照会にも受領が付いた。
受領してから、シーアは橋への回線を求めた。
ベイランは座っていた。肩の装甲を片方だけ外し、下の服を手で引いている。付いた泥が乾き、腕を上げるたびに擦れるのだという。
「少し、話せますか」
『手は離せない。耳なら』
シーアは照会の内容を伝えた。ベイランは頷き、クレルが送った図も見た。途中でテザーへ短く返事をしたが、通信は閉じなかった。
「僕が、止めろと言っても」
『五〇一の命令にはならない』
「君から言えば」
ベイランの手が止まった。
「同じジェダイなら、直接話せませんか。輸送量の話に戻されるんです。僕が何を聞いているのか、分からないはずはないのに」
『話はできる。命令を取り消せるわけではない』
「それは知っています」
声が尖った。ベイランは装甲を脇へ置き、画面へ向き直った。
『なら、なぜ私に訊く』
「ほかに、誰へ言えばいいんです」
シーアが答えると、ベイランは口を閉じた。投影の向こうで兵が水の空容器を運んでいった。一つが落ち、床で転がる音がした。
『今、私もその答えを持っていない』
ベイランの声は低かった。
『持っているように話せと言われても、できない』
「そういう意味では――」
橋の外で射撃が始まった。ベイランはもうシーアを見ていなかった。装甲を取り、テザーの声へ顔を向けている。
『後にしてくれ』
通信が閉じた。
シーアは、消えた投影へ向かって言葉を続けかけた。誰も聞いていない。卓の縁を掴んでいた手を離し、指を伸ばした。
セルトから、橋の観測班の要請が入った。
シーアはそれを開いた。南の進入路に新しい砲座がある。座標は揃い、味方の除外区域にも掛からない。
「実行してください。観測側で止められるように」
返事が来た。今度は、自分の命令で動く仕事だった。
砲撃の効果を確かめてから、シーアはベイランへ短い文を送った。返事を急がせたことを謝ろうとして、最初に書いた一文を消した。いま謝れば、また彼に答えを求めることになる気がした。
送ったのは、クレル側へ求めた再評価の項目と、橋へ向かう次の便の時刻だけだった。
読まれた印は付いた。返事は来なかった。
*
北の跨谷橋
ベイランは、先ほどまで座っていた箱を運び出していた。
南側の管理所へ、負傷した兵を入れる場所が必要になった。北側の守備で肩を撃たれた一人だった。衛生兵が装甲を外す間、ベイランは戸口を広げ、床へ敷くものを探した。
「そこは、将軍の寝る所です」
兵は言った。声が震えていた。
「まだ寝ていない」
「じゃあ、使ってからで」
ベイランは笑おうとしたが、兵の肩から外れた装甲を見て、口元を戻した。手を出しかけ、衛生兵の仕事を塞ぐだけだと気づいて立った。
外では補給の艇が旋回していた。先ほどの艦砲で南西の砲座は止まり、降りる方向は残っている。だが、着陸地点の近くへ敵の射撃が来ていた。降りた艇の扉を、誰が押さえるかをテザーが決めている。
「南側にもう一班」
ベイランが言うと、テザーは首を振った。
「北側の交代を出せなくなります。今の人数でやります。将軍は、艇の扉を」
ベイランは橋の先を見た。寝かせたばかりの兵を起こせば、一班は作れた。だが、次に北側の兵を下げる時、その者たちに代わる人間がいなくなる。
テザーはすでに、射撃の間を短く区切るよう重ブラスターの班へ伝えていた。ベイランはその線の外へ出て、艇が脚を下ろすのを待った。
扉が開くと、箱が滑ってきた。
兵が引き、次の兵へ渡した。ベイランは橙色の刃で射線を外へ弾き、荷を運ぶ腕の前を空けた。最後の水が降りると、空いた床へ担架が入っていく。
負傷した兵は、頭だけをこちらへ向けた。何か言ったが、エンジンの音で聞こえなかった。ベイランは顔を近づけようとして、操縦士が出発を求めるのを聞いた。
彼は手を上げた。
艇は兵を乗せて離れた。追っていく射線を見上げているうちに、管理所から水を運ぶよう声が掛かった。ベイランは刃を消し、箱を一つ持った。
シーアからの文を読んだのは、その後だった。
橋へ向かう便の時刻と、五〇一の再評価を求める項目が、同じ大きさの文字で並んでいた。ベイランは一度閉じ、また開いた。
返信欄へ指を置いた。何も書かず、次の便の時刻へ表示を戻した。
テザーが、負傷者を載せた艇の上昇完了を報告した。
「一人、上げたな」
「はい。次の交代人数も直します」
ベイランは受領し、北の管理所へ歩いた。
途中で、工兵が橋面を点検していた。工具を当て、前日直した接続部の状態を確かめている。ベイランは横へしゃがんだ。
「変わったか」
「ここは、変わっていません。予定の車両を通せます」
