海鳴市

「ねえ、なのはちゃん」

小学三年生の時宮奏星《ときみやかなせ》は、下校途中の坂道で急に足を止めた。

「どうしたの、奏星ちゃん?」

幼馴染の高町なのはが私の呼びかけに振り返る。

私は何かを辿るかの様に薄暗い林の奥へ視線を向けた。

~ 誰かの声が聞こえる ~

小さく、弱く、今にも消えてしまいそうな声。


- この頃の私は、まだ何も知らなかった -


そばにいる友人へ素直に手を伸ばした。

「誰かが、助けてって言ってる」

なのはにも聞こえた様子で頷いて私の手を握った。

「うん、一緒に行こう!」


- それが、すべての始まりだった -


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この作品は女性同士の恋愛描写がありますので苦手な方はブラウザバックしてください