魔法少女リリカルなのは 星詠みのレゾナンス   作:物書きの成り損ない

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おまたせしました!

実は各章のBADが先に出来ちゃうって話します?
分岐まで先に完成させないと出せないのに筆が止まらなかったんだ……

かなり濃厚で容赦のない(当社比)仕上がりなので楽しみにしてて下されば……w


運命との邂逅と再会

 朝の日差しが窓から差し込む。

 

カーテンの隙間から入り込んだ光が顔に当たり、私はゆっくりと目を開けた。

 

見慣れた天井。

 

聞き慣れた目覚まし時計の音。

 

昨日までと変わらない朝。

 

……のはずだった。

 

 

「……夢じゃなかったんだ」

 

 

枕元に置かれた銀色のペンダントへ視線を向ける。

 

お姉ちゃんが残した形見。

 

今はただのお守りではない。

 

 

「カデンツァ」

 

〈おはようございます、マスター〉

 

「おはよう」

 

 

苦笑する。

 

昨日までは返事なんて返ってこなかったのに。

 

 

〈本日の体調に問題はありません〉

 

「便利だね」

 

〈ありがとうございます〉

 

「褒めてないよ?」

 

〈そうでしたか〉

 

 

何だろう。

 

この妙に真面目な返し。

 

思わず吹き出してしまう。

 

すると階下から元気な声が聞こえた。

 

 

「奏星ちゃーん!」

 

 

なのはちゃんだった。

 

 

「そろそろ学校行くよー!」

 

「はーい!」

 

 

慌ててベッドから飛び起きる。

 

非日常は始まった。

 

でも学校は待ってくれない。

 

 

     ~

 

「それでね! ユーノ君すごいんだよ!」

 

 

 通学路。

 

 なのはちゃんは昨日聞いた話を一生懸命説明していた。

 

 

「スクライアって遺跡発掘する一族なんだって!」

 

「へぇ、遺跡発掘か」

 

「世界中を旅して!」

 

「うん」

 

「古代遺産を調べて!」

 

「うんうん」

 

「探検家なんだよ!」

 

「探検家かぁ、私たちの世界にもある職業だけどあのフェレットが……ねぇ?」

 

「そんなに変かな?」

 

「いや変でしょ」

 

 

 二人で笑う。

 

 

なのはちゃんの肩には小さなフェレット。

 

もちろん一般人から見ればただのフェレットだ。

 

 

『聞こえてますよ……』

 

 

念話が飛んでくる。

 

 

「ごめんごめん」

 

『僕だって好きでフェレットやってるわけじゃないんです』

 

 

少し拗ねている声が聞こえた。

 

 

「でも可愛いよ?」

 

『フォローになってません!』

 

「にゃはは」

 

 

なのはちゃんが笑う。

 

平和だった。

 

昨日の夜、巨大な怪物と戦ったとは思えないくらい。

 

でも。

 

ふと、昨日のことを思い出す。

 

金色の髪。

 

赤い瞳。

 

フェイト・テスタロッサ。

 

名前だけ知った少女。

 

 

「奏星ちゃん?」

 

「ん、どうかした?」

 

「奏星ちゃん、なにか難しい顔をしてるの」

 

一瞬、フェイトちゃんの事を話そうか迷う。

 

でも、私は彼女のことを何も知らない。

 

 

「んー、ちょっと考え事」

 

「そっか」

 

 

なのはちゃんは気にした様子もなく笑った。

 

そのまま学校へ向かう。

 

日常が続いていく。

 

けれど知らなかった。

 

その日、本当の意味で同じジュエルシードを追う魔導師と出会うことになる。

 

 

 

     ~

 

 

 

 放課後。

 

海鳴市立小学校。

 

授業が終わり、教室が一気に騒がしくなる。

 

 

「なのはちゃん、今日も急いで帰るの?」

 

 

アリサちゃんが机へ肘をついた。

 

 

