魔法少女リリカルなのは 星詠みのレゾナンス 作:物書きの成り損ない
私の脳内はユニバース状態でしたね、ええ
そんな訳でお待たせしました!
1話です~
いつもの朝と、約束
朝日が差し込み、ふと目が覚めた。
「奏星ちゃーん!」
窓の外から、聞き慣れた声が聞こえてくる。
「……んー」
「奏星ちゃん! 起きてるー!?」
「……起きてるよー」
窓から手を挙げて起きてるアピールをしながら返事をする。
だから問題ない。
そう思いながら、私は布団を頭まで被った。
「……あと五分」
「駄目だよ!」
突然、被っていた布団が消失……そんな訳もなく、合鍵を持っている隣の家の高町なのはが、私から布団を取り上げていた。
「なんで……」
「昨日もそう言って遅刻しかけたから!」
「うっ……」
本当の事なので何も反論できない……
私は渋々、ベッドから体を起こした。
時計は午前六時半を少し過ぎている。
学校へ行くには、そろそろ本気で準備を始めないとまずい。
まだ寝ぼけてる目を擦りつつ寝癖を直し、制服に着替える。
鞄の中身を確認して、机の上に置かれていた宿題を押し込む。
「……あ」
そこで、机の隅に置いてある物へ目が止まった。
小さな銀色のペンダント。
中央には、淡い紫色の石が埋め込まれている。
私はそれを手に取った。
「……今日も持ってくか」
これをくれたのは、私より五つ年上の姉だった。
天城詩音。
幼いながらも天才的な姉は両親と同じ研究施設で研究のお手伝いをしていた。
研究のことを聞いても、子供で天才ではない私にはよく分からない話ばかりだった。
難しい言葉。
見たこともない図面。
聞いたこともない装置。
それでも姉は、私が質問すれば嫌な顔一つせず説明してくれた。
このペンダントをもらった日のことも覚えている。
『これ、奏星にあげる』
「なにこれ?」
詩音は怪訝な表情をする私に苦笑いしながら私に説明した。
『奏星を守ってくれるお守り、だよ』
「お守りぃ?お守りにしてはやたらお洒落な見た目だけど」
『それは私が大切な妹の為に見繕ったからね~ちょっと特別なやつなのよ』
このシスコン姉……私の反応で楽しんでる?
「どう特別なの?」
『それはヒ・ミ・ツ♡』
無駄にあざとい姉の物言いとポーズは正直癪にさわったとだけ言っておこう。
そんな姉はそのペンダントを私の首に掛けてくれた。
『うん、とても似合ってるわ!それでね、一つ約束をして欲しいの』
「急に真面目な表情を……なに?」
『何かあった時は、一人で頑張らないこと』
『ちゃんと、誰かに助けてもらうの』
「……?うん、分かったよ」
あの頃の私は、何も疑わずに頷いた。
そして、その数日後。
両親と姉は研究施設へ向かい――。
帰ってこなかった。
研究施設で事故が起きた。
両親はそこで亡くなった。
姉は行方不明。
遺体も見つかっていない。
だから私は、今でも思っている。
もしかしたら。
姉はどこかで生きているんじゃないか。
「……姉さん」
無意識に呟く。
当然、返事はない。
「奏星ちゃん!」
「今行く!」
窓の外からもう一度声がして、私はペンダントを首に掛けた。
服の中へしまう。
このペンダントが何なのか、私は知らない。
ただ、姉がくれた大切なお守り。
それだけだ。
そして私は部屋を出た。
~
リビングに降りる。
「おはよう、なのはちゃん」
「おはようなの、奏星ちゃん!」
リビングで待っていたのは、高町なのはちゃん。
私の幼馴染。
そして――お隣さん。
「今日も遅かったね~」
「なのはちゃんが早すぎるんだよ……」
「私は普通だよ?」
なのはちゃんは首を傾げてそう言うけども……
「でもさ?普通の小学生は、毎朝隣の家の寝坊を起こしに来ないと思うのよ」
「にゃはは……そうかもだけど奏星ちゃん、起こしてくれる人居ないと寝坊するでしょ?」
