Q.ここから入れる保険はありますか?   作:様子のおかしい人

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投稿する直前になって評価が赤色になっていたことに気付く俺氏

読者の皆様、ありがとうございます!



第12話 置き手紙は(色々と)悪しき文化

 

 

 

───百鬼夜行、ある裏路地にて

 

 

 

 

 

「君は、転生者だろう?」

 

 

 

 

 

それは、矢のようだった

探偵にピタリと言い当てられた犯人の気分になった

 

 

 

「……………だったら、どうする?」

 

 

「いやなに、その上でただ聞きたいだけだ」

 

 

 

自らをムトンと名乗った大人は、私が転生者であるという確信があるのだろう

肯定とも取れる私の言葉を聞いて、さして大人が動揺を示さないのは、その確信があるからか、あるいは慣(・)れ(・)て(・)い(・)る(・)か(・)ら(・)か…

大人は月明かりの下から語った

 

 

 

「…君が本来の世界を認知しているかは知らんが、先にも言ったように、この世界はひどく歪み、壊れている」

 

 

「その先に待つのは、かの予言の大天使にも知り得ない、破綻の物語である」

 

 

「しかし、そ(・)れ(・)はまだ、修正可能だ」

 

 

「そんな破綻は、防げるのだ」

 

 

「……だからこそ、私が知りたいのは………」

 

 

 

そこで一度区切ってから、大人は私に投げかける

 

 

 

 

 

「君が、それを理解してなおこの世界の破綻へと走るのか」

 

 

 

「それとも、解になぞるため、修正への道を歩くのかどうかだ」

 

 

 

 

 

「………」

 

 

 

遠回しな語りに聞こえる。ゲマトリアの大人は、黒服やこの大人のように遠回しにしか喋れないのだろうか

……この大人は要するに、私がこれ以上原作を破壊するのか、それともその逆に原作の崩壊を防ぐのかを聞いているのだろう

 

………原作の破壊、か

 

 

 

「…正直、考えてない」

 

 

「………そうか。なら」

 

 

「けどね」

 

 

 

大人が何かを言いかけたが、無視して言い放った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私はもう、百鬼夜行ここに居たくない」

 

 

 

 

 

「………」

 

 

 

 

 

頭はやけに冷えていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、

 

イズナに、自分は夢を諦めただとか、それになんて言えばいいのか、なんて謝ればいいのか、分からなかった

 

交わした約束は、いつしか夢から枷になって、私の足を重くした

そしてそれは、イズナから期待される都度に重くなった

 

外せるなら外したかった。でも、できなかった

 

 

約束から逃げる口実なんて、知らなかったから

 

 

 

 

 

それと同時に、いつからか私は、イズナに嫉妬を向けるようになっていた

 

それが、自分の無力さから来る劣等感によるものだとは、考えるまでもなかった

 

 

 

 

 

少年漫画なんかでよくある、切磋琢磨し合える仲間にすらなれない、それ未満の私が、イズナについて行けるわけがない

 

だからこそ、私は嫌だった

 

 

イズナの腰巾着にしかなり得ない自分が、

 

イズナの背を追うしかできない自分が、

 

イズナのように、強くあれない自分が、

 

イズナに醜い嫉妬を向ける自分が、

 

弱い自分が、

 

 

ずっと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だからこれは、私の本心だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………そ、そうか…」

 

 

 

大人は、そう歯切れの悪そうに答えた

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

 

全力のゲマトリアムーヴをして、イツコと呼ばれる転生者に言い寄っていたのだが……

 

 

何、この……何?

なんかめっちゃ重たいこと言われた気がする。口では言ってないけど目が言ってる

まるでミサキみたいな重力をこの生徒転生者から感じた。まだミサキに会ったことないけど

 

 

「……百鬼夜行から離れたいなら、離れればいいのではないのか?」

 

「………真っ当な理由が、欲しかった」

 

 

「転生者だから〜」って付く時点で真っ当な理由になるのだろうか。自分で言うのもアレだが、正直狂言にしか聞こえないぞ。恋人と別れる言い訳に自分は宇宙人だから〜、みたいなこと言うヤツみたいだぞ

 

 

「……まぁ、いい」

 

 

まぁひとまず、ひとまずだ

 

私はかねてよりの質問を転生者としての彼女に聞く

現状、全ての転生者に問うてきた言葉だ

 

 

 

「……時に、君」

 

 

「…何?」

 

 

「我々の下に、来る気は無いか?」

 

 

「─────…」

 

 

