───アビドス高等学校にて
「……先生、ひとつだけわがままを言ってもいいかな」
夜に染まるアビドス高等学校、その僅かに砂がざらつく廊下で、ホシノは私にそう言った
”…なにかな”
「……カラスちゃんのこと…お願い、できる?」
あの日、
覆面水着団としてみんなで銀行強盗をした際、私達を壊滅手前まで追い込んだ黒い傭兵、バケツ
あるいは…ホシノの、後輩
「……おじさんにそんなことを言う資格なんてないだろうけどさ……私にとって、あの子もかけがえの無い大切な後輩なんだ」
そう言うホシノの目は、ひどく沈んでいた
自責の中で、しかし諦めきれず、手放せずにいるのが伝わってきた
”……わかった”
本当は
「わかった」などと、言いたくなかった
言ってしまえば、ホシノは
「うへ……ありがとう、先生」
そう安心したように言って
ここを離れてしまうだろうから
*****
───ブラックマーケット、某所にて
「ミゾレ〜〜」
「なんでしょうか」
「ひま〜」
「身体を動かしていないと気が済まないのですか貴方は」
私は、カラスの暇潰しの相手をしていた。今はふたりで一緒に和室でゲーム───俗に言う格ゲーをしているところであった
……ひとりで暇を潰せないのですか、この人は
「大人しくゲームをしていて欲しいのですが」
「お前との模擬戦の方がずっと楽しいんだわ」
「……褒められているんですかね、これ。全く嬉しくないのですが」
……現状、転生者の中でもぶっちぎりで最強の生徒と一対一で戦わされるという負けイベ、あるいは一方的な蹂躙以上の何物でもない戦闘。それを延々とやらされ続けるのはこちらからすればただの苦痛でしかない
自分からハンデを設けて、その上で私の全力を真正面から破壊してくるのは心に来るものがある
「……延々と負かされ続けるこちらの身にもなって欲しいものですよ、本当に」
「いや、負けるのは良いことだろ。次に活かせるんだからな」
「流石、負けたことがない人が言うと説得力がまるで違います……ねっ!」
「だあ゙ぁぁぁっ!!?」
そう言いながら、私は自身が操っていたキャラの必殺技を、カラスのキャラに思い切りぶち当ててストレート勝ちする。ゲームであれば、この人力TASもいいところの怪物にも普通に勝てる
……まぁ、これでも、先程まで模擬戦でボコボコにされたという鬱憤は晴れないのだが
せめて、私の攻撃を2回目以降は絶対に回避するというクソ要素だけはどうにかしてほしい。初見殺しが文字通り初見しか通用しないのが辛すぎる
それさえなくなれば、後は未来予知じみた行動予測、複合戦術、回避狩り、誘い、カウンター、パリィ、その他諸々のクソ要素に注意すれば多分……行けるだろうか?いや、無理だろう
……というより、模擬戦で格ゲーみたいな単語がこんなに出てきている時点で十分おかしいのではないだろうか、ボブは訝しんだ
「……はぁ…」
……今、改めて思ったが
カラスの精神年齢は一体いくつだろうか……こうして見ると、年相応と言うよりもさらに一回り幼いように感じる
「……」
「…んだ?そんな見てきてよ」
ふと、気になった
いや、気になってしまった
「カラス」
「あん?なんだよ?」
「前世は…何歳で亡くなったのですか?」
「………」
転生者達は、全員、一度は死を経験している
死とは、生物としての本能が拒絶し、そして恐怖するもの
だからこそ、ムトンはそのことにあまり深入りせず、原作知識のみを他の転生者達と共有している
何かしらのトリガーを、引かないために
私も、それに倣って、聞かないようにはしていた
だが、別に我々にはそんな「前世のことを聞いてはいけない」などというルールはなく、ただの暗黙の了解でしかないのだ
だから私は、こうして聞いた
「………」
カラスは、バケツの裏で目を瞑り、何かを思案しているようだった