「うっ……それは」
「それにね?私がそうしたいからやってるの」
なのはちゃんが得意げに笑う。
両親がいなくなってから。
私は一人で暮らしている。
もちろん、最初から全てを一人でやってきたわけじゃない。
生活のことはなのはちゃんの両親が助けてくれた。
両親の貯蓄のお陰で学校にも通えている。
教えてもらったから食事だって作れる。
生活していくのに必要だったから掃除も洗濯も、一応できる。
それでも、朝起きて家を出るまで。
私はなんだかんだ独りではなかった。
だから――
「ほら、学校遅れちゃうよ~早く行こう?」
「そうだね、早く行かないとアリサにどやされちゃう」
こうして毎朝なのはちゃんと一緒に歩けるのは、少しだけ嬉しい。
「にゃはは……奏星ちゃんがもうちょっと早起きしたらアリサちゃんもそこまで言わないと思うよ」
「前向きに善処します」
「それはやらない人の言葉だって聞いたの!」
なのはちゃんはツッコミ上手だなぁ……
「そういえば奏星ちゃん」
なのはちゃんが話題を変える。
「今日、帰りに本屋さん行こうよ」
「また?つい最近行った気がするけど」
「新しい本が出たの!」
なのはちゃんは結構本好きで元々はそうでもなかったんだけど私の影響か読書好きが感染してしまった様だ……余談だけど私の寝坊は読書による夜更かしだったりする。
「この前も買ってなかった?」
「それはそれ、これはこれ!」
「……一冊だけだよ?お金遣い荒いのはダメだと思う」
「にゃはは……善処します」
「一冊ね?」
二人で笑う。
いつもの朝。
いつもの道。
こういう時間が、私は好きだった。
~
学校では、普通に授業を受ける。
普通に友達と話す、そんないつも通りの時間が過ぎて行った。
お昼休みの時間、なのはちゃん経由で友達となったアリサちゃん・すずかちゃんと一緒にお弁当を食べながら、私は何となく窓の外を見た。
「奏星ちゃん?」
「ん、どうかしたのなのはちゃん」
「またぼーっとして見てる」
なのはちゃんの表情は心配そうにこちらを見つめてくる。
あれ、私何か心配させるような事してたかな……?
「えっと、何をかな?」
「奏星ちゃん自覚なかったの?ずっと空を見てたよ」
空を見上げる。
雲が少しあるけど青い空が広がっている。
特に何も変わったところはない。
「……別にそんなことないと思うけどな」
「奏星あんた、結構窓から黄昏てる事が多いわよ?」
「あー……私もよく見かける、かな?」
誤魔化す私をアリサちゃんとすずかちゃんから援護射撃が入る。
なのはちゃん達には誤魔化せない、か……
「そう、だね……癖になっちゃってるのかも」
「まだ、探してるの?」
「そういうのじゃないけどね?まぁ、どうせ私個人に出来る事なんて何もないしね……」
私は少しだけ笑う。
「もし、生きてるなら」
「うん」
「同じ空をみてるのかなって……」
なのはちゃん達の表情が曇る
あぁもう、そんなつもりは無かったのに。
「ごめんね、ちょっと辛気臭い感じになっちゃったね」
「別に……それくらい良いわよ。こ、困った事があったら助けてあげなくもないから一人で抱え込むんじゃないわよ!良いわね!!」
「そうだよ、いつでも相談に乗るからね」
アリサちゃんとすずかちゃんは優しい表情でそう言ってくれた。アリサちゃんはちょっと恥ずかしいのか顔が赤いけれど。
「そうだよ!奏星ちゃんはお隣さんなんだしいつでも力になるの!」
なのはちゃんも笑顔でそう言ってくれた。
「なのはちゃんはもはや通い妻みたいに私の家に毎朝来てるもんねぇ」
ちょっと恥ずかしくなった私は誤魔化しがてらなのはちゃんにちょっかいを出した
「にゃ、にゃにゃにゃにを!?」
突然の反撃に沸騰したなのはちゃんを見て私は吹き出した。