 

 

 

私は、転生者に向けて手を差し出しながら聞いた

転生者は目を見開いていた

 

 

 

 

 

「この世界には、君以外にも転生者がいる。君で9人目だ」

 

 

「だがそれは、氷山の一角に過ぎない。私が見落としているだけで、まだ居るかもしれない」

 

 

「我々だけでは、手が足りない。だからこそ、新しい手がいて欲しいのだ」

 

 

「だから、百鬼夜行に居たくない君に問う。我々の下に来ないか?」

 

 

 

 

 

我々転生者達───一応、「D√ディー・ルート」という名称はある───は人手(主にカラスの面倒見係)不足故に現状は猫の手も借りたいのだ

 

今回の件でほぼ確定したが、私は生徒転生者を見落としている

その最たる例として正義実現委員会のチヨが居る。チヨは正義実現委員会のモブに紛れていたため、関係があったイバラの言葉がなければ絶対に気付けなかっただろう

 

だからこそ、私以外に見る目が、そして破綻に対して対抗できるだけの力が必要なのだ

 

 

 

 

 

「………つまり、私に忍者みたいに暗躍しろって?」

 

 

「…まぁ、そうなるな……聞けば、君は忍者に憧れていると聞いたg」

 

 

「もう捨てた夢だよ」

 

 

「(食い気味ェ…)」

 

 

 

 

 

捨てちゃったか、夢

何か言おうと思ったが、私は先生ではないので閉口する。ゲマトリアが子供の夢に口を挟むなんて死刑だ死刑。とくにお前だベアトリーチェ

 

 

「……拠点とかあるの?」

 

 

「…あぁ、あるぞ。ブラックマーケットの僻地に、な」

 

 

「………そう」

 

 

 

黒服から貰ったボロ屋を改造したものならあるぞ。てかそれしかないぞ

このキヴォトスにおいて空き家なんてそうそうない。と、納得しようとしていたが、それでももう少しマトモな物件はなかったのだろうか……せめてブラックマーケットでさえなければ良いのだが…

 

などと下らないことに思考が傾きつつあった時、

 

 

「……まぁ、いいよ」

 

 

差し出した右手に柔らかな感触が伝わる

転生者イツコは、私の手を取っていた

 

 

 

「うん?なん」

 

 

 

 

 

「アンタらの仲間になるよ」

 

 

 

 

 

黒ずんだ目だった

だが、まだ光ハイライトはあった

 

 

私は先生ではないが……なんならゲマトリアだが、それでもひとりの大人だ

そんな生徒に向ける答えは、出ている

 

 

 

「……なんか言いなよ、そっちから言い出したのに」

 

 

「あ、あぁ、すまん……」

 

 

 

言い出す前にそう言われてしまった…なっ、情けねぇ……

 

私は、右手に乗る手を握り返した

そして目の前の生徒に向けて、言った

 

 

 

「……ありがとう。そして、よろしく頼む。イツコ」

 

 

「……あれ、私の名前知ってるんだ」

 

 

 

お前の瞳を光でいっぱいにしてやろうなどと内なる目標にしていたところ、返ってきたのはそんな言葉だった

……名前、知らないです…まだ情報割れてないです……

ずっと君呼びで誤魔化してたけど、もう誤魔化せないか

 

 

 

「いや、下の名前しか分からなかったな」

 

 

「ふーん……じゃあ、名乗っておくよ。これから世話になると思うし」

 

 

 

 

 

「私は佐々村イツコ、よろしく」

 

 

 

 

 

月明かりが照らす中、私達はそんな取り引きをした

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

 

「………ん゙はあああぁぁぁぁぁ……疲れたぁぁぁぁん……」

 

 

「なんっ…え?」

 

 

「?…どうした?」

 

 

「…いや…なんか……キャラ、崩壊してない?」

 

 

「転生者にキャラ崩壊もクソもないだろう」

 

 

「???何?アンタも転生者なの??」

 

 

「?そうだが…」

 

 

「え?」

 

 

「え?」

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

 

───百鬼夜行、某所にて

 

 

 

「主殿!こっちです!!」

 

 

イズナに手を引かれて、走る

草木をかぎ分けて進んだこの先に、イズナの言う特等席があるらしい

 

 

”いっ、イズナ!速いよ!”