言葉を選んでいるのか、あるいは思い出しているのか……
「……別に、言いたくなければ構いませんが」
自分から聞いたくせに、結局怖くなって、そう言う
人間、何処に地雷があるのか分からない。故に過去に踏み込む際は慎重に、一歩一歩進むのだが……今のは些か段階をすっ飛ばし過ぎたように思う
……尤も、段階を踏めば聞いても大丈夫というわけでもないだろうが
そう思っていた矢先、カラスはおもむろに呟いた
「よく覚えてねぇけど、確か─────」
「───ミゾレ、居るか?」
しかし、カラスの言葉は和室に訪れたムトンによって遮られる
タイミングの悪さに眉をひそめつつ、しかし、やや焦ったようなムトンを見て、徐々に冷静になる
「んだぁ?ミゾレに何か用でもあんのかぁ?今ゲームの途中なんだけど」
「あ、あぁ……少々、面倒なことが起きていてな…」
「?」
「どういうことです?」
「……カラスも来い、少し、現状について話し合いたい」
ムトンがそう言った後、和室を出た私達はムトンの後を追うように会議室へと向かった
会議室に向かう途中で、ムトンに原作の進行状況について聞いた
「……先生は、黒服との対話は上手く行ったのでしょうか」
「さあな……ただ、上手く事を運んだ証左として、対話の後すぐに先生はその後ゲヘナに向かって…」
「向かって、なんだ?」
「……生徒の足を、舐めた」
「あー………あ???」
カラスは背景に宇宙を浮かべていた
……実際、原作を何も知らない人間が主人公は生徒の足を舐めると聞いたらこうもなるだろう。私は少し同情した
「…だよな、理解できないよな。理解しなくていいぞ」
「……一応、原作通りには進んでいるんですね?一応は」
「そうだな……手を貸す生徒にイバラも含まれているようだが」
「………まぁ、先日、空崎ヒナの代わりにアビドスに出向いたのですから、正直当然の帰結かと」
どうやら、ゲヘナからは原作メンバーの他にイバラも出向くらしい。先日の件も考えれば、妥当と言う他ないだろう
……であれば、何が問題なのだろうか?
私はそのことについて聞こうとしたその時、先にムトンから伝えられた
「問題は……その後の先生の動向だ」
「動向?具体的にはどのような?」
「……先生が、護衛も付けずにブラックマーケットを彷徨っているのだ」
「………」
……どうやら先生は、何を血迷ったか、風紀委員会に助けを求めた後、ひとりでブラックマーケットをほっつき歩いているらしい………何故?
「……何故、彷徨っているのかとかは」
「あぁ…偶然、先生と不良生徒が録音機能のある隠しカメラのポイントで話をしていたのでな、解析してみた結果…」
『”あの、バケツがどこに居るか知らない?”』
『…あぁ!?あ、あんなヤツ知らねぇよ!!』
「………との、ことらしい」
「やりやがりましたねこの鳥頭」
「あ゙?」
なるほど、なるほど
つまり先生はこのバカを探すためにひとりでブラックマーケットを歩いていると。やりやがったなコイツ
「……っはああぁぁぁ………絶っ対この前の覆面水着団襲撃が原因じゃないですか」
「悪人シバいて何が悪いんだよ」
「やめろよその言葉、否定できなくなるだろ」
「原作に関わるから」以外で否定できない言葉に───頭が羊の頭骨であるため、実際は分からないが───顔を顰めたであろうムトン。多分私も同じ顔をしていた
「……先生がカラスを探す理由は、まぁ、ホシノ救出の協力を仰ぎに来たということで確定だろう」
「ホシノ?誰だっけそいつ」
「貴方の先輩でしたよね?」
「???緑髪のデカいヤツか?」
「違う、そっちじゃない」
などと、話しながら歩いていると会議室に辿り着く
部屋に入ると、ムトンはおもむろに、いつぞやの真面目モードで聞いてきた
「私がここで確認したいことはひとつ、カラスを先生の下に行かせるべきかどうか、ということ」
