タッ、タッ、タッ、タッ…!
「着いた……!」
僕は扉に近づき様子を伺う。
“ウチ見てたんだけどさ、あんたら恥ずかしくないの?3人がかりで抵抗もしない後輩を殴って蹴ってさ……”
うるは先輩の声だ…。
「は?何言ってんの?w」
「まだ中学出てすぐのガキがれんくんに近づこうとするから、分からせてやっただけだってのw」
「あの子は能力もない……まして抵抗の一つもしない良い子なのに、なんでそんなこと…!」
3人の男子生徒は笑い出す…。
「能力ないとかウケんなw」
「そんな奴はれんくんに近づく権利すらないわw」
「アンタら、まじで終わってんだね……」
「それで、うるはさんは何用で俺らのところに来たの?」
「悠燈が受けた痛み、アンタらにも……!」
僕は耐えられず、屋上の扉を勢いよく開く。
「ダメですうるは先輩……!!」
ニヤリと笑う男と、驚いた様子のうるは先輩が視界に入る。
「やっと来たか。それより、俺らにあいつのやられた分返すってこと?w女だからって大人しく聞いてりゃあよ…好き勝手言いやがって」
「あいつが悪いっつってんじゃん、よぉ…!」ドンッ
「いった……!」
1人の男子生徒がうるはさんを突き飛ばす。
「!?う、うるはさん……!」タッ…
僕はすぐさま駆け寄っていく。
「お前は大人しくそこで見てろ…!!」ビュンッ
ドガッ……!
「カハッ……!?」
もう1人の男子生徒がこちらに向かって手を広げたかと思うと、突然お腹を殴られたような衝撃を受ける。
あまりの衝撃に吹き飛ばされてしまった。
「あぁ〜弱ぇw能力がないとか生きてる価値ないだろ…w」
強い衝撃のせいもあるが、全身が痺れていてうまく動かせない……。
能力を使われたんだ…。
「クッ……このぉ!」ダッ
うるはさんは起き上がり、突き飛ばした男に向かって走り出し、殴りかかる。
ブンッ!!
「あっ…ぶねえなぁw」
ガシッ!
「!?触んな……!この…」
他の男がうるはさんを羽交締めにし、動きを封じる。
「ハア、ハア…!は、悠燈!?大丈夫…!!」
「れ、れん先輩…なんで」
するとれん先輩が現れ、僕の元に駆け寄ってくる。
「…!?うるーは……!」
僕が地面にうずくまり、うるはさんが羽交締めにされている光景を目の当たりにし、頭が追いつかない様子のれん先輩。
「ふざっ…けんな…!離せよクズが…!!」
「性格は悪ぃが、顔はいいからな……動けなくなるまでボコって犯してやるのもいいなぁ…!w」
「ひっ…!?」
「う、うるは先輩……!」
僕の、、せいで…。
“ウチは、キミみたいな変わった子でも孤独で寂しく生きていかなきゃいけないなんて許せない……”
あんなふうに言ってくれる人を、、
“アタシは悠燈がひとりぼっちでいるのは間違ってると思うなぁ”
「う、うるーは……っ」
優しい先輩方にこんな顔を……こんな思いをさせるために嘘をつき続けるのか、、僕は……??
僕は……
僕は………!!
「先生呼んでk……!」
僕は動こうとするれん先輩を手で制し、男3人を視界に入れる。
「やめろぉ!!」
男3人はこちらを振り向く。
来た……。
『“支配”…!!!』
僕は、、能力を使った。
男3人の動きがピタリと止まる。
「うるは先輩を、離せ……!」
ようやく動くようになった体を動かし、立ち上がってうるは先輩の元へと歩いていく。
僕の声と共に、うるは先輩を拘束していた男はパッとうるは先輩を離す。
「き、キミ……何したの??」
「後で話します」
僕は、男3人に近づき命令する。
「今までお前たちがしてきた悪事を全て、校長に自白しろ。証拠とかも全部。そしてこの学校から消えて、2度と僕や僕の周りの人に手を出すな……!」
僕がそう言うと、男3人は屋上から校内へと戻って行った。
「なにが、起きてるの…?」
そばに来ていたれん先輩も動揺が隠せないでいた。
「すいませんでした…!」
僕は2人に頭を下げる。
「僕のせいで、2人を巻き込んでしまって…」
「いや、これはウチが勝手にやったことだから…」
「あたしも特に実害は無かったし…」
「それでもこれは、僕のせいです」
今まで目を背けていたから。
能力が無いと偽り続け、自分が孤独でいることが正解だと思い込み、結果周りを巻き込んでしまった。
少なくとも2人は、僕が孤独でいることを望まなかった。
そんな2人を危険な目に合わせてしまった。
「それより、、さっきのは……?」
「僕の、能力です……」
僕は、“支配”についてとそれを使わないでいた経緯を軽く説明した。
「……嘘をついてしまって、すみません」
「相手を支配できる能力…」
「確かに、そんな能力だったらなんでも出来ちゃうね…」
支配なんて、使うだけで悪人みたいな能力だ。
「でもさ……」
「…?」
うるは先輩は話し始める。
「キミが居なかったら、ウチは今頃どうなっていたか分からない。君の能力のおかげで助けられた……」
「……!」
「だから、、ありがとう」
うるは先輩の言葉に、目と胸の奥が熱くなるのを感じる。
「キミの能力を使うことで、必ずしも悪い方向に行くとは限らないんだよ」
優しく微笑み、そう語りかけてくるうるは先輩の言葉に僕はじんわりと目頭が熱くなり、涙がこぼれる。
すると、ポンっと肩にれん先輩の手が置かれる。
「そうだよ、悠燈。悠燈の能力は人を助けられる…。誇っていいんだよ?隠す必要なんてないじゃんか」
僕は涙が溢れ出てくる。
2人の言葉に、僕は心が救われた気がする。
「ありがどう……ございます…っ!」
これは僕の孤独だった人生が、優しさと明るさ溢れる人達に照らされ、明るい未来へと変わっていく物語だ。
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評価https://syosetu.org/?mode=rating_input&nid=427201&volume=1
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