次の日の昼……。
「はぁ……」
予鈴の前に起きたはいいものの少し時間が早かった。
僕はハシゴを降り、フェンスへと近寄って周りの景色を見る。
ガチャッ!
後ろから扉を開く音がしたので振り返ると、男子生徒3人がこちらを見ていた。
“おぉ、いたいた…w”
何か3人で喋りながらこちらに近づいてくる。
この光景、何回も見たことあるな…。
これから起こるであろうことには検討がつく。
「お前が如月れんさんと仲良く話してたって言う一年だな??」
「……そうですけど」
「あーねむ…今日も屋上でサボろ」
昨日は徹夜でゲームしてたから頭がぼーっとするくらいには眠気がきている。
昼ごはんを食べて、いつも通り屋上へ向かう。
そういや昨日の後輩いるかな?
いたらちょっと気まずいんだよな…。
あとかられんくんに聞いた話だと、あの子はれんくんの中学の後輩って言ってたっけ?
中学では虐められてて、友達もいなかったから仲良くしてあげて?って言われたけど……。
そんなことを考えながら屋上のドアノブに手をかけようと思った時…。
“~~~………!!”
誰か話してる…?
扉の奥から物音がした。
そーっと開いて隙間から覗いてみる。
「…っ!?」
男子生徒3人がもう1人の男子生徒を殴ったり蹴飛ばして暴力を振るっていた。
その時……。
キーンコーンカーンコーン…!
予鈴のチャイムがなり、驚きと同時に扉を閉める。
扉の死角となっているところに隠れ、様子を伺っていると、男子生徒たちの声と共に扉が開かれる。
“ちょっとやりすぎじゃね…?”
“いや、もうれんに近づかないようちゃんと教えといた方がいいからな…w”
“確かにw”
“それにしてもあいつ、抵抗ひとつしないとかウケるんだけどw”
“あんな見た目のくせしてなw高校生デビューってやつっしょw”
“大分やったから当分起きて来れないだろうよ?アイツw”
抵抗ひとつしないって……!
階段をおりる音が遠ざかっていくことを確認し、屋上の扉を再度開く。
そこには、屋上の奥で仰向けに寝ている昨日の彼がいた……。
「ねぇ!!大丈夫!?」
私は彼に駆け寄り、状態を見る。
服は乱れ汚れており、所々に赤いところがある。
「酷い怪我……何があったの!」
こちらに視線が動き、意識はあるようで少し安心する。
「………寝返りであそこから落ちました」
「いや、そんなわけないでしょ…!!!」
この状態になっても冗談を言うこの後輩に、思わず声を荒らげてしまった。
……やっぱりこの後輩は変だ。
はぁ、結局この生活に戻るのか……。
中学の頃よりもやっぱり一つ一つの打撃が重いな。
これは、これからもちゃんと鍛えとかないと耐えられないな…。
ガチャ…!!