「……」
………
「…行かせては、また問題を起こすでしょう」
「そうだな」
「即答かよ。そんなに信頼されてねぇのかアタシ」
「少し黙ってろ。……正直、行かせたくはないが……行かせないと、先生が色々と危ういだろう」
「………」
「それに、今後がかかっている今、無駄なことで時間を割かせるべきではない」
「…確かに」
ムトンの言い分は、分かる
銃も護衛もなしにブラックマーケットを歩くのは、自殺行為に等しい。そして、小鳥遊ホシノの命がかかっている今、謹慎中の人間を探す時間など無駄でしかない
「……ですが」
「…お前の言いたいことは分かる。原作崩壊の種が服を着て歩いているようなコイツが行けば、また原作崩壊が進むだろう、と」
「ひでぇ言い草じゃねぇかよオイ」
「更には、小鳥遊ホシノとある意味最悪な関係をしているカラスが行けば、ホシノ含むアビドスとの関係が色々面倒臭くなるだろう、と」
「……はい」
「……あー、ホシノってアレか。あの黒い猫耳のヤツな、思い出したぜ」
「それはセリカだ、アホンダラ」
はっきり言って、ここでカラスを行かせるメリットは先生を早くアビドスに帰す以外にない。むしろ、こちらが被るデメリットの方が大きい
カラスが居なくともホシノ救出は成功するだろうし、原作は回るのだ。わざわざホシノの地雷のひとつになっていそうなカラスを行かせる必要はない
そう考えているのは、ムトンも同じようで
「……だから、決めかねているのだ」
「………」
「あまり時間はない…急ぐぞ」
私達は、考えた
*****
「(んで、こうなった…と……)」
ブラックマーケットの路地を歩きながら、アイツらに言われた作戦を思い返す
「(……そう上手くいくもんかねぇ…)」
アイツの作戦、マトモに動いたためしなどあっただろうか。……まぁ、あるにはあったか。ミゾレ失踪の時とか
「(こーいう時に役立つもんなんだなぁ、伏線ってのはよぉ)」
過去から張っていた伏線………ってほどのものではない、ただの下らない理由からの行動が、まさか、こういう時に役立つとは
これを使えるっつってたアイツらも、頭が良いんだか悪いんだか分からねぇな
「…っと、ここか?」
ムトンがブラックマーケットに仕掛けまくった録音機能付き隠しカメラの内のひとつ、どうやらここらしい
ここなら、ここで話したこともアイツらに届く
「後は待ってりゃあ………お、アレか…?」
やっぱ便利だな、有能な味方ってのは
こうして、先回りできる場所教えてくれるしな
向こうから走ってくる大人を見て、アタシはそう思う
*****
───ブラックマーケット、僻地にて
”(ここにも居ない……)”
ブラックマーケットを走り回り、しかし目的の人物であるバケツに会えずに1時間と少し。流石に、ひとりでは限界があるだろうか
『し、知らねぇよあんなバケモノなんて!!』
『そういや、アイツのこと最近見てねぇな……』
『バケツ?最近は見かけねぇが、あのバケモノになんか用でもあんのか?』
……ブラックマーケットにいる生徒達にバケツの居場所を尋ねても、最近は見ていないと言うことが多かった。あんなに目立つ格好なのに、見ていないのだという
なら、バケツは一体どこに居るんだろうか
ヒフミとは別に、バケツについてこちらでも調べたが、バケツの住んでいる拠点が未だに分からないことや、専用の電話番号を持たないことなど、バケツは基本ひとりで群れないことなど……かなり匿名性が高いことが分かった
……もし、誰も知らないようなブラックマーケットの奥地に隠れているのだとすれば、今日中に探し出すのは不可能だろう
”(そろそろ、アビドスに戻らないと……)”
このまま見つからなければ、いよいよ時間が危うくなる。今日のところは諦めようと、踵を返そうとしたその時だった
”あ……!!”