 

「あっ!ご、ごめんなさい!?」

 

 

私達は、桜花祭を妨害してきた魑魅一座やイズナを裏で動かしていたニャテ・マサムニェもといニャン天丸を倒し、シズコが徹底的にボコボコにした後、イツコが待つというイズナ達の花火の特等席がある場所まで走っていた

 

イズナは、イツコに話がしたいと言われたらしい

それも、私を呼んでと言っていたらしい

 

短い間で、ロクに話せていなかったが、ふたりは何か、喧嘩というか、仲違いを起こしていたのかもしれない

今はもう、その仲直りに私は必要ないかもしれないけれど、それとは別で私にはイツコに色々聞きたいことがあるのだ。例えば刀とか刀とか刀とか……

 

 

そんな折、銃声のそれとは違う、乾いた破裂音が鳴り響いた

 

 

「わっ!!?はっ、花火始まっちゃいました!?」

 

”い、急ごう!!”

 

「はい!!あと少しです!!」

 

 

イズナの走るペースが速くなる

 

木々の向こうで花火の光がちらつくのが見えた

 

 

どうやら、近いらしい

 

 

 

「イツコ殿ーーーっ!!!」

 

 

 

私とイズナは草木の間から飛び出して、少し開けた空間に出た

 

木々が周りを囲み、百鬼夜行を一望できるほどに景色のよい場所

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………あれ」

 

 

 

 

 

そこに、イツコの姿はなかった

 

ただ

 

 

 

「…これは」

 

 

”イズナ、それって……?”

 

 

「………手紙、です」

 

 

 

 

 

一本の木に、黒く細い、針のようなくないによって留められていた手紙があった

 

 

それが誰のもので、誰へ向けたものなのか、考えるまでもなかった

 

 

 

「……………」

 

 

 

花火が空を彩る中、イズナは下を向いて、それを声に出さずに読んでいた

 

見入るように、

食い入るように、

 

そして、

 

 

 

「………っ…」

 

 

”い、イズナ!?”

 

 

「大丈夫…っ…大丈夫ですっ…」

 

 

 

泣いてしまった

思わず叫んだが、背を向けていたイズナは、目元を拭いながら、鼻を啜りながらそう言い、振り向いた

 

涙を乱雑に拭った跡が残るイズナの表情は翳っていた

 

 

 

「……手紙には、イズナへの謝罪と……百鬼夜行から離れるという旨のことが書いてありました」

 

 

”………え…”

 

 

 

手紙の内容について聞こうか悩んでいたら、いきなりそう言われた

 

 

百鬼夜行から……離れる?

 

それはつまり、文字通りの意味なのだろうか

 

 

 

”どうして…離れるなんて……”

 

 

「イズナも、分かりません。ただ……イツコ殿は、自分には祝(・)福(・)がなかったとだけ、書いています……」

 

 

”祝(・)福(・)?”

 

 

 

祝(・)福(・)

なんだ、それは

それは、百鬼夜行から離れる理由になるほどのものなのだろうか

 

祝(・)福(・)……そんな不可思議な言葉を使いそうな人物に、私は心当たりがあった

 

 

 

 

 

「………イズナは、まだ謝れていません」

 

 

 

 

 

思考が傾きだしたとき、イズナはおもむろに言った

 

 

 

「イツコ殿は……イズナがやった桜花祭の妨害、それを阻止するために、戦いました………迷惑を、沢山かけました。だから、謝りたいです」

 

 

”………”

 

 

「先生」

 

 

 

イズナは、私を見た

 

 

 

「イズナは、夢を諦めていません。それは例えイツコ殿が夢を諦めたとしても、ずっと」

 

 

「だから」

 

 

 

 

 

「イツコ殿を一緒に、探してくれませんか?」

 

 

 

 

 

力強い目だった

花火のそれとは違う、大きな光ハイライトがあった

 

 

私は先生であり、ひとりの大人だ

それに対する答えなど、決まっている

 

 

 

”もちろん”

 

 

「先生…っ!」

 

 

 

一度も話せなかった生徒

 

その生徒が何を抱えているのか、私はまだ分からない

 

それでも

 

 

 

 

 

「よろしくお願いします!先生!!」

 

 

 

 

 

花火が照らす中、私達は約束をした

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

 

───百鬼夜行、ある林の中にて

 

 

 

「………」

 

 

「……よかったのか?これで」

 

 

 

ミゾレがカラスの回収に向かっている間、ミゾレはイズナとの約束を置き手紙という形で終わらせていた

 

そのことについて、私は問うた

 

 

 

「うん…未練は、少ない方が良い。何事もね」

 

 

「………そうか」

 

 

 

どう見ても、どう考えても、未練が残っているようにしか見えないのだが……言うべきか?