あ、誰か来た……って言っても、予鈴が鳴ってから来るのは昨日の人くらいでしょ…。
「ねぇ!!大丈夫!?」
その声と共に、こちらへと足音が近づいてくる。
青い空を見上げていると、その景色に割り込んでくる1つの影。
昨日ここで出会った先輩であった。
「酷い怪我……何があったの!」
「………寝返りであそこから落ちました」
「いやそんなわけないでしょ…!!!」
そりゃ、騙されないよな…。
「とりあえず、保健室行くよ…!?」
そう言って、僕の体を起こし僕の腕を肩に回して持ち上げる先輩。
ふわっと女性特有の香りがするが、すぐさま口の中の鉄の味と匂いで上書きされる。
「先輩、汚れますよ……?」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」
れん先輩が言ってたことは本当だったなぁ…と思いつつ先輩に肩を借りて保健室に向かった。
保健室に着くと、先輩は手際よく僕の怪我に処置をしてくれた。
「手際いいですね…」
「ウチよくここでもサボってて、先生がいつもやってるのを見てたから」
どこまで行ってもサボり魔らしい。
これは、この学校の先生は苦労しているんだろうな。
「はい、終わった」
「ありがとうございます」
今日は保健医の先生は出張でいないようだ。
保健医の先生って出張とかあるんだな……。
「それで、何で暴力振るわれてたの……?」
「……知ってたんですね」
「予鈴の前に音がしたからそっと覗いたら…ね。それに、アイツられんくんがどうって言ってたけど……?」
見られてたのか…。
これはごまかせないな。
「入学して間もない僕が、れん先輩と親しそうにしているのを見てあまりよく思われなかったみたいです。見た目もこんなですし……」
風貌からして印象悪い上に、、って話なんだよな。
「……れんくんから聞いたよ、君の話。中学からずっと虐められてるって」
「そうですか…」
「なんで、抵抗しないの?能力でどうにかできたりも……」
「無いんで、能力」
「えっ……」
「生まれてから一度も能力を使えた試しがありませんし…」
僕は嘘をつく。
この嘘こそ、この悪者のような強力な能力を封印する鍵なのだから。
「そうだったんだ、、ごめん」
「大丈夫です。能力がないことも、それで虐められることも……もうなんとも思ってないので」
嘘をつこうがつかまいが、僕は孤独でいることが正しい。
「でも……君はなんも悪くないじゃん」
「いや、全部僕が悪いんです。能力がない、僕が……。僕は1人でいるべきなんです」
「いやそんなことないでしょ!悪いのは虐めてくるやつらだし……それに、ウチは人間1人でいることが正しいとは思わない!!」
「いや……」
あまりの圧に、僕は気圧される。
「少なくとも、れんくんもキミを1人にしたくないって絶対思ってるはず……」
「ウチは、キミみたいな変わった子でも孤独で寂しく生きていかなきゃいけないなんて許せない……」
そう言って、うるは先輩は保健室から出ていった。
残された僕は、思わず口を閉ざす。
前にも一度、似たような言葉を言われたことがある。
“アタシは悠燈がひとりぼっちでいるのは間違ってると思うなぁ”
気づけばもう放課の時間帯となり、僕は保健室から出る。
「あっ、れん先輩……」
「悠燈、大丈夫?のせさんから聞いたよ、その怪我…」
「大丈夫です、全部かすり傷程度なので」
れん先輩がいたのだ。
全然動き回れるくらいには元気なのは間違いない。
どうやらうるは先輩から全部聞いていたらしい。
「(…嘘つき)そっか……」
眉がいつもよりやや下がっており、少ししょんぼりしているのがわかる。
「少し屋上行って来るんで待ってて下さい」
「あ、のせさんに呼ばれたの??」
「えっ?なんでうるは先輩……」
うるは先輩の名前が出て思わず動揺してしまうと同時に、嫌な予感が全身を突き抜けた感じがした。
「え、違った?のせさんも忘れ物って言って屋上の方向かってたけど…」
「うるは先輩も、、まさか……!」
僕はすぐに屋上に向かって走り
「ちょ…悠燈!?」
僕の予想が正しければ、うるは先輩は……!!
この作品を見てくれている皆様、リクエスト募集してるので、ぜひ全員コメントお願いします!!⤵
評価https://syosetu.org/?mode=rating_input&nid=427201&volume=1
感想https://syosetu.org/?mode=review&nid=427201&volume=1#review
悠燈とのお話が見てみたいぶいすぽメンバー
-
花芽すみれ
-
花芽なずな
-
小雀とと
-
一ノ瀬うるは
-
空澄セナ
-
兎咲ミミ
-
橘ひなの
-
胡桃のあ
-
英リサ
-
如月れん
-
神成きゅぴ
-
八雲べに
-
藍沢エマ
-
紫宮るな
-
猫汰つな
-
白波らむね
-
小森めと