視界の奥、薄暗い路地の先に見えた
真っ黒な制服に、銀色のバケツ
間違いない、カラスだ
私は、彼女の下に一目散に走った
”お〜〜い!”
「…あ?」
やや俯きながら歩くカラスは、私を見る
彼女の前にようやく立って、荒くなった息を整える
”はぁ…はぁ……やっと見つけたよ…”
「……てめぇ、どこの野郎だ?まず名乗れよな」
”……連邦捜査部『シャーレ』、そこの顧問の先生だよ”
「?」
どうやら、カラスはいまいち理解できていないようだった。もしかしたら、こういうものは知らないのだろうか
……今重要なのは、そんなことではない
背景に宇宙を浮かべつつあるカラスに……一応、本名は知らないという前提で早速本題を伝える
”…バケツ、君にお願いがあるんだ”
「あ、あぁ?んだよ」
”ホシノを助けに行く、その手伝いをしてほしいんだ”
「………ホシノ?」
鳥澤カラス
過去のホシノと関わりのある後輩
あの時は覆面をしていたがため、あんな戦いになってしまったが、きっと
「誰だっけそいつ」
”えっ”
まさかの言葉に、思わず動揺する
……まさか、覚えていないのだろうか…?
”き、君の先輩なんだよね?”
「先輩だぁ?………あー、アレか。ゆるゆるしてるヤツだな」
”う、うん。多分そう……”
「……え?アイツ死んだんじゃねぇの?脱水症状で」
”死んでないよ!?”
思い出したかと思ったら別人だったようだ
しかも結構不謹慎なことを言っている!
「………う〜ん…あー、あれか!ピンク髪の青と黄色の目ん玉のチビだな!」
”そ、そう!そうだよ!!”
「ふ〜ん……で、ソイツを助けて欲しいって?」
やや脱線気味だった会話が、元に戻る
先程のどこか抜けた空気が張り詰めてくる
”…うん。そうだよ”
「具体的にゃどんなんだよ」
”カイザーPMCの兵士たちを倒せる限り、倒してほしい”
「ふぅ〜ん……場所は?」
”アビドス砂漠の”
「砂漠、ねぇ……」
私の言葉に被せて、バケツはそう言う
「お前がどこまでアタシのことを調べてるかは知らねぇが……アタシは、ブラックマーケットでの仕事しかやらねぇ主義なんでな」
”………”
そう
バケツはブラックマーケットでの仕事しか受けていない
どんなに近くの仕事であっても、それがブラックマーケットの外であれば決して受けない。そんなバケツが、ブラックマーケットとは程遠いアビドス砂漠で活動した記録など、きっとどこを探しても見つからないだろう
”……ホシノの命がかかっているんだ”
「それとこれとに、何の関係があるんだ?」
”………”
……狡い言い方をしたと思う
しかしバケツは、そんなこと、知ったことではないと言うように語る
「アタシは傭兵だ。傭兵っつうのは、自分にとって利になる仕事しかしねぇんだ」
「利になるんなら、誰が死のうが笑おうが関係ねぇ。それが傭兵だ」
「……アタシからしちゃあ、その仕事は利にならない。ただ、それだけだ」
自分のメリットにならないのであれば、受けない
とても、合理的な考えだろう
”なるほどね…”
「ま、だからお前がいくら金を積もうが、その仕事は受ける気なんて……」
”そうだね、
「……あ?」
だからこそ、私はカラスに聞く
”もう一度言うね。君に、
「………!」
これは、仕事の
ひとりの大人からの、ひとりの生徒に向けての
「
”そう”
「……お願いで動くほど、傭兵は甘かぁねぇぞ」
”私は、傭兵の君に言ってるんじゃない。生徒の君に言ってるんだ”
「!」
傭兵に頼む、仕事じゃない
生徒に頼む、
「
”そうだね”
「……でも、
”…うん。お金は出せない……けど”
「けど?」
”君はお金より、戦うことの方が好きなんじゃない?”