先生なら言うだろうが、私は先生ではないので…(某兎語録)

 

 

ドン、と大きな音が空間を劈く。私達は上空に咲く花火を見上げた

 

……あれ、ホログラムなんだよな?

どっからどう見ても花火にしか見えないんだが……流石はエンジニア部と言ったところか

 

 

エンジニア部と言えば、ミレニアム

 

ミレニアムと言えば、パヴァーヌ編…

 

パヴァーヌ編と言えば、原作………

 

 

「………はぁ…」

 

 

頭に手を添える

少しくらい現実逃避をさせてくれても…と身体は言ってるかもだが、脳はすぐに原作崩壊阻止のことにシフトする

 

パヴァーヌ編で私がやれることは少ないが、それでも気は抜けない。下手すりゃ原作一発アウトがあり得るところなのだ。名も無き神々の王女って凄いんだ、本当に(恐怖)

 

 

「お〜い!ムト〜〜ン!!」

 

「む…」

 

 

遠くからそんな声が聞こえる。見れば、カラスが右手に袋を下げて走ってきていた

どうやら、祭りを存分に楽しんだらしい

 

 

「…どこにいたんだ?」

 

「んー?そらお前、色々だよ」

 

「そうか……戦闘してないな?」

 

「あー……襲ってきた赤いお面の野郎共なら、ちょいとな」

 

「……………そうか」

 

 

……カラスの言う相手は多分、魑魅一座だろう。となれば戦闘というのは…屋台を巡っていたところを魑魅一座に襲撃され、それを返り討ちにしたときのもの…だろうか。推測でしかないが、多分そうだろう

戦闘行動はするなと言っておくべきだったか、と私が思っているその横で、カラスはイツコと見合っていた

 

 

「……君が、9人いるという転生者の…」

 

「おー、それがカタナか……」

 

「………貸さないぞ」

 

「先に言うなよな」

 

 

……願わくば、イツコにはカラスの面倒見係人柱になってほしいのだが……

 

いや、もういいか。カラスの謹慎解除すればそんなことでいちいち悩む必要もないのか。あー、でも原作が……(白目)

 

 

「ふむ…貴方がイツコですね?」

 

「……………C&C?」

 

「……元ですよ、元」

 

 

そうこう考えていると、ミゾレも戻ったようだ。何気に、今回一番の苦労人だろう彼女を労う

 

 

「よく頑張ったな、ミゾレ」

 

「フフッ…えぇ、もっと褒めてくれても良いですよ」

 

「……それは拠点に帰ってからにしよう。皆、忘れ物はな」

 

「イツコさん、今のどう思います?」

 

「轢き殺されればいいと思う」

 

「なんでや」

 

 

多分知らずに言ったんだろうけど、急に俺の前世の死に方で刺してくるじゃん。やめろよ泣くぞ。涙腺も涙袋もないけど

 

 

「……まぁ、いい。帰る準備はできたか?カラス」

 

「アタシはおっけー」

 

「……私も大丈夫」

 

「私はダメです。褒められていないので帰れません」

 

「置いてくぞ」

 

 

トキかお前は

今回一番の苦労人とは思えない、初対面の時よりずっと図々しくなった駄メイドを左小脇に抱えて、右手に持った懐中時計装置を操作する

その間、ミゾレは「離してくださいっ!このっ、変態っ!」みたいなことを言ってた気がしたが、後ろからイツコのゴミを見るような視線を感じたが、無視した

 

懐中時計を操作し終え、カチリ、と音を立てたすぐ後、目の前に暗い穴ゲートができる

 

穴ゲート

ゲマトリア御用達の転送装置であり、ゲマトリア参加時に黒服から貰ったものだ。ちなみに懐中時計の外観をしているが、デフォルトで懐中時計の外観だったわけではなく、ただ私の好みに合わせて見た目を改造しただけだ

 

穴ゲートに見慣れていないであろうイツコは一歩退いたが、カラスは何を言うでもなくそそくさとその穴に入っていった

 

 

「…行くぞ」

 

「つーん」

 

「………イツコも先に行くといい。私が通るとこれは閉じる」

 

「……分かった」

 

 

拗ねたようにミゾレはそう答えたため無視を続行しつつ、イツコにそう促す。イツコは恐れつつも、穴ゲートをくぐった

私も、拗ねたままのミゾレを小脇に、穴ゲートをくぐった

 

 

 

こうして、ひとつの物語は幕を閉じた

 

 