「最近忙しそうよね」

 

「へ?」

 

 

なのはちゃんが固まる。

 

 

「そ、そんなことないよ!」

 

「怪しいな~」

 

「怪しいわね」

 

 

すずかちゃんも頷く。

 

アリサたちに睨まれたなのはちゃんが露骨に目を逸らした。

 

 あまりにも分かりやすい。

 

 

「奏星ちゃん……」

 

「なのはちゃん絶対何か隠してるよね」

 

「うん、そうだね」

 

「即答!?」

 

アリサちゃんが叫ぶ。

 

私の裏切りに、なのはちゃんは真っ赤になった。

 

 

「奏星ちゃんまで!」

 

「だって本当だし」

 

「うぅ……」

 

 

その反応で余計に怪しい。

 

するとユーノが入った鞄がわずかに揺れた。

 

 

『魔力反応です!』

 

 

 突然の念話。

 

私は表情を変えないよう努力した。

 

 

『ジュエルシードを確認しました!』

 

 

 隣を見る。

 

なのはちゃんも気づいたらしい。

 

 目が合う。

 

 

『場所は市街地東部』

 

『急ぎましょう!』

 

 

ユーノの声が少し焦っていた。

 

なのはちゃんが慌てて立ち上がる。

 

 

「ご、ごめん!」

 

「ちょ、ちょっと!?」

 

「ちょっと用事思い出した!」

 

「ごめん、私も」

 

「奏星ちゃんまで!?」

 

 

アリサちゃんたちがぽかーんとしてる中、私たちはぱたぱたと荷物をまとめる。

 

少し罪悪感がある。

 

でも、放っておけない。

 

私となのはちゃんは荷物を掴み、急いで教室を飛び出した。

 

 

     ~

 

 

 夕暮れの街。

 

人気の少ない工事現場近く。

 

私たちは変身を終えて現場へ到着した。

 

 

「反応は?」

 

〈前方三百メートル〉

 

「なのはちゃん、行くよ!」

 

「うん!」

 

 

レイジングハートとカデンツァが光る。

 

 その時だった。

 

私の胸元が熱を持つ。

 

カデンツァが反応する。

 

 

〈高出力魔力反応を検知〉

 

 

ジュエルシードじゃない。

 

 

昨日感じたのと同じ。

 

 

「……来た」

 

「え?」

 

「もう一人の魔導師」

 

 

なのはちゃんが振り向いた。

 

次の瞬間。

 

金色の閃光が夕空を駆け抜ける。

 

私は思わず呟いた。

 

  

「フェイトちゃん……」

 

 

     ~

 

 

工事現場の中央で鉄骨が軋む。

 

巨大な質量が宙へ浮かび上がり、周囲の足場ごと巻き込みながら回転を始めた。

 

 

『ジュエルシードの魔力増大を確認!』

 

 

 ユーノの声が響く。

 

 

『このままでは周辺被害が発生します!』

 

「分かってる!」

 

 

なのはちゃんがレイジングハートを握る。

 

フェイトちゃんもデバイスを構えた。

 

 

「バルディッシュ」

 

〈Get Set〉

 

 

 金色の光が迸る。

 

ジュエルシードを回収する。

 

その目的だけは同じはずだった。

 

それなのに。

 

 

「待って!」

 

 

なのはちゃんが叫ぶ。

 

フェイトちゃんの動きが止まる。

 

 

「一緒に封印しよう!」

 

 

静寂。

 

 

「無理」

 

 

帰ってきた答えはあまりにも冷たいものだった。

 

 

「え……?」

 

「ジュエルシードは、私が回収する」

 

「えっと……どうして?」

 

「必要だから」

 

 

なのはちゃんが一歩前へ出る。

 

その時。

 

 

「なのはちゃん」

 

 

私はそっと声を掛けた。

 

 

「奏星ちゃん?」

 

「たぶん、今は話してくれない」

 

 