「ふふっ」
「も、もう!からかわないで!!」
「相変わらず仲の良いわよね~あんた達」
「そうだね、ほんと仲良いよね奏星ちゃんとなのはちゃん」
そんな会話をして。
昼休みは終わり、午後の授業が始まる。
何でもない一日だった。
~
放課後。
本屋へ寄った私となのはちゃんは結局、予定より一冊多く買うことになった。
「はぁ、なのはちゃん結局2冊買っちゃってるし」
ジト目の私になのはちゃんは本を抱きしめて防御態勢を取った
「二冊目は不可抗力なの!」
「どこが?」
なのはちゃんは防御態勢を解除して買った本の表紙を見せてくれた。
そこには可愛い魔法少女の絵が……
「ほら、この表紙!」
「表紙が可愛いのは分かるけどねぇ」
「うぅ……」
ジト目な私の視線を受けているなのはちゃんが少しむくれている。
そんな姿に私は自然と笑みが浮かぶ。
そして気が付けば家の前で、私は自分の家の鍵を取り出して軽く手を振る。
「もう着いちゃった、話してたらあっという間だね」
「そうだね~はぁ、帰ったら洗濯や今日の晩御飯作らなきゃだ……」
げんなりする私に苦笑いしながらなのはも手を振って。
「明日も迎えに行くからね!」
「いつもありがとう、また明日」
「うん、また明日!」
なのはちゃんが隣の家へ入っていく。
それを見届けた私は自分の家の玄関を開けた。
「ただいま」
返事はない。
この家は静寂に満ちている。
昔はこの静けさが嫌いだった。
慣れたつもり……だったんだけどなぁ。
~
淡々と夕食の準備をする。
なのはちゃんのお母さんに教えてもらったからある程度好きな物は作れるけど、今日はお手軽野菜炒めを作った。
「いただきます」
独りの食事、でも慣れてしまっている自分がいる。
食事を終えて、自分の部屋へ戻る。
机の上には、姉から貰ったお守り、それを手に取り両手で包む。
「……姉さん」
誰もいない部屋、静かな部屋。
「今、どこにいるのかな」
勿論。返事はない。
私はただ祈る事しか出来ない。
「……早く帰ってきてよ」
それだけ言って、引き出しにしまう。
その時だった。
――カタン。
「……?」
窓の外から何か音がした。
私は立ち上がって窓を開ける。
「……何もない」
綺麗な星空、今夜はどうやら天気が良いみたいだ。
特に異常はなさそう。
「気のせいかな」
窓を閉めようと手をかけて首を傾げる。
どこにでもある普通の夜。
でもなぜか、今日は少しだけ違って見えたような気がした。
ちょっと疲れたのかな……?
窓をパタンと閉めて、ベッドに横になり目を瞑る。
明日もまた、なのはちゃんが起こしに来るから寝坊しないようにしないとなぁ。
今日はすんなり寝られる、そんな気がする。
この時の私は、まだ知らなかった。
私の日常が、少しずつ壊れていくことを。
姉が残した、この綺麗なお守りが私の人生を大きく変えることになるなんて。
――まだ、何も知らなかった。
はい、第1話でした
いかがだったでしょうか?
ちょっと姉のキャラ濃すぎかなとは思ったけど理想の姉像がこんな感じでつい……
日常風景を出しつつ主人公の影の部分を上手く出せたらなと思ってこんな感じにしてみましたが果たして。
次回から話は無印本編に大きく入っていきますのでお楽しみに!
かなり久々の執筆になるんですがこんな感じの文章量で大丈夫かな?
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もっと、いけるよね?(ニッコリ)
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これがベスト!
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ちょっと多いかな?