そしてそれは、他の物語の幕開けにもなった

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

 

───ミレニアムサイエンススクール、学生寮にて

 

 

 

「……なるほど、手紙を出したのか。あの姉妹は」

 

 

深夜、

自分に割り当てられた部屋の中で、私はミレニアムにある監視カメラの映像を確認していた

あまり知られていないけれど、私こと唐沢フミエはエンジニア部だが、こういうハッキングなんかもできるのだ。まぁ流石にヴェリタスには速度やら何やらで劣るが……けれど情報を仕入れるだけならこれくらいで十分なのだ

 

 

「始まっちゃうのか〜、彼女達の物語が」

 

 

今日桜花祭に先生が行ったばっかなんだけどなぁ…それとは別に書類もあるしパヴァーヌ編もあるし……休む時間とかないよね?本当に。ブラック過ぎやしないかシャーレって

やっぱ労働はクソ。残業はもっとクソ。やはり週休5日制にするべきだと、内なるミノリがデモを始めたところでコップ一杯の水を飲み干す

 

思考を冷静にする

 

 

「……ある意味、一番重要な章でもある。本当に、失敗だけは許されない」

 

 

とは言っても、私が手を出せるのは部分はたかが知れてるけどもね

 

この章でやるべきタスクは以下にまとめると

・天童アリスもといAL-1Sをゲーム開発部に入れさせる

・天童アリスの脳をTSCで破壊する

・天童アリスに光の剣・スーパーノヴァを与える(重要)

・ケイもといKeyを才羽モモイのゲームガールアドバンスに移動させる

・セミナーと「鍵」をめぐって戦闘する(重要)

・ゲーム開発部にTSC2を制作し、それをミレニアムプライスで受賞(特別賞が望ましい)させる(最重要)

・それらを調月リオや明星ヒマリに怪しまれないように先生達を影でサポートする(重要)

他多数など、だ

 

全部重要だけど、私が関われる部分で重要と最重要とで分ける

 

夜中にセミナーと「鍵」をめぐって戦闘するのは、リオとヒマリがアリスの戦闘力、及び危険性を把握するためのものだ。だから、ふたりが満足なデータが取れていないと判断すれば似たようなことをする可能性がある。まぁ、これは多分大丈夫だろう

 

TSC2のミレニアムプライスでの受賞、これが一番の関門だろう。正直、この辺りは審査員の匙加減次第で大きく変わるため、原作通り進んでいたとしても審査員の気まぐれひとつで特別賞自体がなくなる可能性がある。つまりは運ゲーである

 

そして、それらをリオやヒマリに怪しまれないように裏でサポートする、ということ

まず、ムトン達、そしてメグミとの直接連絡は不可能であり、身内が客観的俯瞰をし、無線で指示を飛ばすといういつものやり方をしようものなら傍聴されて終わりだ。かと言って直接連絡をしなくとも、相手はミレニアムの会長と全知の肩書きを持つふたり。半端に動けば怪しまれるだろう。……最悪の場合、ミゾレの存在をふたりに悟られる可能性がある

 

他は、今後を大きく左右するもの───アリスの脳破壊など───もあるが、それは私が変に介入するわけにもいかないデリケートなものであるため、弁える

 

 

 

やることが…やることが多い…!!

 

思わず頭を抱えたくなるが、しかし、この程度でへばっていると最終編で普通に詰むため、気を入れ直す

 

 

「……さて、上手くいくかね?」

 

 

私とメグミ……腐れ縁、もしくは犬猿の仲という設定のふたりだけで原作を回すことになるのだが……大丈夫だろうか?正直、不安が募る

 

不安だが……しかし、祈るしかないだろう

 

 

 

私は近い未来に、憂いた

 

 

 




ムトン「(ゲマトリアってこんな風に喋るよな…)」
桜花爛漫のイベストはこれにて終わりです。次回からはパヴァーヌ編です。すぐ終わると思います()

イツコの原作知識はそこそこ浅いです。具体的にはエデン条約編2章までしか知りません



・佐々村イツコ
イツコには夢があった
友と共に最高の忍者になるという、かつて肯定した、稚拙な夢が


自分が友と同じ場所に立てなければ、友との夢を捨て諦める。尤も、始めからずっと、諦めていたが



・D√
ブラックマーケットの奥地に建つある洋館の名称
特殊なホログラムやECMなどのジャミング兵器により、さも存在していないように見えるそこには、祝福されなかった生徒達が潜んでいるのだとか


名称の由来はDefault Route、直訳で既定路線である
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