工兵は顔を上げ、南側の道を見た。二人とも、その後の問いは口にしなかった。
橋は、重い車両を通すための状態を保っていた。
今夜もそこを渡ったのは、弾薬箱を持つ兵と、交代して戻る兵だけだった。
*
C.R.C. 7956.246 アンバラ地表、林間分岐
交代に来た兵は、リブより汚れていた。
肩の橙色が泥の下へ隠れ、膝から下には別の色の土が固まっていた。第7空中軍団の地上主力から分かれた守備部隊だった。南からここまで、車と歩きを何度も替えてきたという。
リブは、相手が落ち着くのを待ってから外周を回った。
東の横道、北の警戒位置、壊れた照明、まだ撤去できていない艇。地図で渡した所を実物でも見せた。相手は照明の残骸の脇へ足を置き、ここは暗くしておくのだな、と確かめた。
「艇の誘導灯は、別にある」
リブは答えた。最初にヘムが通った道も示し、そこから来る車の呼出符号を渡した。今は別の運転手が使っている。
引渡しが終わると、分岐の呼出しは新しい部隊へ移った。
軍曹は自分の受信器からその当直を外した。音が減った。故障したのかと思い、一度だけ接続を確かめてから手を下ろした。
タックは荷を背負い、艇の脇に立っていた。フォイルは後任の衛生要員へ最後の記録を渡している。すぐ別の場所へ行く命令はなく、最初に告げられたのは休息だった。
リブは地面へ腰を下ろしかけたが、タックが艇の床を指した。
「そっちの方が、乾いています」
座ってみると、脚の震えが分かった。フォイルも隣へ座り、膝に救護鞄を載せた。誰も話さなくなると、昨日のタックの手首だけが、リブの中へ戻ってきた。
「あの工具は、使っていい物だった」
リブが言った。
タックは顔をこちらへ向けた。返事を待っている。軍曹は続けなければならなかった。
「昨日、掴んだのは悪かった」
「聞きました」
「そうだな」
リブは自分の手を膝の間へ入れた。昨日も謝った。それで相手が忘れてくれるはずはなかった。
フォイルが目を閉じた。タックは銃を抱え直し、外を見る。軍曹も話を足さずに背を預けた。
起こされた時、空の色は変わっていなかった。二時間以上が過ぎ、フォイルの肩に付いていた泥が床へ落ちている。リブはようやく左の靴下を替えた。袋から出すと、乾いた布が冷たかった。
飛行場を確保した、と連絡が来た。
五〇一の部隊だった。向こうの管制と安全確認が揃えば、先遣班を入れられる。北の橋からつながったテザーは、リブたちに新しい受渡し地点と後続の進入口を調べるよう命じた。
『受入れを作ったら、第二陣へ渡せ。次の降下に使える区画も確認する。ただし、次の降下そのものはまだ決まっていない』
「了解。橋の分も、ここへ集めますか」
『輸送担当から指定が来る。北の守備は続ける』
リブは受領した。飛行場へ回るのは、分岐から引き継ぎを済ませた先遣班だった。北の橋では、ベイランたちが守備を続けている。艇へ荷を戻す時にも、北へ向かう別の便が上を通っていった。
タックへ返そうとしていた工具を、リブはまだ持っていた。
「返す」
柄を向けると、今度は相手が受け取った。ベルトへ戻してから、軍曹の背嚢の留め具を指した。そこが開いたままだった。
リブは締め直した。礼を言い、先に艇へ上がった。
*
アンバラ地表、確保した飛行場
硬かった。
艇から降りたリブは、足の裏が沈まないことに驚いた。いつものつもりで踏み込んだ足に力が余り、次の一歩が短くなった。
後ろから担架の車輪が降りた。泥へ板を敷かなくても、そのまま押せた。フォイルは最初に取った勢いを抑え、端へ寄せて通路を空けた。
飛行場の片側では、破壊されたアンバランの機体がまだ煙を上げていた。格納庫の奥を調べる兵は、青い印を付けている。戦って取った者たちが、その場所を他の部隊へ使わせるための確認を続けていた。
リブは着陸担当へ報告し、許可された区画から外へ出なかった。安全が確認できた建物だけを開き、荷を置く場所と、帰りの便へ人を集める場所を分ける。ここから先へ飛ぶ時には、同じ床へまた強襲班が並ぶ。
電源の箱に、分岐で付けた識別が残っていた。
タックがそれを降ろし、接続を確かめた。工具の柄を握り直し、曲がった台座を押さえている。リブは箱の反対側を持ち、彼が締め終わるまで支えた。
「敵の飛行機を使ったんだ」
格納庫の壁に座る青い装甲の兵が言った。リブが顔を向けると、彼は奥の機体を顎で示した。
「ファイヴズとハードケースだ。あれで上がって、こっちを撃っていた奴らを潰した」
リブは、自分たちが乗ってきた艇を見た。
「乗り方を知っている艇でも、落とされたんだがな」
「本人に言ってくれ。喜ぶ」