フェイトちゃんの表情を見る。

 

昨日会った時と同じ。

 

寂しい。

 

でも違う。

 

今はもっと強い。

 

焦り、使命感。

 

そして、追い詰められたような感覚。

 

 

「フェイトちゃん」

 

 

私はそんなフェイトちゃんの名前を呼ぶ。

 

 

「なに?」

 

「今私たちは争ってる場合じゃないよ」

 

「わかってる」

 

「ほんとうに?」

 

「奏星には関係ない」

 

 

返ってきたのは、明確な拒絶だった。

 

 

「……奏星は下がって」

 

「え?」

 

 

なのはちゃんが目を丸くする。

 

 

「奏星ちゃんと……知り合いなの?」

 

「あなたは?……そういうこと」

 

 

フェイトちゃんが視線を向ける。

 

 

「邪魔するなら容赦はしない」

 

「っ!?」

 

 

フェイトちゃんの威圧になのはちゃんがたじろいでしまう。

 

けれど。

 

時間は待ってはくれなかった。

 

 

ゴオォォォォォォッ!!

 

 

鉄骨が完全に暴走した。

 

巨大な塊となって空中を飛び回る。

 

周囲のコンテナや建設資材まで引き込んでいく。

 

 

『来ます!』

 

 

 ユーノ君の声。

 

 

「回避!」

 

 

私は反射的に叫んだ。

 

 次の瞬間。

 

鉄骨の塊が地面へ激突する。

 

爆発のような衝撃。

 

 

辺りには砂煙が舞い上がる。

 

 

「カデンツァ!」

 

〈了解、プロテクション展開〉

 

 

薄紫の障壁を展開し、飛来する破片を防いでいく。

 

 

「なのはちゃん!」

 

「っ、大丈夫!」

 

 

桜色の光が見える。

 

 

無事だった。

 

 

 一方、フェイトちゃんは。

 

 

「バルディッシュ」

 

〈Scythe Form〉

 

 

デバイスを金色の鎌の様な形態へ変形させていた。

 

次の瞬間、凄まじい速度で飛翔する。

 

 

「速い……」

 

 

なのはちゃんが呟く。

 

フェイトちゃんは躊躇なく一直線にジュエルシードへ向かっていく。

 

 

「なのはちゃん!私たちも行こう」

 

「うん!」

 

 

私たちも追う。

 

しかし、途中で鉄骨の塊が進路を塞いだ。

 

 

「まずい!」

 

「封印を優先するよ!」

 

 

なのはちゃんがレイジングハートを構える。

 

 

〈Shooting Mode〉

 

「シュート!!」

 

 

桜色の魔力弾が放たれる。

 

塊の一部を撃ち砕く。

 

 

「よし、道が出来た!」

 

 

飛び出した瞬間、金色の閃光と擦れ違う。

 

フェイトちゃんだった。

 

既にジュエルシードへ肉薄している。

 

フェイトちゃんは振り返らない。

 

でも、念話が繋がった。

 

 

『……奏星』

 

 

『っ、なに?』

 

 

突然の念話に少し返答が遅れてしまった私は悪くないと思う。

 

 

『次は……』

 

 

少しだけ迷うような沈黙。

 

 

『敵になるかもしれない』

 

 

その言葉を残して、フェイトちゃんはジュエルシードへ向かった。

 

私はその背中を見つめて

 

 

「私は、戦いたくないな……」

 

 

小さく呟いた。

 

誰にも届かない声。

 

 

「それでも、またお話したいんだけどな……」

 

 

夕暮れの空の向こう、金色の少女は振り返ることはなかった。

 

 

 

 

 




なのはちゃんはお初ですが奏星ちゃんは2回目というね……

対応の差になのはちゃんは泣いて良いと思う()

BADEND IFは大丈夫かい?

  • 大丈夫だ、問題ない
  • 飛ばして読む、問題ない
  • 脳がっ震えるっ!!
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