「!!…ハハハッ」
そこで、カラスは笑った
そして、どこか困ったように
「ハハハ……参ったなぁ、これじゃあなぁ……」
そう、言っていていた
まさか、受けたくなかったのだろうか
割と……いや、もう遅いかもしれないが、今から嫌なら受けなくても良いと言うべきだろうか
そう思った時、カラスが閉まっていたスマートフォンが大きな音を立てて鳴りだした
どうやら、電話らしい
「あん?電話ぁ?」
”……私は気にしないよ”
「………悪ぃ、ちぃとそっちで話してくるわ」
そう言って、カラスはスマホを隠すようにしながら暗い裏路地へ入っていく
”………(バケツ………)”
バケツは、
だから、バケツに依頼をするには、直接話さなければいけない
バケツは、
だから、バケツはいつもひとりで、孤独に戦う
じゃあ、つまり
”………今の、電話相手は”
バケツにとっての
”………”
魔が差した、とはまさしくこのことだろう
私は、カラスが入っていった裏路地へと忍ぶ
「──…─────…」
後ろを向いて、カラスは何かを喋っている。割と奥まで行ったカラスの声は、ここからでは届かない
少し近寄る
「──…い───!」
まだ、よく聞こえない
もう少し、近寄る
「あり────!…いやぁ───────」
もう少し、もう少し…
「おう、じゃあな」
その声が聞こえた瞬間、ブツリと電話が切られる音とカラスがこちらを振り向くのは同時だった
あまりに唐突なことに、私はロクに隠れることもできなかった
”……あ、と…その……”
「………盗み聞きたぁ感心しねぇなぁ?シャーレの先生さんよぉ?」
”ご、ごめん……”
「まぁいいや…」と、カラスはため息を吐きつつ、私に近付いて、言った
「乗ってやるよ。その
”…え?”
カラスは、私のお願いを聞いてくれるのだと言った
………
「なんだそのアホ面、頼んできたのそっちだろうが」
”あ、いや、もしかしたら嫌なのかな〜って思って…”
「あ?あ〜……まぁ、そこんところは気にすんな」
カラスは、そんな歯切れの悪い返答をする
……どうにも、気になる
”ねぇ、カラス。今、電話してた相手って……”
「……………人間、隠したいことのひとつやふたつあるだろ」
”……そっか”
……まぁ、隠すよね
別に、詮索するつもりもないし、今現在そんな時間は残されていない
聞くにしても、また今度だろう
機会はきっと、まだ沢山あるのだから
「……そういや、カイザーの野郎共を蹴散らすとか言ったが、そりゃいつやるんだ?」
”今夜だよ”
「あー、こん……今夜ァ!?明日とかじゃねぇのかよ!?いきなり過ぎんだろうがよ!!」
”ご、ごめん…聞かれなかったから……”
「ガキみてぇなこと言ってんじゃねえよ!!」
………そう、きっと
先生エミュがムズいんじゃあ……
本当はイオリが脚を舐められているシーンも考えてはあったのだけれど、文章が長くなりそう(現段階で7300over)なのと、正直蛇足かなと思ったためカットしました。ほぼ原作通りです、ほぼ
※ここだけの話、なんか作者が安藤メグミ(セミナー庶務)ってキャラの一人称をずっと正規の「ボク」ではなく「私」で書いてたらしいよ。いくら新人だからって、キャラの扱いが雑だよね〜
…今更ながら修正しました。特にストーリーに変わりがあるわけではないですので、そこのところはご安心を()
・雨村ミゾレ
かつての仲間達の間で、最も隠密行動に長けていたミゾレは、諜報や裏工作が十八番であった
条件さえ揃えば、姿を消したミゾレのことは、かの全知でさえ捉えることは不可能だという
そんなミゾレの容姿は、ビッグシスターの名を冠する生徒に付き従う、ある1年生の姿にひどく似ているらしい