兵は笑った。リブも笑いかけたが、相手の目が閉じたので声を掛けるのをやめた。水の容器を膝から落としそうになっている。手の届く側へ置き直し、邪魔にならないよう足元の荷を退けた。
レックスが来たのは、最初の受入れ位置ができた頃だった。
大尉はヘルメットを片手に持ち、フォイルへ奥の負傷者の場所を伝えた。キックスがそこで処置を続けている。全員を一度に動かすのではなく、順番を合わせたいと言った。
「担架を、こちらの車で入れます」
フォイルが答えると、レックスは礼を言った。リブの胸の識別を見てから、持っていた記録を開く。
「ヘムは、そちらへ行ったか」
「母艦で治療中です。意識はあります」
「脚は」
「固定しています。運転はできると言っていました」
レックスは息を吐き、ヘルメットを持ち直した。
「そう言うだろうな」
「伝えることはありますか」
「飛行場へ着いた、と。ここまでは来た」
大尉はそれだけを頼み、格納庫の奥へ戻っていった。次の報告を持つ兵が追いつき、二人で歩きながら端末を開いている。
リブはヘムへ文を送った。車が通った道ではないが、彼が弾薬を届けていた部隊は目的の場所へ着いていた。
返事はすぐには来なかった。
受入れの第二陣が降りると、フォイルは医療の連絡先を渡した。リブも着陸帯の端を引き継ぎ、タックと次の発進区画を調べに向かった。取った場所からまた先へ飛ぶ、その準備だけはできる。
格納庫の前を通る時、集合を知らせる声がした。
さっき座った兵が、目を開けた。膝に銃を戻し、立つ前に水を飲んだ。まだ呼ばれただけだ、と隣の者が言っている。
リブは歩く速さを落とした。
彼らをもう一度座らせる権限は、自分にはない。だからといって、何も見なかったようには通り過ぎられなかった。フォイルへ視線を向けると、衛生兵もそちらを見ていた。
軍曹は、次に艇へ乗せる者の記録を確かめた。歩いてここへ来た者も、座席を使う。後続へ渡す端末には、乗せた時刻を別に残した。
*
《ハービンジャー》、戦闘指揮所
飛行場へ最初の補給艇が降りた時、シーアは声を上げた。
「入りました」
誰に言ったのか、自分でも分からなかった。セルトは同じ報告を受けて頷き、次の機体を通す時刻を送っていた。シーアは立ったまま画面へ近づき、荷を降ろしているという更新まで読んだ。
分岐より広い。担架を待たせる場所があり、次に降りる艇のため、今いる艇を急いで上げなくてもよかった。クレルが必要だと言った飛行場は、確かに必要な場所だった。
シーアは椅子へ戻り、今度はそれを取った部隊の報告を開いた。
目標確保。その次の欄には、更新を待っている印があった。
「ケノービ将軍側へ、先の照会を続けてください」
セルトへ言った。
「飛行場を取ったという報告と、取った部隊が次へ行けるという報告を、一つにしないでください」
文面は送られ、受領が返ってきた。医療側の記録も添えるよう求められ、そちらはすでに送ってあるとセルトが答えた。相手も同じ資料を探し、確認していた。
同じ報告を読むことと、同じ問題だと認めることは、まだ別だった。
ラセルが外側の図を更新した。
「敵補給船、位置を変更。護衛も一緒です。ミュニファスント級三隻が、こちらとの間へ寄っています」
シーアは地表の表示から顔を上げた。第32任務群が受け持つ空域のさらに向こうで、敵は補給船を下げていた。雲海の上で、護衛艦が補給船の前へ集まり始めている。
「コーヴィン大佐からは」
「護衛の動きは追えています。補給船へ射撃を通せる位置は、まだ取れていないと」
シーアは受領した。今日取れた場所と、まだ届かない目標を同じ図に残した。
橋から、テザーの報告が来た。
補給受領。負傷者一名の後送完了。両端は保持中。
ベイランの名は、指揮官の欄にあった。シーアは直接呼ぼうとして、時刻を見た。次の定時連絡までは、まだ間がある。
指を離すと、セレナが横へ来た。
「十五分、部屋を空けてあります」
「眠れるかな」
「横にはなれます」
シーアは頷き、司令官室へ向かった。ソファへ座って靴を脱ぎ、背もたれへ体を預けた。机の上には、直った再生装置が置いてある。今日は音を確かめなかった。
セレナが扉を閉める前に、彼は呼び止めた。
「橋から来たら」
「起こします」
返事を聞いてから、シーアは続きの言葉を飲み込んだ。誰からの連絡なら起こすか、もう伝えてある。セレナは扉の所で待ち、何も付け加えずに出ていった。
横になったシーアの手元で、次の便の積荷が更新された。飛行場から北へ運ぶ弾薬と食料。その下にある地上の交代部隊の到着欄を確かめ、空欄のまま画面を伏せた。